Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2016*02*27(Sat)
ナオミとカナコ 第7話 感想
こんな展開になるなんてー!!
正に世の中は卓上で起きているゲームじゃないんだなという人間の面白さが詰まっていました。
まるでだから人生は数奇なのだと言っているようでもあるし
だからどんなに計画しても不確定要素を排除できないと言う人間の限界を言っているようでもある。


二人の素人考えのなずさんな犯行計画が、返って他人の介入の余地をふんだんに残していることを
貪欲に利用した作風が面白い。脂が乗ってきた。
こういう凡ミス連打は、普通の刑事ドラマじゃ有り得ないし、萎えるだけだが
犯人側視点で畳み掛けるヤバさは、申し分ないくらいのスリルだ。
無関係な人間を巻き込むことで予想外の方向へ転がっていく展開は、とてもスムーズでリズミカルだった。


ただ、スリルを堪能するだけのドラマなんですよね、これ・・・。(ーー;)

盛り上げる音楽ももうベタベタな選曲。ほんわか心に満ちる抑えどころ音楽も平凡。
笑っちゃうくらいお馴染みのテーマが流れるからもう笑っちゃう。←?

もう少し個性的な音楽作れなかったのか。
いや、もう、そこすら個性?


なのに余計な概念はほとんど省いた、整頓された脚本で
次々と、何かと甘く危なっかしい素人計画の綻びを抜かりなく指摘してきて
そんな女二人が見てられなくて
もう笑っていいのかハラハラして良いのか分かんねーよー!!

こんっっなアドレナリンが絞り取られるドラマは金輪際みたくない・・・。
脳内ぐちゃぐちゃです。多分、ゼッタイ、寿命一年縮まってる。



陽子姉さん大暴走の回。(主に推理の面で)
クールなキャラにおける突飛な「これよー!」は笑うところなのか。
それともマジか。

追いかける側のキーワードは、銀行の監視カメラとマンションの監視カメラの二点だ。
達郎の当日の足取りと交友関係を洗う。

当日の足取りと言えば、追われる側からすれば、決定打は同じく
銀行引き落とし時とマンションの深夜の映像だ。
陽子姉さんの狙い所は的確だ。


しかし、マンションの管理組合には個人情報プライバシーを盾に、映像公開断られちゃう。
まあ妥当である。
人が消えたというだけで、ホイホイマンション管理人が映像見せられたら、他住人は堪らない。
高級マンションほど、完全なるプライバシー保護がネックである。
現在アップル社が国の依頼を断っているあの事件が脳裏を過ぎる。(笑)


しかしここはドラマ。
やはりここは警察が正式に動いてから・・・・と思っていたら
陽子姉さん、探偵を雇うことに。

なるほど、そう来たか。

ここで探偵さんらしい目線で、達郎に女の存在を臭わされる。
達郎を知っている人間ならその発想はないから、ここで探偵役の投入は大きい。


探偵会社に警察OBがいて、融通が効いたという理由で、マンション映像もあっさり開示。
ちょっと有り得ない気がする。

だってこの警察だって正式捜査ではないでしょうに。
この辺の脚本的な詰めの甘さは、ちょっと短絡的だ。

だが、開示されたのは、まさか深夜に犯行を行っているとは思わないからこそ
日中、達郎が外出したとされる時間。
誰も映っていない。(当然だ)
このズレが面白いし、ハラハラ感を高めていく。


一方、銀行ATM映像。
こっちは前回の、内部密通者の彼によって、無断開示。
これも、厳密には規則違反だろうけど、内密に動いているということだから、ここは規約違反は承知の上か。

探偵さんによって、銀行監視カメラも、誰が降ろしているかではなく、誰が付き添っているかが重要と助言。
なるほど、そういう視点なんだ~。
ついでに、二回目の引き出しにナオミが付き添ったあのシーンが、こう繋がるのか~と深く納得。


この辺の一連のシーンは、もう前回から私が、ナオミ&カナコへの同情視点ではなく
スライドさせられた脚本に従い、客観視点で見ているので
危ういばかりの彼女たちの抜かりを、一つずつ伏線回収していく流れに興味が集中。
追い詰める手札が、見ていて面白い。


個人的にこの事件の面白さを補完しているのは
陽子姉さん、弟の交友関係をまるで知らないだろうってことだと思った。
結婚した弟の周りなんて、そんなものか。
思えば、達郎の周りってすごく狭くて、友達なんかいなそうである。くだんねぇ飲み会なんてと唾吐くタイプだしな。
女の存在なんて、もっての外。


ところがだ!

この女絡みの指摘が、まさかこんな展開に転がるとは!!

探偵による、男の失踪には女の影がある指摘。
ナオミが林さんに付き添った銀行ATMの証拠写真。
林さんと達郎が瓜二つだったことを利用した犯行であるが故に
同じ顔を見た李社長が達郎を林さんと逆に勘違いすることで証言される、林さんの上海行き決定打。

なんて上手く絡み合った糸なんだろう!

陽子姉さん視点では、達郎は上海に行ったことが決定的になり
行き先が上海であることと、李さんの故郷が上海であることから
ナオミと達郎の接点を意識する条件が揃い、まさかの不倫疑惑。

いやいやいや。大爆笑。

まさかそっちを疑うか!
そりゃそうだ。これだけ見たら、そうなるか。
でも理詰めでしっかり者に見える陽子姉さんが犯す失態だけに、なんたる大暴走って風に見えるw

いくら女にそそのかされたからって、横領の手口が銀行員としてありえないっていう点についても
女にかどわかされたの一言で納得か。
・・・ってか、陽子姉さんの不倫の認識って・・w

あれですか、昼ドラとか信じちゃうタイプですか。
怖いと思っていたが意外と単純だったことに驚きである。
クールな顔して言うから余計におっかしーったら。


この妙に辻褄が合ってしまった状況が非常に面白く、何気に説得力もあった。
達郎を、自分と同じエリートサラリーマンだと羨望していた筈の価値観が
たかが女の存在でここまで覆されるとは。
陽子姉さん的には、可愛い義理の妹の旦那を親友の顔をして奪った泥棒猫って認識か~。爆笑。

そりゃ、ナオミも想定外だろう。
全く、人生は予期せぬことが起こり得るものである(笑)

いやでも、いっそこれを利用して、殺人罪という最悪の結末を回避するとか、どうだろうか。



更にそんな時、林さん帰国。
うっぎゃー!ややこしいときにややこしいことが!
スリルを畳み掛ける手法は、もうこれでもかと言う感じである。

しかしこの流れも、少し中国の方に配慮が足りない気がして、少々ざわざわするものが残る。
李さんを出すことで、殺人をそそのかすハードルを下げていると第1話感想で指摘しましたが
ここで林さんが戻ってくることで
重要なことを理解できない理解力や俯瞰力の弱さを
中国人であるということと、教育の低さで説明させているような風潮を感じてしまった。

社会的な捜査の詰めの甘さということよりも、こういう心理描写の説明がこの脚本
ちょっと甘すぎだなと思う。


でも、二人がまさか殺人を犯したとは思ってないからこそ、勘違いでどんどん困った方向へ進んで行く。
そこの絶妙な流れは、上手すぎです。

前回の記事で、もったいつけたカメラワークやタメが、わざとらし過ぎて萎えると書きましたが
今回は絶妙な秒数だった。
陽子姉さんが写真を1枚1枚捲る引きや、監視カメラ映像をみんなで覗くカット
色々な、ヤベー!を演出してきますが
それがとても効果的に繋がれていたように思います。

だから心臓に悪いんだってー。


さて、その林さんの想定外のご帰国。
合わせて、カナコの妊娠。
もしや二人ラブラブエンド・フラグ?

