Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
05≪ 2017| 12345678910111213141516171819202122232425262728293006/ ≫07
2015*03*01(Sun)
ジャッジ!妻夫木聡×北川景子 感想
軽いテンポでさっぱりとした、とっても可愛い映画でした!観終わった後のほっこりした幸福感がいいです~。
目立った劇的な山場や悲劇、命題の提示などが起こる訳でもないので
物語のこのテンポの良さに、乗っちゃったもん勝ちとという、勢いだけの物語です。
その分スコーンと楽しめて、これはこれで気に入っちゃいました。
こういうのもアリだと思います~。


ジャッジ! 2014年度作品
監督/永井聡  脚本/澤本嘉光
興行収入4.9億円?


物語は
素人同然の太田が世界的CMクリエイターの祭典で
素人ながらの純朴さと可笑しなスキル(笑)と運で、ポリシーを曲げずに迷走しつつゴールしちゃうまでのお話。

『華やかな広告業界の裏側で繰り広げられるドタバタを描いたオリジナルコメディ』ということだが
別に広告業界のウンチクだの、あるある話だの、内輪ネタが飛び出してくる訳ではない。

主人公・落ちこぼれ広告マンの太田喜一郎。
ある日、上司の大滝一郎が「ちくわのCM」が賞をとらなければならない状況になり
それは無理だと判断し逃げた=太田に押し付ける。
つまり、世界一のテレビCMを決める広告の祭典・サンタモニカ広告祭で審査員を務めるはめになる。
審査員として現地入りし、裏工作だの裏取引をして、当該CMに大賞捕らせてこい、という指令な訳です。

理由は
オオタキイチロウと続けて読めば二人共一緒という強引な理屈。
しかしその流れも納得出来ちゃう世界観。
「無茶と書いてチャンスと読め!」という言葉が数回繰り返されますが
全体的に奇抜で突飛でリアリティに欠けた世界なので、何でもアリだなという気にさせられる。


太田は駄目男として、夢想家だけど、仕事は出来ないという設定。
確かに要領は悪いが、周囲の彼への無茶ブリも多い。
そしてその駄目ぶりの象徴が、エースコック・きつねうどんのCMとして象徴されている。
これまた、ちょーくっだらねー作品なのですが
駄作なだけに、これまた、できるかーっ!ってこっちも思うので、可笑しすぎ。
そして、このくだらなさが、この映画のオチまでを予感させるノリの全てだった。
そういう映画ですv

これも、何故かこの大会に出品されていて、太田は二重に追い詰められてしまう羽目になるから
可笑しい・・・。

で、現地の審査員らが何故か、如何にもクリエイタ―つーか芸術肌つーかw
そっち系の危ないメンツばかりなので、一人で参加したらその餌食だぞと脅され
同僚のひかりに一緒に行ってくれと依頼。しかも、カムフラージュするために夫婦役でと。

最初は嫌がっていたひかりも、太田がこの出来レースに嵌められていると知り、付いていくことに。
そして、サンタモニカの祭が始まった!



脚本的にも物語としても演出としても、特に特徴的なところはなく
とても軽いタッチの仕上がりです。
ダラダラと言えばそれまでだが、しかし、演技やネタで途切れずに笑わせてくれるので
それほどもたついた印象はない。

笑わせるのも上手くて
適度なカットとタイミングや間などの捕り方は絶妙。
役者さんの台詞回しまで含めて、一貫した統一感がブレなくていい。

舞台が外国ということで、半分くらいが字幕(英語)で進むのは、ちょっと目新しい感じがする。
あれ、これ邦画だっけ洋画だっけと惑う感じ、ちょっと異質な感じで新鮮だ。


しかし、特に面白いのは、冒頭30分、とにかく良く分からないネタが次々と投入されることだ。
勿論、そのネタ自体が面白い訳ではない。
しかもオチもなく、ひたすら浮いた状態。
きつねうどんのCM製作シーンから映画は始まるのだが
このCMがまた、上記したように、ホント、どうリアクションして良いやら分からん出来で。

