Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2017*04*05(Wed)
相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断 感想
ラストシーンまで見てグッとくるものがある。健気な愛が切ない物語だった。
最後の最後に動機の面で愛情の報われなさと神聖さに一捻り加えたことで、私的には評価があがりました。
憎み、恨み、何度裏切られても、それでも消えなかった愛情は実に重たく切なかったです。
悪くない余韻でした。


『相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断』
2017年度作品



そんな訳でそろそろ公開終了になっちゃうのでようやく行ってきました!
面白かったですv

まさか右京さんがカエルみたいに飛ぶとは思わなかったよ。
本当に撃たれたーッ!!
決してイケメン俳優さんではないだけに、両手上げて飛びあがるもんだから妙に滑稽で
逆にその必死さや真剣さが映像化されていてガン見でした。

物語は、相棒らしく政治・テロ・国家批判。テーマは護るのは国家か個人かといったところか。
好きだねー。こういうネタ。
相棒らしくって笑ってしまうのだが、でも今回ラストにそれを一捻りしてくるので
見応えありました。
人生って悲しいなと思わせられる一作だ。


大まかなあらすじ。
英国の日本大使館で起きた惨劇から始まるおどろおどろしいプロローグであり
これがかなりのインパクト。
死体がごろごろしているR指定したいくらいのエグさであった。
華麗な洋館が舞台なので、余計に毒殺という手法がポルターガイストみたいだった。

白いワンピースの少女がそれを目の当たりにするんだが、痛々しくて見ていられない。
そしてこの少女は現場から拉致された。

国際犯罪組織のリーダーであるレイブンっていうテロリストが高額な身代金を当時要求して来たが
政府は拒否した。
事実関係が掴めないだの、テロには屈しないだの、そんな理由。

7年後、また政府に身代金が要求されてくる。
ビデオに映っていたのは当時の女の子。誘拐された女の子は活発な少女に成長していた。

政府は今回も要求に応じないまま要求期限の時刻が迫る。
「日本人の誇りが砕け散る」といった組織の声明が何を指すのか?が映画の根幹だ。



結局それは、50万人の観客が集まる国際スポーツ競技大会の凱旋パレードを狙ったテロ計画だったと
右京さんが突き止めるのだが
犯人側が政策にも計画にも政治的にも知謀に欠け、世界を股に掛けるくらいだろうに、巨大悪という印象は薄い。


ただ、その少女と行動を共にする黒衣の男――彼が実行犯なんだが
冒頭から雨の中バイクかっ飛ばしたり、肉体派にクールに登場してくる。
これを北村一輝さんが演じてらっしゃるのだが、もぉぉ実にイイ!
めっちゃダークヒーローなカッコ良さだった!

アウトサイダーに落ちてしまったような目つきと、低めの声でぼそぼそ話すトーンが痺れて
くっそカッコ良かったです。
こんな渋い人だったかな?
癖のある髪の毛や肌の色なども似合っていて、良いキャスティングだった。


ちなみにキーマンとなる誘拐された少女・鷺沢瑛里佳の成長した7年後を演じたのが
山口まゆさんだったが、これもナイスキャストだった。
長い髪と舌足らずな幼稚さを持ちながら、快活に飛び跳ねるボーイッシュな感じが
ちょっと萌えキャラ風で、非常に愛らしい感じに仕上がってた。
尻やウエストのラインを強調した服と動作だったのも良い。カメラアングルに拍手。
追いかけるのに、わざわざガードレールを飛び越えるとか、ちょっとおしとやかさが無かったのがいい。
ぷりぷりとした肉感が彼女の性格と演技力不足を補足していた気がした。


50万人の観客が銀座に集結している本日、国を背負った英雄たちの前で
もし毒物が撒かれて惨劇となったら。
そんな悲劇は平和ボケした日本人は誰も想像していないだろうというのが犯人側の魂胆だ。

確かに日本でテロが起きる具体的なメリットがあまりないだけに
彼が危惧する恐怖もまたリアリティ薄いよなと私は思ってしまったのだが
そんな平和ボケした感想こそが、今回の犯人の一番の主張なのだろう。

一応動機としての、犯人が無差別テロを企てた理由として
戦争中の原体験から、今の平和が突然奪われることは決して非現実じゃないと
現在の日本の平和ボケぶりに喝を入れるということを述べてくる。


その描き方が少々わざとらしいが国に裏切られる流れは辛酸だ。
置き去りにされた孤島、帰国したら両親は死亡、自分も死亡扱いで無戸籍になっていた事実。
国のために、国を背負って戦時下へ向かったのに
国はこうやって見殺しにする。

そういう下地を映画は視聴者にこれでもかと植え付ける。

大戦の帰還困難者の苦難を描き、その体験と、7年前の国に見捨てられた少女
現在ももう一度見捨てられようとしている、この二の舞。
故に彼らの裏切りへの憎しみはいかほどのものかと思わせられる。

