Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2015*01*09(Fri)
草間彌生わたしの富士山~浮世絵版画への挑戦 感想
すっごく素敵でした~!4種類の富士山!原画で見たいです!!
浮世絵版画師たちの奮闘も仕事人の気合いと意地を見せてもらった感じで痺れました。
職人の世界を見させて頂きました~!

前衛的なものと古典的なものという、理念は相半する世界の融合という挑戦だけに
その共存というのは水と油のようなものなのでしょうね。元来。
伝統を護るっていうのは固定的で閉鎖的なイメージがありますし
同じ年代であろうに、草間さんの作品の方に、若さとエネルギーがあるように見える。
だからといって、古風なものは否定されるものではない訳で
今回、そんな制限の掛かった中で、双方よく完成まで持ちこめたな~と感動しました。
素晴らしかった。

特に、変わっていこうとする浮世絵師さんたちの葛藤が熱く伝わってきました。
今回のこの番組は、草間さんの名前を使ってはいますが
浮世絵師さんたちの脱皮の物語でした。



富士山を一度も見たことがないという草間さん。(そうなんかいっ)
ならば初めて目にする日本一の山は、彼女の目にどう映るんだろうって興味津々でしたが
富士山を命の根源っていう解釈は彼女にしては一般的な気もします。
・・・がっ。キャンバス3枚も持ちだすのか!w

でかっっ。
キャンバスサイズ、伝えてくれなかったですけど・・・。
でかっっ。
彼女の大アクリルキャンバスって194.0 × 194.0cmが多いようですから、これかなぁ。
×3で582×194cm?!!!6m!でかっっ。

「うんとご機嫌なのよ」
ニコニコする太陽を並べて、そう説明する草間さん。
かわいー。(*^。^*)
でもこのデカ富士山。和やかすぎて、彼女らしくないな~というのが私の第一印象。(毒がないってー)
この大胆さは好感持てますが。


対して、浮世絵は、その紙にサイズがあることを知らなかった草間さん。
「紙、小さくなっちゃいましたね」

なんか、しょんぼりとした草間さん。だからかわいいって・・・。
ホントに悲しそうに見える・・・w

出来あがった小さな作品2点。『わが心の富士はかたる』
紫の無数の目ん玉。
こ~れ~だ~よ~~~~~。こっちですよねぇ~。この毒々しさが味です。

「反復と増殖」無数のおびただしい群れ。
その、狂気を噴出するかのようにキャンバスにぶつける彼女の物言わぬ叫びこそが
見る者に快感と衝撃を刻みこむのだと考えます。
うをぅ。
紫の富士。これ、いい。



浮世絵を行う伝統技師たちは『木版アダチ』さん。
彫師に摺師・・・5~6人の猛者たち。かっけーぞ~!

まずは彫師の出番。
草間さんの手描き(フリーハンド)のタッチを再現するために技術を駆使し能力を惜しみなく発揮する彼らに
職人の世界を見ました。
そして、この工程こそが、彼らにとっても、古風な風習や技能からの脱却と、技術革新になっているのかも?
何より、それに応えられるだけの能力を持つ集団ってとこが燃えるわ~。

摺師の登場。
版木が5枚とか、既にその苦労が・・・うわぁ・・・・。


しかし、その苦労の甲斐もなく。
草間さんの反応は薄い。

結局、やっぱり一番最初に描いた特大富士山が忘れられないということで
これを一番大きな和紙に(1mって言っていたような?)擦ることに。

デカイ富士山を完成させる草間さん。
空のまだらな水玉と、峰の黒さがいい。


そして!
さあ!いよいよ浮世絵師たちの出番だ!
特注の和紙!
人間国宝さんまで登場しちゃったよ!

