Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2016*03*01(Tue)
さらば あぶない刑事 あぶない刑事シリーズ完結編 感想
存分に楽しんできましたー!!クールな中年男の魅力をふんだんに散りばめた中高年のための映画。
なんかもうノスタルジーが凄くて、映画界の、或いは演出界の時代の節目に立ち会った気分です。
この先二度とこういう映画は造られないだろうなあという寂寞に感慨無量だ。

男のカッコ良さをこういう形で描いて見せてくれて、この二人に出会えていた人生で良かったです。


『さらばあぶない刑事』2016年公開
監督/村川透 脚本/柏原寛司


1986年10月に日本テレビ系列で制作されたTVシリーズ。
2012年6月より講談社から刊行された『あぶない刑事DVDマガジン』が
累計で120万部を売り上げたことを受け、新作の制作が決定となったという逸話。

2016年時点において
同シリーズ同キャストによる刑事もの映画の作品数としては『ダイ・ハード』6本を超え世界最多記録とのこと。

長い刑事生活を終え、いよいよ定年退職を迎えるタカさんとユージの最後の五日間のお話である。


~*~*~*~

ようやく行って参りました、あぶ刑事ラスト。
オヤジの渋さがくっそたまんない映画でした。くっそカッコ良かった。

そして同時に、日本の刑事ドラマの節目が見えました。
なにしろ日本映画なのにバンバン撃ちまくる。
簡単に人が死ぬ。
車が往来で転がる。
犯人が去り際に銃乱射。
いいんか!ってかもうソコどこだよ!なレベル。

あぁ、そうだったよな~・・・一昔前の刑事ドラマって銃が必須アイテムだったよなぁ。
発砲のハードルも低くて、みんなこんな感じだったよな~。(しんみり)
見ている内にそんな思考に陥ってしまう。

犯人にも明確な犯罪に対する倫理観や葛藤、やむを得ない事情がある訳ではなく
いっそ清々しく悪事に陶酔。
その堂々たる開き直りに、もうむしろどっちが悪役なんだか分かんない。

刑事ドラマに定番の犯人の告白編とか、そこにおける社会テーマなど、このドラマには存在しない。

踊るや相棒とはやはり対角線にある世界観なのだ。
って言っても私自身、あぶ刑事はリアルタイムで見ていた派ではない世代なんですが。
昔夕方4時くらい?に再放送やってたんですよね~。
まだ幼く、小難しいこと言われても分からなかった年頃ですから
この簡単な理由なき正義と派手さとコミカルさは、気軽に楽しめた。


故に、ストーリーに深読みなど必要ない。
ただただ、二人の渋さと友情に浸っていれば良い映画であり、事実、この映画もそう作られている。

確かに時代風潮に乗り、何らかのテーマ性を持たせたり
或いは社会派問題を捕り入れて問題提起してみたりは、しようと思えば出来るかもしれない。
だが、そんなことをしてしまえば、一定の評価は受けるだろうが
やっぱりそんなのはあぶ刑事ではないのである。


その派手な世界観に合った映像演出も、ビビットカラーで奇抜だ。
ライトの色のチョイスがネオン系だよ。
横浜の夜景もブルー調が強めの鮮度を上げている感じだし、カジノは大金が飛び交っている。
弾き語りをするお洒落なバーやテラスなどで、ダンスを。
女を口説く文句まで「俺は女の過去には興味ねぇんだよ」ときた。
もうそれバブル臭すらするよ!

銃を撃つその構えとか、もう溜息が出る程決まっている。
勿論グラサンを掛けて二人並んで立つ姿のスマートさも絶品。
そんな中を、もうそこどこだよの勢いで、モラル崩壊にタカさんとユージ、銃撃戦&肉弾戦。
タカさん、ハーレー手放しショットガン。
ユージは「ミュージックスタート」と自分で言って、勿論、あのBGMであの全力疾走。

還暦オヤジなのに元気だー!
車引っくり返っても無傷で二人、軽口叩いている。

くっそぉぉぉ~/////これだよこれ~っっ、あぶ刑事の世界ってこれだったよぉぉ~っっ!!!


舘ひろしさんのバイク乗りショットガンシーンと柴田恭兵さんの疾駆シーンこそ、あぶ刑事の王道だ。
年齢を感じさせない作りで見せ場として抑えてあって
その上で
挿入歌は柴田恭兵「Running Shot」
エンディングは舘ひろし「冷たい太陽」ですよ!