でもそれと国がテロに屈しないという理由で身代金を払わないことは別問題なんですよね。
国家が持つのは税金であり、テロ対策は別次元の話。
拒否した政府を「国民の命よりテロとの戦いに勝つことを優先した」言わせる。
あたかも国民より個人利益を優先するみたいな言い方で終始させ
それ以上の深い掘り下げはしてこない。

その辺を微妙にリンクさせたまま放置してしまうから、中身が恐ろしく薄っぺらい。

と思ったのだけど、そこからが良かったのだ。


その孤島で置き去りにされ、国に見捨てられ、戸籍まで奪われた男を
別戸籍のマーク・リュウとして、鹿賀丈史さんが演じていた。
登場当初はなーんか棒読みな演技が冷めていたのですが
ラスト、右京さんとの留置所での心理攻防は、実に熱い。


国に裏切られた男が、同じく国に捨てられた少女に同情して、かつての復讐をしてきた、とか
国の対応に不満を抱いた男が、憎しみのままにテロで国を滅ぼそうとした、とか
戸籍まで奪われて悔しかったんです・・・だから、彼女をまた見捨てる彼らを許せなかった・・・だの
そんな理由で終えていたら、私も冷めていた。

でも右京さんが、それでもどうして強行しようとしたのか?

実の娘が駆けつけても、彼は自爆テロを止めようとはしなかった。
彼女を撒き込むと分かっていても止めなかった。
つまりは彼女のために起こした復讐劇ではないのだと気付いたという。

「テロを企て、失敗した男として、死にたかったのではありませんか」

つまりはあれだけ悲惨な戦時下で両親を失い見捨てられても
同じように少女を未だ救おうとしない態度を見ても
それでも日本を愛していたという想いだけは消えなかったんだということで
テロに甘い日本のために、何か警笛して死にたかったんだと彼の行為が物語る。

ここまで来てようやく、冒頭のショッキングな画や、少女の立場、途中挿入された戦時下の映像などが
綺麗に繋がってきて
そこまで辛辣な目にあっても消えなかった国家愛みたいなものの深さが
人が人を思う愛情宛らに綺麗に積もってきて、沁みるのだ。

7年前の少女も、肌の色を嘲笑される人種差別を受けているオプションまであり
更には当時の英大使館事件の毒を入れた犯人でもある。
とにかく国を理由に孤立するシチュをこれでもかと積み上げてくる。
成程、このためか。

当時の彼女は人種差別を受けていて、だからこそ願いが叶う薬だと言われて、騙された。
そこで願ったのが「受け容れられたい」

いじめに遭って、それでも残るのが、憎しみでもなく恨みでもなく、そんな人たちに受け容れられたかった。
そんな健気な寂しさである事実が
そのまま今回のマーク・リュウの境遇を模倣していた。

要は彼女はリアルタイムのマーク・リュウだったんだろうな。


そんなに日本が好きか。
裏切られても、消されても、ウン十年消えない愛情がなんかもう切なくて。

でもそんなものだ。
人の心なんて、深い愛情なんて、何が起きてもそう簡単には消えたりしなかったりする。

だからこそ、命の最後まで生きて下さいという右京さんの声が
ようやく日本人として認められたそれのようで、錯覚させられるのも、ニクイ終幕だった。

そんな男の心はつまり、当時日本のためだといって命を掛けて戦って散っていった
両親の覚悟や正義を否定してもいないことになる。
懸命に尽くした両親の生き方を否定しないラストが、最後にじんわり沁みてきて
ああ、もう、大人って世知辛いなと。
しみじみ思う余韻が、ブラックアウトしたエンドロールに流れていった。


そこら辺の落ち所が大変気に入りました。
消えなかった愛情に理解を見せる右京さんに涙する鹿賀丈史さんの静かな涙も痛々しかった。
音のない烈しい口論も、怯える心のようで、満たされない咆哮のようで。
国に裏切られた、だから恨んだ、という単純な方程式だけでは陳腐だし使い古されている。

それでも愛国心を消せなかったという、幸福なようで不幸のような血の運命が
なんとも言い難い余韻を伸ばす。
憎しみを憎しみとして描かず、悲劇の一つに留めた結末を評価したい。


唯一雑だと思ったのは、相棒が相棒でないんですよね。
右京さんが死にたがるマーク・リュウを護るため狙撃手の前にカエルのように飛び出すが
相棒が護りきれないのがその象徴のようにさえ映る。
叫ぶ冠城くんの悲鳴染みた声も衝撃を物語っていて、映画としては良かったんですけど。

冠城くんの忠実な支持者でない関係が新鮮で、そこが今の相棒の面白さであり、未完成な分
まだ新たな絆へ到達していないと言える。
だからこそ勿体ない。
もう一度完全なる相棒と成長した二人でもう一本、映画がほしいところだ。


最後に。

会場は夜の回で行ったからだろうか、年配の方が多くてびっくりした。
たしか前作まではもっと相棒ファンって20~30代の若い人もいたような気がする。
なのに、定年間近な老夫婦だの、オジサンばかりだったぞ?どういうことだ。
今の相棒ってこんな年齢層に支えられているのか?

