Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2013*06*20(Thu)
モーツァルト ピアノソナタ第9番イ短調 K.310
マリア・ジョアオ・ピリス (piano)  録音1974年1月 イイノホール Tokyo


モーツァルトにしては珍しい短調の曲だが
第一楽章で終始取り続ける タンタタンというリズムがスキップをするみたいで気に入った。
言うなれば ブルーかグリーンの世界でセンチメンタルに浸っていたい時にぴったりである。妄想レベル・・・。

モーツァルトは生涯 ピアノソナタを全部で18曲 作っているが
その中で 短調は わずか 2曲しかない。
そのうちの 一曲。

モーツァルトの作品系列は このピアノソナタに 限らず圧倒的に 長調が 多いらしい。
・・・・だろうね。と思う。

解説書によれば
この 短調の曲は 「突き刺すような烈しさ」 とか 「暗く悲痛な色に覆われている」 とか 表現されている。
しかし 私に言わせればこんなの 甘い甘い。
本当の 辛苦って こんなものじゃないぞ。

私の 偏った選曲内では 比較対象として シューベルトぐらいしか 挙げられないが
その シューベルトが 「黒い森の青白い月の光」 とするなら
モーツァルトは 所詮 ブルースカイ。あるいは 深緑の木漏れ日。それも パステルカラーの。

モーツァルトに 暗欝を求めてはいけない。これ教訓。


それでも この第9番は珍しく メランコリック風味に なっていて
これはこれで 面白いし、綺麗だった。
左右の 音の高低差も モーツァルトにしては珍しく 広く取ってあり、短調らしい 陰りを 放つ。
テンポも良く 特に 第三楽章などは転がる様に 音が 乱れ飛ぶ。
ピアノならではの 煌めきが 巧く使われていると 思う。


けれども それだけだ。
終始 清純な色味を 落とさない。どこまでも どこまでも 美しく 綺麗な 世界。
そこに 人間なら誰しもあるはずの醜さとか穢れなどまったく 存在しない。

ある程度の人間感情を求めるのならモーツァルトは 物足りなく 映るだろう。
モーツァルトの 醍醐味はこの 一貫した 陽の世界観だと思っている。

存在が 未だ 浅い淵に 閉ざされている 子供ではなく
挫折したり 不幸にあったり 傷つき壊れた 人生の敗者
または 頑張らなければならず その限界さえ越え 力尽きてしまった人
逃げて逃げて逃げて 
最後の最後に 辿り着いた、俗世を忘れる ひとときの安らぎ的な。

ローマの休日 みたいに。
そんな人に 身に浸みる。
そんな人に 見えてくる。
そんな人が 求める 世界。

モーツァルトって ほんっっっと 飽きれる程 邪気がないよねー。(二度目)
どうすれば こうまで 世界を 穢れなく 見れるのか。


弾き手は 同じく ピリスさんで。
彼女は 軽いタッチで 線の細い 音を出す。
その 可憐さは 少々 神経質な程の 繊細さだ。
その 儚さが 頼りなげではなく 緊張感を 醸し出していたと思えた。

個人的には もう少し 肩の力を吹いて欲しいと 思うのだけど
こ-ゆーところ、好きな人は 好きかも知れない。
その 線の細さが ピアノの音の 透明さと マッチし、モーツァルトの世界が 清浄化している。
クセもないし モーツァルトには 似合っている。


多分 私はバレンボイムさんの方がマッチすると思う。聴いてないけど。
バレンボイムさんは 同じく クセのない 柔らかなタッチが 秀逸だと思っているのだが
プラス、深みというか重たい重力のある 音を出す。
音に ツヤがあるってゆーか。
多分 鍵盤のタッチの 違いなのだろうと 思うけど。

まあ、それにしても モーツァルト曲には 技巧やクセは 無用なので
特に 個性的な ピアニストではない限り
この 完成された 完璧な 陽の空気は誰にでも 演じきれると 思われる。
クセや 変な解釈を 入れない人なら、有名無名 得手不得手 を 問わず
誰の演奏を 聴いても 遜色ないのだろうな、と。
誰でも奏でられる、それがモーツァルトの魅力なのかもってちょっと思った。

この 短調の曲でさえ 陽の雰囲気を 損なわない完璧さを 以って
モーツァルトの世界は 完成されていたように感じた。
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