Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2015*01*25(Sun)
ドラマスペシャル「最後の証人」 感想
なんていう真実・・・!すっごかった!
事件を起こした夫婦の愛に胸が痛みました!夫の気持ちを思うと切なすぎです・・・!
カーテンを開ける理由、焚火の意味。
それらが紡ぎ出した愛情の行く末だけではちょっと悲愴に浸るには弱いんですけど
この事件を共犯にすることで、遺された夫の終わらない苦しみ・・・っ。
ああぁあぁぁ~・・・・。

また、被告は恐らく無罪なんだろう、という出だしのスタンスを見れば
結末は当然、逆転勝訴を連想しがちなのに(まあ、そうなるんですけど)
無罪は無罪でも「有罪と断定するには根拠が薄い」という、グレー決着。
いかにも法廷ドラマらしい落とし方!
やられましたー!

でも勝ちは勝ちというね・・・!
ここが通常のミステリーと違うところですよね。

サスペンスで引っ張る楽しさと、リーガルで詰める楽しさが見事にハマってて
初っ端から目が離せませんでした。
今期連ドラが不発なので、久しぶりに重厚なドラマを見たという気分です。ってゆーか、こういう話大好き!!
い~い話だった!


『最後の証人』
柚月裕子の推理小説
監督/兼崎涼介  脚本/吉本昌弘


検事を辞めて弁護士となった佐方貞人が主人公のリーガル・サスペンス作品。
12年ぶりに米崎地裁に戻ってきた佐方は
ホテルの一室で起きた刺殺事件の被告人である高瀬光治の弁護を途中から譲り受けた。
監視カメラ映像や指紋、目撃証言など
物的証拠・状況証拠共に、被告人の有罪はほぼ間違いないとみられておりほぼ有罪確定の事案。
さて、被告人島津は本当に殺したのか?!

・・・・・という所から始まる物語。

ホテルの一室では、先に女がナイフを握って襲いかかるので
まあ、正当防衛・・・と思わせておいて
実は、防犯カメラにも映らない別ルートからの、第三者の犯行かなと深読みしていたら
全然違った。

そもそも、このバラシも一興。
女が犯人と思わせておいて、帰っていったかのような素振りだった男の方がかー!と
冒頭にガツンとくる。


登場人物は少なく
監視カメラに映った、被告・被害者・ホテルスタッフの3名だけで話は進められる。
監視カメラに捻り(細工とか)はないし
その他も、話の展開上必要最低限だけの頭数で進められたミステリーは
実に、少ない手駒で、よくもまあ、ここまで重厚な謎を作り上げたものである。

そういうオチに持っていくためのネタがとにかく上手い。説得力も持っていましたし。

陶芸教室に通う女の姿。
家庭内別居すら伺わせる夫婦仲の悪化。その末の離婚。
浮気を匂わせる、派手な服装の変化や本人の言動。
続けて末期癌であること、息子を亡くしていること。
そして7年前の交通事故・・・!

一分の隙もなく、静かに広がり淡々と進められる物語は
壮大なスケールではなくとも、とても見応えのあるものになっていました。

ミスリードとしても、まさか夫が全てを知っていたという結末は想像がつかなくて
ましてや表面的には、これは妻の自殺である訳で
それに気付くのも、かなり後半。(私がな)

しかも、その理由(動機)となれば
余命宣告を受けた故に、愛のない夫を見限って浮気したのかなとか
でもそうすると、息子の事故死が宙に浮くので
結婚を迫ったのは、本気にさせてから振るつもりだった?とか
想像出来ても、一人で復讐に行った、というところまでですよ~。(私は)

だから、全ての布石をどう繋げるのか、それだけでも興味津々だ。

徐々に明らかになっていく事件の黒さと白さの陰影の造り方や
7年前の交通事故との意味深な伏線の引き方も見事で
冒頭から惹きこまれてしまい
久しぶりにミステリーのワクワクを楽しみました!


しかし、最大の特筆すべき点は、やはり真実の鮮やかさでしょう!
ここからの疾走が凄かった。

ラストに、真実が明らかになった時
つまり高瀬夫妻は偽装離婚で、初めから島津に罪を着せるために近付き(ここはまあ、定石)
いよいよ島津に容疑が向く状況で、自殺をしたと分かった時点で
成程、憎いから相手を殺し、敵討するという単純なものではなく
同じ殺人罪を与えることで、復讐とした、そのアイディアに
物語として悪くない印象を受け、しっくりくる満足感がありました。
でも、まあ、良くあるドラマかなと。

しかし!
ここからが鮮烈。

その犯行は、妻一人で起こしたものではなく
二人で準備をしてきて・・・と分かった瞬間!一気に事件の復讐劇の色が変わる。

夫も、全てを知っていて、協力していた。
病気のことも知っていて、容認していた。
これは、二人のケジメの犯行だった。

何故、復讐を止めなかったのか。
それは、やはり妻がレベル4のガンであり、もう余命が遺されていなかったから。
やめなよ、と夫は何度も心の中で叫んだだろうが
叫んだ所で、妻の命が長らえる訳ではないこの現実。