女性もいるにはいたが、50代くらいの主婦友達っぽい連れなどで
ちょっと意外でした。
公開終了も近いが、割と混んでいたのはファンとして嬉しいところ。


恒例!私的いたみんチェック!
ごめん、今回はもう、あのびっくり顔だけでおなかいっぱいですvvv
スクリーンアップに驚愕のいたみん、笑ってしまったv かわいいぞ!

まさかのいたみんの失態で無線機が使えなくなるというねw
そんなこともあるさ。
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2017*03*26(Sun)
相棒season15最終回「悪魔の証明」感想
「自意識過剰なのかもしれません。或いは誇大妄想。しかしそれが僕の大いなる勘違いであったとしても
 真実に辿り着く切欠になるのであれば・・・ありですよ・・・」
「降参」

このやり取りを数回リピした。
右京さんの「ありですよ~」って言い方もニヤリとしたし、冠城さんの「降参」って諸手を上げる感じも良かった。
面白い相棒相関図ですよね。
歴代相棒にはない感じで右京さんに簡単に懐かない、手懐けられない感じは
かなり好みだったりします。
簡単に信者になって仲良しこよしされるよりずっと男らしくて私は好きだ。

その上でやはり右京さんの一番のメンタル的な相棒は亀ちゃんだったんだなぁと改めて認識させられる。

ただ右京さんにあれだけズバズバ言い切れるのは冠城さんだけかなとも思え
その緊張感が良い意味で続けばいいなと思いました。
相棒というタイトルである以上、二人の関係性を描いていくドラマであるべきで
そこに何らかの意味は欲しい。
特にギスギスしたいがみ合いを見せられても、それが何らかの功績を生みださない限り
気分も悪くなるだけだ。

最初に登場した頃とは別人のようなキャラクターの含みのなさが気になるというか。
軟派でふざけてばかりいる表の顔と、冷徹で強かな裏の顔のメリハリがもっとはっきりしていると、面白いのかも。
冠城さんのスイッチが入る瞬間はどこなのか?っていうのを
もっと視聴者に分かり易く描いてくれたら燃えるのに。
それが右京さんに対してばかりの内弁慶だと、ベクトルが内向きで面白くなくなる。
頭脳明晰な右京さんの対比として、もっと気を抜いたら寝首掻かれる感じは残して欲しいところだ。


その上で、今回の最終回は相棒というタイトルに相応しく、二人の関係性が肝だったようにも思った。

「想像が及ばないのなら・・・・、黙っていろ!」
「右京さん、あんた・・・何様だ」

すっごい、台詞と画ヅラの恐さがあった・・・!
ロマンチストな冠城さんが、立場の微妙さから、まさか右京さんのやり方にここまで言ってくるとは!

右京さんの強引なやり口は今に始まったことではなく
でも歴代相棒はそれを受け容れ味方となるばかりだったので、右京さんの信念に共感しているとはいえ
そういう意味では物足りなさがないわけではない。
なんかここ、痺れた。
(右京さんのキャラ違わね?とは思ったけど)


右京さんが強気に突き進む時、その先には謎を看破した後の真実が何らかの社会的意味を持つのであって
それを冠城さんがまだ理解していないとも取れるこのシーン。
「週刊誌の記事が自分宛の挑戦状に思えたから」詮索を始めたという右京さんの先見の目に
視聴者ともども冠城さんも騙されてしまっているという下地がちょっと面白かったです。

今回のお話ってサブタイトルが「悪魔の証明」であって
それは、潔白(やってない)と証明することはできないという意味である。
潔白に限らず、証拠のないもの、実態のないものは易々と証明できないものであり
ドラマ全体を通じて、そういう水掛け論に近い曖昧な雰囲気に統一感があったのが興味深かった。
ここまでもか、と思って。


更には、右京さんの最後の笑みの意図するところまでもが明確な判断を避けてくる脚本だった。
青木の醸し出す雰囲気とか、すっごく好きだったし、彼が最終的な黒幕だったら笑えたんだけど
何故パソコンに侵入したことはスル―なのかも、その意図を含めて
ドラマは結末を見せて来ない。

