Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2016*03*28(Mon)
東京喰種 第1巻 感想
うわー!うわー!切ねぇー!胸が抉られるようだよ!あまりの残酷さに絶叫したよ!!

「自分を傷つけることすら出来ず、この世ならざる飢えに苛まれながらもその満たし方が分からない。
 でももう他にどうしろっていうんだよ」
主人公・カネキが絶望に叫ぶシーンがもう凄まじい崩壊度で、もうすんげえ衝撃でした!
なんちゅーネガティブ設定の漫画なんだ!!突っ伏したよ!!


というわけで!
デビュー第二弾はまたしてもグロ系漫画『東京喰種』です。アニメ未視聴。
描いているテーマ性が面白いので手を出したのだが
別にグロ系に目覚めた訳ではないので念のため。


『東京喰種』
週刊ヤングジャンプにて2011年41号~2014年42号まで連載。第1部全143話。
石田スイ著



とうきょうぐーると読むらしい。
東京を舞台に、人の姿をとる人肉を喰うことで生きる喰種(グール)との異生物交流物語。(交流か?)
大学生のカネキが喰種に襲われ瀕死となって、だけど直後起こった鉄骨の落下事故により偶然捕食を免れる。
しかし搬送された病院で、喰種の臓器を移植されたことで、半喰種となってしまったというところから
物語は始まる。
恐ろしい・・・。

ここでつい、臓器移植の意思確認の課題とか生命倫理とか、すげえ余計なことを考えた。
だが、そこを突っ込んではいけない。たぶん。
ってか、そこはど~でもいいのだ。


それ以来、カネキは人間でもない、喰種でもない、孤独への苦悩と新生喰種との恐怖に満ちた日々が始まる。
・・・・という物語。たぶん。

一巻では、カネキが変わってしまった自分を受け入れられないで足掻く姿と
ついに、なんとか生きていく方法を模索し始める教習所スペース・喫茶店へ向かうところまでが描かれた。


物語自体に目新しい展開はない。
まだ常に受け身で起きている状況が分からず、ただただ堕ちてしまった肉体に
精神だけが元のままと言うそのギャップに、本人がひたすら苦しむ流れである。

が、何がすごいって、その、ある日突然自分自身の本質を失ってしまった人間の
凄まじいまでの苦悩と葛藤だった。
アイディンティティの崩壊とか、そんなレベルじゃない。
更に、異形の者という非現実を、人間であるなら誰もが身に覚えのある空腹感情と合わせて描くから
読み手へ受けるダメージやリアル感がハンパない。
痛烈に自分自身の飢餓感に訴えてくるのが実に面白いアイディアだった。

とにかく読んでいると、ひたすらお腹が空いてくる漫画である。
なんか喰いたくなる・・・いや、ヒトは喰わんけど。


また、こう言っちゃ何だが、決して漫画的技巧も卓越している方とは思えなかった。
絵も所々良く分からない部分があるし
戦闘シーンなどの描写はスピード感はあるけど、どう凄いのか誤魔化されている気がするし。
キャラクターの顔もなんだか喜怒哀楽がみんな同じに見えて
しかも、一番重要である筈の主人公・カネキに、絵柄的魅力がないぞ。どういうことだ。

1巻に於いてはカネキの最大キーマンとなる友人・ヒデにも、それほど魅力ないんですよね・・・。
これは私だけかもしれないけど
ヒデにはもっと、護ってやりたい要素か、縋ってみたい要素のどちらかが付与してないと
カネキとの相関図に、なんら燃えないんですよね。(それこそ萌えもないわけで)

ビジュアルの致命的さは、割とデカイ。


女性キャラは顔は可愛いんだけど、やっぱり所々崩れている気がするし
何より、恐らくヒロインなのであろう、トーカちゃんの性格構成が中途半端。

ビルの屋上にマント羽織って登場とか、色々カッコイイ要素もあって
ぶっちゃけ主人公より好きになれそうなのに
何故彼女が、ツンツンしているのかが分からない。
いえ、分かるんですけど、その理由付けが甘い。

異なる種族である人間に「化け物」扱いされ、日影を歩いて生きてきた彼女が
昨日今日、その苦しみを知っただけで泣き叫ぶカネキに対し、イラッとくるのも分かる。
カネキがまた、異形の状態を「最悪だ」と嘆くから
カネキがその存在を嘆くこと=喰種の尊厳否定、つまりトーカの否定になるわけで
ここの相容れぬ設定がすごく重たい。

トーカの前でカネキを泣かせた展開は面白い。
言うなれば、その摩擦がこの漫画の最大のテーマになるんだとも思えるから
とても重要シーンなんですけど
読者としては、ここまでカネキ目線で物語が進められ、カネキに感情移入してて、同情している訳なので
なんか意識がチグハグだった。

臓器を移植されてから最悪だと泣くカネキの、余りの哀れさに、胸を詰まらせているのに
トーカに拒否られてもなぁ。
それに、そこまで怒るかな・・・と。
なんていうか、こんなこと、今更な訳でしょ、彼女たちにとっては。
なのに、何でそれを指摘されたからって、今ここで、カネキにこんな怒鳴りつけるのか?

