Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと漫画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2015*09*07(Mon)
リスクの神様 第5話 感想
そう来たかー!すっげ燃えた!めちゃめちゃカッコイイ!最後のじわっとしたオチまで最高だった!
前回まで危機に対する神対応を見せてきましたが、ここに来て描いてきたのは
リスクはリスクでも、企業が事業で背負うリスクとベネフィットの狭間でした~。

事は誘拐事件で犯罪行為ではあるが、その裏で動いていた男たちの覚悟は
渋くて辛くて、男の生きる社会って感じだ。
こういうのモロ私にドストライクなんですけどー!

冷静に見ればツッコミ所は多々あれど、もう今年最高の出来栄えだと思っている。現時点では完璧。
脚本の綿密さ緻密さがプロの仕事ってこういうものだって思う。
凝っているし詰め込んでいるし無駄な時間稼ぎないし、良く煮詰めてある。
ファン喜ばせの媚びもないし、無駄なキャラもいない。

歴代ドラマと比べても最高クラスだぞ。なのに何でみんな見てないんだ?本気でそろそろ不思議になってきた。
(それは地味だから)



>5話 誘拐事件を解決せよ!命かけた究極の選択
海外での駐在所所長が行方不明になるところからスタート。
海外という土地柄、警察の協力を仰げず、独自で犯人と交渉していくお話。

治安の低い地域に駐在員を派遣している日本企業にとっては他人事ではない。
自社従業員が海外で誘拐され、法外な要求を突き付けられた時、企業はどのような対応をとるべきなのか。

その点についての解釈は社員を護るというのが、正解なのでしょうが
その「社員」とは、現地作業員なのか?それとも、日本に残る膨大な社員なのか?

トップの判断能力が問われるところですね。
その辺がどうするのかという楽しみもありました。


海外で安易に警察を頼れないっていう説明も、新鮮で色々面白かったです。

「誘拐犯が共産ゲリラだった場合、現地警察との癒着が深い可能性がある」

故に、現地警察が信用できず、逆にこちらからの情報が犯人に筒抜けになってしまう怖れがある。
そのため、金目的、或いは、報復目的であっても、犯人はゲリラであると見せ掛ける可能性も高く
ゲリラでないと証明出来ない限り、警察には頼れない。

その説明から感じ取れるのは
つまり、日本企業が海外進出する場合、社員のリスクって
かなり会社への信頼度に委ねられることになるって意味ですよね。

「9年ですよ・・・9年も赴任したのに会社は何もしてくれないんですか・・・」

これはさり気ない台詞であり
仮にテロなどだとしたら、残りの社員を護るためだということで、正にその通りであるということになり
結構重たい。



危機対策室を中心に非常時態勢で臨むよう部下たちに指示。
マニュアル通りで良いと言った通り、ドラマもマニュアル通りの展開。

そもそも土台として
一企業が個人誘拐にそんな対処が出来るかー!一体お前らどんなスキルだよー!!
ってな、チートっぽい設定ではあり、確かに失笑的かつ軽率な流れなのですが
そんなことは割と無視できるカバー力でした。

越権行為である危惧も、それを気にさせないだけのメインテーマ、商社の在り方への扱い方が
誘拐事件の圧力と合わさって、上手く打ち出されているため
画面から漂うインパクトがかなり強い。

エンターテインメントに偏向した部分を補うだけのスピード感、要素が、もうグッとに詰まっていて
そんなツマンナイことを気にさせるような内容ではなかったです。
(終わってみて、あれ、そういえばこれ、刑事モノじゃなかったっけ、と気付いた)

商社への圧力という意味では、確かに誘拐事件である必要性はなかったんでしょうけど
そこはエンターテインメント。
ライバル企業の海外支社等、そういうのでも同じ物語が作れたとは思いますが
緊迫感の演出がどうしても弱くなってしまうし、何より地味だし。
企業倫理という意味でも、素材としては悪くなかったと思います。



犯人の要求は、身代金1000万USドルと、サンライズ物産のマーレーン駐在所の撤退。
犯行声明は
「サンライズ物産はマーレーンの植民地化を目論む侵略者だ。我々は革命のために袴田所長を誘拐した」
共産ゲリラの証である首謀者のサインも記されていた。