曖昧な中で暗躍する政治取引の不確かさやそこで勝ち残る強かさなど
一環性ある雰囲気に魅せられ、実は私的にはなかなか面白い最終回でした。



あらすじ。
あらすじ・・・・・・っていうか。なんと特に何も起こらない相棒スペシャルである。
びっくり。
しかもだ。今回のSPはseason13の初回SP「ファントム・アサシン」を見ていないといけない。
勿論シリーズものなのだから、そういうこともあるだろう。
それはいいんですけど、予め復習しておいてくださいって丸投げはどうか。

そーんな昔のこと普通とっくに忘れちゃっているよw

東京拘置所に拘禁されている元内閣情報調査室の室長・天野・・・なんて、出た瞬間、一瞬誰って思ったぜ。
SPだけ見ても話を通じるように作らないと意味がないのではないかと私は考える。
後半に入り、いたみんに冠城さんが当時のことを聞く・・・というシーンでようやく少しだけ過去回想が入ったが
これはもっと序盤に入れるべきだった。
しかも、言葉でダラダラと説明させるのではなく
もっと要点を掻い摘んで、尺も割いて、序盤で見せるべきだったなと感じた。

他に事件も起こり、その中でこのとっくに過去となった事件も関わってくるという流れならともかく
他に事件はなく、この話が本作でも軸なのであるから
視聴者置いてきぼりは・・・・駄目でしょう。

みっちりと作られた脚本で、そんな余白(尺)はなかったというのなら話は分かる。
でも振り返るとかなり無駄も多い。

例えば、今回のお話は社の過去をリークする暴露記事を発端に直接対峙する。
その記事を書いた週刊誌記者・風間に、警察関係者が
入れ替わり立ち替わり面会に行くのだが
実はそれはちょっと面白かったんだけど
その人物に右京さんが種まきをする。・・・・・と見せ掛けて、結局そこから何も出てきてませんよね。

普通に尾行していれば、彼氏の存在に気づけたのでは、と思う。

なのに思わせぶりに煽った様子とさも重要人物であるかのような演出。
勿論、彼氏が社の元彼でもあって、それを切欠に
このリーク事件は社の自作自演ということが分かるのだが、なーんか勿体ぶりすぎた。


冒頭、青木が、自身のスキルを悪用し社の私物のパソコンに進入。
これも結局プロローグ的に意味深に描いていたけど、スル―。
特に今回のリークには無関係だったというオチ。浅利陽介さんの怪演だけが光っていた。

ちょっと振り返っても、この辺り、もっと精査できた気がする。
その分、社の関わったロシアスパイの事件をもう一度復習させてくるくらいの尺は絶対捻出できたと思う。



前振りが長くなってしまった・・・。

でも、事件らしい事件は起こらなかったけど見応えある回だった。
社が何をしたかったのか?という一点にのみ焦点を置き
それを右京さんのナビゲートで彼女の策略を体感していくというスタイル。

右京さんが推理を展開し、論理付けていく中で
頭脳対決と言わんばかりに、社が不気味な落ち付きぶりでたじろがない。
そういう理論構成でじっくりと煮詰めていくので、真剣に聞いていないと
説明調な展開は置いていかれる。

そのしっかりとした解説がとても丁寧に造られていて、面白かったんです。
こういう論理思考なお話、大好きなので。
事件や情景を楽しみにしていた人には、場面も変わらないし動かないから
ちっとも面白くなかったかもしれないですね。


「彼女に全員返り討ちにあうかもしれませんよ」

社が自分で自分の首を締め、上層部の追及に最終的にどう乗り切るのかが最大の見どころ。

そもそも社は自分の秘密の危険性を強く認識していた。
今回の一件は
自分を陥れようとするかもしれない人物に、未婚の母であることや、娘の父がスパイのヤロポロクであることなど
国を裏切った女という事実を不利な状況で見つけられてしまうことを恐れたもの。
危惧を未然に防ぐために、自ら秘密を公にし、秘密を抹消させたわけである。
公然の事実となってしまえば、誰も脅すことは出来ないから。

ついでにその投石で警察幹部の反応から、誰が味方か敵かを見ることも出来る。

そういう下心いっぱいで自分で仕掛けたゲームなんだから
勝算はあるに決まっている。


その辺の展開が(上手くこじつけたなと)成程と思わせられ
つまりは週刊誌などの公衆的な反応などどうでも良く、狙いは警察上層部だったということが
自作自演と分かった所でこちらも想像が付く。

で、直接対決(二度目)ですよ。

満を期して、社は、同じく出世を目論む甲斐に証言を依頼。
証言という名の取引であり、勝負なわけだ。

娘は確かにロシアスパイであった、ヤロボロクの娘ではあるが
それは襲われた時に孕んでしまった子供だとぬけぬけと証言。
当時それを相談されたと、甲斐まで揃って嘘を演じる。


ここ、何で反撃するのかと思ったら、まさかの強姦ときたよ。
甲斐さんに証言を頼んだということよりも、その女性としての暗部を付いた嘘に
もう男社会である警察上層部のみなさんには、糾弾は出来ないでしょという女の強かさが
狡猾であったし、卑怯でもあったし、汚かった。
男の人の考えそうなこととか思ったり。

