Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと漫画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2016*01*12(Tue)
逃げる女 第1話 感想
別な意味で面白かったです!サスペンス風の展開に今後が気になってしょうがない!
追い詰めるための構成が巧みで、繊細でした。それにじっとりとした重さ。

冤罪ということで、少しでもリーガルネタを絡ませたら私の触手が動かない筈も無く
当然見てみました。
そしたら、冤罪という法的な意味はあまり関係なく、そっちの方でびっくりもする構成だ。

意外ではありましたが、それはそれ。これはこれで面白そうである。
ロードムービーのようなRPGのような、プレイヤーと共にアイテム探して旅する系?で
抒情的に綴られる敗者の廃れ感が、すごく良く出たドラマだった。



物語は、主人公の梨江子が冤罪が晴れて刑務所を出所した所からスタート。
そこで、冤罪の過酷さが、そのまま梨江子の激情の根源となるため
かなり衝撃的に冤罪を取り巻く事情が描かれる。

これ、どこまでが現実なんだろうか。
とにかく、物語は梨江子の激情を説得付けるため、視聴者のフラストレーションをこれでもかと高めていく。


出所した梨江子に近隣住民やなど周囲の反応は冷ややかだ。
冤罪が確定しても、グレーという認識か。
あれ、もしかして再審請求が認められたとか、そういう設定でしたっけ?(ちょっと忘れた)


だが、普通支援者がいるだろう。
迎えに来たり、労ったり、今後の生活の世話をしたり。
ケアが全然なっていないことにまず、愕然とさせられ、周りが動かないことに、苛々が募る。
しかしそういう部分は一切ないことは、彼女の過酷さを裏付ける。


一人放浪するための資金として、彼女には持ち金があるが
それが8年間服役して、24万円。
安すぎじゃね?

基本的労働条件が合ってない気がするんだが。


8年過ぎて、実家が更地っていうのも、変なんだけど
普通、直ぐ買い手がつくよね。
とにかく実家がある筈の土地には家もなく、夜逃げするように両親は蒸発したとの情報。

・・・・服役したから家族の縁切られちゃったのだろうか。
或いは、その土地に住めなくなったとも言える。
8年もの間、面会にも来て貰えなかったのか。

でも、それが犯罪の齎した現実である。
そういう辛辣な現実を静かに見せ付ける流れが鋭く的確だ。
彼女の罪という意味ではなく、罪の齎す現実というか
そういうものを強く意識させた。

加害者一族に世間の目は冷たく、本人だけでなく、家族も追い詰められる。
それを、梨江子が目の当たりにするワンカットは、更地だっただけに
確かにインパクト強い。



梨江子は努めていた養護施設で、児童を殺したという罪を着せられた訳だが
その殺された子供の叔母が、商店街の真ん中で梨江子を暴行せんばかりに罵る。
・・・ああまあ、これはありそう。

被害者遺族としては、何年経ったってやり場のない怒りがそのまま蓄積している。
間違いだったからといって、そう簡単にハイそうですかと切り替えられるとは思えない。


しかし、このネタもイラッとさせられるよう、スライドされる。
それが、彼女を追い詰めた、そして今、贖罪で付き纏う、刑事の佐久間の存在だ。

そもそもこの物語は、冒頭、この佐久間の沈痛な声のナレーションから入る。

単なる議事進行役ではなく
彼の、罪の告白という視点での、ナレーションだ。

だから、彼の犯した行為の重さと、それに伴う8年という月日の長さが
より梨江子の背負わされたものの過酷さを浮き彫りにするんだが
その佐久間。

何故か、後悔している割に、未だ、梨江子をシロと見てないのか、確証が持てないのか・・・(怒)
とにかく、ヘタレ。
ボソボソと低い鬱った声で悟ったようなことを言いながらも
この罵倒してきた被害者家族に、梨江子は冤罪だったという一言さえ言えない。

いや、刑事の立場では、現時点で言うのは憚られるってんなら、分かる。

だが、この被害者の叔母がしたことは
公衆の面前で罵倒し、名誉棄損に相当することを大声で叫び、己の鬱憤をぶつけただけに過ぎず
果ては、その写真をネットに公開し、「殺したといった」と侮辱する発言をした。

その行為もまた、社会的に罪であり、刑事なら、それを咎める反論、主張のすり替えくらい
して欲しいものである。


そういう、一見味方に見える人間が頼りなく、しかも、肝心の所で役に立たない。

そういうフラストレーションが的確にこちらの負荷を煽り
心理的には見事にスタッフの思うままである。
梨江子の取り巻く環境の過酷さだけでなく、何となく、個人的な回想まで引き出し
そういえば、社会ってこういう側面あるよね、
誰も分かってくれないし、自分が特に悪くなくても、制裁は辛辣だったり無情だったり・・・みたいな。


