Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
05≪ 2017| 12345678910111213141516171819202122232425262728293006/ ≫07
2016*01*20(Wed)
ドラマ検事の死命 感想
テレ朝があんまりにも意味深にラストのどんでん返しを煽るから結構期待値上げて観てました・・・。
確かにラストには思わぬ事実が詰め込まれてきましたけど
事件絡みじゃないのかよ!!
顔まで映っている証拠まで出せるんなら、被害者の虚偽証言などもう何の影響性もないのでは・・・。

ある意味衝撃的な結末でした・・。


『検事の死命』
柚月裕子の推理小説
監督/池澤辰也 脚本/酒井雅秋



やめ検・佐方貞人の検事時代を描くドラマ。
やめ検事になってからの話をドラマ化した第一弾の一年ぶりの続編です。
ということで非常に楽しみにしておりました。

上川さんが渋かった!!
そして、前半まではすっごく重厚な構成で
冤罪を取り巻く環境の過酷さと
瑞々しい若者を取り巻く厳しさと
大人社会の柵をリンクさせた流れは、中々に深く、面白かったです。

法廷好きとしては、公判の尺を長く取ってくれたのも、評価ポイント。
もっと、シビアにやり合う感じでも良かったくらいだ。
というか、リーガル・ドラマならば、正に公判に於ける弁護側との主張の対立が最大の見所なのに
その辺をの味をもっと濃くしてくれても、文句は出ないと思う。

とにかく、前回の『最後の証人』が素晴らし過ぎて目玉飛び出たので
今回も、人の想いの行き違いのドラマが待ち受けているのではないかと、非常に期待しすぎました。


今回のドラマの最大の功労賞は、役者陣だ。
佐方貞人役に上川隆也さん、検察事務次官・増田陽子役に志田未来さん。

ほぼ上川さんが持っていくドラマである。
とにかく志田未来さんがやかましいし、ウザイ。
前の時も思いましたけど、いまどき、こんな頭の悪そうな女いねーぞ。

ちょっと空気読めない声の高さ等、慣れるまで鼻に付く演技が多い。
これ、彼女の可愛さがなかったら、フラストレーション溜まる系である。

ところが今回は、見ていくうちに慣れもあるのか、そのオーバーさや甲高さが、意味あることだと気付く。

彼女がテンション上げて必要以上に興奮することで
その後に喋る上川さんの少し緩めの台詞回しをより強調しているんですよね。
低いテンションをより低く見せ、おっとりした貫禄をより渋く見せ
動じない性格を更にどっしりとした実力派に錯覚させる。

前回は佐方の偏屈キャラを紹介するための技巧なのかと思い
失敗してるなと失笑したものですが、そうじゃない。これは声の抑揚の差で対比させているんだ。


今回は監督さんも脚本家さんも前回とは変わっているせいか
彼女のシーンが少ないのも幸いした。
イラッとする台詞は健在だが、彼女をアピールするような意味の無いシーンはなく
ひたすら佐方視点で物語は進む。
二人一緒のシーンが多く、だからこそ、そう思えたのかもしれない。

二人の明暗の落差が激しくて、その凸凹さが鮮やかな根幹となってドラマを形作っているのが
今回は印象的でした。


でも滑舌が悪いわけではないですし、脇もしっかりと固めてある役者陣で
全体的なバランスは良く取れていると基本良作のドラマだと思っています。


もう一人、目覚ましかったのが、今回のお話の主役である女子高生だ。

今回の話の肝となる、痴漢にあった女子高生役の竹富聖花ちゃんが何気に頭角ある演技で
彼女の演技力でなんとかドラマのストーリーの方も持ちこたえたという感じである。
これ、棒読みの女子高生役者だったら、最悪でした。
更にドラマが軽薄なものになっていたと思う。

ラストも、彼女の素性がクライマックスとなるのですが
それが、ストーリーの根幹の痴漢事件とは話として無関係な訳で
だからそこに頂点を持ってくるのは脚本として可笑しい訳ですが
彼女がこの役者さんだったから、まあ、嫌な気持ちにならずに済んだし、見ていられた。


