Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2015*10*29(Thu)
ドラマしんがり~山一證券 最後の聖戦~最終話 感想
ラストの記者会見は圧巻でした!ケジメを付けた男たちの背中がカッコイイー!
すっごいドラマを見た!!
やり遂げた背中はそれでこそ日本男児だ。

みっともないことをした、罪を冒してしまった・・・だったら最後くらいちゃんとしようぜっていう
覚悟とも開き直りとも言える意識改革は、確かにそれだけで充分ドラマネタになるのですが
そこの部分を惜しみなく描き切った、最後の花火が、最高に見事でした!

腐っても鯛。潰れても一流。さすが巨頭の一角を成していただけはある。
そう謂わしめるだけの底意地を見せましたね。

最終話中盤30分ごろからの7~8分のクライマックスは、もう鳥肌立っちゃって!
これぞ男の仕事である。

脚本の意図もブレずに明確で
あの有名な謝罪会見よりもこの報告記者会見に照準を当てていたんですね。
だから、社長側はあんなにあっさりだったのか~。
ようやく分かりました。


1997年に自主廃業となり、翌98年3月で全てを閉じた、四大証券の一角・山一證券の最後を描いたドラマ。

ほぼドキュメントみたいなものだけに、描き方として
どういう切り口でこのラスト・クライマックスへ持ってくるかが成否を分けたと思うのですが
今回、全てが明らかになって
みんなが山一を愛していたという狙いは、一角の最後の崩壊を、より悲しくも虚しくも見せていた。

表向きには、社長の「社員は悪くありません」が有名ではあるが
その社長を、自我の無い言いなりの優男とし
主導権を握っていたのは、あくまでギョウカン。

そうすることで、タイトルにもある〝最後の聖戦〟に挑んだ構図を明確にしていた。
実際の能見社長が、本当に腑抜けで周りに流されるタイプだったかどうかは分からないが
内部から見た時の、つまり山一から見た時のあの崩壊劇は
また一般視点とは違った世界だったんだなというのが、とても良く伝わるように出来ていました。

同時に、全ての社員に共通していた認識は、山一への拘り。
最後になって、静かにドラマに横たわっていた一番の軸は、山一への愛だった。

それは、贖罪の変わりにくらいは、なるのだろうか。

犯罪を冒した企業を美化する内容にはして欲しくはなかったが
この一件で被害を被った人々は、これをどう見ていたのだろう。


愛社精神というものを、昭和の時代という企業コンプライアンス未発達のバックグランドで浮き出し
バブル期を越える激動の中で奔走し消滅した、巨大企業。
単に誰が悪いという一元的な結末に治めなかったラストは、ちょっと痺れました・・・・。



ついに谷口が地検に呼ばれたことで、有原会長まで辿り着いた調査。
この谷口がキーマンだった訳か。当時を知る唯一の〝生き残り〟だったんですね、文字どうり。
だって、山一、人死に過ぎなんだもん。死因を疑いたくなるレベルだ。

で、この谷口。
自主廃業を大蔵から言われた後なら、もう何を護るのとばかりに
ぺらぺらと喋っちゃう。
口軽い~~~。


そもそもの発端は、1986年。
有原本部長・中崎副本部長を中心とするジホウは
有原が担当していた帝国重工業に依頼され
四大証券に、値上がり確実な転換社債を政財界や総会屋にばら撒いた。

転換社債・・・・・株の変動により株式に転換する権利の着いた社債

これ、良く分かんないんですけど
つまり、株が値上がりしたら株式になり、値下がりしたら社債ってことなのか?
リスク回避ってことか?
無知でスイマセン・・・。


ところが、その親引きリストが雑誌にリークされてしまう。

親引きリスト・・・・要は裏約束をした企業リスト


当時、有原と前回出てきた南条副社長は次期社長の座を争っていたライバル同士。
また、それは個人間だけでなく
個人事業部門リテールVS法人事業部門ジホウという、当時山一の中核を担っていた二部署の
勢力争いでもあった。


