Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2017*03*23(Thu)
カルテット 最終回 感想
なんかとっても爽やかに終わって気持ちの良いラストでした。
駄目な大人なままのカッコ良さだの強かさが画面から滲みでていたし
リアリティ薄い結論もこの童話のような寓話のような世界観だからこそとてもしっくりとマッチしている。
まるで軌道修正されたかのような、一貫性ある終幕に、こちらの方が一冬の恋をしたような気分にさせられました。

確かに詰めの甘い部分や雑な部分は最終回でも目に付きましたが
それでもこの世界観を崩さず最後まで走りきったのはすごい!
アンニュイで詩的な台詞回しや文学的な思考回路は見る人を選んだだろうけど
訴えたいことを見せ切ったラストには人生の美しさしかない。

もうみんなかっこいいよ!
愛しい駄目人間たちだった!

その結末すら理解する人は少ないのかもしれないけれど、私は好きだなと思いました。
4人の生き方を称賛するだけの勇気は私になくとも
こうであれたらいいなという夢を見させてもらった三ヶ月でした。



最終回。
裁判が終わって自由になったまきちゃんは帰ってこなかった。
週刊誌やマスコミに叩かれ、音楽をやるなと世間に批判されている自分では迷惑をかけると思ったから。
そんなまきちゃんを3人は一年後迎えに行く。
音楽で誘き出して再会。そのまま拉致(笑)

みんなが夢を諦めそれぞれの人生を歩みだしていたことを知ったまきちゃんは
だったら最後に夢だった大きなホールでコンサートをしようと提案。
「私有名人ですよ?このくらいの人、集められます」


なるほど、そう来るのかー!
そのための過分な事件要素だったのかと。
集客の説得性が高く、チケットさえ売れてしまえば確かにコンサートは開催できるよな。

そのための話題性ということで、すずめちゃんの過去設定、別府さんの出生なども利用され
ここに全てが繋がったと言う感じ。
人生って確かに何が幸いするか分からない。
勿論それは、幸いしたからといって救済になるなどという簡単な話ではないし
ここで彼らの過去がリセットされたとも私は思わない。
心の闇とか傷って、免責するのはそんな陳腐じゃない。

でも、そんな心の重荷があるからこそ歩める未来、そして誰かの役に立てる未来
それってほんの少しの癒しにはならないだろうか。
痛みを利用するのではなく、痛みを分かり合っているからこそ、今や成り立つこ4人の関係性こそが
とても優しく痛いと感じる。

そのラインを綺麗に浮き彫りにしてきた脚本が潔かった。
余計な要素は全部剥いで、まきちゃんが白か黒かとか、そんなことはどうでも良い要素な訳ですよ。
グレーであるという意味ではない。
そんなことは彼らにとって重要じゃないってことが、潔い。
そして見ているこっちも気持ちが良い。


ここで何故家森さんが入らないのかが疑問。
彼にもそれなりのゴシップ記事付けておいても違和感はなかった。
だが、敢えて一人だけクリーンってところが、脚本家さんのセンスなのかなと。
でも悪くない。
みんながみんな派手な過去を背負っているわけじゃないんですよね。


コンサートは満員。
もっと野次が飛んでも良かった気はするが、ゴミを投げ込まれたくらいで完走。

もうこれが何とも胸に来て!!

ずっとコンサートを夢見ていただの、音楽家にとって舞台は憧れだの
そういう立派な理由は付いていない4人なのだが
口約束で、いつか出来たらいいね~なんてずっと言っていて
4人揃う意味、そしてここに立てる意味。なにより自分たちが音楽をやる意味。

そういうものがぐわーっと画面から溢れてくる演出で、もう胸が詰まった。

ゴミとか野次とか、それこそ、どうでもいいわけですよ。これも。
そういう意地が見ていて感動する。
席を立つ人が多すぎたのがちょっと演出過剰な気はしたが(だってチケット代高いだろうに)
通り過ぎていく人は道端で立ち止まらない人だ。
どうってことない。
そしてこの強かさは、成功した道を歩いてきた人には出せっこない。

色々なことが頭を過ぎる回想の演出も巧みで乗せられた。


その主題を更に煽ったのが、いきなり出てきたピンチヒッターだというバイオリン代役の女の子と
いきなり届けられた嫌味だらけのファンレターの存在だった。
これこそがドラマを通して脚本家さんが言いたかった根幹なのではないかなと
何となく感じた。

コスプレさせられて、「恥ずかしくないんですか!」と詰め寄る若い女の子。
ああ若いよな~。
最初はそんな風にプライドもって誰もが戦おうとしている訳だし、彼らもそうだった。
でもそこで見せた一流ってなんだろうって問いは、彼女の台詞を未熟さに色付けさせる。

ここで序盤を視聴者に回想させることで、このバイオリン少女の稚拙さを促す、このプロット!


