Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2012*05*16(Wed)
秘密 メロディ6月号感想6(青木のこと2)
前回から続いています・・・・

公園で青木が「行かないでくださいって言えない」と泣きだすシーン。
あれは薪さんにとって
とてもきつかったと思うんですよ。


物語終焉に映し出されたMRI画像は
青木が薪さんとの出会いからのこれまでを回想しているようだった。
色んな事があった。
でも当然ながらその中に
本当の薪さんが居ない。
本当の姿・・・・つまりその身に隠している秘密の重さとか
汚れたその手の意味とか
もちろん幻覚を見る程ギリギリの所で支えている闇の深淵とか。

視点が岡部さんだったら
また全然別のシーンがピックアップされてくるのだろうと思うと
やはり人が見ている世界って一人一人全く違うんだなあと
思い知らされる。

見えているものが違うんだ。
こんなにも一緒に居たのに。
やっぱり青木には何も見えていないのだ。

もちろんだからあんな非情な言葉が言えたという訳ではない筈だ。
何故なら他の第九メンバーだって
薪さんの苦しみは大概知らないことだと思うし。

ここで私が言いたいのは
青木が見ている世界がこういう類だから
あの公園で薪さんが示した未来の欠片さえ
意味が分からないのだろうということである。

自分は行けないけどその先へ行って欲しいという薪さんの切なる願いが
「じゃあ一緒に行きましょう」
その位の意味にしか捉えられないんだね。
何故薪さんが自分は行けないと考えるのか
分からないんだね。

薪さんが諦めてしまっているその理由を
理解してやれないんだ。


この意味で
やはり青木は人間の本質とは経験則であり
本質とは別物という持論が色濃い。
過去や罪は本質には何の影響もせず
時を経ることで取ったり付けたり出来る付属品なのだろう。

その存在自体を否定し
人間の本質に時間軸は存在せず空間的な分類しかされないため
罪も記憶も過去もみんな自己帰結すると考える
薪さんやタッキーとは
一線を画すものである。

きっと青木はいずれ自分の存在で招いたこの悪夢さえ
自分で許せる日が来るのだろう。
或いは初めから
悪いのは実行犯や司令塔などであり
彼らを恨むことで自身の罪を相殺させてしまっているのかもしれない。

それでは永遠に薪さんの苦しみなど理解は出来ない。
分かってやれることが良いかどうかは別にして。


自分は二次的な被害者であるというこの感覚は
舞に対しても感じた。

薪さん決壊時
もう舞には逢えないかもしれないのに「それでも良いとすら思ったのに」と
感じている。
もちろんあの場で薪さんを見殺しにするような人を
支持する気は無い。
目の前で崩れそうな命が合ったら
それが大切な人なら尚更何かせずにいられないのは
人として当然だ。

青木がそれでも構わない = 仕方なかった と周りに言い訳しても
それは責められない。
でも仮にも
自分の存在が二親の命を奪い
そのために婚約さえ破棄して両家に迷惑を掛けてまで
その一人娘のために生涯を捧げると誓った男が
その約束を反故にする危険性を持つ判断をしたことを
何故彼女に申し訳なく思わないのか。

一人の人間の人生を背負うって
そんなに簡単なことにしてほしくない。
舞のことをチラリと脳裏に過ぎらせながらそれでも薪さんの下に駆け付けた行動は
とても誠実である。
その行為の裏側で
お前のために人生を捧げる約束を破ったことも
致し方ない。

ただそれを仕方ないから悪くないと考えるのなら
それは間違いだ。
本当にあの約束を心から思うのなら
あの場で薪さんに駆け寄ることを躊躇うべきだった。

チラリと思ったからと云って
赦されることじゃない。
もっと自分存在に疑問を抱いてもいい筈だ。

そんな風に
“仕方なかった悪意”は簡単に許せてしまうから
結果的に薪さんの苦しみも想像すら出来ないんじゃないか。
それは一方で
自分の行いに自分で責任を取らない身勝手さにも見えてしまう。

舞に対して何も言わなかったら
それは何も思わなかった利己的行動と同じである。
言葉にしなければ
人の想いなど無いも同然なのだ。


話を戻して。
そんな訳で青木は自分の罪は本質とは別次元で考えてしまうから
罪を償うという解釈もまた異なるものになるのだろう。
そこに大きな壁がある。
だから未来へ歩き出せと押し出す薪さんのその意思の重さも
また軽視してしまっている。

薪さんがそれを口にする事に
どれ程の意味を含ませた上での言葉なのか
透明な壁があるように塞き止められていて
苦しかった。

青木だって自分で言っている。
「だから俺たちも言っちゃいけないと思うじゃあないですか」
そうだよ、みんな気持ちは同じなんだ。
言いたいんだ。
言いたかった。でも言わなかった。では何故言わなかったのか。
それが彼には分からないのだろうか。