要は、ジホウが聖域と呼ばれる以前の話であり
ジホウが聖域となった経緯そのものが、山一が抱えた闇だったということになる、この皮肉。


南条副社長は当然、反有原派の筆頭で、この情報を元に、幾らでも有利に事を運ぶことが出来た。
有原自身もそのことを一番恐れた。

「だが、リストの最悪の使い方をしてしまった」

検察やマスコミではなく、リストとは別の大物総会屋にリーク。
幹部はまた、別の総会屋にその仲介を頼む。
そういう悪循環が始まり
最終的に総会屋側から出された調停案が、『有原を辞めさせ、南条を社長にしろ』

有原は、実質、総会屋に押し付けられた左遷人事となった。

しかし、全てが明るみに出た時、地検が南条副社長に聴取をしようとした矢先、自殺。


何で?南条は別に死ぬことはなかったじゃないか。
根源的な罪があるのは、有原なのに???

ここで、南条が何故他の総会屋にリークしたのか?という疑問は、解消されない。
ただ、そういう判断をすることこそ、当時の山一の土壌だったというのなら
この南条もまた、同罪である。

彼の自殺についても、動機は言及されない。


もしかしたら、それは本当に藪の中なのかもしれませんね。
南条はこのことを悔いて墓場まで真実を持って行ったのか。


そして、1987年。
南条を失った山一は、ジホウの中崎と谷口によって
リテールの連中に口出し出来ないほど業績を伸ばし、有原を復帰させると約束。

ここで、何故そうまでして、まだ有原に関わるのか?という心理も明確ではないが
別に有原が特別なのではなく
恐らくリテールがトップを失ったここがジホウのチャンスと政治判断した幹部の、祭り上げだったのかなと。


中崎はジホウに金集めの指示を出した。
祭りごとの始まりである。


「それでニギリが横行したんですね」
「そんなのいずれどこかで破綻するって分かっていただろうに!」
「87年ですよ?どんなに握ろうが、株価が上がり、おつりが出た時代です」

あ~、時代背景の後押しも、禁じ手に働いてしまったんですね・・・。
さすがバブル・・・。
もう、潰れるべくして潰れたという運命的な皮肉を感じる。



「そして誰もジホウに逆らえなくなった」
一度始まった祭りごとは、ジホウの体質そのものになり、誰にも止められなくなった。
翌年、有原は副社長として本社に復帰した。


あぁあぁぁぁぁ~・・・・・・・。


「でも誰も止めようとしなかった」
谷口が最後に、ぬけぬけと言う台詞が、巨大な渦に巻き込まれた山一の膿を凝縮している気がした。



そして!
ついに有原VS梶井へと、繋がる!!

ここの二人の会話が、ドラマ全ての中核であり、事件の中核であり、結論でもあり。
とにかく、ここからの流れはもう、最高に素晴らしかった!
ようやく、有原の本音も聞ける訳ですよ。
誰もが気になっていた最大の疑問が解消される訳ですよ。

でも何より、こここそが、山一事件の根幹であり、実体なんだと思う。


色んな温度差が、今ここで交わり、昇華していく・・・。
それを演出するのは、勿論、無音!!
音もなく、動きも無く(煙草吸うぐらい)、座ったまま向き合った二人の圧巻のやり取りに、息呑みました!
すっごくピーンとした空気!
画面が息苦しい緊張感。
スゲー!