その辺の説明が曖昧で、トーカの壮絶な過去とかあるんだろうなとは思わせられるものの
この時点では単なるヒス女だった。
しかもカネキは土下座までして「助けてください」って言ってんのに。
まあ、言っていることが、尊厳否定なわけで、言われる程に苦しいんだろうけども。

むしろ、カネキに彼女を傷つけた?ってことをハッとさせるような描写にして
彼女の怒りは治めていた方が、ここはどちらも追い詰められ感が出た気がする。


つまり、各キャラの性格設定も、良いんですけど、弱い印象を抱くんですよ。
確かに、徐々に見えてくるカネキもトーカちゃんも、細かなキャラ設定が繊細で
例えば、我先に幾タイプではないとか、むかついたけど、見捨てられない情深さとか。
ヒデの大雑把でアホな感じの裏で見せる鋭い視点や優しさは
ノーマルな人間としての中立的立場として、カネキの最後の一線となりそうだ。

ただ、変わってしまったことで捨てなければならない日常の象徴として
ヒデとはもっと密な関係を描いてあっても良かったくらいだと思った。

割とキャラの掘り下げが薄い漫画である。
それが、漫画としての濃度を下げているかというと、そうでもないんですけど
ただ、1巻まるまる読ませてキャラクター個人にに魅力を抱かせないっていうのは、やっぱどうなのかと・・・。



でもでもでも!
そんなキャラの薄さを補って余りあって、お釣りまできちゃうくらい凄かったのが
上記した、カネキの強いられた状態だ。
ページを割かれて濃密に描かれていて、とにかく飢えて飢えて飢えていく過程が壮絶。
その描写がものっっすごかった!!

カネキが絶望に叫ぶまでのシーンがもう違和感を覚え始める所から繊細に紡がれていって
肉体の変化への恐怖が、飢餓感を添えて描かれるこの切迫感。
それを越えて、精神的にも徐々に追い詰められていって
大体人間って、空腹だとロクなこと考えないし、思考も鈍るし。

自分にとってのチーズ、つまり人肉以外で空腹を満たされるものを探して
朦朧と彷徨い、或いは貪欲に野生動物のような浅ましさを見せる。
その辺の足掻きも、生々しくて、引き込まれる。

そんなプレッシャーというかメンタル的負荷を掛けられた状態を引っ張って引っ張って・・・・
遂に訪れた、限界の時。
号泣するクライマックスがもう凄まじい崩壊度で、もうすんげえ衝撃でした!
すげえぇぇぇ。

お腹が空いて、自分のために生きることは、誰かを殺すこと。
何気なく繰り返しているその捕食行動は、ターゲットが人間にすり替わった時に意味も変色する。

「でももう他にどうしろっていうんだよ」

人のために、自分が死ねというのか。そんな博愛に何の価値があるのか。
もう痛すぎる!!

ってゆーかもう臓器を移植されちゃってるから、元に戻すとか出来ないその時を戻せない負荷っていうのが
前回読んだ『寄生獣』より強烈だ。
孤独感も強く、どっちにも属せない寂寥感もハンパなく、上手い~とただただ感嘆。

そこから逃れる唯一の方法が
倫理的に禁忌な、人肉を喰うっていうことだけという、もう何とも絶望的なセッティング。
容赦ねえ!凄すぎる・・・!


それだけでお腹いっぱいで、多少キャラが薄くたって他は今はいいやという気にさせられた。
そういえば、ぐちゃぐちゃの死体とか、頭切断とか、腕ボトリとか、あったね・・・。
でもそんなグロ描写すら些細なことにされちゃうくらいの、凄まじい絶望感だった。

意にそぐわず変えられてしまったことって、憎悪のぶつけどころもないのって
こういうものかもしれない。
思えば臓器移植だって、誰かの悪意で与えられたものではなかった。
医者が善意で、目の前の患者として、カネキを救ってくれただけなのに
その恩恵も有り難く受け取れない自分自身への否定もあるかもしれない。


ここまで刹那的に心理描写にページを割いてくれたなら、その他の不足分なんってホントどうでも良くなる。

面白いのは、作者さんの社会を見る総合的な世界観が、孤高という人間の孤独なのだろうか。
カネキの思考回路が、ひたすら圧力を感じるもので、しかもそれを発散しないものなので
読んでいくだけでこちらも追い詰められる。
その丁寧な視点に、ノックアウト致しました。
見事でした。

感動したので、もう少し先を読み進めてみたいです。


ってか、カネキに救いはないのか・・・。
誰だってヒト食べるのは嫌に決まっている。
だが、そんなお行儀のよい貞操を護っている限り、彼は自分が死んでしまうのである。

生きるためには、相手をどこまで凌辱して良いのか。
暗く、闇に覆われた世界観ながら、何とも派手な命題を突き付けられたような気がする。
これは戦時中か。
だから、なんって設定を思い付くんだ・・・・。あぁあぁぁぁ~・・・・(バタリ)
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