Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2014*12*25(Thu)
踊る大捜査線THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!感想
ヤフートップ画面に無料動画GYAO!のコーナーがありますが
現在その映画のタグで、何故か踊るがトップリンク貼られてまして。
観ちゃったよ!!あったら観ちゃうよ!!

MOVIE1です。再生回数も1位です。みんな好きだね。

もうこれ何回観たの?DVD持ってるよね?映画館にも行ったよね?ってか何で今更貼られているの?
だけど好きだわ~~~~~~。←エコー付けて


踊る記事の100質でも答えているように、私が初めて触れた踊るワールドが、このOD1。
絶対面白いからと友人に連れられ、いきなり映画館で拝見。
その時の初印象は、派手な映画だな~くらいのものでしたが
目まぐるしい展開や、クライマックスの「室井さぁん!」に、うおー!と思っていたのを覚えています。
その帰り道、その友人が、この作品はドラマがとにかく面白かったんだと力説。
で、ドラマ版を観て、ハイ、1話で落ちました~。

なんっじゃこりゃああああああ!!!!
ドラマ1話マジいいよ!マジいいよ!
ラストのオチがたまらん!事件を解決しない刑事の、犯人とのリンクがたまらんっっ。
刺激を求めて相似的な想いを抱いた二人の同調に唸りました。
そして、一部の隙の捨て回のない連ドラが続き、最終回の、大階段。
もう何も言うことはないです////////言葉が出ないって正にこのこと。

なのにですよ!
更にその後SPで歳末、初夏、秋と続けられ、盗聴器ひとつで、あんなに見事な心理的擦れ違いを演出!
その上でのこのOD1の公共電波使った共鳴!
ふわあぁぁぁ~///////

そんな訳で、久しぶりに観ちゃったので、軽く感想文をば。←軽くなどないw長いね!


踊る大捜査線 THE MOVIE 『湾岸署史上最悪の3日間!』1998年度作品
興行収入101億円
監督/本広克行(ROBOT) 脚本/君塚良一 制作プロダクション/ROBOT
プロデューサー/亀山千広 臼井裕詞(フジテレビ)堀部徹 安藤親広(ROBOT)


この作品は単品でも充分エンターテインメント性を持つが
ドラマ版~SPを経ての集大成として捉えると、より一層、そのテーマ性やら主旨が重みを増す。
(何度も言うが、踊るの本来の魅力はドラマにある)
そして、ドラマを知らなくても、ファンとしての贔屓目なしに一映画として観ても
なかなか面白い映画である。(ホントに)

日本実写映画歴代興行収入4位。
勿論、第1位はOD2ですね。未だに2位に大差を付けてトップに君臨中。


本作は1998年11月4日~11月6日の3日間の出来事が描かれている。
踊るシリーズの最大の特色は、従来の刑事ドラマから一線を画し
警察を一企業に見立ててサラリーマンの悲哀を描いている所だが
その特色を捻って、今作のメイン事件は、副総監を副社長と間違えて誘拐した犯人の話である。
踊るならではの特徴を模した事件ですよね。

冒頭、早朝の薄暗い車内から映画は始まるが
それも、強引さのない優しい導入であり、唐突感はない。ほぼ無音の湾岸地区の夜明け。
勿論、張り込みのように見せかけて、実は副総監のゴルフ送迎という
何とも踊るらしいネタにシフトされるテイストは、抜かりがない。

そして、ここで手に入れるスモークボールが、後々の最大アイテムとなる布石としての効果も充分。

そこに堂々と横切っていく犯人・・・w
・・・コメンタリーでも言っていましたが
湾岸署内の窃盗事件犯も、湾岸署カットに入った瞬間から普通に登場しているんですよね。
そういう伏線の貼り方も大胆で特徴的だ。笑えるのもいい。
(映画3、4では見られなくなった繊細さだ)←禁句

例えば、雪乃さんが初めて検死に立ち会うのを促した後
青島くんが「当分ハンバーガー食べれないな」って笑うシーンも
その後ろでハンバーガー持って立ち尽くす中西さんとか。(当然台詞なし)
ここで、あからさまに何かを喋らせてしまっては下世話に成り下がるが
敢えて、無音のカットで、そのままシーンチェンジ!
これだよ~~~~。こういうセンスが元祖・踊るだって~!