それはヤだな~。

勿論、このドラマを見る時は私の倫理観も崩壊してまして
この二人には逃げ切って欲しいし、望む幸せな未来に戦いに歩みださせたい。
自己確立を弱い者を傷めつけることで得るなんて人類の敵である。死んで当然とすら思う。


しかし、林さんのように、恋だけで全てを許されると思うような感情論も苦手。
見る限り、カナコに惚れたから来たように見えた。
惚れてなくとも、「あなたにもう一度逢いたかったから」とか「自分のお酒を呑んで欲しかったから」とか
超自己中心な行動原理を吐きそう。
私の一番嫌なタイプ。

この計画を持ち込まれた時点で、二人が殺害を犯すとまで思う人間はいないが
自分の淡い想いを優先させても良いと判断するだけの根拠もないだろう。
彼女の本気で想うのなら、ケータイを始末し
せめて一年は空白を空けるのは、真の愛情である。

ちょっと林さんにイラっとしました。


あと、そんなカナコにもちょっと苛々と。
なんか、DVに怯えていた頃のカナコの演技は、もうDVをする側の達郎の演技に引き立てられ
もう迫真ものだったのですが
解放された後の馬鹿顔というか、幸せに緩む脱力と未だ怯える傷痕・・・
そして画面に著しく漂う緊迫感に、どうもマッチしていないような気がして
表情も同じに見え、感情表現も上手いと思えなくなった。
倒れるシーンもワザとらしく。

どうしちゃったのか?と考えると
やはり前回推察した通り、後半戦に入ったドラマでは、殺害を犯した人間が言い訳していく内容であるだけに
視聴者の目を少し二人から逸らさせる意味もあったのかなと。


このドラマは、カナコのキャラで成り立っているのだから、何かもう少し変化というか迫力が欲しいです。
演技が誰もが単調になってきた感と
おんなじ使い回しのベタな音楽という演出に、内容としての薄っぺらさが出てしまっているのは否めない。

単純にスリルを追うドラマになってしまった。


逆にそんな中、突如、李社長がくれた中国の御守り。
この人の迫力がようやくドラマに噛み合ってきていると感じた。
一応、敵か味方か分からないように演出されていますけど
カナコをあっさり雇用したことからも、悪意はないと思っている。

ただ、この御守りに、純粋な思慕があるとも思えなかった。
後になって、それは良いことには幸せを、悪いことには成敗を下すものとか、平気で言いそうである。
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2016*02*26(Fri)
キリン氷結 あたらしくいこう さかなクン編がかっこよすぎる件
最近の氷結のCMがぶっとんでいる。アイディアがニクイ。
ちょっとイメージチェンジしたっていうテーマを実にストレートに描いていて好感度大です。
「氣志團」の綾小路翔さんのノーマルっぷりにも笑いましたが
特にこのさかなクン編は二度見しました!リアルに!!
かっこいいよ!!



東京スカパラの白いスーツの中に一人黒いスーツ。
そしておたおたしている、いつものさかなクン。
そんな彼のキャラを上手く利用して、新・氷結を飲んで、突如変貌する、この男らしさ!
くわーっ、くわーっ。//////

一転、クールなサックスプレイヤー「GYO」へ!GYOてww
黒のハコフグ帽子と黒スーツで、バスサックスを演奏。
渋いー!!
これセッティングした美術さんに拍手です~っっ!
いやちがうか、さかなクンの幅広いスキルに拍手ですvそしてクールさにノックダウン。

さかなクンはその昔、吹奏楽部を水槽学部と勘違いして入部したという爆笑エピがあるが
かつての経験がこんな形で実を結ぶっていうことを見せ切った仕事ぶりにも、なんか渋さを感じる。
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2016*02*25(Thu)
金田一少年の事件簿R 黒霊ホテル殺人事件第1話感想(週刊マガジン13号)
おおぅ~幽霊だ~。箱根をロケに選ぶ辺り渋いですね~。
いつものようなオリジナル地や、例えば嬬恋なんてハイカラな名前の土地よりも
言っちゃ悪いが古い仕来たりが似合いそうな場所である。

箱根・熱海、湯河原辺りは、富士も拝める物静かで昭和のリゾート地のしっとりとした街なんだが
熱海の海岸線から向こうはもう廃墟目前の倒産民宿や木造建築がレトロに並ぶ
ゴーストタウンのような感じだし、店の古さがハンパないですからね。
薄気味悪いとまでは思わなかったし、実はこういう昭和の匂いって私は好きなんだが
この機械社会に置いて幽霊なんて和風なネタは、確かに良くマッチしている。

しかーし。何故今どき幽霊ネタなんだろうか・・・・。(超疑問)



さて始まりました新章。
勢い良くって面白いです。
ラストにオペラ座の怪人の如く殺害されるまでの流れがぐわーって感じでスピーディだし
強引さはないのに鮮やかに殺人まで持っていかれちゃった。
登場キャラも変なのいないし。(苦笑)
ノーマルな世界観がリアルっぽいです。

ギョーカイっぽい雰囲気も露骨で笑っちゃえますし、胡散臭さはむしろちょっとデジャブなくらい。
この人たちにモデルいるの?ってレベル。
むしろ、通常運転って感じの金田一ワールドです。


ただ、前回までの人形島があまりにホラーチックに秀逸だったので
幽霊とか廃墟とか言われてもぜーんぜん恐くない。
掲載順間違えてないか。
幽霊がこの先ホラーテイストに絡んでくるとは金田一では思えませんが
それにしたってわざわざサブタイに入れているくらいなんだから、前回を上回る背筋の寒さとオカルトさを期待したい。


玲香ちゃん。
もぉぉこの子猫のような小悪魔っぷりが女の子~って感じで可愛いです。
玲香ちゃんは女子力高いよな~。
美雪ちゃんに性の可愛さって実はあんまり付与されていないから、結構パンチある。

玲香ちゃんは、はじめちゃんと美雪ちゃんの妹みたいなポジションがホント可愛い。
「ごめんね!」って視線だけで甘えるような表情、ほんとマスコットのような可愛さだ。


はじめちゃん大好きなとこも、いじらしいのですが
この美雪ちゃんとのトライアングルはそろそろ何か変化球が欲しい。

もう三角関係は飽きたでしょー・・・・。
ってゆーか、長い付き合いなんだから、いつきさんの時のように何らかの味付けが欲しいです。

はじめちゃんがデレデレして、美雪ちゃんがヤキモチやいて・・・・って
はじめ→美雪の構図が、ここだけ、はじめ←美雪に変わるから、違和感があるんですよね。
嫉妬する美雪ちゃんは女の子の可愛さ満点で良いのですが
そもそもはじめ→美雪のラインの時に、ここまで露骨な執着を描かないのに
何故、はじめ←美雪ラインになると、こうもはじめちゃんモテモテ構図になってくるのか。

普段はしっかりとはじめちゃんのダメダメっぽりを描き、美雪ちゃんモテモテ構図で持ち上げてくれているんなら
たまにはこういうのも味だと思いますけど。
こうも突然、はじめちゃんがモテてる男っていう構図は、ちょっとキャラ設定の根本が揺らぎます。

美雪ちゃんが、優等生っていう設定も薄くなるし
美雪ちゃんが校内ではじめちゃんの面倒を見るお決まりのギャグも、意味が希薄になるから。


「もう!考えてること顔に出すぎ!はじめちゃんがそんななら、あたしだって・・・!」
っていう美雪ちゃんは、グッときた。
本当にこのままイケメン彼氏ゲットとかの流れになってもいいくらいだ。
いっそそんくらいの変化を入れてくれると金田一も新鮮味が出る。

その美雪ちゃん、素で「ちっちゃい時見てた」って大物女優さんに言っちゃうKYっぷりw
う~~~ん、高校生ってこんなもんでしたっけ?


一方ゲストキャラ。
ツリ目のADさん、絵上小鳩さんがめっちゃいいかんじ。
名前も小鳩かよ!なんだくそ、かわいいな!
割と薄い髪とかツリ目とかツリ目とか。絵柄の雰囲気が気に入りました。


とかなんとかざわついている間に、いっきなり第一の事件発生!
撮影中にピアノの上にシャンデリアが落ちてきたーっ!!
オペラ座かーっ!!
1ページぐちゃぐちゃは結構エグイ・・・。(@_@;)
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2016*02*19(Fri)
ナオミとカナコ 第6話 感想
前回まであれだけ秀逸に精査されていたスリルドラマが途端にチープになってしまった・・・。
なんてことだ。
殺人実行まで完遂し、いよいよ頭脳戦に入る佳境かと超期待していたのに、知能が低い子供のようである。
演出さん変わりました?

