Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2013*09*19(Thu)
名もなき毒 最終回 総括
特に意外な事実が出てきた訳ではなかったけど面白かったです。
ミステリー的にはイマイチなんだよね。確かに。
第1部もそうだったけど引っ張った割に平凡な解答で。拍子抜けしちゃう。

でもそれは視点が違うのであって
このドラマの目的は『人の心に殺意が湧く瞬間』だ。
どこでその一線を超えるのかが焦点であってその意味では非常に丁寧に描けていたと思う。

人は誰でも不条理なことにムカつくし怒るし、でもそれと殺意は別モノであって
その境界がどこなのかに着目した描き方は
昨今のキレ易い若者、とかの風刺を皮肉った主張とも取れて面白かった。
それでいて僅かに殺意=毒が浸みこんだ人間でも
最後に誰かがそれを止めてくれたならっていうオチはちょっと
人間の愚かさと救いを匂わせていて良かった。


予想通り原田いずみからはこれ以上の毒は出てきませんでしたね。
ただ怒っているだけなんだな。彼女は。
そんな彼女が盲目的に取り調べのイケメンに「話を聞いてくれる人」という心酔をする結末は
彼女が何も変わっていない空恐ろしさを感じさせた。

でも彼女自身は何も変わっていないのに
態度がこんなにも違うっていうのもまた皮肉だよなぁ。

つまり相手次第で
毒があろうとなかろうと表向きスムーズな関係性は可能だということになる。
怖えぇぇぇ・・・。


古屋暁子からも何も出て来なかったのはちょと意外だった。
この人もまた自分のことばかりな人だったなぁ。
でも彼女なりに娘を大事にしたいのだろうということは通じたし
最後の和解は良かった。

その和解でさえ、美知香主導であることが情けない。
「疑われて悲しかった。そんな親だと思われていたなんてママ悲しかった!」
「疑ったよ」
「ほら」
「でも・・・!それでもお母さんの味方でいようって思ったよ!」

美知香の方が大切なことをちゃんと分かっている。
一番言って欲しいことを母親として言わなかった。
一番大切なことを娘に言わせた。
その部分だけ暁子は美知香に甘えていると思った。

でもまー、後日の仲睦まじい二人を見てたら微笑ましいったら。


奈良和子からも何も出ませんでしたね。
彼女はただの自殺だった。恋人を失ったことに因る純粋なショックによる自殺だった。
それを穢したのは
同じく奈良和子に同調したバイトくんが薬を勝手に隠し入れたから。
――――いえ、ギリギリの所で踏ん張っていた彼女の最後の糸である恋人を
偶然という形で奪ったバイトくんが
更に彼女の死後も穢したことになる。

その点が暈かされたことがちょっと残念だ。


その美知香と犯人のバイトくんがこういった形で遭遇してしまう偶然は
運命というか皮肉というか。
美知香がこの人が祖父の仇であると気付いてだんだん表情が変わっていく、
声なき時間の経過がすごく緊迫感出てて素晴らしかった。
遠くで原田いずみの狂気染みた迷惑行為が並行する中で
静かに美知香の感情も沸騰していく様がリアルで
ちょっと鬼気迫ってたな~。


それらすべての根源であるバイトくんが原田いずみを説得するクダリの挿入も
面白い展開。
同じ(ではないにしろ似たような)社会不適合者である人物による説得が
原田いずみに効くのかどうか。

結局無駄だった訳だけど
その分ラストの刑事さんにだけ笑顔な原田いずみの歪みぶりが強調されてくる。


では誰から毒が飛び出たのかというと
なんとここまでアクもなく色もなく淡々とナビゲートしてきた主人公・杉村。
とことん人の良い彼にもどす黒い感情が湧くのだとしたのは
ドラマの集大成として納得。
でももうちょっとおどろおどろしい雰囲気で演出してくれても良かったかも。
ホラーちっくに描いてきた本作なんだからさw

でも無表情で原田いずみをガンガン壁に叩きつける動作は
ちょっと見入ってしまった・・・。


今回の殺人事件も原田いずみ自身も杉村本人には何の関係もない所から
徐々に関わることに因って
やがて杉村も毒に犯されるとしたかった訳ね。
トータル的な流れの怖さはなんとなく理解出来た。
健全に生きていても誰かの毒は広がっていく、みたいなナレーションが何話か前に
入っていたしね。
正にそういうドラマだったんだな~。

でもそれを訴えるにしてはちょっと杉村自身の捕捉が弱かったかな?
唐突だったし・・・。
変わっていく様を客観的に指摘するクダリがあると良かったのかも。


そしてそしてっ!

最後の最後にバイトくんはその昔家を売ろうとしたのだという真実。
その時ズルしてでも土地を売っておけば
現在人殺しなんかすることなかったかもしれないというオチは
後味の悪さを加速してた。

もしその時不正をしていたら後に大きな罪を起こさなかったかもしれない。

何でも潔癖に生きていると何処かで必ずガス抜きが必要になる。
社会で生きる息苦しさを正義から外れることで解放出来るなら
毒を以って毒を制す、ということか?

そのなんとも極論的な結末、私は好きだな。割と。

毒は何処から湧くのか。誰にでも簡単に触れられる。
清廉潔白に生きていたって何処かで誰かに汚されるのなら
多少の悪さは社会正常化の抑制になっているのかも?
なーんてね。

マジメに生きてきただけに追い詰められてしまったバイトくんを
何で俺だけがって理由から
無差別殺人に走った短絡さを以っては責める気にはなれないラストだった。



それでもこのドラマの最大の功績は
原田いずみを狂気的に撮ったカメラワークに尽きますけどね!
とにかく顔面アップとかの原田いずみのマジキチ度は異様だった。
ショーゲキ的だった。こんなあからさまに怖い女初めて見た。
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