ディナーナイフなんかで人を殺せるか!と思うものの
それも事前に医者である夫が、確実に心臓を貫く方法を、繰り返し伝授。
泣きながら、苦しみながら、それでもこの狂気の世界へ身を落としていく二人。
そうして息子を殺された憎しみだけを支えに、妻がついに実行へと移す――
 

ここで視点を変えて見れば
夫は、息子を失い、ここで妻をも失う訳ですよ。
一人の男の罪が、彼の運命を二度奪い、永遠の嘘を刻印する・・・・。
それが、この悲劇をより鮮やかに彩っていく。

ホテルの近くの川辺で、まるで送り火だとでも言う様に焚火を起こし
妻のいる一室をただ見つめる夫。

このシーン・・・!視界が滲んだ・・・。秀逸・・・!

妻も、夫が傍で見ていることを知っているから
ホテルのカーテンを開けずにはいられなかった。
そして、一切の音をカットした中、カーテンを開けると、夫が迎え火のように炎を灯し・・・!

うわあぁぁぁ・・・・。

手が届きそうで、止められないこの物理的な距離間も絶妙。
止めに行った所で、だから、妻の命はどうせもう消えるんですよ。
動けず立ち尽くす夫がもう!
黙って、戻れない距離に、見つめ合う二人が切なくて切なくて!


カーテンの隙間から妻の姿が消える。
夫が膝を崩した時、妻も、胸にナイフを突き立てて・・・。

どんな想いで見送ったのかとか思うと、やりきれなさすぎです。
何より夫・高瀬光治役の石黒賢さんの、物も言わぬ、見上げる視線が、何とも言えなくて・・・っ。
この後に、延々と続く夫の残りの人生を思うと・・・・はあぁぁぁぁ~・・・。
切なさ倍増。重たい・・・・。


それを法廷で佐方に明らかにされる。

「これが、貴方がたの、復讐ですね」
「・・・・まったく、身に覚えが、ございません・・・」

くわあぁぁ~。
そうだよなぁ。ここで認めちゃったら、それこそ妻の死が無駄になる。
意地でも貫きとおさなきゃならない嘘だ。
でも同時に、息子の死は法廷で証言されただけに、日の目を見ることになった。
7年前の息子の仇は取れそうである。
その代償として、今度は妻を失った。

ここの夫の心境もね~。重たいものを背負わされた。人知れず一生背負っていく罪だ。
妻はそれを知ってたのか。
それを分かってて、片棒を担がせたのか。
色々考えると、どんどん重たくなります・・・・心が・・・・。


夕暮れのセットの中、静寂が支配する物音ひとつしない法廷。
ここ、一切、音なしですよ!
息詰まる余韻に、無粋な雑音なんかいらない。

「最終弁論は、以上です」
ただひとつ、厳かに響く声。

うわあぁぁぁ~(二度目)
敢えて、夫が言った嘘を追求する必要はない訳で。
そこが警察と法廷の違いですよね。
少なくとも、これで裁判官に疑惑を植え付けられたから、それが嘘であろうと真実であろうと
被告人はグレーである。
よって、結審は、無罪。

うますぎです~。


これを、妻サイドからの物語とし
息子の交通事故を隠蔽された公安委員長・島津への復讐劇という角度で描いていたら
ここまでの悲哀は生まれなかったです。
だからといって、ベタな夫婦愛に徹している訳でもない、少し冷めた描き方が
逆に無常感を煽るというか。
何とも哀しく狂わされた夫婦の顛末物語でした・・・。

更に、事の発端となった交通事故を法廷で暴露されて
打ちひしがれ・・・・・・るかと思いきや、逆ギレで反省の色がちっともない、被告人・島津のキャラも
事件の広がりを重たいものに仕上げていたと思いました。

執筆者の才能とセンスに感動です。
派手さもなければ、こじんまりと纏まっているともみえますが。
このオチが鮮やかな余韻を残していました。


一方で
この事件の本質は、「裁くならまっとうな罪で裁かれるべき」という基本軸に照らし合わせ
真実を明らかにする意義を求めている訳ですが
同じ殺人罪なら、別にこのホテルの一件で裁かれたって構わない筈なのに
それは違うという正義がそこにある。

それを強調するため・・・或いは逆かな?そういう主人公だからこういう事件を持ってきたのか
中盤、何故佐方が検事を辞めたのか?という回想を入れて
罪人は裁かれるべきという、正に教科書的な持論を掲げるライバル検事・庄司真生との
白でもない黒でもない差を付けて裁判を進めていたのも、興味深かった。

ただ、そのせいで庄司はその意気込みが全部、ただ空回っちゃっただけになってしまっていたのが
惜しい。
ここで、彼女もまた事件に対し、真実を明かしつつも、庄司が破れるという結末を以って来れたら
価値観バトルとしての、ガチ法廷が楽しめたのに。

