Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2017*07*03(Mon)
映画 昼顔
え、そういうオチ?・・・うっそだろこれ。ビターだなぁ。映画館まで行ってこれか。
結構ガツンと来るラストだった。
でも不倫、略奪愛で身勝手に幸せを追求されても微妙なので、シビアなラストだがとても気に入った。
だがありえない・・・ありえない・・・こんな結末なら知らない方が夢見ていられた。
いや、それこそが作り手の狙いだろうか。
不倫などという淡い感情は夢見ているうちだけが幸せなのであって、現実など知らない方が平穏でいられるのだ。
そういう意味なら実に皮肉な大成功なトラップである。

そのくらい嘘くさくも想定外の結末だった。


映画 昼顔
『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』の続編映画。
監督/西谷弘 脚本/井上由美子 主演/上戸彩 斎藤工


昼顔とは夫がいない平日昼間に不倫をする主婦のことを言う。
物語はドラマから3年後、不倫の末に別れた紗和と裕一郎が再び出会うピュアラブから始まった。


すいません・・・音楽番組の記事あげたかったんだけど
あまりの暑さに何もできず、映画館へ逃避しました。


ドラマが好きだったので見に行ってきたのですが
正直ドラマはギャグだと思っていたのに、ラストのあまりの残酷さが胸に突き刺さってます。


映画は終始、紗和視点で進んでいく。
分かりやすいし、ドラマをおさらいしていなくても差し障りない流れはとても親切だ。
強いて難をあげれば、登場人物描写は雑で、紗和や北野先生がどういう人物で、どういう性格なのかとか
そういった類のシーンはほとんどない。
紗和が大人しく控えめなだけでない劇場型な部分も持っていたという設定や
北野先生がどうして紗和を好きになったのかなど、そういう詳細設定は
さすがにドラマの方で、という感じ。

なので中盤、紗和と北野先生の元妻、ノリとの差異?キャラ分け?があまり明確ではなく
ただの普通の女に成り下がってしまっている。
映画はこの流れを受け、不倫から徐々に女と女の争いに軸がシフトしていくので
そこはちょっと惜しかった。


また!
ドラマと決定的に違うのが、相棒?とも言えた利佳子さんがでてこないこと!!
連ドラの時は、利佳子のセリフがいちいち的を得ていて哲学的であり議論めいていた。
そこに考えさせられ、唸り、単なる不倫ドラマが究極の愛を描く物語になっていたのに
利佳子は娘たちのために加藤と別れ、家庭に戻った。彼女の物語はドラマで終わったということか。
まあ、掘り返されてもね・・・。

紗和メインで終わる映画は、そういうインパクトはまるでない。
しかも紗和はドラマの時点で無事離婚も出来ているので独身。
今作における紗和の背徳感は、冒頭ブラックボードに浮かぶ文字列の
二度と会わないという契約書である。
故にただの恋愛映画になってしまっているので、ファン以外がみたら
なんだかなぁと思えるかもしれない。

キャラにしてもストーリーにしても、折角のドラマ時代の強烈な個性はあまり感じられないかった。


でもそのほかはほぼほぼ文句なし。
紗和役の上戸彩ちゃんも、河合らしいシャツなどで魅せてくるわけではなく
紗和らしく、ジーパンや無地のTシャツっていうのがいいね。
おしゃれをしようとしても、髪もぼさぼさのままでっていう。

相変わらず自転車か。
そういう部分は微笑ましささえある。

エロの部分はもっと肌出せよ。←
いや、ドラマでもぴっちりシーツに包まれていたが、映画なんだし、上戸彩ちゃんの復帰作なんだし
もう少し期待した。
せめてカメラカット、もう少しいやらしく撮っても良かったんじゃないだろうか。
音はいやらしさもあるのだが、布団が邪魔だった。
時々挟まれた手だけを絡ませるカットの方がよほど色気があるという。


