Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2016*10*14(Fri)
相棒season15初回2時間スペシャル「守護神」感想
オカルトちっくなお話だったのは仲間由紀恵ちゃん繋がりなんでしょうか。
そういうスタッフのノリは正直全然笑えない。舞台も青森のどこまで行かせる気だ。
ただ、何とも狂気染みたお話で心理学の抑圧の一つのケースを描き切ったという印象でした。

いつもは社会派と評される相棒シリーズですがメンタリズムに宗旨替えか。
派手さはなかったがこれはこれで楽しめました。


相棒15シーズン。初回。
思えば相棒もテーマソング持ちドラマであるが、15のオープニングは割とかっこ良かった。
クールで男臭いかんじ。背景とか。
メロディは毎回アレンジしてくるのも悪くないが、何故かドキドキとかはしないんだよなぁ。
聞き過ぎているからでしょうか。スクリーンで見る回数が少ないからでしょうか。

画面は、定番相棒ブルー(勝手に命名)から始まることもなく、少しテイストが変わった様子が冒頭から伺える。
でも全体的な色調はブルートーンで、そこは通常運転。
テンポも悪くなく、冒頭30分でほぼ状況や立場を説明してしまいつつ、事件に引き込ませる流れは
地味なシチュエーションを扱っていたとはいえ、貫禄があった。
やっぱ相棒って楽しい。


さて、そんな今回のお題は「人を呪い殺す能力」
テーマは救済ってところだろうか。
そんな非科学的なことが本当に現実的に可能なのか?・・・って、可能なわけないじゃんw
刑事ドラマとしてはご法度な論理性を欠いたこの内容を、実に真面目に切り込んでくるところからドラマは始まる。

物語の粗筋はというと
人を呪い殺してしまったと、女性が自首してきた。
当然一課は掛け合わない。
その話にオカルト好きな右京さんが(そうだったっけ?)興味を持って彼女へコンタクト。

自首してくるくらい呪力に自信があるのであれば、確信させるだけの根拠=過去があった筈。
・・・確かに!
で、彼女から、過去三件の呪殺の事実を突き止める。
彼女の周辺では実際3人の人間が不審な死を遂げていた。これで連続殺人へと発展。
・・・・というお話。


舞台は青森くんだりまで二往復するロケ地の幅広さなのだが
「首狩峠」って・・・w青森にそんなとこほんとにあんのかー?なんちゅーネーミング。金田一か!
横溝ワールド満載な世界観に古い田舎の中古バスである。
そこで出てくるまたコテコテな田舎のばぁちゃん。呪いの伝承者という設定だが
おいおいおい、相棒でこのホラーリズムは反則じゃないんかい。いまどき古風だな!
なんか違うドラマを見てしまっているようだ・・・w
でもロケ地が説得力を上げるから不思議だ。

非科学的なもので人が死ぬなんて科学捜査とは真逆だ、とでも右京さんが突っ込んでくれると思ってたが
オカルト好きという設定があるからか、呪い殺したという証言を真っ向から否定しないスタンスで
ほぼ序盤は事が進む。

変境地だから・・・という要素でもなく、クローズドサークルにもならない、容疑者というか関係者が
その自首してきた女性・初恵と、幼馴染・修斗、そして呪いのばぁちゃんの三名だけというミニマムさ。
妙にこじんまりとした小さな事件規模である。

となれば、当然
右京さんの頭脳を使ってのトリック暴きもなければ、旬の時事問題に切り込んだストーリーでもなくなり
話がとても閉鎖的で主観要素の強い話となる。
つまらなく感じてしまう人はいそうだ。


事実、全体像は容易で、ほぼほぼ私も想像通り。
恐らく弟分の修斗が、呪いが出来るという初恵の思い込みを利用して、初恵のために殺人を犯し
初恵を護っていたんだろうなと予想出来る。
私に予想させているようじゃ、ミステリーとしてはだめでしょ。

こんなんじゃ、相棒SPとしてはちょっと迫力不足だなと思っていたところ
(そもそもオチはどうするんだと思っていたところ)
ようやく物語は中盤から煮込み始める。
ここからの心理学的考察は、結論としてかなりの悲劇を含ませてくることも含め
提唱したメッセージは割と皮肉で重たいものだった。