手紙もそう。
お前ファンだろ、というような熱い批判意見はなんか逆説的な愛の告白のようでもあった。
「下手だし、才能もないのに、なんで意味もないのに音楽を続けるんですか?」

そんな所にカルテットとしては意味を見出していないわけで。
それが全話を通じて伝えられてきたことであるだけに、反論は強固だ。
言葉なんかいらない、
だたステージ上で楽しく弾ければそれが答えだ。

そういう潔さがもうカッコ良いやら泣けるやら。大人の強かさを見た。
以前まきちゃんが「捨てられた女、舐めんな!」って言い放ったけど、正にそれ。
底辺まで落ちた人間って、本当は強いんじゃないの?っていうメッセージが
私の心を勝手に抉る。


それって音楽に限らず誰にでも当てはまることでもある。

それは拡大解釈すると、この脚本家さんにまで言えて
こんなにも大多数の共感を得られなさそうなドラマを書いたけど
まあ、分かってくれる人が一人いればいいよっていう言い訳みたいなものにも聞こえて
・・・そこはちょっとげんなりした(笑)

うん、独特の世界観だったことは認めるけど
でもこのラストなら尚更、8話とか、マジいらなかった。(まだ言っている)
まるで恋愛ドラマじゃなくなってきたから局から不満が出て仕方なく一話割いて
それらしいエピソード捻じ込みました~って感じだった。

このドラマに恋愛要素は本当にいらなかった。
この結末になるなら、尚更無駄だった。

なくてもこんなに素晴らしい。


ラストに、車の中でエンディングをみんなで歌うシーン。
ああ、これからはまきちゃんはあの「の~ぼりざか~♪」ではなく、この歌を鼻歌すんのかな~と思った。
それってなんだか幸せだ。
みんなで歌うのだ。
幸せだ。
「手放してみたい、この両手塞いだ知識~どんなに軽いとかんじるだろうか~
 言葉の呪いも鎧も一切合切 脱いで剥いで僕らがもいちど出会えたら~」

結局定職につけていないいい歳した大人がまだ遊び続ける結論な訳で
健康保険は国保ですかとか、税金払ってんのとか、老後はどうすんのとか
現実を見たらそれこそ眉を顰めるしかないんだけど、駄目な大人の駄目な結末だけど
そこには無償の幸せが満ちていて
人生の謳歌が感じ取れて、褒められたもんじゃないけど、大切なものが見えた。

きっと彼らはあのポンコツ車で揃って死んでもこれが最高の幸せと思うんだろう。

堅実に生きていくのが正しいんだろうけど、大切なものを手に入れたら、それはそれで合格なんじゃないかと
そんな気にさせられる。
駄目な見本でありつつも、4人の強さはとても神聖だった。
人って実は大人になるほど、そういう傷や嘘や負い目を抱えて、カッコ良くなっていくのかなとか思う。
だとしたら、歳取るって、素敵だよな~。

老人になっていく方がカッコイイし、魅力的だと、声高に訴えていたドラマだと思う。
昨今の若いアイドルを湛える風潮の逆行を見せ、それも清々しい。


そこらあたりの主張を際立たせるため、或いは相殺してしまわないため
最終回は確かにその他の装飾部分は造りは雑で、さらっと流し過ぎな部分や、明らかにオカシイ流れも
あるにはあったんですけど、この際一切スル―です。

このクライマックスがあまりにあまりに綺麗だったので、余計な邪念はそれこそ消えました。
何か言う方が邪道でしょう。
言いたいことも文句もあるんだけど封印。

ラストはコンサートだろうなとは思っていましたけど、まさかこんな大ステージで観客満員にして
一切の邪念もなく没頭する時間というものを見せ付ける最高の演奏を披露するとは
想像もしていなかった。

こんな風に脚本が多少不完全でも、それを上回る何かがあれば
私は結構及第点超えちゃう方です。
その意味で8話は完全スル―した上で(しつこいな)、かなり出来の良いドラマであった。
後半のグデグデが実に惜しい。
でも満足だ。


最後に一つだけ言うとしたら、それこそ事件性やミステリーはあのコンサートのための種まきだった訳で
やはりそれ自体に意味はないのだろう。
だとしたら、夫さん回のアリスちゃんや、戸籍乗っ取りで義父殺しとか
二度も殺害容疑を掛けることはなかったかもしれない。
派手な要素を入れればそれだけドラマとしても収束するということは理解できるが
行きすぎた衝撃はきちんと回収しなければならないという責任を背負う。
また、どこがクライマックスだったかの意識も散漫としてしまった嫌いがある。
戸籍や人の命を軽々しく扱われた気がするだけだった。

それともこれも、社会風潮なんてそんなもんでしょって皮肉っているのだろうか。
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