え・・・これ笑うとこなの、引くとこなの。引くから面白いのか、それとも本当に面白いというシーンじゃないのかw
というか、こんな微妙なネタをどうしろというのか。
製作側の意図が全く読めない!
異様なほど、引き出しを開けるだけ開けて放置という状態が続くのだ。30分。

しかもこの
♫こんこんここーん こし~ こし~ こし~ ニャー♫って、何度も聞かされて頭に残ってくるというこの悪夢w

そんな曖昧で中途半端な流れは、同時に
主人公・太田のキャラクターの煮え切らなさを補足してもいるのだろう。
キャラ説明と、状況説明、観る側の視点を一気に解消しているようだった。

ところがですよ!

サンタモニカに到着し、いざ前夜祭に入り、会場で自己紹介を要望され。
そこで一気に、この意味のない30分の温いネタが花開く!
ここまで濁った埃臭い世界を一転、一気に透明感溢れる世界へと加速。
なにそれー!
役者にも画面にも、キレと華が出てくる。

「I am not OOTAKI !Call me・・・OTAKU!!」

ラムちゃんをはじめとするアニメキャラ・・・シャーペン回し・・・カマキリ・・・ちくわ・・・
美味しい料理のクダリから、きつねCM。
そして、「荷物持ちのオカマ」と言われたチップのコインに至るまで
全てに意味があったことを、視聴者はここで悟る。
うをー!すげー!!

カマキリに至っては、そのポーズにキレがありすぎるよ!!

「にゃーにゃーmeans super delisious」

この辺の妻夫木さんの動きや表情が、とにかく笑えて!
とりあえず乗っとけ、という人の良さそうな、お気楽そうな人柄を出していて
太田喜一郎というキャラを、可愛く、憎めない感じに作り上げていた。
ウダウダした煮え切らない感じとかも、ホントにウマイ。
こういう役、似合ってますよ~。^m^

何をやってもパッとしなくて、結局最後まで締まらない男を
愛すべきキャラに仕上げたのは、ゼッタイ役者さんの持つ味だったのだろうと思う。


前半30分の、準備段階だった様々なカットはすべて、その後の伏線となり
コイン一つに至るまで、無駄にはされない。
下らない数多のネタがここにきて一気にまとめられ、生きてきて
しかも、急激にキレを増し、鮮やかに意味を主張しはじめるこの爆発的開花は、ちょっと印象的。
そうくるのかー!って感じだった。

映画は最後まで特に派手な印象もなく、平凡に終わるので、返ってこの技術的な面が特異的に映る。
やられた~ってレベルでした。
よく分からないネタだっただけに、唸らされる。

また、こんな風に「もったいない精神」とばかりに
脚中で触れ
しかも、些細な伏線まで文字通り回収するスタンスは、超みなんですよね~。私が。
こういう拘りというか脚本的構造。
好きだ~。



実際の内容。
個人的に、この間、三谷幸喜の12人の~を見て、流れで本家も観ちゃったせいもあって(笑)
テイストとしては正にそんな感じに見えて仕方がないw
どうも数名の陪審員が画面に映し出される事件を評価し、白か黒か評決している図に相似している。気が・・・。

評価は既に裏で口裏を合わせたもので、ポーズに過ぎないのだが
それを太田だけは正義とプライドと良心を捨てられず、自分の作品を売りこめない。
(でも、相手に票を入れてくれと言われたら入れちゃう流されやすさはあるw)
最後には
良いものは良い、駄目なものは駄目というシンプルなものなのではと力説する始末。
そんな説得も含めて、まるで陪審員裁判のようだった。


戦いは既に会場に入った時から始まっているのだという姿勢も
生き残りを掛けるメディア業界らしいノリ(?)だし
国際大会なんて、どこもそんなものという気もするし、設定事態に希少性は感じない。

そんな中で、与えられた少ない手数なのに、太田が審査員として徐々に脱皮し
そんな彼に救われ、惹かれ、みんなが懐柔されていく様は
陪審員が正義に目覚めていくソレを彷彿とさせるものであり
観ていて共感や好感を持たせるものでもあって
しかも、自分の利益よりも作品の評価に拘る高潔さとかにも嫌味がなく
とても気持ちが良い教科書的ヒーロー伝。