ここで薪さんが提示した未来は
正に生産性ある未来の典型であった。
結婚すら出来ないリスクを含む職務ではなく
もっと風通しの良い職場にすると宣言していることもそうだ。
青木に未来へ歩き出せと道を指し示している。

そういう姿勢は上に立つ者とか先輩の使命とも言えるが
そういう定型的なものではなく
薪さんは純粋に青木の幸せを望んでいるのだ。

そのために自分が出来ることがあるから
死を思い留まったとも言える。
故にここでそれを口にしておくのはとても大きな意味があった。
薪さんにとっては非常に重要な命を掛けた言葉である。

しかし青木には届かないのか。
そんなこと何もしてくれなくていいから
傍に居てほしいと抵抗している。
ただ一緒に居られればそれだけで良いという想いで
反発している。

その格差が辛い。
二人の気持ちはこんなにも同じなのに
表面ではこんな平行線になってしまうのが
見ていられなかった。

どちらもその想いに温度差がある訳ではない。
なのに望むことはこんなにも擦れ違っている。
その感情の先にお互いの形象化がない。
どこまで行っても重ならない。
こんなにも大切に思う気持ちは同じなのに。

こういう差って
どこに原因があるかというと
時が満ちていないのである。
まだ何かがどちらかに足りないのだ。
その不完全な状態が摩擦を生んでいる。

その因果関係がラストの「待っているから」という台詞に繋がっていき
二人の未来を暗示している。
この差があるからこその「いそがなくていい」は
とても重みが増してくる。

8巻で聞いた時は
同じ職場に居ながらの同じ物を目指す中での
能力的な意味で「待っているから急がなくていい」だった。
でもその台詞をここで引用することで
更に人生的な意味も加わった。

重なり合うことは未来永劫ないかもしれない。
だけど待っているという贈る言葉は
少なくとも今は平行線であることを裏付けている。
タイミングさえ噛み合わない二人の
寂しいラストシーンだった。



視点を変えて薪さんサイド。
これも薪さんの異質さが浮き彫りにされているようで
哀しい。

そんな薪さんの残す言葉は儚い。
避けて避けて避けまくって
それでも御膳立てされた舞台で腹を括ったら
最後に残す言葉は
青木の背中を押す心なのか。

同じ場所に留まるなと前へ歩き出せと
自分は進めないからこそ伝えたのだろう。
どこまでもどこまでも純潔な想いが見えて
美しいラストであった。

そこまでされて青木にもようやく
「いつもそうやって我慢しているから」ということが口に出来たのも
大きい。
青木がこれに気付いたことは
大きな進展であったのは事実である。
でも「そうやって我慢するから俺達も言えない」
これは薪さんにとってはきつかっただろう。

それに対しまたもや薪さんは何も返せない。
青木の願いに
こうやっていつもいつも応えられないのだ。
それは薪さんをまた酷く傷つけたと思う。


みんなが言えない・・・では何故言わないのか。
それは言った所でその要求に薪さんが応えられないだろうことが
明確だからだ。
応えられないと分かっている要求を突き付けるのは
我儘と同等である。
青木の言っていることは
子供の我儘と同じなのだ。

それが分かっているから
誰も口にしないんじゃないか。
薪さんを困らせるだけだと分かるから
誰も言わないんじゃないか。
一緒に居たい気持ちなんて皆同じだよ。
同じに決まっているじゃないか。

青木のそういう自分の気持ちにしか想いを馳せられない幼稚さが
いつも薪さんを傷つける。
今は同じ気持ちなだけに
薪さんを傷めつける。

未来へ歩き出せという明確な道標まで出して意思を伝えてくれたその手を見て尚
青木はそれを口にするのか。

ここで今自分が引きとめても
自分が何をあげられるというのだ。
自分は何も返せないのに
どうして引き止められるのだ。
そんなの本当に唯の我儘じゃないか。
そんな自分勝手に
どうして薪さんを無邪気に巻き込めるのだ。
その程度の自分の人生に薪さんを引き止め
何を与えられるというのか。

そういう実質的なことを何も考えずに
よくその台詞が言えるものだ。
何もあげられないし何も保証出来ないから
どんなに大好きでも
私は最後に何も言えなかった。
見送るしか出来なかった。
自分にその価値はないと思った。

一体青木は自分の何を以って
そこまでの要求が薪さんに出来るのか。

薪さんに言わせれば「後先考えないハッタリ」の範疇なのだろうけど
それにしたって無神経である。
少なくとも
では何故みんなは引き留めないのかを考えるべきだった。
まさか他の誰よりも自分の感情は高貴だとでも思っていたとでも
言うのだろうか。