EDの映像は、こうくるだろうなと思っていた通り、これまでの軌跡を振り返るショット。
泣かせてくるぜー!!
もう、なんだろ、この王道路線。ほんっとゴチソーサマですという気分にさせられる。


ダンディ鷹山とセクシー大下。
こーんな肉食系で気障な台詞を吐ける刑事など、この先も出て来まい。断言。

良い意味でも悪い意味でも、変化や成長を一切入れない、ある意味硬派な造りで
劇中、ユージが懐かしい車に向かっていう台詞「昔の恋人に出会った気分だぜ!」
それはこっちの台詞だ。

京浜東北が走る線路下は古びた屋台だし、時代がそこに凝縮されていた。
ファンサービスもここまでくると、完璧すぎてコワイ。
(でも欲が出てくるもので、アレもアレも使って欲しかったと内心思っているのは内緒である)


あまりの懐かしさとアップテンポな世界観に冒頭から気分上々でした。
セキュリティが指紋認証システムになっていたり、犯罪が危険ドラッグだったりと
旬なツールを加えているとはいえ
当時の世界観を崩さずに作品を完成させてくれたスタッフに感謝したいです。
制作側の作品への誠意を感じました。

あぁぁ~煙草がなくなっちゃったか。



そんな訳で、ストーリーを楽しみたい映画ファンにはなんじゃそりゃ?で終わる映画とも言えました。
この映画が伝えたいのは、そんな部分じゃない。
つまり、見方を間違えると、何が言いたい映画なのか迷子になる。

この作品って
当時の彼らに熱狂し、共に時代を生きた私たち誰もが思っていた
タカとユージが定年間近のオジサンの歳になった時、どうなっているのだろうか?という
とてもシンプルな願望に、丁寧に終止符を落としてくれたものであると思えた。

タカとユージの互いへの思い遣りの魅せ方が、とにかっく最高にカッコイイのだ。

中盤、定年したらどうするか?と問い合うシーンがあるが
そこでタカさんは、今の彼女・夏海とニュージーランドで暮らすと宣言する。
それを微笑ましい目で見つめながら、自分にも夢があると応えるユージ。

だけど、ここではユージは具体的なことを言わないんですよ。
いや、個人的には最後まで具体的なことは口にしなかったと解釈している。

最後、大勢のモブに囲まれ、「弾数と敵数があいませーん」となって
その時タカが
「そう言えば、お前の夢ってなんだったの?」って聞く。

「結婚して子供作って、そこの子供をダンディな刑事に育てる」って応えるんだけど
その時は、もう、タカの夢は潰えていて
その上で、答えたこの台詞は、嘘なんじゃないだろうか。

タカが叶えられなかった夢を、今現在彼女がいなくて叶えられそうもない夢をユージが語る。
俺たち、誇大夢想家だねって笑う、ユージの優しさであり
だからこそ、タカが「お前と出会えて良かったよ」の台詞に繋がった。
・・・・ように、見えました。


夏海が殺され、教会から動けないタカに、敵地に乗り込む声掛けをしに掛け込んでくるユージ。
きっと、タカが彼女の傍に居たいと思う気持ちを尊重して
何も言えないだろうなと思ったら、案の定、何も言わずに引き返す。

んもう、これが思いやりじゃなくてなんなのか。
その上で、最後がいきなり
その夏海と暮らそうとタカた行っていたニュージーランドで二人がゴルフをしてるシーン。

なんだよ、夏海の変わりにユージを連れていったのかvv

更に、タカ&ユージと書かれた探偵事務所を。

ここで二人で仕事か。
つまり、この先も二人はずっと一緒なのである。
定年しようが、還暦になろうが、二人を繋ぐ刑事人生は、刑事辞めたって、それだけじゃない繋がりと絆を齎していた。
だからこそ、相棒だった。

もうさいっこーのラストじゃないだろうか。


中盤でもお互いの領域は大切にしつつ、唯一踏み込むことを許しているような台詞が随所にあって
例えば、デートの最中ユージがお邪魔することに気を悪くしないタカとか
うどん捏ねてるだの、蕎麦打てるだの、なんでそこまで知ってんの、そりゃずっと一緒にいたからな、みたいな。

特に還暦という老化や劣化を意識させるシーンなんかはないのですが
こういう馴染みの時間の長さが二人の仲の濃さを言葉でなく伝えていて
センス良かったです。

つまりこの映画って、本当に当時のコアなファン向けのファン感謝祭なのだと思った。



内容的には、ストーリーも展開が早くて、間のとり方も絶妙で、飽きさせることはない。
変に捻った悪役とか隠れたボスキャラが出てくるわけではなく
シンプルな構図は、派手な世界観の中にあって非常にアクがない。

ラスボスである、中南米の極悪犯罪組織幹部キョウイチ・ガルシア役の吉川晃司さんが
敵役の怖さと強さを兼ね備えた、無難なオーラで、このあぶ刑事世界に浮いていないのが凄い。