ドラマで散々流れたBGMを要所に入れてきたのは良かった・・!
久々に聞いてちょっとゾクゾクした。あの妖艶なOPみたいなの、好きだった。

舞台は海。そして蛍。
とにかく蛍は物語の間中繰り返されるキーワードで、なんだろうと思ったら
最後に信号機と指輪になるから、なるほどと思う。
紗和を救うカラーであり、北野先生の愛のカラーなんですね。


映画はとにかく北野先生と再会した紗和の純愛がもたらす結末を描く。
それが徐々に女と女の戦いにシフトするわけで
ノリは一度はあきらめるんだけど、そこからじわじわと歪ませていく心と運命の描き方がもう・・!
恨みとか憎しみとか、そういうものじゃなくて
ただただ虚脱感と悲壮感を画面に漂わせてくるのが鮮烈だった。

「別れた後も裕一郎って呼んでもいい?」
「それは、嫌です」

男を奪っておきながら、そこは、いいですとか言えそうなのに
そこまで独占欲を出した紗和。
その雌が雄を奪う、徹底的な生物学的本能が、割り消えぬ感情を再燃させ
あの結末への呼び水となる流れは、不気味さしかない。

それが紗和の本性であったなぁ、とこっちがしみじみ思っている間に
それが切欠となりノリ、変貌。

やっぱり渡すのは嫌だと車を暴走させて無理心中!!
ぎゃああー!!


「なんで私じゃなくあの子なの?」
「わからない、わからない」
「なんで私じゃだめなの?」
「わからない」

死が迫る中で、北野先生はただ一度、恋の不条理や理性でない部分をさらけだした。

「でも、紗和が好きなんだ」

まるでそれが究極の答えであるかのように。


そもそもノリがやけに大人しく身を引く辺りから、妙にお綺麗な幸せの形を描き始めていて
北野先生と紗和がいっそ気持ち悪いくらいラブラブになるんですよね。
指輪を買うだの、婚姻届けを出すだの、式を挙げたいだの。
それを男の口から言わせてくるあたり、もう女の妄想の究極というか、非現実的な様相を見せ始め。
だからこそ、そのあたりからなんとなく結末が見え始めていて
そういう意味でそこから引っ張る流れが長い長い!

恐らく翌日、いつものようにいってらっしゃいした、あの笑顔が最期になりそう、だとか
やけに伸ばす盆踊りだとか。
怪我しているはずのノリに運転させるとか。

もうヤメテー!・・・と思った限界に、車でダイブですよ。
仰天!!

しかも、北野先生だけ死亡という。
遺体もぐちゃぐちゃらしいという。

「遺体の損傷が激しいのでご覧にならないほうがよいと思います」

ぎゃあぁぁ~・・・・・!!


離婚届を受け取りに行った日だから、つまりは提出していないわけで
法的にはノリの方が本妻で、遺体も彼女が引き取って・・・。

怪我を負っても勝ち誇ったような笑みを浮かべて去るノリ。
ぼろぼろになる紗和。
この対比がもう残酷という言葉を超えて現実の痛みがシビアすぎる。

ノリの愛が女の戦いに変化することで純愛から遠ざかるのも見事な対比で
支配的な彼女の愛が最後はただの傲慢に落ちていった。
惚れた男の命を奪うほどの愛と
命の終わりでなければ告げられなかった北野先生の愛が、そこで交差する、この見事さ。

その言葉を口に出すということは、死を覚悟するのと同等だったのか。


ほんとに報われなかった。
不倫で結婚して・・とかでも嘘くさいけど、病気、怪我ネタもオリジナリティがないし
死亡ネタって、御法度に近くないか。
これやれば観客が泣くとか思ってませんか。

御法度通り過ぎて、唖然。もう唖然。


その紗和を北野先生が遺した指輪が救うのかと思いきや
その指輪も紗和の手には届かず、知らずじまい。
そんな残酷な現実ってあるか。

北野先生が隠した指輪で最後にそこに行って見つけ出すかと多くの人に予想させて
ぶった切り。
えげつない、えげつない。シビアな現実とえげつなさを同一視してくる発想に憎らしささえ湧く。

しかしその三か月後、紗和の中に北野先生の子供が宿っていることを告げ、映画はエンド。

こっっわ!!
あれだけ子供を欲しがっていたのはノリの方だから、つまりはノリの女としての敗北で
映画は締めくくる。
妻として責任とプライドを満たされ、遺体も引き取れたのに
心と子供は紗和の手に遺される。

うわあぁぁぁ・・・・。


背徳感の肯定を自虐的に描きながら、最後に盛大にその余韻をぶち壊してきた。
いろんなものを壊してきた。そして壊された。
そういうこと?