本編には直接関係ない、水死体の捜査を巡る勝どき署との権力争い。
スリアミによる、戒名付け。
特捜本部は2000円の幕の内弁当・・・。

物語はドラマのノリを色濃く投影したまま、ポンポンと手際良く進む。
映画を楽しみたいと思う人には、コレ映画でやる必要あるのかと思う程の
コントのようでもあるアホな言動や軽妙な会話劇が、斜め上に展開されていく。
慣れない新参者には、少々まだるっこく、或いは無駄に感じるかもしれない。

しかしトータル的には、その前半の明るさが、後半のシリアスムードを引き立てているし
踊るはあくまで、事件を追う刑事の物語ではなく、働く人間の哀愁、心情的物語であるから
これで良いのだと考える。

とにかく序盤は、画面も軽く、ポンポン話が進む。
一気に世界へ誘われていく。
二つの事件――猟奇的殺人と副総監誘拐事件――が同時に進行していくので
湾岸署サイドと本庁サイド、しかも湾岸署では更に窃盗事件も起きていて
導入角度が沢山あるのも目まぐるしく、バラエティに豊む。

それらがビーズのように散りばめられ、とても鮮やかな印象だ。


一方で、少しずつ進められていく本編(特捜)本店サイド。
湾岸署に本庁が乗り込んでくるシーンは、暗いブルーの闇に包まれ、ゆっくりと迫りくる軍隊演出。
笑っちゃう程の誇張表現が楽しいv そしてカッコ良くもある。
本作品に於ける、本庁というものをどういう解釈をしているかが、露骨に表れるシーンですね。

初めは新城さんを管理官として開設された特捜が
ターゲットが副総監ということで、万一のことがあれば失点は免れず
そんなリスクを冒すなと、エリートキャリア擁護策。
よって、(ドラマ時代に)既に汚点が付いている室井さんに本部長を譲れという指示が下る。

新城さんの名セリフが拝めるのも、ここですね。
「この辺で点数を稼いでおいた方がいいんじゃないですか。室井さんは東北大でしたよね」
「何が言いたい」
「入試で遊ばず、死ぬほど勉強しておいて良かった」

~~なんっっちゅー台詞っっ。
良くこんな台詞考えつきましたよね~。ある意味清々しささえ残る、壮大な嫌味。

そして、紙コップに熱いコーヒー入ったまま、無言で握りつぶす室井さん。

こういう、時折見せる野性味あふれるところが
如何に普段理性的に行儀良く振る舞っているかを彷彿とさせる。
っていうか、どれだけ自制心強いんだと。
この辺でもう分かるように、室井さんは今回、ほぼ四面楚歌である。
あっちにこっちに好き勝手に負荷を掛けられていく。



でもそんな、生温い展開が、青島ー室井がようやく個別に接触した付近から、急速に色を変える。
明るく、ポップな湾岸署カラーで縁取られていた物語も
一気にシリアスに傾斜する。

室井さんサイドー副総監事件は、身代金受け渡し失敗。
思う様に動かして貰えないことで、指示が滞り、憤りを募らせるシーンは
見ていて様々なエゴが圧し掛かり、正にサラリーマンのヒエラルキーだ。

青島くんサイドー猟奇殺人も、犯人と接触出来たものの逃亡。
それは大事な所で本庁サイドの邪魔が入ったからであり
所轄の仕事より、本庁を優先させろという、従来のテーマが壁を造る。
ちなみに、この切り口はそのままOD2へも引き継がれる。


イライラする青島くん。
むしゃくしゃしたまま休憩室へ。

そこで、ついに室井ー青島、二人きりで遭遇。
思えば、秋に喧嘩別れした時にも周りに人がいたし
二人きりでゆっくり話せるのは、恐らくここが初だと思われる。

そして!有名な背中合わせの椅子シーン!

青島くんが缶コーヒーを買ってあげて、後ろに腰を下ろす。
「誘拐犯、接触してこなかったですね。無線で聞いてました」
「・・・・ああ」←初めて(秋以来)室井さんが答えたー!
「参事官になったんですってね・・・ザ警察官僚。おめでとうございます」

缶コーヒーをプレゼントv

「そっちも大変でしょうけど、所轄のこっちも大忙しです。下っ端は下っ端でね」
「・・・・」
「今のは嫌味です。いちお」

「すまない」
「・・・?」
「頑張って上まで行ったのに。君との約束が・・・・。
 本当なら、現場を知ってる君たちに、捜査を。
 正しいことが出来ないんだ・・・・。自分の信念も貫けない・・・っ」

