Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
08≪ 2017| 12345678910111213141516171819202122232425262728293009/ ≫10
--*--*--(--)
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ スポンサー広告 ] . . TOP ▲
2016*05*31(Tue)
寄生獣 第8巻(文庫版) 感想
涙・腺・崩・壊。
なんたるラスト!なんて辛酸なラストなんだ!ミギーの想いが痛い!沁みる!こんなに号泣したのは久しぶりだ!!
文句ないラストでした。大満足である。


最終巻。
後藤との戦いを決意し、シンイチとミギーはひと気ない山奥で一対一の戦いを仕掛ける。
まともに戦っても勝てない。逃げても見つけられる。
だから戦いから逃げることは最早時間稼ぎでしかない。

誰にも相談出来ず、たった二人で向かうシーンは、この漫画らしい。
多くの人と関わってここまできたけど、その中で芽生えさせた仲間や連携は一切無視だ。
むしろ、シンイチがここまで孤独であったことの最たるものとも言える。

ここは、読み終えてから改めて振り返ると、色々疑問点は残る。
でもそれは後にして、まずはミギーとシンイチだ。


勝てない相手とどう戦えば良いというのか?
打つ手を奪われたラストの策は、正に破滅的な方法だった。
つまり、ミギーが足枷となるシンイチから離れるというもの。

今までずっとタッグで戦ってきたことからも、意表を付いているし
ここまでも、「お前らの戦い方を見せろ」「どうやって戦うんだ」などと敵に言わせ
二人が相談しながら戦闘方法を決めるというシーンを何度も描いてきている。
いわば、この漫画に於けるミギーとシンイチの特異性の具現化が
戦闘スタイルだったわけで、それを逆手にとってきた。

だからこそ、ここでの選択が、読者にも妙に切羽詰まった緊急性を演出しているし
禁じ手といいますか、奇抜さをまた描いてもいるわけで面白い。

それがまた、ここまで私の不安を煽ってきた頂点直撃ー!ってなわけで
もう、この一話だけで号泣したよ!

漫画を読みながら嗚咽上げてティッシュ片手に涙拭ったの、何年振りだろうか。
もうね、ミギーの気持ちが切なすぎる!!


シンイチが隙を作る役として背後に控え
ミギーが囮となっておびき寄せる。
シンイチが火を放った瞬間、ミギーが頭を切り離す!

後藤の弱点はやはり複数の寄生獣を取りこんだ故の統制力ということで
頭部を切り離したのだが、その一撃だけで後藤は倒れなかった。
触手を押さえ込み、シンイチに戻れないミギー。
寄生獣だからこその、寄生から逸れた者に訪れるリスクが、ここぞとばかりに投入されていて
その意味でも最終決戦という感じ。

同時にミギーに親和感を抱いているものとしては、はらはらはらはら・・・・ああぁぁぁ~・・・・。

寄生しなきゃ生きられない生物だから宿主から離れたら終わりなんだ。
それをシンイチも分かっているから、必死にミギーを戻そうとするけど
後藤を押さえ込んだミギーは戻れなくて。

「くるなシンイチ!失敗だ!」
「なっ!」
「はやく逃げろシンイチ!こいつはまだパワー充分だ!」
「でも・・・いま・・・すぐそっちへ・・・」
「くるな!2人共死ぬことはない!早く行け!」
「だってミギ・・・」
「なにやってる!!このまぬけ!!早く行け!!」

もうベタベタな展開なのに、ミギーの想いを考えると、胸が抉られるようだよ・・・!
そもそもミギーら寄生獣は感情がなく、情がない。
宿主を護るのは、自己防衛だからだ。
なのに、ここの一連の行動は、もう自分のためじゃなくなっている。
ただ単にシンイチを護ろうとしていて、自己犠牲だなんて、一番寄生獣に遠い感情だろうに。


そうして、去っていくシンイチの背中を見送りながらミギーが呟く言葉にまた絶叫。

「さようならシンイチ・・・これでお別れだ・・・
 一番最初にきみに出会って・・・きみの・・・脳を奪わなくて良かったよ・・・・
 おかげで友達として・・・いろいろな楽しい思い出を・・・・」

ミギーは人間を説得するにはどういう言い回しを使えば心理誘導出来るかも熟知していた。
だけど、ここでの台詞は全部ミギーの本音なんじゃないか。
なのにそれを、当のシンイチだけが知らないんだぜ・・・!

もうなんちゅー展開っっ。


2人を引き話すラストは嫌だなぁと何度も言ってきましたが
そう不安を煽るような2人の仲睦まじさがあって、だからこそのこのミギーのシンイチには伝わらない想いってのが
もう最高に泣ける。

田村玲子は、死が訪れても、「それもまたそうかと思うだけだ」と言って
ある意味穏やかに死んでいった。
だけど今、死を実感して受け止めるミギーと、ミギーを失くしたシンイチが感じる想いは同種だったと思われる。
それが何より号泣するシンイチの想いをまた切なく仕上げていて
貰い泣きした・・・。

し・か・も!!