開始5分の引っ張り方があざとく、子供向けで、一気に萎えました。
緊張感やスリルは、タメや引っ張ることで出せるものではなく
細かなカットやカメラインによって出される方が緊迫感が持続する。・・・ってプロの方に素人の私が物言いたいくらいだ。

特に何度も静止画面を入れる手法は、集中力にも限りが出る。
このドラマの場合、前半戦で見せてきたように
時間軸をそのままダラダラ垂れ流すよりも
要所要所を抜粋して、スピーディに進めた方が、際どい緊張感が出ていた。

そこにセンスの高さを感じ、気に入っていたのですが
もう今回は、こうすれば最大の修羅場を二人で乗り越えたでしょというスタッフのドヤ顔が透けて見えるくらい
わざとらしい。



冒頭、ナオミもカナコも、それぞれがピンチを切り抜けるというシーン。
ナオミは、斎藤さまのお宅で銀行役員らに木曜の記憶、つまりDV夫が来たかどうかを問いだたされ
カナコは自宅で、陽子姉さんに、あの日の夫の様子について問われる。

まだそこはピンチじゃないだろ。

ピンチは始まったばかりでしょうに、何もう動揺してんの、という馬鹿らしさもある。
ここは切り抜けると視聴者は誰もが思っているのだから、ここでこんな引っ張るのは不自然だ。
何こーんなにタラタラ、タメ取ってんのか。

ネタがそれほど重要パーツではないだけに、もうバカみたいに見えた・・・。


もっと言っちゃえば、このドラマ構成として
事件のリスクを敢えて暈し明示化していない所が、緊張感を不透明にさせている気がする。

例えば、ナオミの方。
斎藤さまの認知症については視聴者も把握しているが
ここでナオミが認知症というカードを使って、どう攻めたい(逃れたい)のかが、イマイチ分からない。

認知症は、バレた方が良いのか、バレない方が良いのか。

老婆にあの日、服部達彦が来たということを証言させたいのなら
認知症はバレない方が良いわけで
だけど終わってみれば、認知症があるので達彦が目を盗んで横領したという結論になった。


どうハラハラしたら良いのか分からない緊張感は、見る側の疑問符が打ち消してしまうわけで
物語の狙いが中途半端である。
ナオミがどう攻めていこうと企てているかは、予め事前に口にさせておいてほしかったなぁ。
そうした方が、ナオミと一緒にこのピンチを切り抜けるスリルを得られた筈である。


逆に、どう転ぶか分からないというハラハラ感を訴えたいシーンだとするのなら
あの引っ張った長すぎる間とナオミのアップ画面は少し見当違いだ。
そもそも視聴者はずっとナオミ&カナコ目線で見て感情移入してしまっているので
ここで客観視点に持って来られても、意識が追い付かない。

だったら、何故こんなに引っ張る?

そもそも、口べたでいつもおどおどしているカナコの方ならまだ納得も出来たものの
ナオミもまた同じように、想定内である認知症という着地点を、引っ張りすぎて
全然ピンチに見えない。

ここはもっと、尺を詰めても良かった。


カナコの方。
こっちは、彼女のおどおどした性格が見事マッチしていて、口籠る緊張感は相変わらず。
更に、追い詰める陽子姉さん役の吉田羊さんの眼力が、細目のツリ目であるだけに鋭く
見ているこっちが怖えぇ。

こんな上司に睨まれたら、大の男でも尻ごみしそうな迫力だ。
良い表情です。素晴らしい。


・・・・・が、そろそろ彼女らに感情移入するのも限界だ。
余りに彼女らがいい加減だと、応援する気も萎えるというものだ。
あの週末の休暇で「月曜からは夫が失踪した妻を演じなきゃ」と言っていたのに
その覚悟が、ナオミにもカナコにも見えないのが致命的である。

銀行監査さえ乗り切れば警察は介入しないので、成功、と考えているようだが
そこから既に甘いのだ。
当事者として、ならばどこが線引なのか?と考えても
少なくとも身内が騒がなくなるまでは、安心できないと考えるのが通常だろう。

さっさと指輪外したり、富山に旅行なんて、怪し過ぎるっての。
一気に幻滅。


更に、夫に失踪された妻、悲劇の妻を支える友人としての心構えもなっていないのが残念。
なんていうか、私ですら考え付きそうな、悲劇のヒロイン的台詞を何故吐かないのか。
台詞のチープさが鼻に吐く。

例えば、夫の実家で現行の監査結果を聞くシーン。
悲劇の妻として、もう少しなんか台詞があっただろう・・・。

「夫はどうなるんですか・・・?」だけで、後の始末ばかり聞いて。

この時点ではまだ失踪が確定した訳ではないのだから、夫の措置に寛大な処置を求める素振りとかさ
失踪なんて寝耳に水の筈なんだから、もっと動揺するとかさ
なんか、行動が冷静すぎるのも変でしょうに。

これで疑問を持たない人間の方が疑問だわ。


失踪について、否定的な意見を述べる陽子姉さんに、反論するのも、考えてみれば可笑しいわけで。

だって自分の旦那が失踪したり、犯罪を犯したなんて聞かされても
普通は愛する旦那を信じて、そんなことないわ、とか、あたしも可笑しいと思いますとか
同調を見せるのが筋。
ATMの写真を見た母親が「これは達郎じゃないわ、別人よ!」と言ったけど
これが普通の反応。

下手にムキになって反論を述べる方が、失踪して喜んでいると疑われても仕方がない。

ナオミについてもそう。陽子姉さんが出した反論を、親友の夫なら、同調する方が通常の在り方。
これでは、何かあると言っているようなものである。


素人っぽさを出したかったのかもしれないが、ちょっと知能的に低すぎましたよね。
銀行マンとして横領するなら、普通銀行を移すという通常概念や
昇進の話が来ている男が失踪するか?という心理から攻めていく陽子姉さんの糸口は
中々鋭く、むしろこっちの視点の方が面白かったです。

監視カメラが付いているのを分かっててATMを使うとは思えないとかね。
尤もだわ。

ただ、「通常逃亡するなら土地勘のあるところでしょ?」
そうか?
土地勘あるとこに逃げたら、居所がバレるじゃないか。


次回はあの超適当に流していたマンションの監視カメラ。
どう言い逃れを追求していくのか、確かにそういう視点では楽しみである。

夫婦間がうまくいってない事は見抜いてる陽子姉さん。
それでヤっちゃったかとカナコを疑うのはアリですが
真実へ突き進む陽子姉さんが事実を知った時、それをどう受け止めるのか。
その根源と突き止めると、この物語は真実を暴く程にどちらにも救いがなく、悲惨なドラマである。
嫌な終わりしか見えない・・・。




一気にドラマのクオリティが下がったかのように見えた第6話でした。

なら、この反逆の稚拙さが失敗なのか?と考えると、実はそうでもない辺りが憎い所である。
これも策略なのではないかという気が最後まで見ていると思えてきたから不思議だ。


富山に里帰りしたナオミとカナコ。
ここで、ナオミの母とカナコが出会うことで、DV被害から逃れた人間の心の解放を
美しい風景と共に切なく描いていたと思う。

DVが、どんなに辛かったか。
逃げだせなかった自分を責め、これからは幸せになる努力をするというナオミの母に
カナコは静かに涙を流す。
ナオミもまた、そんな母を助けてあげられなかったことに、自分を責め
だったら、今度はカナコに対して、頑張れたよねという、満足感さえ抱かせる。


生きるということは戦いだ。
どんなことをしても、幸せになる努力をしていくということが生きるということならば
それは、生命の謳歌であるとも感じた。


例えば彼女たちが手を染めた大冒険が、殺人などではなかったら
ここは爽やかで素晴らしい青春ドラマになっていた筈である。
イジメなどに屈し、逃げていた少年が、何らかのひと夏の冒険を経て、人生に立ち向かいはじめる
アレとプロットはまるで同じである。

同じツールを使って描いた始まりの物語なのに、その切欠が殺人だというだけで
それは否定的な意味合いを持ってしまう。


頑張ろうっていう、一人の人生の生き方を問う話になっていて
どちらも、美しい人間の生きる物語の筈だ。
これからは、やりたいことにもっと精力的になるよってナオミも宣言する富山の壮大な風景。
だけど、彼女たちに明日はない。


