Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと漫画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2017*04*10(Mon)
ドラマスペシャル警部補・碓氷弘一~殺しのエチュード~感想
面白かった~!ユースケさんダークな中年男が似合う似合う!
こういうちょっと抑えた雰囲気と怖さ、彼がやると味があるっていうか独特の雰囲気が出ますよね。
ちょっと滑舌悪いことなんか気にならないくらい憑いているものが見える画だった。

また、ユースケさんと滝藤賢一さんのコンビが良かった~!
二人共演技派という一定の箔があるので並ぶと圧巻!
ちょっと荒々しい滝藤さんはもう文句ないレベルなので、凄い緊張感が滲んでいたように思います。

背格好も近く、痩せ型の二人なのでシルエット的にもちょっと・・・//////
カッコ良かった!



警部補・碓氷弘一~殺しのエチュード~
警察小説の第一人者と言われる今野敏の人気シリーズ。
監督/波多野貴文 主演ユースケ・サンタマリア


簡単なあらすじ
ライブに集まる人波の中で一人の女性が刺殺され、目撃者によって石狩という男が取り押さえられる。
翌日、駅に向かう人波の中で女性の刺殺事件が発生し、同じく目撃者によって野間という男が取り押さえられる。
偶然居合わせた碓氷が野間を緊急逮捕したのだが、前日の事件と合わせ、二人共否認。

ネット掲示板に「まだエチュードに過ぎない。本番はこれからだ」

真実はどこにあって犯人は誰なのか?っていう物語。


ドラマの出だしは、碓氷の誤認逮捕だったのか?という焦点に絞られ
あんな大勢の目の前で逮捕、目撃者も多数いたのだから
まさか間違えているとは思わない先入観と正義感を、「善意のヒーロー」としていたのが面白い。

誰もが刺した瞬間を見ていないのに、一人が「コイツが刺した」と叫べば
集団心理が働いて誰もがちょっと役に立ちたい心理に誘導され、そいつが犯人だと思ってしまうこの怖さが
実はそのまま真犯人の動機にも繋がるのだが
その切り口はとても繊細で丁寧だった。

そして、自分がやったと正義感を出していったのに、それを否定されると辱められる、この心理。

記憶は自己都合で操作されるという台詞もあって
とても社会性の強い人間心理を突いてくるなと思った。

何か明確な事実があってイコール犯罪となるのではなく
こうすれば人がこう動くから、犯罪が完成するっていうツールがそもそもユニークですよね。
誘導されて善意で行動したつもりが一人の冤罪を作り上げるリスクは
ちょっとおぼろげな怖さもあると思った。


碓氷が自分のその思考と記憶と思い込みのズレに気付くまでで一つのカタルシスがあったと思う。

で、気付いた後は今度は目的が見えない。
ミステリー的な誘導はとても緻密。
それだけで前半は充分集中出来る出来栄え。
そういうデリケートな部分を緻密に練り上げているのが尽く光っているドラマだと思う。


殺された被害女性二人ではなく
集団に捕まえられた被疑者の方に接点があるのでは?という視点の転換で
やったやらないの水掛け論も、それこそ痴漢冤罪の代表格で
実際ドラマもやがて発端となった痴漢事件へと繋がっていく。

その辺りからは縦型社会の上からの圧力へと理由がシフトし
その利権が絡んだかのような正義と、やはり対極にある構造が真犯人に繋がっていき
まさかの選挙妨害がクライマックス。

ちょーっとその逮捕の瞬間はもうちょっと何かドラマティックに描かれても良かったんじゃとは思うが
その分、上司に立て付き啖呵を切るラストは爽快感と後味の悪さもあって
ここに持ってくるまでの無駄のない、四方から攻める脚本に二時間たっぷり楽しまされました。
とっても良かった。


犯人は桐山という痴漢冤罪になった男。
本当に痴漢をした男・野間は有名議員の甥。
自己保身のために議員が野間の痴漢の罪を桐山に決定づけさせて
その人生をめちゃめちゃにされた桐山が野間と議員に復讐するために起こした事件でした。

しかもその時所轄の捜査に議員からの依頼で圧力を掛けたのが
碓氷を今回送りこんだ警視庁参事官という・・・。
事件経過を見守る・・監視するために利用してたんですね。

でも証拠もなく何も御咎めを受けない。

一番悪い人間が逮捕されず、冤罪で追い詰められた人間が犯罪に手を染め
更に人生を狂わせるラストの辛辣さは私好みでもあり
軽く差し込まれた母親の涙が実に痛々しい。
なんて悲しい悲劇か。