「ジホウの暴走を何故見て見ぬふりしたのか、教えて貰えますか」
「当時はバブルなんて言葉も無かった。
 相場は直ぐに回復すると期待していたんだ 含み損は直ぐに含み益に変わるからね」
「社員が必死に働いている間、幹部はそんな神風に賭けていたんですか」


「全ては山一証券という会社のためだ。経営者が会社のためを思う。それの何が間違いかな」
「誰もが会社のためと言う言い訳を取り繕いながら、結局は自分の出世のことしか考えていない。
 それが山一の中枢にいたサラリーマンの姿です」

以前、「山一には背信の階段が在る」と言った副社長の言葉を引用して
己の罪を糾弾する梶井。


「社長から会長になり、それ以上の出世などは望むべくもない私が
 自らの出世のために会社の不正に目をつぶるとでも思うかね?
 この10年、いついかなる時点でも、飛ばしによる簿外債務を明らかにすれば、その瞬間、山一は終わるんだ。
 そうなれば、数千人の社員の生活を失ってしまう」
「社員を言い訳に使うつもりですか」
「そうじゃない!私は敢えてこの道を選んだ!」
「会社が無くなることの、どこが社員のためなんだ!!」

「私は山一を愛していた。その想いは誰にも負けない。
 ・・・この国の経済のため四大証券の一角を失うことは何が合っても避けなければならなかったんだ」
「・・・・・」


「・・・・芦田和樹という、社員が居てね」

そこで有原は一人の社員の話をする。
初めて出た名前だが、もしや、彼が内部告発というか、ファックスで仄めかした人物か・・・!

彼は、最初にジホウの不自然な経理に気付いた人物で、その調査の必要性を口にした人物だった。
しかし当時のギョウカンの本部長は、それをジホウに告げ口。
一月後に彼は左遷されて山一を去った。


「ポイント・オブ・ノーリターン。船乗りの言葉で
 そこを越えると、最早戻れなくなる場所、という意味だよ。
 あの時、事業法人本部に抗う事の出来る最後の抵抗者を、山一は失った・・・」


そう言って終える二人の会話は、何とも言えない虚脱感と空虚感が支配する。

~~・・・っっ!!!
スバラシー!

有原が口にした言葉はこれまでの幹部の言い訳のような、利己的な何かを越えた、信念みたいなものがある。
勿論、信念があれば犯罪を冒して良いという理屈にはならないが
しかし彼のポリシーは歪んでしまってもまた重たい。
山一というトップに君臨する王者の背負う宿命みたいなものの中で
何かが見えたのかもしれない・・・・。

例えばそんなのは愛じゃないと多くの人は言うんだろう。
だけどそれでも、やり方は間違っても、彼なりに山一を想う何かがそこにはあり
そして長い時を経て、かつて取り損ねた最後の善意を
今ここに噛み締める。

なんともたまらん余韻です。

思えば誰もが、自己利益と自己保身を訴えてはいたが
彼らもまた、山一に拘った人間だった。
死んだ南条でさえ、真実を墓場まで持って行った。

そんな男たちの生きた舞台が、今、朽ちて、消えていく。

くぉぉー!
儚いー!
巨大と言われた一角だからこそ、この儚さが経済と社会の不確かさを具現化してもいるようで。


しっかりと頭を下げて、有原を見送る梶井。


1998年3月31日。山一閉店。

そこで調査報告書が間に合わなかった彼らは、更に数名が残って完成までこぎ着ける。

その辺の描き方はポイント繋ぎではあるが、テンポを削がずに分かり易い。
ただ、今更、こんなことして誰が徳になるとか、何になるとか
酒の肴に愚痴を零すシーンは要らないだろう・・・・。

仕事していればさ、何のためか分からないことなど、山ほどあるに決まっている。
結果が出なきゃやらないなんて、子供の言い訳か。

ただ、その後の開き直った感じで、能見社長や大蔵の妨害にもめげず、頑として譲らない感じは
ニヤニヤしました。
行っけー!

実名公表に付いて、アンタ達も訴えられるかもしれないんだぞと諫められ
「そんなことはとっくに承知の上だ!最後くらい堂々としたらどうですか!」

「監督官庁にだって大蔵にだって責任の一旦はある、何をして何をしなかったのか。それを明らかにしたい」

「死んだ会社は強いな」

死に花咲かせてやろうじゃないかー!おおー!