それは彼女たちの未来を悲しく縁取る意味を込めた画面だったかもしれないが
選ぶツールの違いというだけで、こんなにも青春群像と差が出るというのが、私には面白く感じた。
努力も戦いも、形や気持ちは同じなのに、選ぶツールだけでこんなにも色が変わる。
法を犯したら、やっぱり、社会では生きられないという当たり前のことが
こんなにも差を付ける。

だったら、青春ものや人生ドラマで描かれるのも、努力や生命力、人の生き様が美しいんじゃなくて
結果(手段)なんじゃないかと穿った見方さえしてしまった。

そういう他ドラマとの差が、実に良い味を出しているドラマだと感じました。


殺人から逃れるための彼女らに、敢えて富山旅行などをさせたのも
実は、これで彼女たちへ恐らく同情している視聴者の熱を冷まそうという
高度なスタッフの狙いだったのではないかとさえ、思われる。

社会ルールを犯した者たちには、幸せの前に制裁が来る。


幸せのためになら、何をしても良いし、どんな努力も怠るべきではないけど
殺人まで自己防衛のためならしてもよいという哲学だけには、してはならない。

そんな直向きな小さな努力が、こんなにも富山の風景と合わさり、瑞々しいのに
人の命を潰した上に成り立っているという事実が、彼女たちの行為を傲慢へと擦り返る。
確かにあの時、生きるためにもがいた筈だった戦いが、いつの間にか自己満足へと擦り変わった
実に恐ろしい回でもあった気がしました。

しかし、彼女たちにあの時、他に何が出来ただろうと振り返ると
DV被害者の重たい社会的救済の限界を突き付けている気もします。
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2016*02*18(Thu)
金田一少年の事件簿R 8巻 感想
b-hajime11-1.jpg
表紙が使い回しだ!そしてこのカラーチョイス・・黄緑て・・・。若さのない絵だ。
そして何でバック絵の小屋が斜め描写なのかが、幾ら見てても分からない・・・。

『なぜ暖炉は燃えていたか?』と『人形島』の序盤が収録。
久々に読むとやっぱり人形島のインパクトは凄い。

一気に読むと、一体目の死体が発見されるまでのスピーディさと衝撃度は
すごくドラマティックだ。
美雪ちゃんに「来いッ」ていうはじめちゃんの構図まで、朝の暗い内に始まってしまった惨劇が
ハラハラと伝わって、薄気味悪いです。

質の悪い紙に印刷されている本誌と違って、白紙にきちんと絵が浮き出ているから
胴体だけの死体とか、えぐいえぐい・・・。
こわーっ。こわーっ。

ここでまことちゃんが、(今思えばまことちゃんて名前も何だか・・・( 一一)
双子の妹が亡くなった話をするけど
祟りではないにしろ、この偶然が全ての惨劇を呼んでいく輪廻みたいな流れも
壮大で背筋が寒い設定です~。

いつきさんが煙草減ったしって言っているコマ、ホントに煙草咥えてないじゃんって、今更気付いた・・・。



>暖炉
今から改めて思えば、いつきさんとこに来たメールで
「あの若いお二人」という言い回しが、18歳の娘が出す文じゃないという綻びになっているという指摘だったが
いつきさんから見て、「若い」お二人、というニュアンスにも取れるじゃないかということに気が付いた。

勿論、これが決定打になっているわけではないですから、どうってことないんですけど
あまり強い要素じゃないなと。

それでも、ずっと人の言いなりになってきた女性が
「いつまで待っても手に入らないなら自分から奪えばいい」と初めて能動的になれた
とても哀しい事件で、良いと思います。
こういう遣り切れなさ、好きです。

遺産相続にはありがちなお話で、ずっと尽くしてきたのに、何の努力もしてない小娘に
全てを奪われる。
相続人よりも、資産家の人間性がいつも疑問に思う。
傍にいた人間が遺産を貰えると思うのは当然の心理だろうに、何故その心理を考えないのか。
その対応を考えずに、一矢放って死に逃れって、どうなのか。

資産家の方の描写がないだけに、金に群がる欲だけが渦巻くネタですね。



あと、本誌の時は気にならなかったですけど、こうして纏められて冷静にみると
ちょっとはじめちゃんといつきさんの距離感が他の人とは変えて描かれているんだなって感じて
にまにましました。

はじめちゃんって確定要素が出て来ないと以前は推理の途中って美雪ちゃんにすら口を濁すこともあったのに
今は、いつきさんに「殺人だと思う」って推測を口にしちゃってますね~。
信頼関係が見えた~。見えた~。

あと、はじめちゃんと美雪ちゃんも突っ込みあってて盛りだくさんな短編だ
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2016*02*18(Thu)
金田一少年の事件簿R ソムリエ明智健悟の事件簿 最終話感想(週刊マガジン12号)
美雪ちゃん視点で送られる明智さん伝説。軽いタッチで気軽の楽しめるお話でした。
とにかくソムリエ・コスの美雪ちゃんが可愛くって、丸くって。髪アップしてるのがホントいい。
明智さんのスーパーさに、称賛を浴びせる立ち位置なだけに
妙に女の子に見えるのもいい。

意外と私、美雪ちゃんが好きだったんだなと再発見でした。


ワインパーティで起きた殺人事件。
毒殺ならば当然疑うのは、グラスがボトルか。

ところが前回からやけにワインの中身・・・特に古い年代物となると
澱や酒石と呼ばれる沈殿物が含まれていることにページを割いているので
狙いはどうやってワインに毒を入れたかが、ポイントらしいと推測。

グラスに残留物を移し終えると、一番高くて古いものが一番少ない量だった。

・・・ということがそのまま解答となり
毒が入っていたのはこのボトル、ということでした。

どケチな金堂さんなら、その沈殿物こそが美味しいと嘘を吹き込めば
高級ワインを最後まで飲み干すだろうという、自殺誘導トリック。

その浅ましい意地汚さを利用して、毒を彼にだけ呑ませた。
普通のワイン通であるのなら、そんなものに口を付けてワインを穢すようなことはしませんもんね。
かなりリスキーな橋ですが、一流のソムリエが注いでくれるパーティならば
恐らくそんなミスは起こらない。
成程なと思いました。

けど、意地汚い性格を利用した・・・明智さんはそういったけど
動機を聞くと、ワインを知らないからそんな目に合うんだよ!っていう、犯人の仕返しだったように見えます。


ワインに毒を仕込めるのは、全てのワインを用意した人物ということで
主催者の羊山さんが犯人でした~。

その動機。
美雪ちゃんは頭にハテナを浮かべていましたけど(高校生だから仕方ない?)
私はすっげえ同情したよ!!
分かるよ彼の無念!!

作中では他の来場者も彼の告白に賛同してましたけど
うん・・まあ・・・普通の人にはマニアの気持ちなんて通じない?と
笑いを取るようなニュアンスで描かれてましたけど
これ、すっげーサイテ―な無知である。

空調機メーカーの人間なのに、ワインセラーの空調を、厚意で切っておく、なんて、仕事に対して不誠実すぎる。
気を効かせた親切だったのだろうが
問題はそこではなく、恐らく普段から人の助言なども聞かない人物だったのだろう。
そのことが、この悲劇を齎した。

美雪ちゃんは悪気が合った訳じゃないしって可愛い同情を見せてましたが
社会人として、企業人として、やってはならないことをした。
私も普通にイラッと来たよ。

ってか、これ、普通に損害賠償求められる案件だと思いますけどね。

ただ、金に変えられない、もう入手不可能な希少品なんてのもありますからね
ショックはいかほどのものだったかと思うと、無念は計り知れない・・・くうぅ~(泣)


さて、出番のなかったはじめちゃん。
何で呼んでくれなかったのって、拗ねてる拗ねてるw

「美雪ぃぃぃ!事件起こって何で俺を呼ばないの?!」
「いやその・・・・すぐ解決しちゃったっていうか、忘れてたっていうか」
「美雪ぃ~~~~~!!」

このやりとり、可愛かった。

でも、美雪ちゃんが事件に遭遇してはじめちゃんを忘れるって有り得ないし
(それだけ明智さんに見惚れてたっていうんなら・・・まあ・・・/////)
さっきの、犯人の羊山さんに同情するみんなに不思議そうな顔するのも
よくよく考えると優等生な美雪ちゃんらしくない。
漫画としては面白かったですけど、美雪ちゃんなら、大切なもの壊されたのねって、広い俯瞰を見せそうである。