それを、梨江子の自己尊厳を否定するような言葉で
淡々と積み重ねられていく。
冤罪は、罪の濡れ衣ということや、社会生活の喪失ということだけでなく
本人の尊厳をも破壊していくのだという、極めて重たいものが
台詞なく描かれていく様は、実に見事だ。

そういう、微に入り際に入り、さり気ないネタでじわじわと主人公を追い詰める演出が
べらぼうに上手くて、見終わった瞬間感動すらしてしまった。


更に更に。
そもそも冤罪が起きたのは、当然警察の不始末である。
警察の捜査ミスなのに、その担当刑事が役にも立たないって、それだけでむかつきは募る。
そもそも、状況証拠と自供だけで立件したのか。って、それ、すげぇ昭和臭。

その梨江子の怒りを越えた侮辱や自己否定感を
主人公役の水野美紀さんに、ほとんど台詞を言わせず、しかめっ面だけで、前シーン乗り切らせる構成だ。

それも凄い。

だからこそ、梨江子の抱く感情が怒りを越えた激情であることを
言葉にしたら途端に平たくなるそのとてつもない爆弾のようなものを
視聴者にイメージで訴える。

想像だから、それは如何様にも膨れ上がった。

そうやって、余計な物はカットし、ひたすら無情に追い詰めて追い詰めて
そのまま1話を終わらせたその徹底ぶりは、ちょっと圧倒的ですらあり、見応えがあった。


ただ、ならば、何故、ナレーションをその刑事にさせるのか?
物語はとにかく梨江子への甚大なる負荷で構成され、冤罪というタイトルが、それに拍車を掛ける。
つまり、視聴者は誰もが梨江子への同情的視点で見ているにも関わらず
ドラマとしての視点は、共感を感じ得ない刑事ということになる。

さっき言ったように、この刑事はフラストレーションを高めるヘタレだ。
あえてその刑事に心境を淡々と重ねられても、共感どころか同情すら、感じてはこない。
なのに、その刑事に委ねられた構成であるということが
奇妙な拒絶感というか、一定の鎮静化を、こちらに促した。

このドラマ、どういう心理共感を得たいと思っているのか。

ただ、梨江子寄りの表現方法を取ってしまうと、ドラマ自体の俯瞰視点が失われるのは、理解出来る。
冤罪はそもそも一方的な偏向的側面があるものだから
彼女自身にナレーションさせるわけにはいかないだろう。

ということは、他にいないか・・・。



水野美紀さんが、寡黙な演技で好演している。
この女優さんは喋らせたら可愛いのに、終始不貞腐れ、怒った表情。
しかも、状況に打ちひしがれ哀しむか弱い女じゃない。
新たな境地だ・・・。

黙々と髪切るシーンは鬼気迫る何かが感じられたし、鎖骨の美しさに目を奪われた。

何を考えているのか、分からないし、何に堪えているのかも、分からない。
なるほどね~と言った感じでした。

それはもしかしたら、清廉潔白な彼女にも何らかの秘密の暴露とか有り得そうで
それが裏切りの根拠なのかなとか、妄想は広がる・・・。


ただその反面、主人公感情が抱いているものが何なのかも暈してあるということは
結局何をしたいのか、何を思っているのか
結局のところ、よく分からなくて、物語としてぼやんと終わった印象は否めない。

更に、物語が冤罪と言いつつ、どう冤罪なのかが、ミステリー風に隠され
最大の決め手となったっぽい証言で何故証人のあずみが偽証したのか?
とどのつまり、それを明らかにする物語っぽいので、そもそも主軸が良く見えない。

ってか、もう、冤罪は下地であってテーマじゃねぇなと。

更にそこに、美緒というヤバげな女が面倒なことに梨江子を巻き込みそうで
何?結局、人生に一度失敗した者は、とことんレールから外れる運命だって馬鹿にしてんのか?


しかし、第1話に於けるプロット的な迷走感は、私は好きな方なので
今後への期待が高まっただけである。
しっかりと組みこまれた多角的な構成は、技術力の高さを感じた。
1話ではっきりしないのは嫌いな人は、まんまとイラっとして終わったかもしれないが。


そんな様々な角度が詰め込まれた第1話。
私的には満足です。次回も見ようと思います。

また、映像が美しいのも目を惹きました。
悲愴感漂う梨江子の心情を表現するかのように、全面少しトーンを落とされた画面も深く
風景も透明感があり、この辺は丁寧に造られているなという印象。

そして、これは慣例なのかw
音楽が煩いww
あっはっはw ワザとらしい程の大音量や、これでもかというほどの煽りに、ちょっと笑った。
第1話は派手に印象付け、後半につれセンスアップしていくのが習わしなんだろうか。
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