転んでもタダじゃ起きない相棒というか、転んだら斜め上行く相棒。


ちなみに、今回の主役であるゲスト初恵役に小野ゆり子さん。
彼女の少し血色悪い青白い顔立ち、怯えている一重の小さな瞳は、見事に物語にマッチしていた。
こういう地味で大人しい田舎娘系、似合う~。
トヨ役の山本陽子さん。
怖いわっっ。呪いというより怨念態?青森ってことは恐山のイタコがモデルか。
幼なじみ、梶原修斗役で辻本祐樹さん。
まあフツー。
普通なのにナチュラルに入浴シーンを披露している。

このトライアングルに於ける見た目の力関係は悪くはなかった。


また、同時進行で様々なキャラの意味深な動きも重ねられる。

まずは相棒となる冠城亘。
反町隆史さんは実のところ、私の中では右京さんの片割れとして割と評価は高い。
なんだろう・・・油臭さというか、アウトローさというか、そういうのが右京さんの対称像として
とてもしっくりくる。画面的にも遜色がない。
初代は殿堂入りとして、神戸くんはインテリ的で頭脳的で実にオイシイ相棒であったが
対極という意味での反発力が足りなかったんですよね~。

今回は広報課の巡査としていよいよ警官デビュー。
「冠城亘巡査」・・・作中で何度繰り返すつもりか。笑っちゃうほど連呼されてて笑った。
もう法務省キャリアじゃないんだよっていうことを
皆が連呼することで印象付けるちょっとした遊び心だったのかも。

その冠城の警察学校時代の同期ということで青木巡査。
右京さんと頭脳対決出来そうな能力の持ち主で、ダークサイドに落ちそうな陰気オーラ満載。

「青木年男と冠城くんは警察学校で同期だったようです」
・・・って、つい最近の話じゃねーか!そうか。中々にナチュラルというかタイムリーな人材投入で
わざとらしさがない。

しかもだ。

「おまえこそ誰かを殺したいほど、呪ったことあんのか」
「あったとしても僕は呪いなんて非科学的なものに頼りませんよ。
 もっと現実的且つ確実な方法で相手を完膚なきまでに叩きのめします。・・・再起不能にしてやります」

とか言って皿の上でソーセージこまぎり。カチャカチャ煩い。
くわーッ!くっそたまんないキャラだな・・・。とんでもないのが出てきたな~。

「調べものなら貴方に任せれば、早いし確実って聞いてたけど」・・・なんて印象付けているし
今後、物凄く怪しい存在になりそう。
ラスボス感満載。
・・・の割には地味系で強くなさそうな風貌がいい。
あれだ、凄そうに見えて実は自爆系という危うさ。

というか「油断ならない」という台詞を冠城に向けた形で社に言わせていたが
その矛先はこっちだったのかもと思う。
今回の脚本はそういう別のパーツが別軸の不足分を暗に補足している箇所が多く見受けられ
中々地味に凝っていると思った。

青木年男役・浅利陽介さん。
ひたすらに不気味で、腹黒く、いいポジションに付けていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・ってゆーか、誰このひと。


更にだ。
社とロシアスパイY.A。その一人娘。
まさかここが再燃させられるとは!なっつかしいな!ちょっと忘れてたよ!
ヤロポロク(だっけ?)再登場なんか!
この関係性と社の裏が壮大な背景を背負っていそうで、シリーズを貫く軸のひとつか、或いは映画への伏線か。

冠城さん、いきなり法務省裏切っちゃいましたが。
恐らくなんの下心も策略もなくw
こういうとこ!こういう野生本能的な未熟さみたいなのが、すごく好きだ。

とか思っているうちに
社か冠城か、どちらかを着け回っていたアイツ、最後にいきなり殺されたよ!!!えー?!消されたのー?
謎の監視者の正体は勿論、彼を殺して埋めた犯人は誰か。

