Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2015*04*27(Mon)
天皇の料理番 第1話 感想
TBSが腰を据えて製作してみた・・って感じの気合いバリバリ。画面から伝わってくる本気度が熱い。
精細な時代考証、凝った美術、圧巻のロケ、キャストのマッチ具合まで、見事でした!

ここまで揃えられたら、当然観ている内に視聴者の目線も便乗させられる訳で
その分、視点も厳しくなる。これは生真面目ドラマの宿命ですね。
結局、引き込まれて最後まで観てしまいました~。
そして、単純に乗せられまして、少なくとも次回も見てみるつもりです。


じゃあ、すっごく面白かったのか?と問われると、実はすごく微妙。

物語は
何にでも興味を持ち、でも飽きっぽい性格の秋山篤蔵が、修行僧を破門になったところからスタート。
何をやっても長続きしない、反省もしない、悪意なくトンズラ三昧。
このままだといつか人の道を踏み外す・・・と危惧した父親は
強制的に縁談(婿養子)を結ぶ。


そうして、少しずつ、鳶蔵の環境が変わり始めていくのですが
それがとにかく陳腐で!
どこの子供騙しだよ!今どき漫画でもないよ、こんなご都合展開。
笑っちゃうくらい覇気がない流れなのだ。

お気楽マイペースな鳶蔵が、ヒステリックになったりネガティブになったりなどはせず
ひたすら人間的に純朴で、逆に言えば毒もなくアクもなく有り勝ちな人間像で
明るい笑顔と方言で織り成す、群集劇。
のほほ~とした世界観が総合的に何処か温かみがあり、平和な日常がそこにある。
第1話は正にそんな感じだけで、ほぼ登場人物の紹介だけで、2時間!

ええぇえぇぇぇ!!!
タルイ!
たるいよ!!

出てくる人も皆イイ人で、はっきりいって鳶蔵の天下。
鳶蔵の幼稚な我儘に、一歩下がってやられちゃっている。
悪意のある人も、影のある人も、ひっとりもいなくて・・・って!人間関係浅すぎだ!
骨格までヌルいよ!

これのどこが面白いというのだ・・・。
ということは、このドラマの面白さは、人間模様ではないということか・・・?


や!会話のテンポとか、言っていることの愛嬌さなど、そこそこ面白いんですよ!
微笑ましいっていうか!
でもそれが、暗い時代に明るく生きる人々~みたいな、意味あるカットなら良いのですが
単なる場繋ぎにしかなってなくて・・・!

堪忍袋の緒が切れたなんて言いつつ、心配しきりの父。
息子をどんな境遇でも肯定し、楽しめる余裕すらある母。
法学部に通う、物分かりの良い優等生兄貴・周太郎。
妻になった、理解ある大人しめの高浜俊子。
振り回されながらも、みんな鳶蔵に甘い甘い!

みんなが鳶蔵のありのままを肯定しちゃっている。
それがきっと鳶蔵の廃れない性格の形成を補佐したんだろうな~とは、視聴者補正。


ならば運命や境遇が過酷なのかと言えば、これまたそんなこともなく
健康で、裕福で、金にも困らず、食にも困らず、明るく優しく育っている甘ちゃん。

だったら、ここから始まる人生にドラマがあるのかと思えば
これもまたそんなこともなく(まあ、流石にこれは、これからあるんでしょうが)
それをメインに見せる筈のストーリーがふぬけていて
ダラダラと鳶蔵の心情の揺らぎを描いていく。

その変化に、登場人物だけでなく、視聴者までもが、付き合わされていく・・・。
えぇ・・・。(@_@;)


だったら、その起伏に富んだ人生が、ウィットに彩りがあればまだ良いものを
特に、派手な事件や感情の錯綜が起きてもこない。
どういうことだ・・・。

そもそも「料理人」とタイトルにあるから、料理に目覚めていく話だというのは、誰しも分かっている。
その肝心の出会いまですら、意味深な匂いも中々嗅がせない。
嫁いだ先が昆布屋なので、そこで食材と出会うのか?というとそうでもなく
なかなか料理への進展が見られないんですよ。
じれったい~。

確かにそれが、ドラマ唯一の吸引力である。
一体どこで運命の瞬間が訪れるのか?だたそれだけを楽しみに興味津々、黙々。


すると、昆布屋の仕事をしつつ、そのうちの取引先で、ようやく運命の出会い。
篤蔵の運命を変えたのは、軍隊のコック田辺祐吉に食べさせてもらった一枚のカツレツだった――

・・・て!
ここまでで何時間だよ!!
出会いまでに、何時間掛ける気だよ!