苦しそうに目を瞑り、何かを吐き出すように訴える。
そんな室井さんに、驚いたような顔をした後、青島くん、笑って。

「出来ますよ、室井さんだったら。俺が信じた男ですよ」

室井、ゆっくりと目を開ける。

「・・・待ってますよ俺。頑張りましょうよ。俺たちの想い、実現するまで」

すると、室井さん、缶コーヒーを握り、立ち上がる。


このお互いを消化するシーンはもう格別。
そこに明確な理屈も言葉もいらない。

この直前まで、青島くんは、室井さんにはムクれたような、睨みつけるような目線を送っていたし
直前まで上手くいかないことにイライラしていた。
それが、ほんの少し・・・
室井さんが諦めた訳ではなく、戦いたいんだ、でも出来ないんだという愚痴を零すと
まるで魔法のように、青島くんの中のモヤモヤしたものも一掃されてしまう。

室井さんもまた、青島くんの、まだ信じて貰えているという熱意を知るだけで、再び火が灯る。
ここの境遇を強調するためだったのだろう、これまでの室井さんの四面楚歌状態という背景が
ここの二人の説得力を持ちあげ、鮮やかに演出されている。
どん底で同じ立ち位置に戻るからこそ、伝わる同調感も大きい。

そもそも、映画から入ると、何故この二人がいがみ合うのか、明確な記述はない。
だから、初見だと、室井さんは嫌われ者にも見えてしまうかもしれない。
勿論、これは、秋スペで、監察官の室井さんに盗聴器で裏切り、裏切られたことで
それがまだ心の中で解決できていない燻りを物語っている。

青島くんも、最後まで信じてくれなかったことへ憤っていたし
室井さんも、上に行くために選んだ苦渋の決断を
頭では信念(約束)故にと割り切っていても、自分もまた、そう簡単に割り切れていないことが伺える。
同時に室井さんの場合、それがそのまま現状の負荷にも通じる。

それを、青島くんが理解しただけで、こんなにも強くなれる絆。
たった数分で、あの秋の確執が煙のように消えてしまう。
その説得力も充分だし、言葉ではなく、表情とか声質とかで伝わるものがある。
二人っきりっていうだけで、あとはベタベタしていないのもいい。

二人で戦うんだと思うだけで、パワーに変わるのは
やはり元々の根幹の同調と、一度は理解し合った仲だからだろうなと察せられる訳で。

室井さんが継続的に孤立してきた環境も、この和解を補足していて
青島くんは“約束”を通じた、自分を追い込む存在ではなく、唯一、一緒に戦ってくれる味方だと
室井さんの中で心理がシフトした瞬間でもあり
この瞬間、少なくとも彼は、心理的には孤高ではなくなった。

事実、その変化が、クライマックスの共闘に繋がり
共通認識が気力や勇気、そして行動へと繋がる変化は、観ていて充分こちらの共感を呼ぶものである。
むしろ、数多の人間が深層心理で求めているものだろう。

ここは、サラリーマン云々よりも、結局俺たちは最初から二人きりだった、という同志な想いが
めちゃくちゃ燃える。←萌えるでも合ってるがv


しーかーもー!
「ああの、珈琲代の方はあとで本店の方に請求しますから。経費節減しろってうるさく言われてて・・・」
「・・・・・自動販売機ごと返してやる」

きゃーっっ!!!!何そのおっとこまえな台詞!!
その室井さんの目を見て、青島くんもニヤリと笑う。
室井さんはもう大丈夫だと分かりあえる。
たまらん共鳴シーンです。

また、その後、和久さんが吉田副総監と、似たような境遇であることを告白し
なんだか、時代が受け継がれているようで、歴史とか世代とかを感じさせる。
そういう連鎖みたいなものは、これまでなかった側面で
その関係性が、ラストの負傷に繋がる訳だから、少々重たい。

「お前も室井さんとそう約束したんだろ」
「・・・ええ」←この、なんとも、はにかんだ、嬉しそうな顔がイイvvv
「諦めるな。想いはきっと実現するから」

そして余談としては、OD2で本当に室井さんは自販機買ってあげちゃったというね。
衝撃のオチが付くwwwどこまでも冗談の通じない男・ザ室井慎次!