ここからの伝統を守り抜く職人たちとの攻防戦は見応えがありました。
版木8枚!
1万4千685個の水玉!
・・・数えるなよwww気が遠くなりそうだ・・・・ww いや、それよりも気が狂しくなりそうだ。


まだらな水玉の描き方を映像で確認する職人さん。
「位置が変わって、変わっちゃうんだ・・・」
「なるほどね・・・」
「それでまたデカイ円になる」
「ここはもう円にしようとしてないね・・・」
「これがたぶん草間さんの手の届く範囲なんですね」
このやり取りになんか笑った・・・w

そうして、水玉を掘り上げていった職人さん。
無数の水玉を掘る内に
だんだん水玉の中に入っていっちゃう、自分が分からなくなると仰っていたのが
印象的でした。
その毒こそが、草間作品の力なのかもしれません。恐怖と狂気と。
じっと見ていると生き物のように、見る者を取りこんでしまう。

なんか、じっと見てると本当に奥深くまでヤられそうですもん。
意識、しっかりと保っていないと。

「身体中に水玉を付けて周りの環境も全て水玉模様にしていく
 すると自分自身の存在がその表現のなかに埋没してしまう
 それが自己消滅なのである――水玉による自己消滅」

草間さんが水玉を通じて、何を訴えたいのか。
そういうことをよく理論で追及していますが
自己を消すことと、自己存在を表現したいこと、その両方を、私は感じます。
以前のドキュメントでも言ってましたが
絵を描くことが、彼女の生きる術であり、怒りであり、エネルギーであり、自己主張なのだと。

そういう力強さとブレない拘りに、私は強烈に惹かれます。
ホント、大好きだ~//////


先の小さな版画の方でもそうでしたが
この辺の、職人さんたちと草間さんサイドのやり取りが色々と興味深い。

前回の小さな版画の方で、草間さんからは何のリアクションもないことに
「草間さんが何を考えているのか分かんないっていうだけのことで・・・言ってくれりゃーいいのに」

もがいて未知なる世界へ行こうとしている浮世絵師さんたちと
どんどん先へ行ってしまう草間さんとの距離感が、見えた気がします・・・。
忠実という理念と、前進という理念の温度差という仕事の質の違いが感じられて
その難しさも素人ながら伝わったように思えました。
また、原画作家さんへのリスペクトや遠慮もあるでしょうから、無理もないです。
興味深いやり取りでした。面白かったです。勝手に。

なんていうか、過ぎ去ったものに、草間さんは興味ないんだろうな。
自分の作品へ愛着がないとかそういうことではなくて。
「自分を越えたものが見たい」
そういう作品に対する姿勢を垣間見れて、私はますます彼女に惚れこんでしまった・・・。

逆に、職人さんたちの仕事に対する姿勢っていうのも、男気溢れていて、カッコイイです。
「勝手に手を加えるということは、先生を無視することだと僕は考えている」
それが、護り抜く、受け継ぐ、といった世界に生きる者たちの本質を見せられて、武者ぶるい。
これぞ伝統芸能。

最後、こんなに失礼なことをしたのにって言う足立さんの職人魂に打たれました。

作家に合わせて変化していったら良い、引き出しが1枚増えたという言葉は実にリアルだ。
若い職人さんたちの未来が明るいといいなと素直に願います。

でも、草間さんは、そういう執着を持つ方ではない気はしてたな~。
自己を越えようともがく、むしろ苦しんでいるかのように。そんな御人に見受けられますので。
自分以外からの刺激は解答になるんじゃないかな~とか////偉そうに思う・・・スミマセン・・・。うわぁ。
確かに人によっては怒るのかもしれないですけど。


さて。
出来あがった版画は成程「再現」という仕事にぴったりの出来。
色違いの富士山に名前(タイトル)まで付けちゃう草間さん。
とっても気に入ったんですねぇ(^v^)

青――宇宙や人類の生命の在り処
黄色――永遠に輝く我が命 この人間愛は何億光年も滅びることはない
桃色――優しさに溢れた万物は私の心を打った
黒――我々の魂の沈んで行った果てにこの黒々とした山は全てを愛に包んでしまう
橙色――生命は限りもなく宇宙に燃えあがっていく時