ロシアスパイ怖っ。ヤロポロクも既に殺されている可能性が高くなった。
そして、あの手紙で関係性を探られてきたんだとか、警告だったとか
色んな憶測を呼んで・・・・・・・呼んで・・・・・・これまた違うドラマを見ているようだ・・・・。



そんな多重構造の中、いよいよ今回の本筋が顔を出す。
その辺の緻密さは今回実に濃厚だ。

冒頭の事件、つまり最後の容疑者の部屋から指紋が一つも出なかったという奇妙な事態から
サブタイの如く、初恵を護るために二人が発動。
問題は、何故初恵を護るのか?というところで、そこに表れた事実はありがちなものから
少し捻られていて、そのことが特異的なテーマを寄り掘り下げていた。

私も、ずっと、シュウがハツを護るために、ハツを脅かす者を排除(殺害)していたのだと思っていた。
その隠れ蓑として、ハツが自分が人を呪い殺せるという思い込みを利用することで
自分も罪を逃れられてきた、呪いと暗示の復讐殺人なのだと。

・・・・で、ここらで本当にもう一人くらい呪い殺しそうな流れになってくる。
相手方に付いていた里崎弁護士が意味深な接触をしてきて。
このままホントにオカルトオチになったらどうしようかと思った。

だけどこれが右京さんのトラップ。
黒崎弁護士まで取り込んでたとは思わなかった。
「やらねぇぞ!」と言ってんのに強引にグイグイ右京さん、ほんと人の話聞かないなw

そして、無意識に殺しにやってきた初恵を現行犯逮捕するという荒技。


つまりはハツの単独犯で、トミもシュウもそれを知っていたという真実だった。
面白いのは、ハツの弱さを深く知っていたシュウとトミが
殺人を犯して対象を護るというありがちな外的要素ではなく
本当にただただ初恵の心の崩壊を防ぐだけのために現実を歪めていたという、何とも消極対処の内的要素だ。

ハツがどういう立ち位置・・関係性なのかはかなり終盤まで暈されていて
シュウが捕まり、自分がやったと主張していた辺りまでは、本当に実行犯はシュウだと思わされていた。
だから、ハツが一人殻に閉じこもり破滅していった結末はその連携を思う程に悲哀に満ち
トライアングルが乖離的になる。

ところが真実は、なんと初恵が自らを防御する自己防衛の身勝手な単独犯。
殺したことを記憶ごと消さないと潔癖な自分を、或いは罪の過剰な重さに耐えられない自分を
護れないからこその防御措置であり、彼女にとっての真実は、正に、「呪いで殺した」なのだった。

呪いだから、自覚がない。
しかも後片付けは周りがやってくれる。
何とも主観的な連携プレイ。

つまりは今回のお話ってゲスト寄りである。
右京さん視点で、或いは客観視点見ていると、最後に表れるテーマがあまり際立たない。


心理的抑圧とは、逃避、投影、同一視など様々な症状があるが
目的は一つで、自我を脅かす願望や衝動を 意識から締め出して意識下に押し留めることであり
一時的な心の安全装置だ。
これは心弱さとか言い逃れだとか、そんな簡単に一蹴してよい類ではなく
本当に自我崩壊や自我乖離してしまうギリギリの境界に佇む人間の、緊急避難である。


それを、人を殺しちゃ駄目でしょという尤もな疑問を抱かせたまま
過去が現実だと知った初恵は、その衝撃に耐えられず、留置所で自殺する。
それがまた、すんげえ画ヅラであった。
血が飛び散って、服が染まって、掻き毟ったような狂気と掻き割いたような殺傷。

自業自得でしょという視点で見ているだけでは、伝わらないだろうからこその、この悲惨な死にざまなのだと思う。

自己防衛のために自分でも制御できないほどの残虐な行為に及ぶことがある。
『相手の意識を失わせて溺死させること』を『呪い』と思い込む概念は確かに汎用性はないが
そこを理解できずに、単なる妄想殺人と考えると、ラストのこの無残さが半減する。


抱えきれないほどの負荷を抱えた人間がその罪を抱えきれずに自己防御に走るというのは
私はなんとなく理解出来た。
本当に心に限界というものは存在して、身の丈以上の負荷に人って耐えられない。
その限界を傍で見ていたトミとシュウが、必死に彼女を護ろうとしたその直向きな愛情が
逆転して光ってくる。