*******

さて、ここまでが前半戦。
後半は事件の進展と、青島くんの境遇に視点が絞られる。
ここからが、評価に値する、本当の怒涛の展開になる。

誘拐の方と猟奇殺人の現場が同じであったことが判明。
誘拐の方の仕込みとして仕掛けられていた盗聴器に、青島くんの声が入っていたから。
このスライドは絶妙だと思う。
どうやって、青島くんを自然に疲労させつつ、本庁の方に関わらせるか。
なかなかに考えられた接点。

これで、青島くんのスタンスが微妙にシフトする。
室井さんと話したことで、わだかまりが解け、友好的になっているだけでなく
名実ともに、本庁サイドに関わる理由が出来た。上手い駒の進め方。さあ、下準備は整った!

「こいつに何をしてもいい、絶対に思い出させろ」
「めちゃくちゃだなぁ」
新城さん、相変わらず、強引~v
彼のこの失敗を知らない無謀さは、室井さんとは別な意味で突き抜けている。

ここのMOのファイルを閲覧させるクダリは絶妙な間の笑い・・・w
思うんですけど、青島くん演じる織田裕二さんの演技の上手さはこういうとこだと思う。
ヒーロー宜しくバシっと決めるのも上手ですが、缶珈琲CMの「ブラボー」って言い方とか。
センスが絶妙だと思うんですけど。


で。
猟奇殺人の方は、勝手に犯人が自首して来ちゃうので、そこを確保。
これは追いこむまでの、ネットを使ったチャットやら、袴田課長も混ぜた、待ち伏せなんかが見どころ。
そして、その殺人犯を青島くんと一緒に逮捕した男が、窃盗犯。
「通販で買っちゃった」ばしっ←青島くんとすみれさんの息の合ったツッコミも見どころ。

とてもテンポの良い流れだし、簡素だけど無理もなく、丁寧に造られていると思う。
踊るはいわゆる倒叙的なものでもないから
犯人逮捕という重要な線でも、この辺の軽いタッチに違和感もない。



残すは副総監誘拐事件のみ。
室井さんの苦悩はまだまだ続く。この負荷こそが、名シーンへの布石となるので、限度がない。

本庁はプロファイリング
所轄は後方支援
そうしたいんじゃないのに、言いだせず押さえ付けられる室井さん。
眉間に皺よせて 両肘を付き頭を抱える。

それを見る青島くんの態度が、前半とは一変し、言うこと聞いてやるかって顔するから
ちょっとリアクション変わったのが分かる。

室井さんをこれ以上更に追い込む訳にはいかないっていうのもあるだろうが
それよりは、その苦悩が本当に必要なのであれば
室井さんの苦労を、俺も一緒に受け止めなくてどうするっていう、ある種の覚悟みたいなものも感じられる。
それが後の、あの名台詞に繋がるのだと考えると自然だなぁ、と。

事実、室井さんが抱えて雁字搦めになっているのは
決して善VS悪の話ではなく、戦うフィールが違う二つの視点が噛み合わないだけの、温度差に在る訳で
行動原理の問題である。

また、こういう心理的決着の付け方って
サラリーマンを経験している青島くんだからこそ、という経験値も感じられて、共感してしまう。
(勿論、規律と階層に憂う室井さんの負荷も)


特捜サイドでは、まだプロファイルなどを駆使していても、全く辿りつけない中
和久さんは和久さんで足で付き止める。
青島くんはデータからプロファイルしちゃって未成年にターゲットを絞りだした。
更に真下くんから、猟奇殺人の時の仮想空間のチャット仲間の一覧表を入手。
そのデータから、未成年を絞ったら一件ヒット。
でも住所が分からず。(ネットだから)

この、結局犯人に辿りつけたのは
円卓囲んでいる脂ぎった上役でも、部屋の中で書類とにらめっこの本庁でもなく、所轄っていうのは
物語的な爽快感があし、製作者のサラリーマン謳歌が感じられる。
ブレもないし、悪くもないと思う。
また、インターネットで知り合った人間同士が犯罪に加担するという発想も
(当時としては)何とも斬新な真相だし、犯人との接点が割り出せず難航した理由付けとしても充分。
この辺のリンクの仕方と回収の仕方が、踊るらしいし、見事である。



住所が分からない。
そこで何気なく見た湾岸区域の風景。
煙突から上がる赤い煙。

そこから掛かりだす、お馴染みテーマソング!RAP!
走る青島くん!
屋上で、360度の展望!
画面が白黒になって・・・・際立つ赤い煙。「天国と地獄だ」

燃えるー!!ゾワっと鳥肌が立つー!
ノリノリのお馴染みのテーマソングもいい!

