Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2016*11*14(Mon)
IQ246華麗なる事件簿 第4話 感想
「もう二度と作曲はしない」に和藤奏子と一緒に不覚にも吹いてしまった。なんか屈辱だ・・・。
織田裕二さんのあの言い方。

やっぱりこのドラマ、イイ。
脚本が良いとはお世辞にも言えないのだが、人や事件を切る視点や感性がとてもナイーブで
媚びたように脚色してこない辺りがとても素朴である。

前回までの記事を見れば分かるだろうが、私、本当はもう脱落しようかと思った。(ながら見という意味の)
記事に起こしても愚痴しか出て来ないんじゃ書きたくなかったし。
なので録画だけして一週飛ばしてみたのだが。

でも、やっぱりイイ・・・!
今回のラストの衝撃とか余韻とか、じわじわと甲も乙もない感じで、何とも言えない味わいがいい。
渋い感じで毎回締めくくられるので、なんか心にどっしりとしたものが残っている。
すっかり踊らされている・・・。


第4話。
ピアニストがストーカーのように付き纏っていた有名医師に邪険にされ、そのまま衝動殺人をしてしまう物語。
・・・いや、間違ってない。

物語は、何故彼女がこの医師を追い掛けているのかを、それほど重要視していない。
邪険にされた鬱屈のまま、一気に殺意が芽生え恨みを晴らしてしまったように描かれる。
二人の会話も、「手切れ金」だの「NYに言って再婚する」だの、意味深なキーワードだけ。

視聴者としては、恐らく不倫の果ての別れ話か、或いは結婚を迫ったら良縁の女に取られたとか
そういう男女の愛のもつれであるかのように思わせられ
ありがちな女の末路を期待させられた。

ところが蓋を開けてみると、ラストはなんと親子愛。

実の父親かよ!
認知もされなかった彼女がどういう恨みを男に抱いたかは定かにはされないが
父親が、娘に刺されたと気付いた時点で裏工作をして、彼女の犯行を偽装する。

それが分かるラストシーンが、浅はかな娘の衝動さとの対比となって美しい。
なのに、父親が如何に純愛を注いだか、とか、そんなベタな演出をしてこないのだ。
勿論娘も表面的には無駄な足掻きを嘆くだけ。

「母も馬鹿だけど、私も馬鹿ね・・・もうすぐ死ぬ人をわざわざ殺すなんて・・・」

むしろ、父親の好物であったグレープフルーツが食べられなく程毛嫌いしていた。

男は末期の脳腫瘍で、余命半年。


もうこれだけでイタイ設定なのに、そういう設定を惜しみなく使用するのではなく
いっそ男女の縺れで庇われただけのようなシンプルな描写で
娘も泣き崩れることもなく、終幕。

男の人情的な回想シーンひとつなく
女の後悔ひとつなく。


だからこそ、ものすごく胸に浸みるものが深かった。
ドラマが決定付けてこないからこそ受け手のこちらが幾重にも想像してしまって、物語が遥かに壮大になる。
変にわざとらしく泣けと媚びた演出にしてこないからこその最後の哀愁は
大人の余韻といった風情で、とても好感触でした。

娘が何を想ってそこまでの憎悪を募らせたのか。
母親の死に目にも来なかったから?自分を認知しなかったから?ピアノストの指を故障させたから?
男も父親として何を想ったのか。
娘のCDを聴きもしないで部屋に飾る、その意味。
刺された瞬間、庇おうと思ったその意味。

全ては二人だけの物語で、視聴者にさえ知らされず、ご想像のままにだ。
親子の確執を描いてはいるけれど、和解にはしない。
反省も後悔も、あるかもしれないけど、描いてこない。
結局残るのは伝わらなかった愛情と、何処かで間違えてしまった方法で
それを繕うことをしてこなかった怠慢だ。
取り戻せないのは時間でも命でもなく、そういうちょっとした選択ミスの連続によって逸れていく人間の性であり
そういう人や事件を切る視点や感性がとてもナイーブだなと思う。

そこで下手に浅はかな殺意に、娘に謝罪させるとか
父親に後悔の念を表現させるとか、そういうベタに媚びた流れにしてこないところが
本当に素朴でいい。
こういう切り口、抒情的だし、かなり好きである。


そういう引きの描き方がハマっていて
娘にも父親にも共感も同情も湧かないが
そんな末路で終わる父娘の末路がなんか哀れで、それを国仲涼子さんが淡々と演じる。
その感情的でない口調がまた、ハマっていて、綺麗だった。

しゃらくさんの低い声と高い声の抑揚が静かに響く中、無音で語られた虚しさは
格別な深い味わいに満ちている。
ピアノの調べでホールに佇むラストショットもドラマティックだった。


そして、挑発的に「13」へ宣言するしゃらくさん。
「見てるんだろ」←この言い方・・・v
・・・いい。

しゃらくさん役の織田裕二さんの本当の凄さというか魅力も出てきたように思う。
この人は大仰に喋る部分よりも、こういう小さな台詞回しの声のトーンなどが上手いと感じている。
執事さんも大人しかったのも良かったのかもしれない。
奏子さまもこんなかんじなら、いっそ受け入れられてきた。

多分、織田さんが牽引してた回だったからなのかもしれない。
役者スキルが他の役者さんを引っ張っている印象だった。



事件物としてはやはり骨格が弱く、素人の私にさえ知識不足ではと呆気にとらせる荒削りが目立つ。
グランドピアノの下とか、もうちょっと何かなかったのか。
コンタクトが服に付くというトラップも、決定的ではなかったなぁ・・・。
静電気ネタも子供相手じゃないんだから。

TBSの日曜劇場という時間帯なだけに、子供をターゲットにしている往年の慣習が抜けきらず
それを知らないスタッフが指揮を取っているのでは、というアンバランスさを感じないでもない。

でも、ミステリーを楽しませるのではなく、しゃらくさんがどう追い詰めるかに特化したこの構成に
どっぷり浸かってしまえば、そこそこ楽しめた。



・・・・あ、カメラの切り替えは、もう目に入らなくなりました。
不思議ですよね~。見たくないものは見ない。

強いて擁護するのであれば
思えば前半のかっちゃかっちゃ煩い演出が、後半のどっしりとした苦い余韻をより高めているという
そういう相対的効果狙いなのかもしれない。
子供っぽく安易な手法で馬鹿みたいに映るが、・・・・もういいや。
そう思えば、まあ、ある程度は呑み込めるというものです。

相変わらず、脚本と演出のギャップの不協和音が激しいドラマでした。
でもやっぱり次回も見てみます。
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