娘を護るためなら母は鬼にもなれるといった様相。

結末は勿論、嘘を最後まで付きとおせた社の戦略勝ちである。
そして甲斐を出してきたことで、一定の箔も付いていて、もう誰も表立って手を出せなくなってしまった。
思う壺か。
潔白の証明は出来ない、愛の証明も出来ない、って皮肉か。

利害の一致した者同士、孤軍なのにあっさり勝ちな辺り、ちょっと幹部たちは敵として不服だが
なんていうか、その駆け引きの妙が面白くて、男連中が何も出来なくなってしまったのが滑稽で
一定の達成感はある。
何が真実かをまるで見せて来ない戦いも、手ごたえがないという感じはなかった。

正面から戦っても勝算はないから、女の武器を使ったという狙いは
なんかモヤモヤしたものは残させますが。

その上での最後の右京さんのニヤリとした笑みだから、余計、余韻は増大だ。
一見、愛と家族を護りきった社に、ロマンチストな冠城さんの勝ちと思わせて
もしかしたらそれさえもカードの一部で右京さんはそこまで見越していたのか?と連想させる小憎たらしさである。
真実って何だよ、まだ引っ張るのかよ。



まあそれでも。
オヤジだらけのドラマなんだし、そんなアクティブでなくても
そこそこ面白かったな~というのが正直なところである。
こういうのも好きだ。

国家とか絡ませると変なメッセージ性が入ってしまい、正義と悪との戦いになるが
それはそれで重厚感はありますが、なんか賛否でてしまう。
こういう取引と駆け引きメインもすっきりしていて私は集中できました。
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2017*02*09(Thu)
相棒15 前後編SP「声なき者~籠城」「声なき者~突入」感想
元旦でもないのにスペシャル回と思ったら映画の前振りかよー!!
二週に渡る壮大な要人紹介回だったよ!

「あなたは何のために警察官になったんですか」なんて右京さんにあっさい台詞を吐かせやがったと思ったら
そうかこいつが劇場版のキーマンか。
物の見事に映画へ煽られたわ!


13話/14話。
初の前後篇ということでしたが、ゲストさんも豪華でスペシャル感もあり、楽しかったです。
何より目を引いたのは、この犯人役を演じた高校生の新堂司くん役の人!
あまり台詞を言わせず空気や仕草で多くを表わさせていたため
とてもピュアで印象的な少年に仕上がっていました!上手かった。

押さえた声のトーンとか、ふと見せる弱さとか、最後の啜り泣くとことか!

籠城からようやく投降してきた時の危うい幼さも完璧で
取調室での従順なかんじから、右京さんに救われてようやくようやく張り詰めていた糸が切れたんだねって思えて。
彼の壮絶な一日の幕が下りたことを画面から感じ取れました。

そういう繊細な機微を見事に演じられていて、周りの濃い大人に飲まれていなくて
だからこそ物語が彼の孤高の奮闘を綺麗に盛りたてていたと思います。
(しかも何気にちょっとイケメン・・)
もう彼に尽きるよ!彼なしではこの話は成立しなかったよ!
彼を抜擢したスタッフさん、GJ!



話は1年前、冠城くんがまだ法務省からの居候の頃の話。
謎の立てこもり事件が発生して、その犯人が成り済ましを行うことから捜査が迷走する回。

キーマンの司くんを最初はまるで登場させず影の存在で登場させ
籠城する男としての狙いも曖昧なまま物語は進むのが面白かったです。
成り済ましていることを、視聴者から騙される。

そこに関わる複数の関係者を、複数の人間の証言からじわじわと周りから攻めていく脚本なので
伏線だらけというか、一瞬も気が抜けないというか。
でもごちゃごちゃしてなくて、分かり易くもあって、引き込まれました。

そこが物語の軸だとは分かるし、周りの籠城制圧という判断も頷ける。

カメラの視点というか、物語の軸が第三者視点なのも余計意外性を強調していて面白かった。
最初、女子高校生の群れが被害者を見つけた時は
逃げた男こそ悪人だと思わせられたし
籠城している男が悪人だと思っていた。


犯人の要求している女性は吉井聡美。
すでに亡くなっている彼女の死因は自殺。
この復讐かと思わせて、物語は全く別の少年とあかりちゃんを捜査線上に上げてくる。

ミステリーよろしく、真相を容易に想像させない感じが凄く巧みだった気がする。


どんどん犯人を追いつめる形で進む捜査が、籠城犯が真淵という男ではなく
真淵に成り済ましている新堂司くんだと分かってからも、何を狙っているのか?をぼかしたまま進められて
唐突に分かる司くんの狙いと真実に、高校生なりの身に余る背景が浮かび上がってくる流れは
しっとりと納得のいくものでした~。
よかった。