だからこそ、桐山の女性殺害などの動機はいっそ、誰でも良かったなどというチープなもので充分なのだと思えた。
その分、彼の破滅に追い込まれた悔恨がありありと浮かび上がる。


そんな物語を、これまた圧巻の役者陣が演じてらして、隅から隅まで隙はない。

自らの希望で捜査一課から総務部・ 装備課へと異動した警部補・碓氷弘一。
警視庁総務部装備課主任をユースケ・サンタマリアさん。

歳取ったな~とは思うけど、そのやつれた様子が実に冴えない中年キャラにマッチしている。
抑えた暗い演技が人間の含みを視聴者に感じさせ、いい感じなのだ。
声のトーンなども棘がなく、重い。


その相棒役・藤森紗英に相武紗季さん。
科警研研究員で犯罪心理学を学んだプロファイリングの専門家という設定だが
そういう理系キャリア風には感じないちょっと風変わりな女の子だった。
少しトロい口調に統一されていて、好き嫌いが分かれそう。
あまり頭良くは見えない。
でも碓氷とのコンビにはかなりマッチしていてアレルギーがない感じに仕上がっていたのが好印象。
毒がない感じというのか。とにかく中々おっとりした感じが凄く良かったのだ。

なのにあけすけにズケズケ言っちゃう感じとか、台詞のチョイスも上手かった。



警視庁捜査一課5係・刑事で碓氷と同期という高木を滝藤賢一 さん。
彼のトリッキーな演技力は周知されたるものですが、今回の尖った感じも実に上手い。
カッカして乱暴な感じも幼稚な風には感じさせず、早口な台詞も笑えた。
この人、実は良い人なんじゃって、どことなく思わせてしまう説得性がある・・・。


そんな彼と碓氷が徐々に協力体制に求心力が高まっていく流れも実はかなり見事で!
初めは辞めた碓氷に理解を示さず陰口を叩いていたのに
ぶつかり合い、憎み合い、でも
「長年現場を走りまわってきたお前なら分かるだろう!もう一度信じろ」
・・・って辺りから、慣れ合いではないのに、目的のためにチームが結成されていく感じの演出が
実はかなりグッと燃えた。

「ばぁか、お前。装備課が無茶しやがって」
「・・・」←この無言の表情vv

こういう楽しさはミステリー以外でも絶対必要だと思う。絶対。

警視庁捜査一課5係の係長役の佐野史郎の落ち付いた中でのひょうきんな役も見応えあったし。
役者陣には申し分ないクオリティだった。


唯一不満を言うとしたら
さっき少し書いたけど、こうまでして盛り上げてきたクライマックスが逮捕の瞬間なのか
それとも、碓氷が上司に
「待てって言ってんだよ!土下座しろよ、それでも足りねぇぞ・・!」」と啖呵切るシーンなのか。
確かに無音で演技力だけで見せ切ったこのシーンは
こいつがラスボスか、という迫力もあって味わいたっぷりである。

が、刑事ドラマって先入観としてどうしても逮捕の瞬間に山場を見てしまいますしねぇ。
その上、本当のクライマックスがしっかりと敵役を打ち倒すシーンではなかったために
どっちつかずになって、散漫してしまったのが少々勿体ない。

というのも、選挙の当確となった中継現場が妙に閑散としているのがなんか尻つぼみで。
参事官も同席するこの緊張の三つ巴戦をもっと焦燥感たっぷりに描けそうなのに。

だとしたら、恐らく狙いはその後のラスボス・参事官に
「彼をこんなにしたのは警察なんですよ」と言っちゃいけないこと言っちゃうシーンがメインだと思うんだが
確かにそこはすごい迫力があって良かったんですが。
なんか集中力が二分しちゃったな、という印象なのだ。

言っちゃった後「はぁ・・クビですかね・・・」って言う言い方は可愛かったが。
こういうとこ、愛嬌が残ってていいんだよな~。ほんと上手いというか。<ユースケさん

もっとスッキリと纏めてくれた方が気持ち良かったかなという勿体なさがある。


それと!
カメラワークには一言言いたい!
序盤、捜査一課の不協和音をカメラで演出したかったのだろう、くるくる回りながらの長回しで
一気に撮ったシーンで
しかもフラフラとわざと視界を揺らす手法で延々と撮られたシーンは酔って吐きそうになりました。
いい加減制止してくれ。
不穏な空気感をそんな小手先の手法でしか洗わせないのかよ!下手くそ!

だが、一貫した色素を抑えた画面は硬派さと頑固さもあって、ラストシーンにも相応しく
その他の部分については最高でした。
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