・・・・だけど青木が言っているのは
そういうことじゃないってこともまた
分かっている。
薪さんが無理して決めた事を
何が何でも支持すれば良いという訳でもない。

それでもより近付こうとする度に摩擦を起こす関係は
触れ合おうとする度傷つけ合ってきた薪さんと雪子さんの関係も彷彿とさせ
結局誰ともまともに向き合えない薪さんの孤独を
最後にして深く根強く印象付けた。

物語の終わりは実に爽やかで
五月の季節に似合う終幕ではあったが
青木に少しの可能性が見えて近付けそうだったのに
薪さんの周囲との格差を思うと
少しだけ影が潜む読後感となった。

折角ここまで来たのに。
でもそれ故の「待っているから」の台詞が
とても際立たされていく。



以上の様に考えてきて
だがしかしこれには一つだけ不確定要素がある。

ならば青木はあの場で薪さんを引き止める言葉を述べない方が
正解だったのか?

ここまでその観点で展開しておきながら
実はそんなことはないのかもと思う。
上記で舞のことに触れた時も言ったが
放たれなかった言葉は無かったことと同列なのだ。

私は別れの言葉も何も言えなかった。
だったらそれは相手側からすれば
私が何も感じていなかった場合と同じにされてしまう。
私がどんな思いで言葉を飲み込もうと
どんな思いで見送ろうと
何も伝えなければ
何も無かったことと同じなのである。

引き止めてもその人に何の価値もない未来しか与えられないことが
辛かった。
だから何も言えなかった。
ここで共に過ごした日々がどれほど大切でどれ程輝いていたか
私にとってはそっちこそ讃えるべきことだったけど
それも言えなかった。

だから青木は舞にはもう少し申し訳ない想いを出すべきだ。
しかし同時に
何も伝えられなかったら
薪さんはみんなが共に在りたいと願う気持ちを
知らずに旅立つことになってしまう。

果たしてその方が本当に良かったのか?

みんなだって寂しい。これからも一緒に居られるなら居たかった。
それをなんとなく感じとるのと
言葉で伝えられるのとでは
大きな差があると思う。

取り乱してみっともなく駄々こねた方が
本当は良かったのかもしれない。
自分の気持ちが伝わったという自己愛的な利点ではなく
薪さんを救う何らかの妙案になっていたかもしれない。
薪さんのこれからを支える糧になったかもしれない。

あの瞬間
薪さんはとてもきつかったと思うけど
同時に欲しがられる想いは嬉しかったとも思う。

私も取り乱して寂しいと伝えれば
私達の末路にも何らかの違いはあっただろうか。

相手を思うが故に何も言えなかった事は
見方を変えればそれもまた
利己的な類のものであって
迷惑かけたくないとか困らせたくないとか
そういう社会的な面含む分
性質が悪い。

理性的で小利口に冷静な別れは
それもまた保身に見えてくる。

それらを踏まえると
自分の気持ちだけに忠実で相手のことを顧みない青木の発言は
みっともない自分を曝け出しても
存在の貴重さを訴えた
温かい感情なのかもしれない。
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COMMENT


>岡部さんのMRI

ですよねですよね。私もそう思います!
絶対あの3年前の室長室の初涙とかね。入ってると思います。
幻覚に怯えているシーンとかね。
抱きかかえて室長室に運んだ後とかもね。特に10巻ね。

涙って結構インパクト強いと思うんですけどね~。
そういう涙の意味も青木には分からないのでしょうか・・・(-"-)


>雪子さんに「分からない」

え~なにそれなにそれ~??!!!
あーもしやAct.7ですか!
そんなこと口にしたんですか。

うん、青木については仰る通りだと思います。
後先考えないのはつまりそういうことだと思います。

ただその度に与える周囲への付加を
もう少し自覚してもいいと思うんですけどね・・・大人なんだから。

自分の影響度を考えて行動することで
自分に責任を取れる訳ですから
無鉄砲なだけではただの無責任ですよね。

でもそのくらいの勢いで相手に向かっていくことで
人の気持ちってようやく伝わるものなのかもしれないと
青木を見ていて思いました。
(つまりそこまでしないと伝わらないのかも(T_T)

でもそれで貧乏くじを引かされた舞はいい迷惑w



>舞の責任

青木は結婚も子育てもなんか舐めすぎな気がします。
青木が悪いと言っているのではなく
その点については
薪さんも雪子さんも分かっていないと思っちゃいます。

子供の・・・誰かの人生を受け持つってそんな簡単なことなんですかね。
失敗しても諦めず続けていけば気持ちは通じるから
それでいいということなの?
私が親という役割を神聖視しすぎなのかしらん。
2012/05/19  | URL | もくず #- [edit]
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