ここで、やはりゲリラを匂わせてきたのね、と匂わせてきた時点で
サンライズに対する恨みになっていくのだと分かりましたが
それを決定付けるネタが、フランス語圏の人物であることと、送られてきた眼鏡に付着した指紋っていうのが
ちょっと弱い。

まあ、でも、刑事ものじゃないんだって・・・。

余り計画的な犯行ではなく、サンライズ関係の恨みだということが
こういう稚拙犯行でも、暗に説明されていたとも言えますね~。


あと、この誘拐事件と合わせ、過去の海外勤務時代の西行寺が既に似たような案件を扱っていたらしく
その時のフラッシュバック(当時は人質救出に失敗した黒歴史)が挿入する形で
事件の明暗も描かれていくのですが
それがちょっと分かり難かったくらい。

失敗した過去が、今回の西行寺を慎重にさせたのか。
或いは成長させたのか。
同じ杭は二度踏まないカッコ良さは理解出来ました。

辛い過去が、父親の件と、混ざり、今後西行寺というキャラクターをどう構成させるのか。


誘拐事件が、正邪どっちに転んでも可笑しくないという緊張感も煽る効果にもなっていて
目が離せなかったのは確か。


で、結局、元従業員の、低賃金に因る不満と、妊娠に因る解雇(これは誤解だった)を不満に
企てた個人クーデターというオチで事件は収束
所長も無事救出。
メデタシメデタシ・・・・・でわなく!!


今回のドラマの最大のクライマックスはここからだった・・・・っ!!!

ここからの展開がものすごくって、もう大コーフンですっ////////
ここからというか、このオチが分かるまでの数分間。


非常時に於ける、社長不在時の執行権の責任者は、代表権のある白川専務。
白川専務と言えば、前回、波丘樹脂の失態で、その権力・立場が危うくなっている所。
まさか前回が全部伏線で、こういう繋がりになってくるとは。


人質救出のために、サンライズはマーレーンからの撤退を記者会見することを犯人と約束。
しかし、その決定を、白川が最後の最後まで悩む。

商社の使命は、そこに資源があると分かれば、命を削ってでも捕りに行く。
マーレーンは、天然ゴム輸入の20%を担っていて
それが途絶えるということは、ゴム関連企業の信用と、引いては日本経済への影響に
大打撃となる。

たかが一人の命。でもそこに対比される、テロに屈したことに因る日本膳国民の命。
背負う多大な責任。
それを、この一瞬で決断を迫られる、責任者の負荷。

その辺のじわじわとした白川の葛藤が、重たすぎて、でも派手に描かず、もう息を呑む。
商社が一線を越えるか越えないかという、前話までに度々描かれていた線はここにかかってくるんですね~。


「それは本当にベストな選択なのか?
 ここで犯人の要求を飲めば、我が社は簡単に屈するという印象を持たれ
 世界中の支社が誘拐やテロの標的にされる怖れが出る」

「危機を広げる行為にならないか?天然ゴムの供給もできなくなる。現地の雇用も大量に失うことになる」

「たとえ人質を守るためでも、サンライズは世界中からの信用を失うことになる。
 我が社を崩壊に導くような決断を下すことなど、私にはできない」


それに対し、神狩は言う。

「ここで会見をしなければ、社員を守らない会社だという批判を受けます。何より社員の信頼を失います。
 天然ゴムを確保する手立ても何かあるはずです。何かないんですか」

これは、上手い切り返しだとは思った。
天然ゴムの輸入を諦めるか否かという一元的な思考を、複数の他の手立てに返ることで
駐在所を撤退することと、天然ゴムを諦めるということろの同一性を排除させてみせた。