同時に、7年前の事件もまた、そういう価値観の勝敗で揉み消されたとかだったら、卒倒してた。
・・・まあ、そういうドラマじゃない。
メインはサスペンス。つまり、誰が彼女を殺したか?という点に絞られていたのは
分かり易くて正解だったと思います。
そして、クロスオーバーとして、ホテルの事件、交通事故、高瀬夫婦と丸山・・・
皆がまっとうな罪で裁かれるべきという歪みを持たせて補足し合っている所も
深かったです。


その視点から言えば、主人公もまた
よくある、ただのやさぐれたヤメ検事であっても
「まっとな罪で裁かれるべき」というポリシーをブレさせずにいたのは良かった。
庄司との微妙な落差が高等な理想論バトルと成り得ていて、見応えありました。
単なる、白黒の戦いじゃないとこがイイ。

それを、上川隆也さんが、ポーカーフェイスな弁護士として見事に熱演されていたと思いました。
い~い演技です~。
上川さん、こういう演技似合うー。表情をほぼ変えずに情感たっぷりな男を熱演。
法廷での落ち着いた追求の仕方も、自信や経験を滲ませてた。

ミステリーで魅せるドラマなだけに
変に、ナビゲートの弁護士が感情豊かに演じられると相殺されちゃうんですよね。物語の中で物語が。
でも、淡々としたキャラと棒立ちは全くの別物。
ベテランならではの雰囲気演技が見事でした。


庄司役がまた、トゲがないけど手堅い感じの松下由樹さんっていうのも二大巨頭。
上川さんとのバランスとして最高で、貫禄出てました。

被告・島津役の大杉漣さんのチョイスもニクイな~。
いかにも悪って感じの人物にしちゃうと、ネタバレになっちゃいますし
だからと言って善人顔の弱そうな人だと
交通事故から逃げ出したキャラとしてはいいかもしれないですけど
最後の逆ギレとか、単なる負け犬の遠吠えみたいな軽いキャラになっちゃいますよね。
それに、そもそもの根幹部分の主犯だったという説得力も落ちる。

その辺の微妙な匙加減を表現するのに良く合ってました~。
ま、もうちょっと、腹黒そうな脂っぽい人でも良かったかな。

そういう意味でも、おなかいっぱいなドラマでした!久しぶりに良い演技合戦を見せて頂きました~。


音を一切入れないシーンや、妙に明度を上げたグレイッシュなカットなど
演出も色々凝っていて、印象的。
ストーリーのテンポも緩慢なく、理解を妨げない程良い脚本。
そういう点も上手かったです。
裁判にかける前に当然気付きそうなツッコミもありましたが
(ナイフの刺し傷は、自分と他人では傷口違うだろとか)
リーガルドラマですから、スル―します~。


リーガル的な見どころは
論告求刑に入ってから、今更もう一人証人を申請したいと申し出て
渋る彼をなんとか法廷に立たせるために駆けずり回り
そもそも彼に突き当たるまでの紆余曲折がドラマの大半であり
・・・・あったのにも関わらず、本当の「最後の証人」というのが、また別人ってとこか。

「その答えは、新たな証人によって齎されると思います」

法廷内で、更に放たれた一言にゾクっとしました。
この人に全部証言させるんじゃないのかー!えー!
油断した所でガツンとくるネタが、このドラマにキレを与えていると思う・・・。


最終弁論へと突入。
それが同時にミステリー的にもクライマックス、つまり事件の真犯人暴露の瞬間であって
物語としても最高潮。

その隠蔽を命じられた丸山秀雄を法廷まで引っ張りだすクダリは
どうせなら、もうちょっとお綺麗な人間論(笑)見せてくれても良かったかも。
「一度目は過ちです。でも二度目の過ちはその人間の生き方だ」っていうのは
説得力としては良いんですけど
なんか、この大人テイストのドラマに合わない?っていうか。健全過ぎ?

でも総合的には大満足です!
色々盛り沢山な、密度の濃いドラマでした!
楽しかったー!


唯一不満を上げるとするならば
佐方の弁護士事務所の新米弁護士!
こいつ、マジいらなかった。
冒頭からイッライラさせられて、最後までイライラさせられた。もっと心穏やかに見たかったです。

恐らくは佐方弁護士の少し浮世離れした感じへのツッコミという形で
佐方のキャラを仕上げようとしたのでしょうが
狙いが不発に終わってる?www
これが、ませた小学生アシスタント、みたいなポジションだったら、まだ良かったのに。

まずタクシーの中で物を喰うな。
喰いながら喋るな。
弁護士のくせに真相究明の仕事に文句言うな。
仮にも上司の言うことなら、もう少しリスペクトしてくれ。
いまどき、こんな頭の悪そうな女いねーぞ。
こういう女、大嫌い。だから女がバカにされるんだよと男に言わせるような典型でした。
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