それにしても、DV夫ネタである。
司の父は法務省矯正局のホープ。
だが、家庭内暴力を振るい、女性蔑視の思想を持つ団体の会員であることが判明。

このクダリと、吉井聡美、新堂一家も、夫から逃げていたらしいという流れから
ああ、夫の暴力から逃げてきたんだなとは分かるのだが
そんな暴力から逃げて暮らす苦悩を真っ向から描くのではなく
なんと、そんな逃げた家族を見つけ出し夫の元に戻すというとんでもない団体が登場。

すげえ発想だな。
ってか、こんなのがあったら被害者はおちおち寝てもいられない。

真渕が依頼されていたクラウドソーシングの仕事っていうのが
夫から逃げた人を連れ戻すビジネス。最悪だ・・・。
依頼していた会社経営者が水野。
新堂司くんはこの二人と戦っていたんですね。


普通は逆だよなという。
逃げ出した妻を悪者にして、夫を擁護する飛躍した思想が驚くほど盲信的で
なんか言葉で言っても通じなそうな恐怖を感じ取れた。
時代錯誤も甚だしい。劇中で冠城くんも言ってましたが。
その発想が、目新しく面白いといったら失礼ですが、アイディアだと思った。
DV被害者はよくテーマにされますが
そんな夫を責める話は多々あれど、そんな夫を擁護し逃げた妻を批難する団体を出したのは
こちらの怒りや不条理感を煽るのにドストライクだった。


「健全な家庭を守る会」というふざけたネーミングのこの会は
夫から逃げ出した妻を子供を出しにつれ戻すビジネスで
そうして戻された吉井聡美は、追い詰められて自殺したというのが全ての真相。

二の舞になりそうだった新堂司くんはあかりちゃんを庇って、水野から情報と証拠を得ようとしていた。
なんて健気な・・・。
またそれに似合う、艶のある少年なんだよ・・・。←


だけど所詮高校生が考えるその場しのぎの苦肉の策。
病院に搬送された男こそが真淵だと報道されればお仕舞いである。
正体がバレ、水野に脅され、そこで司くんは水野に死ねと命令される。
全ての罪を被ってお前が死ねと。


そこにかかってくる一本の電話・・・!!

なるほど、連絡手段を一切断った司くんでも
病院からの電話なら籠城した家主が緊急だと懇願し出るかもしれないと踏んだわけか。

右京さん来たーって感じでした。
ヒーロー的タイミングはばっちり。
右京さんは静かに
自分は味方であること。お母さんと妹と司君を助けてあげたいと訴える。


物語には不満はないんだが、実はこの辺の勇み足感がちょっと不満だった。
少し急ぎ過ぎな気がした。
電話であっさり脅された司くんがいいなりになるのは母親を人質に取られたからだと理解出来るが
もっと抗った尺が欲しかったし
右京さんの説得も、それで普通信じるか?って感じでした。

警察関係者に内通者がいると脅されていたこともあるし
そう簡単に信じるなよと。<司くん
ここがなんか浅いんだよな・・・。もっとキーポイントとなるような言葉があればじんと来たのに。

ラスボスの山崎に右京さんが歯向かうラストシーンも微妙。
「あなたは何のために警察官になったんですか」
ちょっと追求するにもなんか子供臭い台詞である。
もうちょっとなんか別な台詞が良かった。

新堂の方に、「妻と子供は貴方のものではない!」って切り捨てたのは爽快感ありました。


水野と繋がっていた、法務省の新堂は失墜。
だが新堂と繋がっていた警察庁長官官房総務課長(?)の山崎は全てを知りながら最後に保身に走って
今回の事件の功労者として出世。

悪は蔓延る。
続きは劇場版で再会という最高の伏線の張り方・・・。うがー!



今回の私的ポイントv
冠城さんと右京さんのアクション。
変にもたつかせないであっさり流したので結構格好良かったですv

更に右京さん。
「僕は欠点はありますが、弱点はありません」
言い切ったー!vv

米沢さん
「警視庁における、君のあらゆる未来は潰えたと思え!」
恐い台詞を言われてた・・・え、だから警察学校なのもしかして。

あと、そうだ。結局良く分からなかったのは
盗撮?してたのは誰なんだよと。ネットオタク?
冠城くんに送った神戸くんの「君には借りができた」のメールの意味は結局どういう意味?