ちょっと美雪ちゃんのキャラが崩れている気がしたのが残念です。
こういうところで、はじめちゃんと美雪ちゃんの仲をもう少しホットにしてくれればよいのに
この流れで、次回からは玲香ちゃん?
なんだかなぁ。
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2016*02*15(Mon)
逃げる女 最終回 感想
人が人を想うシンプルな愛情が見えて綺麗な物語に締まって終わりました。
孤独から始まり孤独に終わるラストは人間の一生を凝縮してもいるようで、目を反らせなかったです。
でも残念なのが、最後は美緒の物語にシフトしてしまっていたこと。
プロットがブレるとクライマックスの盛り上がりも欠けるものですよね。


物語構造は、面白い造りで、その辺はとても好感が持てました。

結局、刑務所なんかを出てくると、未知の世界を知りすぎて、世間を悟ってしまったかのように思われがちだが
思うより無知だった梨江子が、外にでて、突き離された社会の裏側を見ることで
美緒の苦しみに融合していく物語になっていく流れは
梨江子の孤独を一緒に感じながら、その痛みを美緒へとスライドさせていっていて
それを踏まえた、終盤に明かされた美緒の壮絶な過去が
梨江子の孤独を補足として、見事に昇華されてました。

それまでの美緒の奇抜な行動全てを証明してしまうだけのインパクトがあって
なのに、違和感とか無理矢理感とかなくて、凄かったです。

1話で、同じ服を着せていたのも
二人が徐々に心の共有を見出していくオチを仄かに匂わせていたのも、今思えばユニークな伏線だ。


となると、梨江子は視聴者を乖離的な美緒へと繋げるナビゲーターだったという訳で
疑問なのは
梨江子視点で、梨江子の社会に対する恨みも妬みも混在するような描き方をし
何故、梨江子の物語としての形をとってきたのか。
梨江子の物語でないのなら、彼女の孤独を辿る流れではなくて良い筈だ。

具体的に言うと
梨江子側の冤罪に対する謎なんかは、こんなに引っ張らなくても良かった訳だし
あづみに何があったのか?という謎は
まるでその謎が解明された暁には、梨江子が本当の幸せになれる=事件が終わる・・・
みたいな印象を持たせていましたよね?

そんなのお前の主観だろ、とか言われちゃうと、返す言葉もないですが。
つまり美緒の物語であり、美緒の抱える闇を、梨江子の人生を通して描いたドラマだったと捉えられる。

ああ、だから梨江子のみに視聴者の視点が向かないよう、ナレーションが佐久間だったということか?


・・・にしたって、ドラマの中心が、あの事件とあの裁判にあるような造りだったから
ラストで、梨江子に特に物理的な開放が齎せられない結末は
ちょっと軸がぶれてしまった印象を持ってしまった。

あの浜辺で、またあの大人っぽいカフェの女主人と再会させる意味。
また同じ所に戻ってくる。
正に人生のようである。


「これからどうするの」
「分かりません」
「私も分からないわ」

私も同じだよって言っている台詞のようで、もう、梨江子の中の同調って
美緒と交わしたあの鮮烈な方が濃いに決まっている。

結局どこにも進めず、またみんな失って立つ浜辺。
だけどあの時とは心理的にはまるで違う訳だ。寂寥感は同じであっても。

何なんだろう、この感覚。
とても繊細な描写で、台詞なども入れずに、ただ女主人が去っていくラストは
また一人残される梨江子を強調していて、抒情的でした。


けど、梨江子の物語としたら、特に何かの解決が得られた訳ではないんですよね。
何の成長も見えないラスト。
だから、中途半端に映ってしまう。
こんなにも素晴らしいものを描き切ったのに。

だからそれは、最初の導入角度が不味かった訳で。


刑事の佐久間がラスト救う線も、ちょっとこじつけを感じた。
佐久間をようやく信じる気になった・・・と思ったんですけど
それは違いますよね。
その直前、梨江子はあのあづみの知り合いの女性を通して、警察へ連絡を入れている。
これは佐久間へ通じることを念頭に置いた行為であって
この時点で、佐久間のことは最初からまるっきり信じてないとか、そんな訳じゃないことが伺える。

となると、死に掛けた佐久間が必死に護ろうとしたものって、何だったんだろうと、ちょっと虚しい。


佐久間の立ち位置も、結局宙ぶらりん。
扉を開けた途端に、美緒に銃で撃たれるとか、なにそれーっっ!!!
・・・ってびっくりはして、かなり衝撃的でしたけど
別に梨江子を庇って撃たれた訳じゃないし、証言するために生きなきゃ・・というのも
どうにも浮いている気がする。

いや、良かったけどさ・・・。

佐久間の独り相撲に見えなくもない。


警察の「何故人は罪を犯すか?」と繰り返し述べられていたテーマは、もっと宙ぶらりん。
梨江子が白か黒かという素材を追っていた頃は、まだ整合性もあったんですけど。

美緒が罪を犯す理由と、美緒が最後に見つけた答え(と思われるもの)は
絶対ここのテーマとは無関係な気がするよ・・・。



全てに見放された梨江子。
信じる者も、信じられるものも失い、家族も失くして、帰る場所もなく
だけど失わない美緒に、何らかの感情が芽生えていく。

それを美緒視点で見ると、また違った角度になるところが、このドラマの奥深さであるのですが
とにかく、梨江子と美緒の、魂をぶつけ合うような獣のようなぶつかり合いは
壮絶でした。

人って、感情が高ぶりすぎると、あんな風に理知的な話術なんて吹っ飛んでしまうものですよね。
殴り合い、掴み合い、泥だらけになって詰り合い。
大人になるにつれ学ぶ社会的繋がりは、それこそ冤罪などと同じ法的ルールと規範の世界だ。
だけど、人が人と繋がるって、そういうことじゃないでしょとドラマは言っているようにも受け取った。
もっと原始的で、暴言吐こうが、殴ろうが、それでも繋がっていくもの。
むしろそうやって、繋がりを作っていくもの。
そんな形もあるんだよって、思いました。


それでも、「どこにも行かないよ」と抱き締める梨江子。
服を掴んで、「おねえさんが、いなくなっちゃったかと思った」と無垢な寂しさを訴える美緒。

言葉じゃないし、理屈じゃない。
人が人を求めるものって、本当はこういう擦り切れるようなものなんじゃないだろうかとか思う。
なんかもう胸が詰まってしまった。


女二人旅のフィナーレ。
梨江子は美緒に内緒で警察に連絡を入れる。
だけど、美緒の口から、もう「自分を売ったのか、とか、、裏切ったのか、とか
そういう言葉は出て来なかった。

「おねぇさん、嘘吐くの下手だね・・・」
「人の嫌がることをするの、あたしも上手くなったでしょ」

母親の話題が禁句だと分かってて、母親の話をする梨江子。

「何でお母さんの話なんかするんだよ!」
「それがあなたの一番嫌な話題だからよ!」


そんな非常な応酬がピュアな愛に満ちているだなんて、信じられるか?
それは逆に、そんな純愛され美緒には与えられなかったという逆説にもなる。
素晴らしいよ、もう。


「お母さんの話をしてあげるね」

そう言って話た美緒の話は、梨江子と一緒に過ごした日々の思い出で
美緒なりにお別れを言っているのが分かって、泣けてくる。
うわあぁぁぁぁ・・・・・。

こんな旅が、愛情を知らなかった少女が初めて知った人の温もりなのかと思うと、言葉も無い。

だからきっと、警察への通報も、梨江子の愛情だと美緒には通じるんだろうな。
自分を止めてくれたと思ったかもしれない。

「おねぇさん、一緒に死刑になろうね」


きっと、梨江子は美緒を待つんだろうなとか、思います。
女将がもう、誘い文句を述べないで背中を向けたカットが、梨江子の半身をもがれた様子と
美緒への慣れが見えた気がしました。

そう考えると、同じ孤独であっても、梨江子はもう寂しくはないのかもしれない。


でもそういう梨江子サイドの詳細なシーンはもうなくて
美緒との強烈な別れだけが印象付けられていて、梨江子の本音もまた、想像の範囲でしかない造りだ。
この二人の主観的な視点を一切省いた構成だから、余計想像の域になっている。