急速にスピード感も上がり、一気に観客のボルテージもストレスなく上昇させる手腕は
見事に洗練されていて、ここからアクセル全開。
この辺から怒涛に畳み掛けるエンディングまでは、もう圧巻である。

ついでに、これこそが、冒頭、ゴルフコンペで貰ったスモークボールであり
そのひとつを和久さんに渡していて・・・という繋がりで、というのも上手い。
なーるほど、と、すっごいしっくりくる伏線回収。
真っ赤なスモークボールが事件解決のヒントになるというアイディアも面白い。
それを誇張するように、映像も他は白黒で色を失くし、煙だけを赤く立ち昇らせるという、天国と地獄演出。
細部まで実に良く出来ていると言える。


そこが現場だと確信した青島くん。伝言を残し、現場へ急行。
和久さんを発見。
そして、アパート番号を付き止める。

掛かり始めるMOONLIGHT。(これがまたねー!ほんっと良い曲だよな~~~~//////)
沁み入る~~~。

さあ来ました、あの名シーン!!

無線で本部と連絡を取る青島くん。
突入の指示を仰ぐ。
しかし、あまりのプロファイルとの相違点と、いきなりな展開に、円卓から待ったがかかる。

「待て!うちの捜査員をいかせたほうがいいでしょう」
「いえ、うちの二係をいかせますから」
「とにかく所轄なんかにやらせないでよ」

見当違いな会話にうんざりとした顔を見せる青島くん。

「室井さん、命令してくれ 俺はあんたの命令を聞く!」
「・・・・・」
「そこで待機だ!本庁の捜査員が行くまで待て!」
「室井さん・・・っ」
「室井に指揮権はない!お前は手を出すな!」
「答えてくれ室井さん・・・っ!」