それでいて、最後は自らのクビはクビという結末も、打算がなく潔く
自己犠牲的な精神は、より高潔感を抱かせるんだろうな。
そして、静かに祭りは終焉を迎え・・・

何だか祭りを謳歌したかのような爽快さや青春物語のような瑞々しい一過で象られていて
万人が馴染める達成感だ。
負けても清々しいよ~っ。

しかも。
ラストのオチを救ったのが
何故2作品出品されていたか分からなかった
メインのちくわではなくきつねの方っていうのも、微笑ましいラストだった。



その本線に、奥深さを与えているのが、同僚ひかりの存在でした。
彼女との淡い恋等、ふたりの感情にまつわるエッセンスは雑で
別に繊細な感情が紡がれ、共鳴していく訳でもない。
しかし、太田が仕掛ける舞台の迫力を加速させているのは、間違いなく彼女の存在だ。

前半30分の特異さは、彼女自身にもあって
彼女が最初にまともな会話を始めるのは、結構物語が進んでからだ。それこそ30分後くらい。
それまで一切感知させない手法も独特。ヒロインなのに。

ギャンブル好きという設定も
さあ、いよいよこちらが仕掛けるぞ、となった時、ようやく意味を擡げてくる。

「このギャンブル、相当、楽しいわ!」

彼女はずっと太田を毛嫌いしているツンな設定なので
そんな彼女とどのタイミングで、どういう理由で、利害が一致するのかは、ちょっと興味が湧く所。

それはクライマックスに訪れた。


クライマックス。
現地で知り合った、鈴木京香さん演じる木沢はるかの作ったトヨタのCM。
予選ではちくわもきつねも落選し、同じくトヨタのCMも落選。
ちくわもきつねも、それは太田が何の裏工作もしなかったからの結果に過ぎないが
トヨタの方は、明らかに別作品を入選させるための、仕組まれた罠だったという設定。

ところが、不手際で委員長(黒幕的な)の作ったCMも予選落ちしてしまったため
異例措置として復活審査を行うことになる。もう独断w
そう、広告祭は最初から彼のワンマンショーだ。

チャンスが来たと知ったひかりと共に
失格になったちくわのCMをランクインさせようと、二人で見事なパフォーマンスするくだりは
もう、ひかりがあってこそ。

彼女がいるから、アクティブな行動も突飛さがないし、無理がなく受け入れられたし
そのちくわネタが「もったいないスピリット」として
同時にトヨタCMを入選させる切欠にするアイディアの転嫁とかは
何かがとてつもなく上手く転がっている印象。脚本が滑らかというか。
勢いもあって。

ただ、ひかりのワンマンライブ感が強いので、別に二人の何かが一致したとまでは
思わなかったけど。

事実、その点について太田の方は疑問を抱いたままで
この後二人は擦れ違ってしまう。


このスコーンと楽しめた映画に於いて
唯一苦言を言えるとしたら、正にそこで、そのテーマ性だろう。

復活審査で審査員らにアピールすること自体、フェアじゃないと太田は落ち込むが
自分の作品ではなく、トヨタを優勝させたいとばかりに
復活チャンスを利用してトヨタを推す。
その熱意に、他審査員も賛同していく・・・。

この、コマがそろっていく感覚が、ホントに、ちょっと爽快で、見どころ。
これまで受け身だった太田を動き出させる原動となる理由も理屈も明確で
しかも、青春って感じに仕上がっているのも悪くなかった。


ただ、こうやって誰かのために裏工作することを否定されたことで
ひかりは自分を否定されたかのようにも捉えてしまい 二人はちょっと仲互いをする。

・・・・ま、そんなの、恋の大団円への布石に過ぎないんですけど
ひかりのやったことは、表向きは多くの審査員がやっていることで
戦いの本筋は会場の外にある、というのも
何だか大人の駆け引きとか匂わせて、審査の穢れと高さの二面性を持たせているが
それを、由とするかどうかで、太田は割り切れない。