そして、ここのドラマティックな泣かせ(?)シーンを土台に、さあ、いざクライマックス・・・!と持って来れたら
最高だったのに。
残念ながら、今回は役者パワーだけで押し切ったドラマであった。




米崎地方検察庁検事・佐方貞人の元に
満員電車内で女子高生・玲奈に痴漢だと騒がれた男・本多弘敏が送致されてきた。
本多は犯行を否認。
加えて、駅のホームで玲奈から30万出したら許してやると恐喝されたと証言。

玲奈からも事情を聞くが「恐喝なんかしていない」と言う。
両者の主張は平行線を辿る。

佐方は本多の余罪を探し出し、更にレンタルビデオ店の履歴から
彼が痴漢行為に欲情する性的嗜好の持ち主だと判断、起訴することにする。

ところが本多は名門女子高教師というエリートで、しかも米崎に代々続く名家に婿入りした身。
義母の篤子は地元の経済界の大物。
篤子と、篤子に依頼を受けた衆議院議員の大河内定和より送検に圧力がかかる。

たかが条例違反程度の犯罪でこれ以上騒ぎ、敵に回せば検察社会で生きていけなくなると脅されるが
しかし、ここで屈したら検事として死んだも同然と考え
佐方は、“検事の死命”をかけて起訴に持ち込む。
・・・・というお話。


冤罪だと泣きつく本多を見た時は、どうやって立証するのかと興味を抱いたものだが
ドラマは冒頭直ぐに、二人の平行線の証言を均一に描き、本当にどっちが真実なのかを不透明にする。
事は本当にイーブンに持ち込まれ、本当に実はシロなんじゃと最初は思わされた。
痴漢に間違われ起訴された人が有罪になる確率は90%以上と聞く。
この不利な状況を覆す物語になっていくのかなと。

まあ、そんな訳は無いんですが。

女子高生に不利な援交経験まで出てきて、容疑者はエリート教師ということで
逆に、シロであることが容易な大勢に仕向けられていく流れ。
圧力まで掛けられ、その逆転の状況を視聴者に整理させる周到な脚本。
「たとえ起訴できたとしても社会的信用という視点から本多が有利なのは明白だ」

そういう設定をされたら、当然、それこそ法廷でどう黒を立証させるかを楽しみにさせる。


確かに、ドラマは冤罪なのか?恐喝なのか?というギリギリの攻防戦で曖昧に進むし
本多を援護する弁護側の証人まで出てきたり
本多の過去の余罪について、証言する検察側の証人が意見を覆したり
事態は困窮していくのですが・・・・・なーんか漂うこのチープ感は何なんだろう・・・・。

弁護側の証人が、仕込まれたサクラだというのはともかく
あっさり裏切った検察側証人の女を、そのまま放置とか、どこか詰めが甘い。
対する弁護士も、後ろ盾だけに頼った実力不足のイメージが強く
強敵という印象が弱い。

その上、ドラマは、被害者の女子高生・玲奈の心理的ドラマへとスライドしていく。


・・・・・まあ、それでも良いのですが
だったら、最初は痴漢されたと言えずに「痴漢はなかった」と嘘を吐いて、頑なに事件を否認していて
そんな彼女が、最後に「自分のための嘘は駄目だけど、人のための嘘はいい」って涙するなら
まだ一貫性があったし
佐方の頑固な精神が、お手本となって際立ったドラマになったと思われる。

なのに、最初はこの玲奈、強気に自分から痴漢を告発して
しかも、途中で意見を覆し、やっぱり大人は信じられないと、諦める・・・。

その理由は彼女の学生生活でのイジメにあることが、ラストに分かる訳ですが
法廷ではなく、その彼女の本音を、ドラマのクライマックスにしちゃっているので
肩透かし感が残るのだ。