「被疑者と思われる人間に見られました。追いかけます」
「動くな!本庁が行くまで待ってろ!」

「事件は会議室で起きているんじゃない!現場で起きているんだ!」
「・・・・っ!」
「室井さぁん!」
「青島、確保だ!!」

~~~~っっっ!!!!!・・・・っっ!!!!/////////
キター!うっしゃー!!

このための、室井さんへの数多の負荷であり、室井さんと青島くんの一時期的な不和だった。
室井さんの大爆発と青島くんのエネルギーが融合して
何とも気持ちの良い展開。

これを公共電波(ちょっと違う)使って、堂々と会話しているんだぜ!どうしよう!変な意味でなく!
前も言ったけど、こんな直向きに自分呼んでくれたらたまんないよなーw//////
見せ付けるような二人だけの世界と会話が、二人でいくぞ!っていう勇気にも変わり
共鳴していく。くはーっ!

ラストだけ画面が切り替わり、青島サイドから本部へ切り替える。
青島くんの声がスピーカーから響くのも最高な演出。
やべえ。何度見ても卒倒しそうだ。



これだけの頂点を描いたにも関わらず、脚本は未だ手を緩めない。更に畳み掛けクライマックスは終わらない。
今度は捜査本部。

最早会議室になど、用はないとばかりに立ちあがる室井さん。
「どこに行くんですか」
「現場だ」

室井さんに黙ってコートを手渡す新城さん・・・っ/////
かっけ~!
ここの演出の妙は、コメンタリーで成程と思いました~。
また、あれほど苛ましていた周辺環境を、もう一切気にしていない堂々とした室井さんが痺れる・・・。
青島くんが室井さんを開花させた瞬間である。


だが、こんな啖呵を切って、本部を投げ捨て飛び出してきた室井さんが、現場で見たものは
何と、自分が自らタズナを手離した、唯一の相棒の血濡れた姿。
ああぁあぁぁぁ~室井さん・・・。どこまでも報われないひと・・・。

犯人を目前にした青島くんが、室井さんのためを思って本庁の捜査員に逮捕を譲ろうとするシーン。
「ちょっと待って・・・俺たちが逮捕しちゃったら室井さんが・・・」

それを一番に助けにくるのが、他の誰でもない、室井さんってのがまた悶える~////。


この時の室井さんの心中を思うと、怒涛のように押し寄せる様々な感情には、台詞等なくとも
息が詰まる。
命令しなきゃ良かったのか、自分の判断が遅かったのか、判断が甘かったのか不十分だったのか
ならば大人しく、上の言うことを聞いていれば良かったのか。
つまりどちらか片方に属していれば、その摩擦の象徴としての悲劇は避けられたのではないか。

問題解決のアプローチの異論が齎した着地点は、あまりに重く。

同様に、新城さんにも訪れる苦悶。
「兵隊が犠牲になってもいいのか・・・っ」自分を護ってくれるのではないのか。
己の庇護の対象を怒鳴る新城さん。

ラストでは様々な想いが、熱く、言葉なく交差し、怒涛のように押し寄せ、決着が付けられていく。
前半は明るく、軽妙に進んだ数多の言動や、横暴なまでに振る舞い
一点の迷いもなかった本店サイドが
捜査員の負傷という転換期を経て、対象的に迷いを生じさせる展開は異様ですらある。
そこにヒエラルキーの弱みや弊害を見せつつ
生じるカタルシスが単純なものではないことも匂わしていて、層が深い。

そもそも青島くんが懸命に叫んだ台詞も
これは組織構造の根本として回す気のない本店への心理的な揶揄なだけで
別に本店を全否定させている訳でもない。
そういう解釈がまた、小気味良い。


また、室井さんもそちら側として、抜け出そうともがいたのにも関わらず、一律に迷いと罰を与えることで
何とも悲痛な結末と成り得ている。

反して、所轄サイドは、負荷を与えられつつも、最後まで実にストレートなままであるのも
ちょっと浮き彫りにしているのか。



よっぽど慌てたのだろう、室井さん、誰の手も貸さずに(笑)、青島くんを抱えアパートを飛び出してくる。
自分で運転しちゃう。シートベルトも忘れる。室井さんの運転~青島くんお初だ~v
お馴染み、これまた名シーン。

車の中の遺言(違)

「室井さん・・・」←最初に声かける相手v
「喋らなくていい・・・っ」
「俺・・・いなくなっても・・・現場の刑事のために・・・」
「ああ・・っ、約束する・・・!」

意識を失う青島くん。

「いやあぁ!」
「くっそぉ!」
「なんで・・・・青島くん!青島くん!!」
「青島ぁ!!」

悲愴な叫び声。
やがて聞こえる寝息。爆笑。

「あれ・・・?」
「死んだんじゃないのか」←www
「青島くん・・・三日寝てなかったんだ・・・。はあ・・・ったく」
「ほんずなっす」

折角通じあえたのに・・・!っていう室井さんの心中を思うと、遣り切れない。
・・・・けど、唯一、二人が共有していなかったのは
喧嘩していた間のお互いの状況であって(笑)
眠くて眠くて仕方なかった、3日間寝てなかった青島くん・・・・w (そうか、副題は青島くんのことかw)

どれもが奇跡の結晶のような精錬された台詞で、かたどられる。
ムーンがかかってからここまで、一言一句、名台詞。無駄も隙もない。
脂乗ってますね、という感じだ。


そして、結局、室井さんは降格処分。
青島くんと関わると、結局処分を受ける羽目になる室井さん(笑)

でも見舞いには行く。労災持参で。

「もっともっと偉くなってくれって」
そういう青島くんを遠目から見る和久さんと室井さん。
どうする?という表情で室井さんを見る和久さん。
くるりと踵を返し、帰っていく。
うん、会えるわけないよな。そんな風に言われちゃったら。

そして明日に向かって頑張る二人で、エンディング。
なんて爽やかな読後感。


あ~やっぱり面白い~。
後半、前半の可愛いカラーが嘘のように一変し、そこから一気に雪崩れ込ませる勢いは圧巻。
何よりストレートな盛り上げ方が、素直に楽しい。

訴えているものは、比較的重くなく
室井さんと青島くんの共鳴に焦点を当てたような構成だが
それでもドラマ時代から継承している階級社会や社会性を
刑事という職業で分かりやすく表現しているのは
面白くもあり、応援歌にもなっている。壮大な物語が完結したという感じだ。(まだ続いちゃうんだけど)

ラストこそ血が流れ、派手な結末(悲劇)を呼び起こしてしまっているが
根本は、不条理や利害関係に揉まれ、やってらんないよな・・・というサラリーマンの抱える葛藤であり
日常だ。
そういうことをエンターテインメントの裏でひっそりと描かれると
青島くんと同じように、しょ~がね~な~また明日も頑張るかって思えてくる。
そうやって、みんな生きていく。
そういう大人の世界と刑事ドラマを見事に融合させた、類稀な物語だと思う。

※OD1コメンタリーのツッコミ感想がこちら
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