ちなみに私的いたみんチェックは
冠城さんから連絡を受けて、無線で母親解放を伝えたシーンですvv
籠城してた最初の頃にわちゃわちゃやってたのも可愛かったけど。
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2017*01*09(Mon)
相棒元日スペシャル 第10話「帰還」 感想
八嶋智人さんの怪演に尽きる。

一人で気合い入っていらしたかんじだし、ドラマのカラーも全部持っていった。
犯罪が暴かれるまでは常識人に見えていて全く私も意識していなかった上に
脚本も犯罪者の輪郭を非常に暈した独特の造りで、それで不覚にも誤魔化されてしまって
真犯人と分かった時の衝撃も大きかった~。

その上でのあのイっちゃってる八嶋智人さんのハイテンション。
演技が非常に面白かったです。


その他で言うと、今回は美術さんとか裏方スタッフさんの努力が目立っていて
本筋とは無関係の部分が非常に目を引いた。

自転車に乗る右京さん。
交番コスな冠城さん。
レア映像っていうか変な映像。

そしてあのボロマンション、団地の屋上。なんちゅー出入り口w
いい感じに朽ちた建造物と黴色である。

或いは赤い錆びた鉄橋。この味わいある田舎風情。

ロケが気合い入っているのか、なんか細部や小ネタが特徴的で面白かったです。
単なる田舎街じゃなかったのが目を楽しませた。

でも第一死体発見場所。給水タンクかよ・・・その水飲んじゃうのか・・・?うわあぁぁ~・・・想像しちゃった。



さて実際のお話。
東京都の外れの町交番に空きが出て、特命係が出向することに。
そこで起きる不可解な事件。
警察官が5名も失踪しているのに、上からの圧力でただの欠勤扱い。
更には彼らは脱法ハーブ栽培をしていた疑惑も浮上して、町全体に後ろ暗い空気が漂う。

しかもその町は、積極的に前科者を受け容れている町だった――


メインキャラの構図は変わりないものの、地方交番に出向というテンプレ変換は新鮮な味わいを齎してくる。
警視庁の特命係です~と名乗っちゃえばそれだけで格が出ちゃうのを
こんな地方交番名義だからこその、周りの警戒心の低さと蔑視視点がちょっと新鮮で
見下すゲストさんらとの対比が巧みにこちらの満足感を煽ってくるのが上手かったです。
面白い設定だった。


面白いと言えば、最近の相棒を見ていなかったから分からないのですが
上からの圧力があるために内密に、社さんと大河内さん、そして右京さんと冠城さんという即席4人タッグが結成。
これも斬新というか、奇妙な縁の結束で、ちょっとスペシャル感ありました。

黒水駐在所で大河内監察官や社さん達が顔突き合わせて密談・・・。
こんなところでこんなメンバーが集まるっていうね。
似合わない背景が何とも言えない画ヅラが求心力を高めてもいた。


最初から登場していたマタギみたいなおばあさん。
何かあるなと思っていたら、彼女が栽培者かい。
団地住民全員が冒される感じが気味悪かったです。

外界に興味のない住民、興味を失われた住民?
やる気のない交番。

全ての駒が揃って完成された奇妙で危うい事件ということか。
8年前の「虎の尾を踏んだ」という事件が今回の動機で
その主犯・タカハシの顔が出てくるのが二時間SPで一時間越えたくらいというぼやけた輪郭も
恐怖を増長させていた気がします。

何だろう、団地住民も結構ぞろぞろ出てくるんだけど
みんなが異様でみんながグレーという印象で話が進むからだ。
ひょっとしたら全員が関わった犯罪じゃないかという懸念さえ抱かせてくる。

「マリオがやらなかったら誰がやる。あの子こそ獣さ」

普通冷静に考えて死んだ人間が蘇ってくるとか信じないだろ。
冷静に考えて子供に犯罪押し付けて陶酔する大人は疑問だろ。
宗教や集団を馬鹿にしているようで、その盲目的なリスクを突き付けるの、ほんと好きだな相棒スタッフ。

このイっちゃってる雰囲気は実に相棒っぽいなぁと言う感じ。
彼を主犯に仕立て上げる土壌が、憎しみや蔑みなどではなく、信頼と愛情から出来ているっていう皮肉が
なんともいえない。

だがそれが最終的に収束感を高めてくる訳じゃないから、なんか中途半端なのだ。
悪習や因習のようなオカルトさを匂わせつつ
いきなりハイテク拉致実行かよ。
ちょっと付いていけなくなった・・・。

罪を冒した人間の罪悪感と、残る不信感を利用した人物が別にいると言いつつ
この輪郭もまた後半まで引っ張る焦れったさはとても秀逸で面白かった。

さっきも言ったが
今回の一連の事件は誰が何の役に関わっているのかが本当に判りにくい。
それが最終的な主犯の輪郭を呆けさせてもいる訳で
お陰ですっかり善人顔してた町長さんに私も騙されてしまった訳ですが
(でも終わってから冷静に考えると確かに消去法で彼しかいないな・・)
全体的なストーリーを象るわけなので、良いか悪いかとはは言えずとも
その分、ストーリーもぼやけてしまっていたし、刑事ドラマとしての肝である解決シーンの爽快感とか
そういうのが全くなかった。