その、ちょっとしたズルを、ひかりも行うことで
彼らとの差異や、モラルなんかについてもう少し掘り下げてくれれば
もっとテーマ性も出たんでしょうし
訴えるものも大きかった。
見応えのある作品になった気がする。

というか、その点を押し出すしかない物語だ・・・。

ひかりとの感情の擦れ違いからの仲直りも
その点をシリアスに挿入しておけば、もっと盛り上がったと思うので
ここをあっさり流されたことが ちょっとだけ勿体ない気がした。

ってゆーか、ここのテーマを掘り下げないんなら
じゃー一体この映画は何が言いたかったんだという話にもなってきちゃう訳ですよ。
太田の一週間の大冒険ってだけで良いのか?
なあ、それで良いのかw


そう考えると
「自分が正しいということをしませんか。良いものは良い。悪いものは悪い。
 みんなが自分の良心に従って手を上げるべきなんだ」
というラストスピーチもちょっと弱い気がしてくる。
もう少しなんか言葉なかったのか。

カッコ良さだの、ヒーローっぽさだの、何らかの開花を見せてくれても良かったのでは。
現実を見せ付けられた後の、彼の出した答え的な何か。

ジャッジしているのではなく、我々はジャッジされているのだという切り返しは
最大のメインであり、上手いし、最大の結末なのだろうけど
やっぱり教科書的で。
お子チャマな正義論は嫌いじゃないですけどね~・・・軽いな~。


ただ、その分、本当に余計なものは全て削ぎ落した造りになっていて
例えばキャラクター構成も、余計な肉付きを与えておらず、掘り下げることもない。
表面的なものだけで、どこまでも軽く軽く作られている。
だから、全体として一貫性というか統一感がすごく感じるので、これはこれで良いと思う・・・。

それ以外のどこを膨らませれば良いのか分からない作品だ。


そんな文化祭などの学校行事的ノリでラストまで突っ走った本作ならば
このブレない構成も、これはこれで良い気がさせられる。
観終わった後のほんわか感が、とにかくとても心地良かった。

要は、この軽いノリに乗っかっちゃって
スコーンと笑ってくれたら、それで満足なのではないかと考える。造り手も視聴者もvv

素直にたのしー!って思えた。
後に何を残すこともなく。



ラスト。
審査員一人一人と別れのとき。
夢の舞台は終わったのだ。
あ~・・・なーんか、こういうの良い!

これは、みんな、一夜の夢だった。

そこに、一人、また一人とハグをし、過ぎ去っていく中で
ひかりだけが儚い夢の中で残された、残された者(得た物)だとするならば
もう少し、何らかの説得力ある理屈が、やっぱり欲しかった所だよなぁ。

ま、北川景子さんのツンデレが可愛いので、全部スル―してもいい。


そして委員長。
「ちくわを覗いたら、副社長じゃなかった。Tシャツを着て働いているらしい」
しっぶーい!
いかにもアメリカ映画って感じの台詞v

「感謝なんかいい。もらうものはもらう。俺は金でしか動かない男なんでね」
そういってポケットのワンコインを――。

うっわー!うっわー!いっちばん萌えたかも!
ここでそのコインかよー!
委員長が何気にいっちばんカッコイイとこ浚って去ってゆかれました・・・。


にしても・・・・にゃーにゃーは広まりすぎだろw
ありえねーだろw 誰か気付けよww
でもそれは、広告業界というものは、大賞を取ってトップになるのが最善なのではなく
彼の成したことが、最大目的な訳で。本来は。
ブームを作るって、こういうことだよ!っていうニヒルな指摘のようにも捉えられる。
ある意味、広告の最優秀作品を取らせる大会を、終始茶番にし
最後にブームだけを残した太田のアクションこそが、一人勝ち?とも言えるのだろうか。
(でも、にゃーにゃーはないだろwと一応突っ込んでおく。)
関連記事
スポンサーサイト
[ movie ] CM0. TB0 . TOP ▲
COMMENT
コメントする














秘密にする?

    
この記事のトラックバックURL
http://mokumoku254.blog.fc2.com/tb.php/817-34f37ff9
trackback