それが製作側の狙いだとしても、明確に問い掛けていた前半に比べて
随分と突き放したエンディングであるように見えた。


ただ、それを覗いた、女二人の繋がりを描いた部分はもう秀逸レベルで、感動ものでした。

この辺のシーンの素晴らしさは、台詞の少なさも勿論なんですが
二人の役者さんがもう、最高でした。
梨江子役の水野美紀さんの、突き放しつつキツくない口調とか
美緒役の仲里依沙さんの、何かが憑依しているかのような狂気の中の寂しさとか
可愛くって可愛くって。

暫く、「おねぇさん」って舌っ足らずで甘えたな口ぶり、忘れられそうもないです。


人の孤独を描きながら、人が人と関わる、獣のような部分を見事に切り取ったドラマだと思いました。
その部分を隠すため、序盤は梨江子の寂しさだけに特化した描き方は
社会の孤独をも描きだしていて、とても分かり易かったですけど
ラストにシフトする美緒の孤独が、真実の衝撃だけで印象付けていて、乱暴だったと言えなくもない。

もう少し美緒の描写も多かったら、もっと圧倒されていた気がします。
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2016*02*13(Sat)
ナオミとカナコ 第5話 感想
冒頭の殺害シーン。前回、二人でカウントダウンをしてゼロのタイミングでスマホが鳴って
ドキーッとさせたとこで次回に回され、正にそこからでしたけど
まさか、気付かれる→カナコの「ナオミ!」の合図で
目覚めたDV夫を絞殺するとは思わなかったあぁぁ~・・・・うわあぁぁ~・・・。すげえ。

悶絶する男と、二人の女性の力。
何この臨場感。
意識の無い彼をただ殺すだけじゃなくなってしてくるとこが憎い脚本である。
臨場感がありすぎて、冒頭からもう心臓に悪い。


これでもかっというまでベタなハラハラネタをバーゲンセールのように詰め込んでくるドラマである。
一個一個のネタはチープだし、どこかで見たことあるような妬き回しみたいなレベルなのに
連打されることで圧倒的な緊張感が生まれている。
質より量って感じだ。

例えば、前回も言いましたけど、この殺害計画って冷静に見ればもう
こりゃ捕まるわ、って感じのニアミスだらけで、上手く事が運べている方が不思議なくらいだ。
冒頭の電話ネタもそうだし、車で死体を運んで、その翌日マンション管理人に二人の姿を見られるとか
時間も気にしすぎ。
飛行場で林さんと別れるとき、大声で本名呼んじゃうのかよ!
ってか、空港のカメラには映っていいのかw

あんたら、遊びじゃないんだからさ・・・と、何度詰りたくなったことか。

でもそれらも、全てハラハラ感を煽る一因になっているんだから、スタッフの思うツボである。


そういうのが巧妙~~に合わさって、これまでにない様な緊張感を生み出している。
ここまでアドレナリン出されるドラマは久しぶりである。
もう画面を正視してられないんですけど。チキンだから。

何より、危うい小さな正義の戦士ドラマではなく
人殺しして逃げようっていう、反社会的なドラマであり、しかも生々しく悪趣味な内容であるにも関わらず
ここまで応援したくなり、殺人犯に感情移入させちゃうんだから、ストーリーが凄い。

これはキャスティングの良さもあるかと思いますが
何だか細かいところまで理解しない内に、ポンポン危ないシーンが出てきて
もう構ってられないっていう、テンポの良さも、評価したいです。

また、不快感を思わせない主役二人の台詞なども、ナイスチョイス。
何となく特別な世界の出来事ではなく
ごく普通の隣近所で起きているような平凡さが、より緊張感を出すんだと思われる。



さて、そんな訳で本当に殺しちゃった訳ですが。
その殺害で、これまで主導権を握っていたナオミが怖じ気づいて
何気にカナコの方が肝が据わっているのも、リアリティがあって、丁寧な描写でした。

考えてみれば、カナコにとっては長い歴史からの脱出であった殺害も
ナオミにとっては、昨日今日芽生えたイレギュラーなことで
日常じゃないんですよね。

それが、人を殺すという最大禁忌を犯してしまう事態に流されて。
ナオミにもDVによる非道な過去があるとはいっても、ここまでする傷だったかなと思うと
そこの温度差が出ていて面白い。

だって、カナコにとってはえっちもした旦那の身体に触るのは極自然なことなのに
ナオミにとっては、恐らく旦那に触れたのは死体になってからじゃないか?


ここ、シーン的には余計なことを時系列でダラダラと描写せず、抜粋して描いていたのも好感触。
カット割りのセンスが良いですよね~。
あんなに模擬練習していたエレベーターからトランクへの搬入などは一切省き
呆然としたままの精神状態で高速を飛ばす。
そこまでのタイムラグが短いから、こちらの記憶も鮮明で、手の震えまで伝わってきそうだ。
そこにかかるPUFFY。
なんかすげぇ、良いチョイス。スタッフさんのセンスに感嘆。
広末の5秒前~とかの時代?
二人の心理描写が伝わり易かったです。

また、死体描写も有り得ないほど生々しいな、おい・・・(@_@;)
素晴らしいと言っていいのかどうか(苦笑)

死体役?の佐藤隆太さんを撮るカメラワークがもの凄かったです。アップとか、穴に放り込んだ体制とか。
顔にバサリとかかる泥・・・・。


生々しいのは、他にも。

人を殺した人間が、その後普通に生活できるか?といった命題。
このドラマだからこそ、そこのシーンは妙に緊張感が続く。

不眠、そして、食欲減退。
だが一方で、お洒落なカフェでランチ。

土日を使った束の間の休息のようにも見えて、切なくなるシーンでした。
恐らくこれが彼女たちにとって最後の楽園になるのだろう。
笑い合う二人は、本当に呪縛から解放されたようにも錯覚する。
そして、「殺して良かったよね」って、視聴者にさえ思わせる。

いやいやいや・・・・・もう倫理観が可笑しくなりそうだ。
そろそろこのドラマを見るスタンスが分からなくなってきた。(二度目)

でも敢えて、解放感を描いたのは、凄く意味深でした。


そしていよいよ来ました月曜日。
ここから逃亡と虚構の日常が始まる。
逃げきれるか!?

って。緊張感振り切れっぱなしだわっっ!!


勤め先の銀行。
連絡を取ってきたとこまでは想定内として
パスポートや口座開設などの切り札をガンガン出して先手を打つゲームマジックは
中々に面白かったです。

この辺、もっと相手に動かさせて、出し惜しみするかと思ってた。
浅はかな行為となるか、はたまた、頭脳的な行為になるか。

DV夫が横領したという準備は口座開設のクダリからしっかりしていたが
彼がそうする理由が希薄なんですよね。
彼女たちには知り得ないってことにするつもりなのでしょうが、それでどこまで乗り切れるか。

そこが、DV夫の家族には、切り崩す隙となってしまう。
この人はそんなことをする筈がない~って。
でもその対応策が、多分、警察は失踪だけじゃ捜査してくれないっていう、アレなんでしょう。
ここもどう崩されるか。


テレビで絞殺死体発見のニュースが流れた画面をガン見するナオミ。
だから、そういうのはさり気なさを装わないと・・!って思う前に
なんか、既にナオミとカナコにシンクロした状態で見ているので
そのニュースバリューが低く感じて
世の中同じことしてる人いっぱいいるみたいだねって、なんか笑っちゃうシーンになった。私的に。


姉の陽子さん。怖いぃぃぃ。
この知的キャリアウーマンをそうそう騙せるとは思えない。
平和ボケした主婦をオレオレ詐欺に掛けるのとはわけが違うのである。
また、殺害の日、二人がなにやら約束をしていたことまで知っている人物だ。

でも、DVを知ったら、客観的に評価しなおしてくれそうな人物ではある。

カナコの額に打撲痕が残ったままっていうのが意味深なフレーズですよね。
今後、何かの伏線になるのかな。



李社長。
店が潰れるのは嫌だと言って不法滞在していた社員を一斉解雇した人物が
殺害をしたかもしれないナオミをヘッドハンティングするとは思えないので
現時点では疑ってもいない気がする。

また、話せは味方してくれるんじゃないだろうか、この人。
そもそも、お前がけしかけたんだろって言っていい?


