Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2016*02*15(Mon)
逃げる女 最終回 感想
人が人を想うシンプルな愛情が見えて綺麗な物語に締まって終わりました。
孤独から始まり孤独に終わるラストは人間の一生を凝縮してもいるようで、目を反らせなかったです。
でも残念なのが、最後は美緒の物語にシフトしてしまっていたこと。
プロットがブレるとクライマックスの盛り上がりも欠けるものですよね。


物語構造は、面白い造りで、その辺はとても好感が持てました。

結局、刑務所なんかを出てくると、未知の世界を知りすぎて、世間を悟ってしまったかのように思われがちだが
思うより無知だった梨江子が、外にでて、突き離された社会の裏側を見ることで
美緒の苦しみに融合していく物語になっていく流れは
梨江子の孤独を一緒に感じながら、その痛みを美緒へとスライドさせていっていて
それを踏まえた、終盤に明かされた美緒の壮絶な過去が
梨江子の孤独を補足として、見事に昇華されてました。

それまでの美緒の奇抜な行動全てを証明してしまうだけのインパクトがあって
なのに、違和感とか無理矢理感とかなくて、凄かったです。

1話で、同じ服を着せていたのも
二人が徐々に心の共有を見出していくオチを仄かに匂わせていたのも、今思えばユニークな伏線だ。


となると、梨江子は視聴者を乖離的な美緒へと繋げるナビゲーターだったという訳で
疑問なのは
梨江子視点で、梨江子の社会に対する恨みも妬みも混在するような描き方をし
何故、梨江子の物語としての形をとってきたのか。
梨江子の物語でないのなら、彼女の孤独を辿る流れではなくて良い筈だ。

具体的に言うと
梨江子側の冤罪に対する謎なんかは、こんなに引っ張らなくても良かった訳だし
あづみに何があったのか?という謎は
まるでその謎が解明された暁には、梨江子が本当の幸せになれる=事件が終わる・・・
みたいな印象を持たせていましたよね?

そんなのお前の主観だろ、とか言われちゃうと、返す言葉もないですが。
つまり美緒の物語であり、美緒の抱える闇を、梨江子の人生を通して描いたドラマだったと捉えられる。

ああ、だから梨江子のみに視聴者の視点が向かないよう、ナレーションが佐久間だったということか?


・・・にしたって、ドラマの中心が、あの事件とあの裁判にあるような造りだったから
ラストで、梨江子に特に物理的な開放が齎せられない結末は
ちょっと軸がぶれてしまった印象を持ってしまった。

あの浜辺で、またあの大人っぽいカフェの女主人と再会させる意味。
また同じ所に戻ってくる。
正に人生のようである。


「これからどうするの」
「分かりません」
「私も分からないわ」

私も同じだよって言っている台詞のようで、もう、梨江子の中の同調って
美緒と交わしたあの鮮烈な方が濃いに決まっている。

結局どこにも進めず、またみんな失って立つ浜辺。
だけどあの時とは心理的にはまるで違う訳だ。寂寥感は同じであっても。

何なんだろう、この感覚。
とても繊細な描写で、台詞なども入れずに、ただ女主人が去っていくラストは
また一人残される梨江子を強調していて、抒情的でした。


けど、梨江子の物語としたら、特に何かの解決が得られた訳ではないんですよね。
何の成長も見えないラスト。
だから、中途半端に映ってしまう。
こんなにも素晴らしいものを描き切ったのに。

だからそれは、最初の導入角度が不味かった訳で。


刑事の佐久間がラスト救う線も、ちょっとこじつけを感じた。
佐久間をようやく信じる気になった・・・と思ったんですけど
それは違いますよね。
その直前、梨江子はあのあづみの知り合いの女性を通して、警察へ連絡を入れている。
これは佐久間へ通じることを念頭に置いた行為であって
この時点で、佐久間のことは最初からまるっきり信じてないとか、そんな訳じゃないことが伺える。

となると、死に掛けた佐久間が必死に護ろうとしたものって、何だったんだろうと、ちょっと虚しい。


佐久間の立ち位置も、結局宙ぶらりん。
扉を開けた途端に、美緒に銃で撃たれるとか、なにそれーっっ!!!
・・・ってびっくりはして、かなり衝撃的でしたけど
別に梨江子を庇って撃たれた訳じゃないし、証言するために生きなきゃ・・というのも
どうにも浮いている気がする。