4月13日。報告記者会見。
そしてあの第1話冒頭へ。

ここからの数分間は、ホント、鳥肌モンだ。
その描き方も上手くって!

ぐるっと回るようなカメラワークと、ポイントで挿入される記者らの騒然とした様子。
誰もが驚き、舌を巻くほどのラスト花火を上げて見せた感が
もうベタベタな演出で、くっそたまらん!!


トドメに、率直な感想をと聞かれ、梶井が言った〆もまた、秀逸。

「私達全ての社員は山一証券を愛し、誇りに思っていました。その想いは今も変わりません。
 だからこそ、悔しくてなりません。
 山一証券の自主廃業に伴い、多大なるご迷惑ならびに、ご心痛をお掛けした顧客と株主の皆様に
 心よりお詫び申し上げます。
 
 もし我々社員の一人一人が、会社や上司の不正に目を瞑ることなく、会社のためという言い訳にも逃げず
 自らの判断で、引き返すことが出来たら、このような事態は必ずや避けられた筈です。
 100年の長きに渡り、山一証券を御愛好頂き、誠にありがとうございました」


最後に締める言葉はそれかーっ。
店舗はないのに、感謝を述べる!
彼らはどこまでも、サラリーマンだった!
罪を冒したかもしれないが、最後の舞台は立派だった。

少し、その時代の節目に、涙腺が緩んだ。



なかなか良いお話でした。
何があったんだっけ?という曖昧な記憶のままに見始めましたが、色々勉強になりました。
企業コンプライアンスの未成熟さが露骨な昭和の世界観ですが
会社に尽くすということについて、サラリーマンにももう一度問い直す良い作品なのではないかと思います。


ただ、ドラマとしてどうだったかと言えば、少々辛口になる。

これはドキュメント的な部分での興味が強く、それだけでラストまで引っ張られる訳で
私も、流れや結末に視点を向けて最後まで視聴しました。
クリアな思考で見返せば、梶井のキャラの弱さとリーダーシップを合致させられていない気はしたし
人情物語にしようとしているのが、アンバランスだ。
何より家族の話がホント要らない。

実は最終話後半15分くらい、延々と梶井とギョウカンの別れ&息子との和解を描いている。
これはホント蛇足。
折角格好良くケジメで締めたあの記者会見で終わりにした方がずっとクールだった。

あとはテロップで簡易説明入れるとか。
彼らがその後どうなったのか?実名公表の余波はどうだったのか?


確かに、息子が大学いくと言いだして、「頑張れよ!」で終わるラストは
普通のドラマよりも「頑張れ」の意味合いが濃く、グッとくる。
しかし、そんな単発でいきなり家族愛入れられても
そういうことを丁寧に描いてきた訳じゃないから、ぶっちゃけど~でもいい!

ちょこちょこ、それぞれの家族事情背景を入れてはいたが
それにより、廃業に於ける余波を間接的にも描いていたつもりでしょうが
だったらいっそ硬派に、支店の混乱や意見、或いは他証券会社の情報などを補足してほしかったです。


特に気になるのは
ヤケに美談に終わらせたのは良いが、谷口は「帝国重工業が四大証券に依頼した」と証言している。

だったら他の証券会社はどうだったのか?どうなったのか。
何故、山一だけが、不正に手を染めたのか。
その辺の掘り下げた少し足りなかったなと感じました。

社員全員の再雇用、その後の法的な世界情勢の変化。
また、同じ帝国重工に関わった証券会社へのインタビュー。
そこまで記者として調べていないのであれば、この〝報告書〟は不完全である。



結局、一番事情を知ってそうな人が何故か死んでいるので、もう真相は分からないというのが
マジの本音なのかもしれない。
この事件はまだまだ実は闇が隠されていたんじゃないか。
なんかそんな気さえしてくるラストランでした。
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