さて、次回からはいよいよ頭脳戦。
ようやく理論的な話までやってきた。ふうぅ。後半戦も楽しみにしています。
私はドラマにスリルは求めていないんだと改めて悟りましたよ。
こんな心臓に悪いドラマはこれっきりにしたい。(かなりマジに)
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2016*02*09(Tue)
逃げる女 第5話 感想
大人であっても変わらぬ人間の弱さへの描写が高尚に描かれてて、なんだか物凄いものを見させられました。
脆い部分の心理描写が上手すぎる。

誰もがこういう脆さを残したまま、大人になって、でも若いうちは勢いで無視しているんだけど
何かの拍子で、自分の成長しきれなかった部分って零れてきますよね。
人が生きていく上で、理想論じゃない心の襞とか弱さをこんなにも丁寧に描き切ってくるなんてー!
非常に良い大人の心に響くドラマである。

けど、こういう流れにしてくんなら、それこそ刑事の存在いらなくね?

もうただただそこだけが無駄な気がして勿体ない。



いよいよ終わりが見えてきた第5回。
ずっと行方不明だったあづみ。船着き場に流れ着いた遺体が失踪していたあづみのものと断定された。

えぇえぇぇぇーっ!!
真相、藪の中じゃん!
遺書でも残していたならともかく、ここまで引っ張っておきながら死亡はないだろ。
仰天もよいとこだった。
え。そこがメインの話じゃないんか。

あづみが何故、法廷で証言を偽ったのか。結局分からなくなってしまった。
冤罪、関係ないじゃん!あの日何があったかも関係ないんかい!

最後はこの二人がぶつかり合うことで、何かを描きだしたいドラマなのだと解釈していたし
その上、物語も、梨江子視点であの日何故嘘を吐かれたのか、その執念だけで動かしているだけに
そこにクライマックスがあるのだとばかり思っていた。
ここは肩透かしを食らった感は否めない。


だが、それを上回る丁寧な模索と怨讐の心理描写が紡がれてきていた旅の物語だったことは確かで
裏切られ感は薄い。
とにかく、梨江子と美緒との激突が、ものっすごくパッションな衝撃を持ってドラマを象り
この旅の意味を問い掛けていた。
後半シーンは、感動モノである。
壮絶な女の人生が交差した。


ということはこのドラマが描きたかったのは、正にここなのだろう。
今回言っていた「自分のルールで他人も生きていると思ってしまう」温度差なのだと。

そういう視点で見なおせば
確かにその頂点に持ってくるまでのこれまでの梨江子の心理変化と孤独感を描写する環境説明
ここに来てついに交差した美緒の壮絶な過去から生ずる別の形の寂寥感。
その擦れ違い。

抒情的で、懐古ある街並みを風景に、人の心の何かを擽ってくる作りでした・・・・。
そうか、このドラマは美緒がテーマを握っていたのか。梨江子ではなく。
逃げる女とは、過去から逃げ続けた美緒のことだったんだなぁ。


梨江子の寂寥感を説明するために割かれたこれまでの全ての起伏が、彼女の孤独を説明していて
例えば、社会的差別だとか、家族離散だとか。
それだけに、梨江子が
疎ましいけれども居るだけ幸せである「あなたしかいない」と思うまでを実に重たく描写してきていた。

これまででその点はもう充分であるのに、ドラマは更に畳み掛けるように、まだ続けさせる。

今回だって、不倫相手とされた男から語られる梨江子像というものが、これまた、性悪説並みで。
仮にも不倫していた相手なのに、そういう目線でしか語れないのか。
彼もまた、鬱屈して封じ込めた怒りのようなものがあるのだろう。梨江子に復讐したい一人なのか。

また、切々と語った高橋克典さんの不気味さったらなかった。


だから、ここにきて、ようやく梨江子が美緒を見始めて心を向け始めたことは
どちらかと言えば、放浪の中でようやく見つけられた止まり木みたいな安らかさがあったし
序盤の喫茶店の女に誘われた時、海見て泣いていたこととか思えば
誘われるだけではなく、自分から人を求めはじめた産声の瞬間でもあるとも思えた。

だけど、それが美緒を追い込む訳で、この心理的に擦れ違わせる巧みさが、もう何とも切ない。


梨江子の言葉は、別に美緒を追い詰めるものではないのは充分分かるし
こうやって愚痴を言ったり擦れ違ったり、喧嘩したりするのも幸せなのよ、とささやかな安穏を告げただけだ。
それを、自由を奪われた女に言わせることでささやかさが際立っていた。

でもそれを、自由を得られなかった女に告げることで、言霊は自由を奪う束縛へと変わる。
均衡が崩壊する。


その言葉を切欠に、決壊が外れたように、美緒が反発、滂沱。
自分には与えられなかった自由に、狂暴なまでの嫌悪感を露わにした。

ここは音楽もなく、役者さんの演技も鬼気迫っていて、正に、怨念の暴発。
もの凄い告白シーンとなっていて、素晴らしかったです。
ただ怒鳴ってるだけとは違う、叫びが圧巻。


美緒に言わせれば、その寂寥感は不当に与えられて生きていかなければならなかった烙印のようなもので
それは梨江子も似たようなものなだけに
どちらも誰かに強制されたものであり、行き場の無い二つの怒りであったことが、面白い。

明かされた真実は、壮絶だった。
親による、人を人とも思わぬ、鬱憤の強制。
未成年であり社会保護下に置かれる筈の立場で、がんじがらめに縛り付けられ
「あなたしかいない」という言葉一つで、自己中心的な人間に振りまわされた人生。
両親に人間の尊厳すらない行為で自由も愛も奪われた。

美緒の中に解放されずに燻ったままの感情が溢れんばかりに見えて、発狂するのが分かった。
彼女の怒りが、痛いほど伝わってきて、言葉にならない気持ちがとても良く分かった。
これまでの、何処か狂ったような、壊れそうな態度は、脆い心を必死で隠しているだけでなく
溢れんばかりの怒気を押さえ込んでもいたのだろうな・・・。

「あなたしかいないの」という言葉は、自分の欲望を埋める為に相手を利用する言葉だ。
空っぽと繰り返していた言葉の意味も、自分を保っていたら自己が崩壊するから捨てたのだろうと。


その美緒の人生を、梨江子の「あなたしかいない」で交差させたプロットも見事。

思えば、梨江子もまた同じ形で、理由もなく自由も愛も無くした人間なのに
その結論に辿り着いたというのが、切ない。
人間の哀しさを浮き彫りにしていた。


様々な人間の怒りみたいな激しい憎悪が、垣間見えて、人の関係性を混乱させる。

思えばあづみもまた、何より憧れた梨江子の疎む態度を目の当たりにして
裏切られた気になったのかもしれないとちょっと思った。
プライドが高く、上昇志向の強い梨江子に、好意を持っていた分
理知的な思考で、物扱いされたことが、ショックだったとか。

梨江子は自分だけが可愛くて、他を見れていなかった部分もあるのでしょうが
あづみもまた、自分の心を受け止めてくれない梨江子への傲慢な欲望に、呑み込まれてしまったとも言える。
それはあづみの勝手な押し付けであるけれど
そこで抱いた感情は、やはり怒りに近いのかもしれない。

あづみの真意が分からなくなってしまった今、回想シーンに答えは隠されているのだと思われる。


法廷での証言は、私達を軽んじたあなたへの気味の良いささやかな復讐ってところか。
だが、今更その罪を責められるのに耐えられなくなったからって自殺ってのは
ちょっと狡い。
そういう弱さがあるから、梨江子を求めていたとも言えるのか?