美しく、素晴らしいものが完成していました。
これはこれで素晴らしいです~。わあぁぁ~!o(≧▽≦*o)(o*≧▽≦)o

ただ、贅沢を言うのなら、やはり草間作品の真骨頂は、写実じゃないな~と思いました。
印象・・・いや、もっと。
極限まで振り切れた抽象こそが、モチーフだと思う。やっぱ。
何か一つの形を齎しちゃ、駄目なんだよ。
草間さんに制限を設けちゃ駄目なんだよ。無限に広がる混沌こそ、彼女の世界観だ。



いやいや、楽しい番組でした。
もう草間彌生さん、大っ好きなので、ご本人のお元気そうな姿を見れたことも嬉しかった!
ワインレッド地の水玉のかっぽう着とか!かっわいー!

でっかなまんまるをせっせと描いていく草間さん。
実は彼女の製作過程を見るのも、私大好きだったりする。
線に迷いがないんですよね。
下書きもなしに、ざっくざっくと描く軌跡は、それだけで気持ちが良い。

新宿にあるアトリエの中も、草間作品で埋め尽くされていて、そのひとつひとつもカラフルで素敵~vvvv
様々なカットの後ろに、作品が背景として写りこんでいて
目の保養ってゆーか、草間作品を沢山堪能出来たのも、感激でした。
もーっ、もーっ、ありがとう!スタッフさん!


あと、以前言っていた、草間作品だけを飾るスペース、出来たんですね。
いっぱいあって、たまらない~。行ってみたい~。
あの空間に埋もれたい・・・・w

例えば、「わが死の祭壇はかくのごとく」
この、おびただしい目の群れ!
死と増殖という薄気味悪さが、一番好きな部分。この作品は衝撃。
「それ、私ですけど」
怖いってのーwww

死をテーマにしつつ、生きたいという執念の様な強さが、もうホント圧倒されます~。
黒の使う割合なんか、もー絶妙っっ。
草間作品には命のエネルギーをふんだんに感じますが
だからといって、決して生をポジティブに捉えている訳ではないというところが、めちゃめちゃツボです。(//∇//)
「一日も惜しい」という言葉に、彼女の眩い生への執着が美しく見えます。

彼女の作品を「若いアーティストそのもの」とインタビューで答えている方がいましたが
正にそんな感じ。生命溢れ、張りを感じる。
今南米を廻っているという展覧会。
日本(っていうか東京)でもやってほしい~・・・・。いいな~羨ましい。

完成した作品の変わらぬクオリティに感動!最高の年明けでした~////////
好きだー。(意味なく告白)




・・・・・・・・・・・ただ・・・・あのぅ。
強いて言えば、ナレーションが少々イラつくというか下手くそで、耳障りでした。
誰をターゲットにしているんだか、という台本。
「これはもしかして・・・」とか、「わぁ!空一面が水玉だらけ」とか。子供向け動物モノかっての。
・・・いえ、大竹しのぶさんは静かに語ってらして、聴きやすかったんですが。

草間ワールドビギナーを相手にしているのだろうとは言え
目線が(視点が)ナビゲーターっぽいのが合わない合わない。内容に。
これはドキュメント形式で、レポートのように紹介してくれた方が余程、衝撃や迫力が伝わったと思う。
「・・・・・である」とか「・・・・をした」とか
そういう紹介的な立ち位置。
そういうのが良かった。

彼女の作品に、仲介役や歩み寄りの視点なんか要らない。
遥か異質の空間から、物も言わず作品を見せてくれるだけで、その魅力は見る者に言葉なく語る。
理解とか、共感とか、馴れ馴れしいスタンスは水入りだ。


※2012年のNHKの時のレビューがコレ→水玉の女王「草間彌生」の全力疾走 NHKスペシャル
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