崖から滑り川に落ち、ミギーを失ったシンイチが、昔の髪形に戻るんですよね。
もう、このセンスがさいっこーにクオリティ高くって!!
シンイチが強くあれたのは、ミギーの補完であるということを、視覚的に匂わせているこのテクニック。
野生染みていきり立っていた髪形。
でも今、ミギーを失ったただの人間であるシンイチは昔の大人しそうな坊ちゃんに戻っていて、
泣きべそ。
上手いっっ!上手すぎる・・・っっ!



んで。
いきなりひとりぼっちになってしまったシンイチ。右腕を失ったシンイチ。
ここで、いきなり新キャラ老婆・美津代さんが出てくるんですが
ぶっちゃけ、この展開、いる?

ここだけは、ラストシーンへの伏線と分かっていても、ちょっとこの作者にしては強引な気がした。
美津代さんをわざわざ出さなきゃ描けないことだっただろうか。
上記しましたように、そもそも、決戦の地へミギーとシンイチが二人だけで向かうことも
それまでの展開への否定を感じる。

平間刑事とか、力になってくれそうだったのに、あの市役所制圧でもう退場???
それだけ?って感じだ。
シンイチに何かある・・・!って仕掛けた人物なくせに、ここまで引っ張って、あれだけ?
ええぇえぇぇ????

なんっか納得いかない。中途半端過ぎるだろう。
田村玲子もまた、人間の恐ろしさは個ではなく集団になった時と言わせていたのに
最後は孤独に向かっちゃうの?
なんか、少し辻褄が合わない気がした。


でも、ここで出てきた美津代さんが、おちゃめキャラなので、まあ、文句はない。
そこで、少しずつ癒されて、落ち付いたシンイチが
ミギーを失ったことを少し受け止めて
「あいつがどんなにいいヤツだったか。あいつの知力、勇気、何を取っても俺は敵わない。
 あいつこそ本当のヒーローだ」

失ってその大きさに気が付いて、シンイチもまた、ミギーを偲ぶ。
だけど、同じくそれはミギーには届かない訳で。
(でもなんとなくミギーは知っていたかもしれないけど)

離れ離れにした2人がお互いにお互いに寄せる想いが、切ないです。



村へ逃げ込んだシンイチが休んでいる間、山奥で後藤が人を喰い殺す。
この山奥まで連れてきたのはシンイチたちなので、責任を感じたシンイチは
もう一度後藤と戦うことを決意する。

一人で向かう訳ですが、ここの気持ちの変化は不思議はなかった。
解説してありましたが、解説がなくとも、ミギーを失って少しヤケになって
せめて一撃だけでも喰らわせてやりたいって思い、理解出来る。

また、ここでごちゃごちゃ弱気なことを堂々巡りさせるんだけど
それもまた、理解出来るなぁ。

だけど、やらなきゃ可能性はゼロだ!と賭けるシーンに繋がり
くわーっ!しんいちー!って思ったよ。
がんばれがんばれ。

この時点で人類の希望だとか、未来のためとか、大層な理想論を取って付けてないのも
逆に親和性がある。
シンイチの彼の中だけで完結する、自己の戦いにしているんですよね。
その意味がラストに繋がるんですが、それがすごく気持ちが良いです。


「さっきのナタがそのまま・・・邪魔だよ!!」
やっぱりちょっとクスリとさせる台詞回し。



一撃だけ喰らわせることが出来て、死の覚悟を決めたシンイチ。
次の瞬間、なんと右手に残った僅かな目玉のミギーの片割れが後藤の一撃を防ぎ
その一撃は攻撃というよりは伸縮で。