北野先生サイドからしたら、紗和と合わなければ死ぬこともなかったわけで
紗和と再会してから着実に死に向かっていたんだなと思うと
ドラマ時代から怖くなるわ。
死亡への道しるべじゃないか。

それが代償?報いだとでも言いたいんだろうか。
あまりに大きいその喪失は、子供を授かり女として勝ったことで満たされる比ではない。

なんかもう言葉がないよ。このラスト。
映画を知らなければ、一生別れてしまうけど、純愛を心にとどめ、同じ空の下生きていけた。
そっちの方が幸せだったなぁと思う。
二年前のドラマがこの結末を迎えることを、どう受け止めればいいのというのだ。
純愛の果てに、恋愛ごっこが命を削った奪い合いであったことを、重たく視聴者に植え付ける。

そこから見えてくるのは、北野先生も、そして紗和も、命を賭けて恋をしましたという
シンプルな生き様だ。

死ぬことはないだろう・・・。
女の執念、怖えぇぇ。


映画が女と女の戦いにシフトされていく以上、このノリこと、妻・乃里子役の伊藤歩さんが
すべてのカギを握っているわけで
そういう意味で、彼女の演技は圧巻だった。
とにかくすごかった!!

ちょっと太った?感じと、恋に弄ばれ自制が効かなくなる終盤の狂気染みた表情とか
ラストの自分だけ助かって血だらけの腫れた顔とか
すべてが凄まじい。
7階から飛び降りても、北野先生は遺体の損傷が激しくて見られないほどの事故でも、生き残るノリは
ゾンビのようというか、彼女も死なせてあげれば優しい世界観だったのに
生き残らせるとか。発想がすべてビターだ。

完全なヒール役はもう見事としか言いようがなく
彼女の熱演で、単なる純愛ドラマが社会派的な意味を付加できていたようにすら思う。


あと、中盤、紗和が北野先生の恋心を疑う流れがあるんだが
そこら辺は紗和とノリがダブって見えてしまって、勿体なかった。
紗和にはもっと、他人から奪ったからこそ、同じ過ちは繰り返さない、生物的ではなく人間的な足掻きを
描いてほしかったです。
「自分が裏切ったことがあると信じられないのよ・・!」というやりとりは重い。
これを言わせたかったんだろうと思うんだけど。

言わずにすれ違ったから、今度は話し合いをしたい、だとか
北野先生だって、何も言わないから誤解されるって少し学んでくれても。

その上での、二人の逃れられない運命になら、納得も出来たというものだ。
それでも取り乱した紗和を引き留める北野先生は男っぽく
ノリへの対応との違いが見えた。

この辺、ちょっと迷走しちゃった感じが出ちゃったかな。

ちなみにノリは、一度目の不倫で反省したように見せて
妊活をリードする辺り、きっと何も変わってなくて、北野先生も息苦しい思いをしていたんだろうな~とは
画面から何となく察せられるカットはすごくよかった。



蛍というモチーフが青色信号機になり、紗和を救い、それが幸せの象徴の指輪となる。
でも紗和はその指輪を受け取る日はこなかった。
好きだと聞く日もこなかった。

切ない恋がそこに終結した。
死んでしまえば会いたいと思うこともないと紗和が言ったとおりになった。
お腹に遺された子供だけが真実で、その子供らしき眼鏡をかけた天パの男の子が北野先生そっくりで
女の子に汚れた箱から指輪をプレゼントするシーンで終わるラストはとても童話チック。
北野先生がやりたかったことを、やり残したことを、時空を超え、シンクロしているようだった。

綺麗だけど本人たちは何も知らないという現実の無慈悲がにじみでる。
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