ま、重要な伏線ですからね、それはいい。


致命的な問題は
のらりくらりと物語は迷走して、ようやくこの運命の出会いまで漕ぎ着けるが
元々、目新しいものにはのめり込むタイプという設定の主人公・鳶蔵だから
格別、料理だけを特別視した印象は受けないってことだ。

何か新しいおもちゃをまた見つけた、という程度の認識しかなく
色んな物に目移りしてきた彼だけに、特別感が全然伝わってこないんですよ。
折角の運命の瞬間も、特に、ワザとらいい演出もない。


見方を変えますと、それは、上品な映像という風にも表現は出来ますし
確かに、鳶蔵はカツレツにモーレツな感動を見せたから、ここが起点だったんだろうと
「タイトルから」嚥下出来る。

でも、これが、彼の人生や性、持論さえ変えてしまう訳で
だったら、もう少し特別感があっても良かったんではないだろうか。

むしろ、まだちょっと彼の中で迷いもあり、いつもの興味本位であるというスタンスに捉えられる。
そうなると
だから、後半の東京のフレンチに通い詰めて「飽きないんだ」と言う重要フレーズが出るシーンでも
一過性の熱病の中の一つという認識程度の映像になっちゃってて
全然嘘っぽい。
運命の出会いっぽくない。
彼の本気度が、見えてこない。

いいんですかこれで?
じゃーこの話のクライマックスってどこなの?


いっそ、何にも興味を持てなかった人物が、初めてこうなった、というものなら、まだ説得力もあるのに
彼の中で今までとどう違うの?って突っ込みたかった。

つまりこれ、タイトルに「料理番」と入っているから、視聴者が理解できただけであり
もっと別のタイトルだったら、ミスリードの手法ですよ。
「ヒーロー」とか「僕の人生」とか、そういうタイトルだったら、どこで主軸を判断した?


つまり、そんな感じで、特にぐおーっと盛り上がる山場もなく
ダラダラと2時間付き合わされて
付き合わされて・・・・・。
終わりました。(@_@;)

たるいっ!
しかも、そのタルイ展開を、じっくりとろとろ煮込んだスープで味付けしてくる訳ですよ。

なんだこの、かつての名作『仁』みたいな肉付けはーっっ。
アッチは、背景に、悲愴な人生観や悲劇、運命の過酷さなどがあるから
じっくり盛り上げられる程に、胸を打つ。

しかし、何の苦労もなく、恵まれた人の自慢話なんか聞かされたって
感動もクソもない。

そもそも、私自身が料理という題材に全く興味がなく
また、愛と運に恵まれたサクセスストーリーが大嫌いなので
正直、興味を引く部分がまるでないんですよね。←ここが問題

だから、この阿呆がどうやって一流のコックへ成長いくのか・・・とか
それこそ、もうどうでも良くて、全然楽しみじゃない。
主役が、過酷な運命でもなければ、必死さもなく、料理への愛情もないんですよ。
どこに心揺さぶられろと・・・。


高浜家に養子に行ったのも、普通、跡継ぎに評判の悪い人取らないのに
男系だからという運の合致で婿入りできたラッキー。

つまんなくなったっていう、そんな理由で、次に興味を持った料理で、教えてくれる人がいて
そのまま東京に計画性もなく飛び出せば
そこで、兄の周太郎がいたのもラッキーです。

そこで兄が教えを請うている教授・桐塚尚吾がいたのもラッキーでした。
これで、三流ではなく一流コックの下へあっさり潜入出来ちゃった。
なにそれ。

あ~はいはい、成功する人は努力より運が先にあるんですね~。
何このお気楽展開。
いいのかそれで?


そりゃ、他にも雑なご都合展開ドラマなんて、五万とありますが
これだけ本気度見せた重厚な造りをしておきながら、この脚本はないだろう。
この展開の、何処に感動しろというのか。
そもそも、この展開の何に、素晴らしさや共感を訴えていきたいのか。



まあ、努力すれば成功するという展開の方がもっと嫌いなので(萎える)
ここまで運で飛べれば、返って気持ち良いかもしれない。
第一話というよりも完璧なまでのプロローグであり、下準備は整ったって所でした。
逆に言えば、プロローグなんだからこの位の導入編はご都合展開でも良いんじゃないかとも言える。