「やぁ・・・」

~~~っっ!!!!
もう言葉もないよ!!ミギー!!!
戻ってきたぁぁぁ!!!
号泣。(二度目)

生きてたよぅぅ。
シンイチの右手に戻り、スチャっとファイティングポーズ!
何だかサンライズロボットアニメのようなカタルシスを感じるが
そんなことよりくぅぅっとっくるのが、そこでミギーが後藤に言う台詞。

そもそも後藤は複数の寄生獣を取り込んだために、感情も複数あって
怒りもその数の分増殖する。
その怒りが後藤を作り上げているという設定。

そこでミギーが言う台詞。
「ヤツの体に充満する怒りの正体・・・それは脳を奪わなかった私には存在しない感情だ。
 すなわち『この種を喰い殺せ』」

くわぁぁぁ~!!!!
ここまで一貫してミギーが言ってきたのは「脳を奪えなかった」自分という表現。
だけどここで、「奪わなかった」と肯定した。
それが正解だったとシンイチと出会ってシンイチと別れて
そんな経験全てがミギーにそう言わせたのかと思うと、もう号泣。

もうそれに感動すらしてしまった。


「でも・・・まるでヤツの奴隷だったんだろ・・・・?」
「それがねぇ、意外なことにとても心地良かったんだよ」
「おいおい・・・俺ははぁ!お前が死んだと思って・・・・それがどんなに悲しかったか・・・!」
「あ、そう」
「あ、そうって・・・」

もうここの会話サイコーvvv
あんなにお互いの存在を大事に思い合ったのに、傍にいればこれかv


そして後藤編の結末もまた、グッときた。
ミギーが初めて、仲間だから殺せないと言い、シンイチに判断を委ねる。
シンイチは人間が正しいのか寄生獣が正しいのかという命題ではなく
必死に生きている者を殺したくはないと答える。

だけど、そのあと、ミギーが言う。
「地球で最初の生命体は煮えた硫化水素の中で生まれたんだそうだ」

なんてスゴイ台詞なんだろうか。
 

そもそも後藤に隙を作ったシンイチの攻撃は、産業廃棄物の不法投棄による人的被害とも言えて
ミギーは「要するに人間サマにゃかなわんってことさ」と呟いた。

この山林の廃棄物不法投棄を説明させるため美津代さんを出したのでしょうが
別にこれは、平間刑事でも充分だった気はする。
でもそれよりも、環境を破壊しているのは人間で、だから寄生獣も殺せるという方程式が
なんとも皮肉な余韻を残していて、勝利の感動を複雑にさせる。

人間こそ、声なき他者を喰い潰している生物ともいえるし
やり方が違うだけで同じだという作者の人間批判が痛烈だ。


その前提の上での、このミギーの台詞。
「地球で最初の生命体は煮えた硫化水素の中で生まれたんだそうだ」

結局、与えられた環境で生き残れるものは生き残るし、弱い者は死ぬ。
天に委ねるというのは、要は適応出来ない者は死んでいけという残酷さな訳で
そこに優しさなんか、生き残る者に失礼なんですよね。

人間一人が、善悪に考えあぐねたことなんて、そんなの塵にもならない。

なんていうか、生きてて良いのだという強烈なメッセージを言われた気がした。
もっと、自分が自分の命を尊重しても良いのだと。
同じ地球上で生きているライバルたちはみな、全力で命を鼓動させているから
生きているのだと。
手を抜くなんて失礼だし、手を抜けばこの勝ち残りに負けるだけで
だったら、思い切り生きて良いのだと、そう言われている気がして
なんだか自己を肯定されたような強烈なメッセージが温かくって、また号泣した。(三度目)

そしてシンイチは弱い者を潰す。地球上の生物だから。

その上でラストのミギーのラストメッセージ。
「だからなぁ・・・・いつまでもメソメソしてるんじゃない。疲れるから自分で持ちな」

大号泣。


人生を謳歌させるポジティブなメッセージ性を込める作品は多々あるし
命が素晴らしいと生命讃歌する作品はあるが
こんな形で背中を押す作品は初めてだった。
温かく力強い作品。

ならば全力で勢力つぎ込むとはどこまでのことを言うのか?

この作品では命を賭けているだけに、自分が生きるための殺人までを擁護してしまう危険性がある。
(そのための、浦上の存在なのだと思うが)
自分のルールを相手に押し付けても意味がないと物語は締めくくる。
生きるということについて、深く反省と熟考をさせられるテーマを綺麗に精査させてきたと思えた。
ブレない骨格は、清々しさすらある。

メソメソすんな。その言葉が胸の奥で木霊している。

生きていいんだ、もっと貪欲に、もっと全力で。
強烈なメッセージが胸に響いて、とにかく最高の結末でした。




ラストだけ。
少し気に喰わない。
だって、シンイチとミギーと別れさせる意味って何?
必要ないでしょ?
その意図が大分希薄で、ただ泣かせようとしただけなんじゃないかという打算が見える。

ここまでの展開で、最後に敢えて2人をもう一度意思疎通を阻害させることに
何の効果を狙ったというのか。
右手に遺し、後藤を殺した時点で、一人の人間が生き抜く未来を手に入れたのだ。
寄り添うという着地点を踏まえても、ここでミギーを眠らせる意図が不明瞭である。

・・・・ま、一緒ならいいんだけどさ。

宇田さんとジョーが仲良しさんでホッとした。


・・・・浦上・・・まさかラストにこんな出番とは。彼の立ち位置は一番意味深で面白いキャラだった。
でも確かに彼こそ人間である。
紛いものなく寄生獣でないという意味と、他者を簡単に蝕むという意味で、確かに人間である。
精神部分で述べるなら、彼こそが中間層なのではないか。

ラストの村野は高校時代よりはずっと可愛くなっていたけど
やっぱり最後まで好きになれないキャラなのであった。おしまい。


間違いなく、私的永久保存版作品。
中古の文庫版で揃えましたが通常版で揃えても後悔はなかったと思われる作品。
多少最後がもたついた気はしますが、ほぼ完全なる完成度でした~。
ああ、ひっさびさに漫画で泣いた。

泣ける漫画ってのは二種類ありまして、ストーリーの探知で泣かせるものと、種類で泣かせるものがある。
これは前者で、どうなるか分からないからこそ、シンイチとミギーの対峙に泣いた。
だから今はもう読んでも泣かないんですけどそれでも傑作作品。
良い漫画を読んだ。
関連記事
スポンサーサイト
[ kiseiju ] CM0. TB0 . TOP ▲
COMMENT
コメントする














秘密にする?

    
この記事のトラックバックURL
http://mokumoku254.blog.fc2.com/tb.php/1022-cacd1ef6
trackback



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。