Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2016*06*26(Sun)
東京喰種 第2巻 感想
展開がトロイッッ!2巻を丸々使っても話がなんも進まない。
だが、描かれた非日常に変わっていく苦しみや外側から見る人間考察が、なんとも言えない余韻を残す第2巻。
何がすごいって、突如奪われた日常の稀有さを乞う視点がとても美しくささやかで
人間の何が幸せかを問い直させるから、言葉もない。

あんていくで働き始めたカネキくん。
人間社会に馴染む練習として、まず食事の仕方をお勉強。
サンドウィッチを一口大に齧り、味わう前に呑み込んでしまう。
咀嚼の演技をして、消化が始まる前に吐きだす。

そこまでするのか、と確かに私も思った。
でも、それが何のためなのかと考えると、別に、自分を普通に見せるための努力ではなく
友人たちと気の置けない時間を再び取り戻すためのツールであることに気付く。

自己保身だけを考えてたら、丸呑みして吐き出すとか、胃に悪いよとか、どうでも良いこと考えちゃう。
ただ、食事って、確かに栄養補給の意味合いだけじゃない。
誰かと共に行うことで幸せだとか協調だとかが、生まれるんだなとか気付くと
カネキくんが必死に食べる練習をする背中はとても切ない。

だけど繋がろうとする直向きさが美しくて、この漫画はそういう心理描写がとことん上手い。
前回、カネキに幸福はないのか、ということを書きましたが
正に、幸福を自力で求める人間の美しさだと思う。
異生物交流という意味で、この世界の巨頭『寄生獣』が挙げられるが
生活する上でのリアルな揺らぎや苦悩は、俄然こちらが上。
そりゃそうだ、カネキは生活から奪われたんだからな。

『寄生獣』は確かに異生物との共存に会話させることで議論させ、見事な結末を見せてくれたが
こちらは恨みや妬みと言った、人間感情が渦巻き、負荷の高いテイストに仕上がっていて
人間観察というよりは、社会に生きる人間側の視点っていうのを逆説的に描いているような気がする。

正直、ストーリー自体にはまだ然程魅力はなく、面白い話でもない。
ただ、時折組み込まれる、人間への愛着や社会への直向きさが、実に良いスパイスであって
グッとくるんだよな~。
今後、どういうテーマで進めるのかで、面白くなりそうだと思わせられる。


今回は食糧調達という側面に沿って話が進んでいく。
食糧調達=殺人な訳で
狩れない親子と、人間側の追手(捜査官)が登場。

二極化して描かれるので、世界観は深くなった。

まず食糧調達で、自殺者を頂くシーンは、なるほどと思った。
自分で殺さなくて済むし、社会システムに於ける失踪の手間も省けるし。
両手を合わせてお悔み申し上げてから拝借するシーンに
なんだか、人間が他の動植物を食べて生きる様子と、なんら変わりない気がした。
人間だって豚だの牛だの、殺して喰うし。
「いただきます」って、そういう意味の挨拶だし。

生かしてもらうファクターが人間だっていうだけなんですよね。でもそこが大問題。

サンドウィッチに対するカネキくんの表現とか、やっぱちょっと独特なのねって笑ったけど
人間だって、腐った肉は喰わん。


一方捜査官。
「倫理で悪は潰せません」という台詞が、いかにもこの漫画ならではの言葉だ。
人間が人間を喰うのも倫理的な問題がネックなわけだし
捜査側としても、人間を生死問わず捕えなきゃならないわけだし。

食べるものが違うだけで同じ生き物、だなんて理想論を述べられたって
人殺しされる以上、野放しにされることは社会不安を巻き起こす。
成敗してくれなきゃ困る。

中々に面白い展開。
この辺の命題を紺ん後掘り下げていってくれることを期待。


前巻では、喰種の方が、殺人マスターのような危険認識が強かったですけど
カネキがこちらで生きる決意をしたこともあって、2巻は喰種の視点で物語は進む。
だから、彼らの存在が出てきたことで今度はどれだけ喰種が社会的弱者であるかを訴えているわけですが
馴染もうとして、でも馴染めないカネキの姿は
変わろうとして変われない難しさでもあって、彼への感情移入は高いです。

人間と同じ生活、学校だとか食事だとか、関わりと持とうとするほどにリスキーであることも
切迫感が伝わって、その果てに、母親が殺される展開はちょっと悲劇的。
あんなに能力も力も高く、食物連鎖の頂点的な存在だったのに、社会という制限の中では
弱いんだなぁ。

その果てに、トーカちゃんが捜査官の首を跳ねる仇打ち。
なんかもう一気にギスギスした重さがクライマックス。
相容れるわけがないという現状が、当然とも思うし、どちらへの味方もできない。

だからこそ、戦わなければならないという結論へ向かいそうなラストは
融合しようとしながら相対するカネキや喰種の哀しさが出ていて
この漫画のそういうところが気に入ってます。
もうちょっと読んでみてもいい。


ってだから、それだけの内容で2巻を終わらせる展開の遅さだけが気に掛かる。
そりゃ10巻越えもするだろう。

悲惨な展開はいっそグロさを忘れるほどで、そういえば、ヒナミちゃんが食事しているシーンなんか
ちょっとグロすぎなんだが、割と慣れてきた。
でも皿に指が乗ってる・・・・そこは調理しようよ・・・・爪ごと喰うんだろうか・・・。


一方、ヒス女なだけだったトーカちゃんが、だんだん本性が透けてきて、感情が見えてきた。
仲間を殺されて悔しがるままに捜査官に奇襲をかけて敗れるシーンは
まるで思春期の若者が社会に踠く姿と重なる。
上から目線で、下や部外者を蔑む意味も、威嚇と怯えの表れだと思うと
なんだかちょっと可愛くもある。

今後、カネキくんがどんどん少年漫画並みに成長を遂げ、頼れる男になったら
トーカちゃんがツンデレ風味で甘えて認めるとかになると
めっちゃ可愛いじゃなかった、イイコンビになるかもしれない。

ただやはり少しキャラクターが弱いというか、平たいというか、なんか魅力足りない気がする。

その他で気が付いたことは
この作者さんって、影の描き方がちょっと独特で、目を引いた。
トーンを使ってもやもやと描くのは、なんだか雰囲気に合ってて、ホラーなテイスト。
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