いや、良かったけどさ・・・。

佐久間の独り相撲に見えなくもない。


警察の「何故人は罪を犯すか?」と繰り返し述べられていたテーマは、もっと宙ぶらりん。
梨江子が白か黒かという素材を追っていた頃は、まだ整合性もあったんですけど。

美緒が罪を犯す理由と、美緒が最後に見つけた答え(と思われるもの)は
絶対ここのテーマとは無関係な気がするよ・・・。



全てに見放された梨江子。
信じる者も、信じられるものも失い、家族も失くして、帰る場所もなく
だけど失わない美緒に、何らかの感情が芽生えていく。

それを美緒視点で見ると、また違った角度になるところが、このドラマの奥深さであるのですが
とにかく、梨江子と美緒の、魂をぶつけ合うような獣のようなぶつかり合いは
壮絶でした。

人って、感情が高ぶりすぎると、あんな風に理知的な話術なんて吹っ飛んでしまうものですよね。
殴り合い、掴み合い、泥だらけになって詰り合い。
大人になるにつれ学ぶ社会的繋がりは、それこそ冤罪などと同じ法的ルールと規範の世界だ。
だけど、人が人と繋がるって、そういうことじゃないでしょとドラマは言っているようにも受け取った。
もっと原始的で、暴言吐こうが、殴ろうが、それでも繋がっていくもの。
むしろそうやって、繋がりを作っていくもの。
そんな形もあるんだよって、思いました。


それでも、「どこにも行かないよ」と抱き締める梨江子。
服を掴んで、「おねえさんが、いなくなっちゃったかと思った」と無垢な寂しさを訴える美緒。

言葉じゃないし、理屈じゃない。
人が人を求めるものって、本当はこういう擦り切れるようなものなんじゃないだろうかとか思う。
なんかもう胸が詰まってしまった。


女二人旅のフィナーレ。
梨江子は美緒に内緒で警察に連絡を入れる。
だけど、美緒の口から、もう「自分を売ったのか、とか、、裏切ったのか、とか
そういう言葉は出て来なかった。

「おねぇさん、嘘吐くの下手だね・・・」
「人の嫌がることをするの、あたしも上手くなったでしょ」

母親の話題が禁句だと分かってて、母親の話をする梨江子。

「何でお母さんの話なんかするんだよ!」
「それがあなたの一番嫌な話題だからよ!」


そんな非常な応酬がピュアな愛に満ちているだなんて、信じられるか?
それは逆に、そんな純愛され美緒には与えられなかったという逆説にもなる。
素晴らしいよ、もう。


「お母さんの話をしてあげるね」

そう言って話た美緒の話は、梨江子と一緒に過ごした日々の思い出で
美緒なりにお別れを言っているのが分かって、泣けてくる。
うわあぁぁぁぁ・・・・・。

こんな旅が、愛情を知らなかった少女が初めて知った人の温もりなのかと思うと、言葉も無い。

だからきっと、警察への通報も、梨江子の愛情だと美緒には通じるんだろうな。
自分を止めてくれたと思ったかもしれない。

「おねぇさん、一緒に死刑になろうね」


きっと、梨江子は美緒を待つんだろうなとか、思います。
女将がもう、誘い文句を述べないで背中を向けたカットが、梨江子の半身をもがれた様子と
美緒への慣れが見えた気がしました。

そう考えると、同じ孤独であっても、梨江子はもう寂しくはないのかもしれない。


でもそういう梨江子サイドの詳細なシーンはもうなくて
美緒との強烈な別れだけが印象付けられていて、梨江子の本音もまた、想像の範囲でしかない造りだ。
この二人の主観的な視点を一切省いた構成だから、余計想像の域になっている。

それが製作側の狙いだとしても、明確に問い掛けていた前半に比べて
随分と突き放したエンディングであるように見えた。


ただ、それを覗いた、女二人の繋がりを描いた部分はもう秀逸レベルで、感動ものでした。

この辺のシーンの素晴らしさは、台詞の少なさも勿論なんですが
二人の役者さんがもう、最高でした。
梨江子役の水野美紀さんの、突き放しつつキツくない口調とか
美緒役の仲里依沙さんの、何かが憑依しているかのような狂気の中の寂しさとか
可愛くって可愛くって。

暫く、「おねぇさん」って舌っ足らずで甘えたな口ぶり、忘れられそうもないです。


人の孤独を描きながら、人が人と関わる、獣のような部分を見事に切り取ったドラマだと思いました。
その部分を隠すため、序盤は梨江子の寂しさだけに特化した描き方は
社会の孤独をも描きだしていて、とても分かり易かったですけど
ラストにシフトする美緒の孤独が、真実の衝撃だけで印象付けていて、乱暴だったと言えなくもない。

もう少し美緒の描写も多かったら、もっと圧倒されていた気がします。
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