「イッツ・ショータイム」というユージの合図で
正に、「やるなら一気にね、一気に」のままに、縺れ込んだ工場地帯で
ようやく合流するタカとのクライマックスも、お決まりの流れでニヤリとさせられる。

そして、なんでだよっ!って突っ込みを入れたい、タカとガルシアさんのバイクに乗っての一騎打ち。

手で、クイクイと煽って、その挑発に乗るとか
今どき、有り得ないっしょ。
そのヤクザで堅気な世界観が、男の世界を存分に煽っているのだ。

その擦れた、かつての黄金期に、善悪どちらも生きるその世界観こそが
男のバカな生き様といいますか、今の時代が無くした熱さであって
そこに人はノスタルジーと共に、時代の終幕を見るのだろう。



そして、二人でそれぞれ二人のメインキャラを倒した後は、雑魚に囲まれて大ピンチという流れ。

恐らく相手の銃を奪いつつ、勝利というお決まりの流れだと分かるんですけど
だったらここで、その派手なシーンを何らかの方法で見せてくれればいいのに
ここでまさかの暗転。

こんな止め方するのかよ。

いや、タカとユージが一緒に修羅場で後で逢おう、と突っ込んだからには
もう、描きたい部分は終わった訳で、確かに惰性でダラダラとまだバイオレンスを続けるのかとも思うけど
いやでも、他に何かあっただろうとは思う。やり方。

か~ら~の~、ニュージーランドです。

描きたいのは、ヒーローじゃなくて、ましてや英雄ではなくて
ちょっと悪ぶった刑事の定年なのだ。
その意図が、あざといほど明確だ。
気持ちの良いのほほんとしたショットで、気分もほんわかでした。


まあ、中南米マフィアの一人が暴力団事務所に乗り込んで全員制圧とか
必要性が不透明だし
重要物保管庫に保管されているのを、数人のマフィアの銃器の襲撃で奪われてしまうわ
挙句、銃でぶち壊すのかも、報復としてはアリでも、今のご時世では、低知能。

突っ込み所は多々あれど、二人が一緒ならそれでいいか~~~~と思わせられる。



その他の気になった点。

カオルの存在。
彼女のキャラクターはあぶ刑事の斬新なビビット感の片側だった。
このぶっとんだキャラが味だったんだ。
でも、ここまでではなかったよな昔は、というのが正直な印象。

確かに彼女もオバサンになり、今回はコスプレを披露するから
終わってみて冷静に思い返すとかなり痛々しい。

でも、それを本編中に痛々しいと感じてしまった時点で、確かにそのひとはあぶ刑事世代ではない。

彼女が奇抜なファッションで、ちょっと突飛な言動することをスル―する環境が
タカ&ユージの型破りな言動やちょっと行き過ぎたモラル感を、相殺していると考えられる。
いわば、カオルが緩衝材なんですよね。

現在の新規ファンなんか、求めていないことが分かる。


しかし、カオルが変だと思うのは、タカとユージ目線であるのが元来の姿であって
変わり者のタカとユージに物怖じしなく
むしろアウトローに煙たがれる彼らに警戒心なく近付くから「変」なのであって
そんなタカとユージを温かく取り巻く環境であった港署が「変」なのであって
我々一般目線に、彼女自身の資質を変と感じさせてしまっては、目的が違うだろう。

ラストに、彼女に結婚を申し込ませるオチに繋げるのだとしても
それをギャグで落としたいのだとしても
少し、もう少し、なんとかならなかったんだろうか。最後なんですし。


教会で涙にくれるタカに、ハッパを掛けにさっそうとヒールを鳴らすカオル。

「一人で行っちゃったわよ」
「・・・・」
「へぇ、行かないんだ」

そうそう、こういうのが、彼女の役割であり、これぞ、彼女の仕事だったでしょう・・・・。
もっと、そういうシーンを見たかったです。



重要キャラといえば、トオルくんだ。
この仲村トオルさんの贅沢な使い方!!
浅野温子さんもベテラン俳優さんですが、チョイ役で見せどころもない、この使い方は
当時の名残というか、当時の駆け出しの頃を思わせるわけで。
こんな大御所さんがこのトオルくん役をやっているという、この不思議な感じ。
たまらん・・・。

成長したよなぁ。色んな意味で。

呼びだされたり、一緒になって馬鹿やるとかはなかったですけど
「女紹介する」
「何年それで騙せると思ってるんですか!」
不覚にもこのやり取りに吹いたよ。

そしてラスト。壁に目を反らしながら、銃弾と車を提供。
いい仲間じゃん!
ひたすら無事に定年退職の日を願っている姿も、良かったです。微笑ましいったら。



※あぶない刑事が最後の映画化と聞いてテンションが壊れた記事がコチラ
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