そんな梨江子は、確かにあづみの願いどおり、必要以上の制裁を受け
男の言うように、いい気味だと多くの人が思うように、寂寥感を初めて知っていく。

梨江子には美緒しかいなくて、って部分がより強調されて、ほんと、この辺の設定が上手すぎでした。


あの橋の上で二人は再会する。

抱き締められる腕の温かさは、美緒にとっては温かいものではあっただろうけど
梨江子にとっても、心の隙間を埋める温かさがあっただろうと思わせた。

だけど、それさえも、梨江子の傲慢さなんですよね。
自分の寂しさを埋めるために相手を求める。それは美緒の両親と、どう違うのか。
そこを考えさせるのも、この5話まで描き続けてきた二人の女旅そのものが答えな訳で。

すっげええぇぇぇ。

そこに挿入されるナレーション。
「人を信じるというのは相手が自分と同じルールで生きていることを期待する虚しい希望なのかもしれない」

すっげえぇぇぇー。もう言葉も出ません。


違う経験をしてきた人間同士が向き合うということは、同じ感覚を共有することこそ、希少だ。
だとするならば、人が人を求めるものは全て自己満足に過ぎず、身勝手な傲慢さなのだと言っているようで
人に対する向きあい方を考えさせられる。

となれば、もう、あづみが自殺したのか殺されたのかなど、そんなツールは重要じゃない訳です。
だから、死亡させたのだなと。
そうすることで、より訴えたいテーマが際立ってきましたね~。すばらし~。



・・・・・ってなると、だから、それこそ佐久間の存在も入らないわけですよ。

この人の価値って何なのか。
何でこの人にナレーションをさせているのか。
当初から疑問でしたが、ここにきて、益々その疑問が強くなりました。

元々、共感を得られる人間像として佐久間を描いてもいないから、余計その意図が不透明である。

今回のこの秀逸な結論も、佐久間が悟りを開いたように挿入されるが
そもそも佐久間と梨江子の間でその関係性がそう思わせたのなら理解出来るのだが
ドラマで描かれているのは、梨江子と美緒の関係だ。
佐久間の結論ではない。

・・・・・・なんでいるの???


次回、いよいよ決着編。
梨江子はどういう答えを出すんでしょうか。美緒は両親と同じ言葉を言う梨江子に何を見出すのでしょうか。
その辺が楽しみで、二人の女の末路を見届けたいです。
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2016*02*07(Sun)
ナオミとカナコ 第3話/4話 感想
なんかもうハラハラしすぎて直視出来なくなってきた。こういう綱渡りのスリルって実は苦手です。
アクティブに刺激されるよりも私はじっくり脳味噌動かしたいんだよ・・!・・・と、弱音を吐いてみる。

とにかく引っ張り方が在り来たりなのに、上手すぎる。
音楽もありがちな平凡なのに、引き摺られる。
心臓が持たねぇ。
ここ2回の殺害準備の描き方は、尋常じゃないハイレベルな演出でした。


後になって冷静に考えると、二人の殺害計画はボロがありすぎて、そろそろリアリティが欠けてきているんですよね。
勿論そこが、より際どさやスリルを生みだしてもいたのですが
ちょっと現実味が薄れてきた。
多くの方なら恐らく、冷静に見て客観的に指摘しているんだろうな~と思います・・・が
私は見ている間は、もうハラハラしっぱなしでした・・・!
スタッフの煽りをモロ喰らっちゃってるよ・・・!見てらんない・・・っ。

どきどきどきどき・・・。


例えば、今から思えば
準備稿の段階から防犯カメラや近所の目を気にしていない手抜きぶりが、もう隙にしかみえない。
スコップ持って外に立っていれば、誰かの目に付くでしょうに。
後々、近隣住民への警察聞きこみで「そう言えばあそこの奥さん・・・」というシーンまで想像しちゃったよ!

車ナンバーが高速で捕えられる危険性。
殺害の打ち合わせをLINEで行い、その書き込み履歴を残していたり。●ッキーかいっ。
ナオミは手帳に細かく殺害実行項目を書いたり、それを処分した形跡もなく。
カナコも自宅PCでロープ買ったり、それを恐らく自宅郵送。どこのお嬢様じゃいっ。

自宅で堂々と会話しているだけのシーンにも、ハラハラさせられるこの緊張感は
他ドラマでは出せないだろう。
いつ盗聴器が出てくるか、リビングの隅々までガン見しちゃってましたよ。

挙句、マンションエレベーターの監視カメラは、映像保存期間が三週間だから
「逃げきれなくないか・・・」
おいおいおい・・・・。

一番ツッコミ入れたかったのは、スマホにカナコから連絡が入り
それを動揺で取り落としてしまうタクシーのシーン。
万一を考え、もう名前を変えておくくらいの慎重さがほしかったし
何より、「上手くお金引き出せたよ・・・」その程度の連絡を入れてくんなよカナコ・・・(爆)

ナオミは今仕事中で、しかも夫の姉と一緒であることは知っている筈。
もう少し警戒心持て。


更に更に、展開としてもベタすぎて笑っちゃうレベル。
当日に京都へ出張とか、煽りが単純だw もっと計画進行を焦られる他の要素はなかったんか。
しかも、有能と言われている割に、ナオミの挙動不審ぶり。
お客様の前で時計を何度も見たり、商談なのにネガティブな発言をしたり。

・・・でもこのDV姉との出張シーンは
DV姉・陽子の肉食系営業と、ナオミの控え目営業が、なんか絶妙なバランスで
良いコンビにも見えた・・・。
一方が押して、一方が引く。これ、最強なんじゃないだろうか・・・(笑)


致命的ミス乱発で、捕まったら有罪確定だろうと思われますがどうか林さんには国外逃亡成功させてほしい気も。
その林さん。
外国人ということで意思疎通が上手く出来ていない不安定さが
またドラマに緊張感を与えていた。
どこまで彼が真剣に・・・いや、彼は真剣なのだろうが
彼が、こちらの想定する真剣味で、役を乗り切ってくれるかが不透明で、ハラハラする。

銀行ATM、左手ですけどーっっ!


どきどきどきどき・・・。


子供のお遊びレベルで殺人やっちゃうゾって感じなのに
何このスリル感。

この準備稿で2話費やしましたが、それがドラマとしてはすっごく良かったんですよ!
良い味でしたし、すんげえ、ヤな汗掻いた。


此処に来て、キャラが引き立ち、尚更、何故ナオミ役が広末さんで、カナコ役が内田さんだったのかも
良く浸み出てきた。
前も書きましたが、このドラマはダブル主演の様相を持っていますが
実際、ドラマの色を決定付けているのは、ナビゲート役のナオミではなく、カナコの方。
カナコにどれだけのDVに対する怯えや苦悩や痛みを視聴者に植え付けられるかで
このドラマの出来が決まる。

だとしたら、広末さんでは正直、似合ってはいるのですが、迫力不足だったと思う。
じわじわと負荷を掛けられた女の澱んだ感情を、実に丁寧に表情一つで内田さんが出しているので
このドラマはシリアスを維持できていると思った。


一方、しっかり者に見えて、実は普通の女の子で、思考も未熟である感じが
この準備段階の稚拙さに准えて凄く良く表わされていて、明確でした。
広末さんの、ガンガン突っ走る意気込みが、実は脆くて危ういナオミの感じが凄く出ている。
ナイスキャストだなあと改めて思いました。


勿論DV姉・陽子の鋭い視線の怖さも完璧。
吉田羊さんのキャリアウーマン的な貫禄が、こいつは絶対崩せないという迫力を醸し出している。
台詞の言い方もそうですけど、なんか滲み出る視線とか。
いつバレるんじゃないかと、ヒヤヒヤしてました。

そういう全てのドラマ・ファクターに隙がなく、緊張感をうまく出せていてどきどきです。
スゴイスゴイ。

・・・って、犯罪なんですから、バレてオシャカになった方が、本当は善なんですよね。
でも、ドラマはナオミとカナコに感情移入させられるよう、緻密に造られているので
もう完ッ全に彼女ら視点で見てます。

そろそろ自分のスタンスが分からなくなってきた・・・・。


証拠をめっちゃめちゃ残しすぎの今回の殺害。
いよいよ実行の日という煽りも上手く、いざ、ロープを掛けたとこで着信・・・!

ここまでベタかーっっ!!

殺害に対する、そういう細かいことを全部払拭するほどに、画面から出る緊張感がとにかく凄いです。
女を怒らせたらキレちゃうぞってことか?
開き直った女の勢いに、呑み込まれてます。
普段だったら、計画のずさんさに萎えたとか言っているところですが
そんなのどーでもいいと言わせるだけのテンポの良さと迫力は壮観な出来。

久々にパンチのあるドラマを見ている気分。前半までは完璧。いよいよ後半、楽しみですv
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