彼女のブレた態度が、そのクライマックスに水を差し、彼女の心理的抑圧があまり鮮明ではない。
何かに一生懸命なんだろうな、とは感じるが
それが、嘘を吐くこと、だったとしても不思議はなくて、行動に主軸がなければカタルシスは半減するのは
当然のことだ。


検事の死命を賭けて、ここに立つ、佐方の覚悟と対比させ、何らかの相乗効果があるのかと思いきや
そういう流れではないのか。
折角の敷かれた、検事と女子高生とエリートという布石が、みんな台無しになった気がする。


しかも、そのドラマティックな告白を法廷で延々とやらせるって、それもどうなのか。
弁護士がもっと口挟んで良かったのでは。
熱い激論がないだけに、弁護士の資質も低く感じ、熱く戦った感さえ希薄である。


その裁判自体も、結末は簡単に綺麗な決着を見せる。
弁護側が用意したサクラの証人が痴漢サイト友達だった!!・・・て。・・・・・ここ、ある意味、爆笑。

『満員電車愛好フォーラム!!』
なんちゅー露骨なネーミングw 馬鹿だww


それら事実の中に、本多が痴漢している所を撮影している動画まであって
何ともお粗末。
そのくらい、始末させとくべきでしょう。


この決定的証拠を使用するため、「痴漢騒ぎも嘘でした」と、友人を庇って意見を覆す玲奈を説得し
玲奈の過去が暴かれていくシーンは
確かに彼女が口を閉ざしただけの説得力は感じられるのだが
だが、アイディア性がなく平凡。

友人を庇う必死さが、「嘘」であるなら、最初から悲痛なまでに嘘を貫かせていたら
ここにきて、更に「嘘」を積み重ねる玲奈に、多少の同情は見えた筈だ。

もう、正直この辺の画面の緊迫感は、玲奈役の雰囲気や演技でなんとか持ったと言う感じである。

折角、友人の家庭内暴力など、コアなネタが積まれてもいたし
その友人が、弁護側証人を怪我させるという稚拙な伏線もあったのに
それらは所詮、玲奈が信用に値しない人間であるかもしれないという疑惑を
視聴者に与えるためだけのネタで終わったのが勿体ないし、脚本的な煮詰めの甘さを感じさせる。
その辺を活用した劇的結末を用意して欲しかったです。


ラスト。
実刑判決で 懲役6ヶ月。
量刑が重いのは常習性と証拠隠滅など悪質性 と、何より否認が理由だろう。
まあ、いいんじゃないだろうか。

事実を認めれれば執行猶予付いたり、示談に持ち込めば大金を払えただろうに
エリートという家柄のバックボーンが、認めることも許さなかった末路は
逆に過酷な結末を齎した。

そういう捻りもオイシイのに、それが活かせていないんだから、勿体ない。

それに同情するだけのキャラだったら、多少は切なくなったかもしれないのに
この本多は割と下衆っぽいかんじで、エリートを鼻にかけていたので、そういう感傷も湧き難い。
キャラ設定にも凝っていない感じで、空回りした嫌いは拭えないだろう。


同期の松下由樹さん演じる庄司真生だけが、佐方の謎の暗号文字を解読出来ちゃうとか
多少、ファンにはニヤリとさせられるシーンはあるものの
このドラマ自体がそもそも、登場人物に強く感情移入させるタイプではないので
そういうところはあっさりめ。


・・・・・・・ってことは、つまりどこをメインディッシュにしたかったか、あんまり分からないまま終わってしまった
・・・という残念な脚本でした。
ブレたのが痛いですね。

でも素材は良いですし、雰囲気なども良い世界観で、私は気に入っています。
時々挟まれた空の印象とか、綺麗でした。
もっとプロットの時点でしっかりと軸を定めていたら、面白くなっていたかもしれません。
次回があるなら、まだ期待したいドラマです。
関連記事
スポンサーサイト
[ SPドラマ ] CM0. TB0 . TOP ▲
COMMENT
コメントする














秘密にする?

    
この記事のトラックバックURL
http://mokumoku254.blog.fc2.com/tb.php/964-c54b6ea3
trackback