それを護ろうと必死に、それだけを目的に守護神として生きてきたという部分が
通常の庇う身代わり話とは違って、胸を打った。
その上で、それが無残にも砕かれるラストの結末が現実の無情さを伝えてもいるし、悲惨な惨劇を物語る。

「だから護ってきたのに・・・!」
ハツの死を知ったシュウが台詞はなかったけど、正にそう叫んでいそうなカットが網膜に焼き付いた。

大切なものを奪われて
だけど、その大切なものは誰かにとっての大切を奪ってきて。
その擁護が次々と殺人を連続させる悪夢を呼んできた訳で
遣り切れない連鎖がそれこそ怨念のように絡まるのが、辛酸だった。

その死にざまもきっと色々考えられたカットなのだろうと思えた。
誰かを殺した人間に相応しいと思うか。
耐え抜けなかった弱者が狂って潰されたと思うか。
狂い死んだ感じの何とも目を背けたくなる末路だった。


それでも、きっと、彼女は高校生の時に死んでいた人生だったのだろうし。
だったらここまで人生を生きられて幸せと見るべきなのか。
耐えきれない過去を抱える限界と恐怖っていうものを、オカルト要素を混ぜながら
いっそオカルトを混ぜたことでより抑圧の終わりの見えない負荷を実にドロドロと陰惨に描いてきたなと
つくづく思った話であった。


でもそもそも殺人事件なんてどれもが他人事であるという切り口を改めて突き付けてもいる皮肉もある。
つまりは傍目にはやっぱりただ人殺しが死んだだけの話なのだ。
そこで思い返すのが、そもそも、最初の自己防衛のために人を殺して良いのかという命題だ。
それがそのままラストに浮き上がる。

ハツの自殺を以って、もう一度問い掛け直すわけで、結局ハツがしたことと警察がしたことは
同種であると持ってきた構造は、普遍的ながら警察ドラマの基本骨格であった。

自己防衛のために人を殺して良いのか。
事件解決のために人を殺して良いのか。

そうか、横溝じゃなくてコナンだったか。

ブクマしているお気に入りサイトさまが指摘してらして、実は私も見ていて同じこと思ったので
私も真似して触れさせて頂く。
「犯人を推理で追い詰めてみすみす自殺させちまう探偵は、殺人者と変わんねーよ」



更にドラマはそれだけで終わらない。
彼女を追い詰めるために邁進してきたのか、そういうつもりじゃなかった。
彼女を死なせるために捜査してきたのか、そういうつもりじゃなかった。

そこに平行して描かれた、社の過去と現在。

なんだか彼女を追い込むという疑似ファクターが、彼女の死や破滅を予感させてもいるようで
単なる一話完結とは思えなかった。
むしろシリーズとしての数多の伏線を散りばめた初回だったのではないだろうか。

社を副産物的に追い込んでいくシリーズになるんじゃないだろうか。
ちょっと映画まで含めて期待が大きくなった。


そんな訳で、事件性というよりはシリーズの種付けをしてきたような初回SPでした。
時事問題や社会批判をものともしないかんじが相棒なんだが
これはこれで悪くなかった。
心理合戦なんて何もなかったし、俯瞰的なメッセージ性も強くないなんて相棒じゃない・・・!
・・・けど、これはこれで悪くなかった。

悪いのはむしろ細部の方で
例えば検死解剖が行われる時点でスタンガンの痕跡くらい見落とすなよとか
留置所でも食器の管理は絶対してるだろうとか
そういう細部の温さは確かに鼻に付いたかも。


余談。
私的いたみんちぇーっくvvv
なにあの4ショットvvv
くっそかわいかったよっっ////// 相変わらずに捻くれぶりで
なのに新鑑識を読んじゃう融通もある。その鑑識とは面識もあるのに仲良くなさそうな距離感がまたいい。
右京さんがネイルやってもらうシーンもどうしようかと思ったが
いたみんの男臭さに今回も満たされました・・・・!
そこは満足・・・!
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