ただ、テロに屈するということと結果的には同じ末路なので
その辺のフォローがもう少し欲しかった所。


白川専務、その言葉を聞いて、ついに決断をする。

「撤退表明会見を誘拐事件解決会見に変えたい」

一人、会場に向かう男の背中にはもう迷いはなく。

でもだよ?!
そこで一本の電話。人質救出成功の一報。
よっしゃー!と思うのも束の間、もう一本電話が。坂手社長が到着したとの報せ。

ここまで、描いてきたのに台無しかーい!
あんなに痺れる決断への惑いと不安とその中での決断を講じた男は、その全てを社長に譲る・・・・・。

~~~っっっ!!!
なにそれー!
全てリセット・・・何て言う顛末・・・。

痺れまくり。

社長不在時の企業判断を委ねられた事態ということで
誘拐事件の最終決定権を背負わされ、クビ覚悟で挑んだ男のプライドといった意思決定権の閉ざされた秘義が
その手柄が全て、階級社会の名の元に、横取りされるこの世知辛さ!

うぎゃあぁあぁぁぁ!!!!サラリーマンって、こんな感じー!

どうしよう!もろ仰け反った!


なんちゅー台詞の後に、なんちゅーオチ!
あれだけ一人の命を社運を賭けて護らせる台詞を挟んでおきながら
この仕打ちですよ!

人間の命が大切なら、当然国内に残る数百名の社員の命だって同じように大切な筈で。
それについて、「これは本当にベストな選択なのか?」という、命題復唱。
なんって思考プロセスなの!すっごい台詞!!

そう思わせておいてですよ?この結末・・・。
うわあぁあぁぁ・・・・・。

それがサラリーマンの生きる世界であって、それは承諾していた筈のこと。
だけどプロセス知っている人だけに残る僅かな歪みが、たまんない。


それをイケメンなどに演じさせれば、視聴者の同情票を稼げてしまうのに
それもまた違う。
この、不平等な平等感を、演出・監督・役者さん三位一体となって完成させている作風が
私の脳天貫きました・・・。



そもそもこのドラマは、訪れた危機に西行寺が善悪の境目を越えた戦略で
神業的に乗り切る、というところがメインな訳ですが
西行寺スゲー!・・的な、彼のヒーロー譚を描きたいなら、別に彼の不安要素を挿入する必要性はないんですよ。
その証拠に、彼の行動原理はあまり明示化されていない。
また、ラストの決着をフェードアウトするような映像にする必要もない。
更に、政治取引を濃く描く意味もないんですよね。

一方で、助けられる被主役の裏事情などの描写も執拗ではない。

つまりこのドラマが描きたいのって、彼のスーパーぶりを楽しむ一面を表にしながら
危機に陥る人間と、それを取り巻く環境の無常さで、踠くギリギリの人間の魂なんじゃないかと思う。
どういう思考回路で、手順で、判断を下していき、回避能力を高めるか。

プロセスが重要なのであって、そこに絡む政治取引に意味がある。

だから、1話に於き、神狩の成功からの転落で危機を表現しつつ
醜くも会社にしがみ付かせる結末にしたのだろう。
だから、裏キーワードが「取引」である訳なのだろう。

大事なのは危機を乗り切る男たちの判断能力と決断。
事件の解決のツールや行方など、所詮飾りだ。

それを熱い男がスーパーに救う話にしちゃったら
むさくるしいわ、うざいわで、見ていられなくなるし、本題が薄れてしまう。
個人プレーの良識押し付け物語ではないということですね。(裏へ皮肉)
だから主人公があんな影の濃くない人なのだと考える。


だんだん見方が分かってきた~。面白い~。
5話ということで、ドラマも中盤なのでしょうが、もう私的にはほぼ完璧だったのではないかと・・・!
(その割には、外堀は何も進んでおりませんが。聞こえなーい)

危機管理という分野を、こういう事件的なものに誤解されそうな描き方は、多少疑問なのですが
そういうのも、も、スル―させてOK~って感じですよ~~~。
商社PRのような生き様の描き方が、兎角、格好良すぎました。
密度が濃い~・・・・。



ラスト。
西行寺の過去についに問い詰める種子島。
「一体お前、この会社に何しにきたんだ?」

そこの演出がモノクロっぽい陰影の濃い画面と、サイレント!
無音だよ!!
この演出のクールさったらっっ。

なんていうかスタッフさんが浸って作っているセンスが感じられました・・・。かっけ~/////
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