主人公を取り巻く人間環境の温かさに、癒されたり
愛に溢れた人間性に心温まったり
そういう角度を評価する人はいるかもしれない。

確かに人間が皆優し過ぎるのは私のアンテナにも引っ掛かった。
でも、そこを描きたいなら対極として、影の部分も描かないと引き立たないし
人の性が一面性というのは、やはりちょっと単調。
慈愛に満ちた人物像かどうかを判断するのが、外的要因ではなく、内的要素にしてこないと。
どこか生温いホームドラマになっちゃっているのは、どういうことだろうか。


内容的にも、1時間でまとめられ薄さで
例えば、鳶蔵の養子先に馴染む時間感覚や
鳶蔵が下働きを頼み込む熱意などを
脚本や演出技法で見せるのではなく
どこにも張りがないまま、淡々と劇中時間を進めていく。
本当にまったりと、こちらの時間軸を使って見せてくるのが、最高にズルイ。

そんなんで尺使うなよ!
だったら、そこを演出で魅せて、一時間で纏めてくれよー!
登場人物と、物語の導入を丁寧に描きたかったんでしょうけど
じっくりことこと煮過ぎだよーっ。




なら、何が良かったのか?
まず指摘したいのは、タイムトラベルしたような、セット。
明治の雰囲気を丁寧に再現したかのような街の雰囲気と
それに合わさる、壮絶なまでの映像ショット。

夕陽のカットとか、マジ息を呑む、壮観な映像でした。
芸術的な美しさという訳ではないのですが
あの時代の息遣いが聞こえてきそうな画面は、それだけで素晴らしかったです。


それから、実は脚本のディティール。
途中脱落しなかったのは、正に、このせいでした。

退屈な展開を、丁寧に繋いでいく、ちょこちょこ挟まれる小さな台詞だったり
人の心の襞だったり
そういったちょっとしたことが、妙にセンス良く、上品で!
凄く小さなことなのですが、疎かにしていない所が素晴らしかった。


勘当を申し渡した父が、「もう縁を切ったんだ」と口では言いつつ
実は気掛かりな様子を、一瞬のカットを挟むことで表現したり
鳶蔵の仕出かした、息子の尻拭いに衝撃を受ける顔芸も面白かったけど
何処か、愛が根底に感じられる。

鳶蔵の安定した精神面は、こういう家庭環境が裏打ちさせているのかも、とは
こういう理屈じゃない所で理解させられました。


そんな家庭で育った鳶蔵が、祝言を上げる日に
お相手が一目惚れをした女ではなかったと気付いたクダリでも
それでも俊子と寝室で会話していくシーンなどでは
非道な出会いであったにも関わらず、鳶蔵の人の良さが出ていて
どこか憎めない。

一目惚れした女性ではなく、俊子の可愛さにもちゃんと気付ける眼を持っている
鳶蔵の人間性の豊かさとか
そういうものを、台詞ではなく、表情や間などで、紡いでくるこの上品な造り。
とにかく、メインキャラの造形が愛おしい。

露骨な言葉とか、顔アップ等で表現するだけじゃない、さり気ないニュアンスを醸し出す細部が
とてもキメ細かくて、なんか大まかな流れよりも、とても目を引きました~。
こういうの、すっごく新鮮~。


何より、超おバカな主人公・鳶蔵の
最低な男であるにも関わらず、キャラクターの愛しさが、炸裂!
なんって可愛い馬鹿なんだ!

そういう彼の人間性をじっくり伝える使命に忠実な1話だったのだろう。
そのキャラクターの愛嬌だけで、何とか最後まで見切ったという印象です。


幸薄の妻、俊子の可愛さもまた、好感度のある設定。
声が可愛い・・・。
二人が兄弟姉妹に比較され、下に見られる不憫さから共通認識を持ち合った流れも自然でした。
そうくるのか~と。


なんていうか、作者の人を見る視点が、とてもポジティブな印象です。
良くも悪くも、人間の側面に愛が感じられる。
優しい世界観です。

ぜんっぜん共感できないですけど。(苦笑)

こういう人間解釈をするドラマはあまり好きではないのですが(非現実的に見える)
それでも引き付けられるだけの、キャラクター構成で
覇気のない物語の補完をしていたと思いました。

こういう人間本質を複合的に補佐してくるのならば
展開の退屈さと、主人公のアホっぽさと平たさなどは、スル―しても良いってもんですv


とりあえず、次も観たい気にさせられたので、もうちょっと付き合ってみます。
あと、リメイクということで、過去が傑作との噂を聞いたので
今後はドラマも面白くなっていくのかもしれないと、期待中・・・。
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