更に眉を潜めたいのが
警視総監のあっさりの死亡。
おいおいおい、日本の防衛機能のトップですが。

現職の警視総監があんなにアッサリ誘拐&殺られるとはありえなさすぎて嘘臭い。
しかもこの四方田警視総監。
武道の達人であるという設定で、なのに彼を素手でブチのめす少年・マリオ。
スーパーマリオかいっ。

地方テレビのキャスターの女性まで生きていたらそれこそ失笑ものだった。



黒水署の署長さん。
なんか印象的な役者さんだった。きっとそういうのでキャスティングされたのかも。

「警視総監に逆らうことになる・・・・いっちょやるか」

おおぅ!
ここから見せる黒水署の活躍模様もちょっとヒーローものっぽくて良かった。
やれば出来る子たち。
あんたたちが無能だからこんな隙が出たんだという突っ込みを言わせない風土もポジティブで良い。


話のテーマに拡げられていたのは前科者の社会復帰。
一度失敗した人間に日本社会が厳しいのは現実で、彼らが求める優しさや居場所というのは
真摯な訴えではあった。
だからこそ、彼らだけの町が形成されれば結束力も高まり、今回の様な土壌が育つ種は
確かにあるのかもしれない。
でもそれを、こんな形で俯瞰視点や客観視も出来ない様な描き方をされれば
折角のメッセージ性も何ら意味を成さないだろう。

脚中で触れられていたように
犯罪が起こる度に最初に疑われるのは同様の罪を犯した前歴のある人間であるのは捜査の基本である不条理は
本当に忌むべき悪習なのか?
前科者の再犯率は決して低くない。
そっちの方が強烈な印象を残し、彼らが無実だったとしても、そこに同情票は集まらない造りとなっている。
だとしたら、それをテーマに添えて、何を訴えたかったのか。
最後にきて、その命題が霞んでしまった印象だった。


また、それを加速したのが、彼らに与えられた理不尽な現実などではなく
町長になって得た力と自由が彼を暴走させた。
動機がないからこそ、この奇妙な町の昔語りのような事件を組み立ても出来てはいるのだが
う~~~~んって感じ。
さっぱりしてて良いとは思うけど浅くて余韻もくそもない。


「こんなにも簡単にピースが揃っちゃったから。だからやってみたくなった・・・」

今どきの犯罪っぽくはあるし、明確な正義のなさが、明確な正義をもっていた少年との対比にでもなれば
まだ面白かっただろうに。
表題との接点もイマイチ良く分からない。
加害者か被害者か。どちらかに焦点を当てたストーリーであるならまだしも
客観視点で不穏な空気感に取り巻き、恐怖演出をしてきたのだから
霧が晴れるように、最後は何らかの軸をしっかり見せないと、散漫のままに終わってしまった印象しか残らない。

犯罪被害者でもない町長を犯人としたことで、それはよりぼやけていく。

犯罪者の社会復帰に警鐘したかったのか。
犯罪者の現状に警笛したかったのか。


右京さんが言うように、町長さんは確かに人生の楽しみを知らないで終えるのだろうが
その嫌味すら通じないイっちゃってる乖離が凄まじく
それはそのまま加害者の集まるあの町にも言えるなと思った。


ゴージャスさや浸み渡る説得性の不足は否めず、インパクトは弱い。
フューチャーする人を間違えた?
でもその弱さを、八嶋智人さんが見事に辛口に仕上げてきたという出来栄えでした~。
割と楽しめました!
そして映画は行く。

あと。
冠城さんはカイトくんとは違い一線をふみとどまれる相棒って意味合いなのかな。


私的いたみんチェック。
今回は出番少なかったけど、まあこんな回もあっていいや。
存在感は可愛く出ていました~満足~♪

「警部殿もお元気そうでなにより」

死体が出てようやく本庁が出てきて、あっさり再会w んもぅ、このくだり好き。
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2016*10*14(Fri)
相棒season15初回2時間スペシャル「守護神」感想
オカルトちっくなお話だったのは仲間由紀恵ちゃん繋がりなんでしょうか。
そういうスタッフのノリは正直全然笑えない。舞台も青森のどこまで行かせる気だ。
ただ、何とも狂気染みたお話で心理学の抑圧の一つのケースを描き切ったという印象でした。

いつもは社会派と評される相棒シリーズですがメンタリズムに宗旨替えか。
派手さはなかったがこれはこれで楽しめました。


相棒15シーズン。初回。
思えば相棒もテーマソング持ちドラマであるが、15のオープニングは割とかっこ良かった。
クールで男臭いかんじ。背景とか。
メロディは毎回アレンジしてくるのも悪くないが、何故かドキドキとかはしないんだよなぁ。
聞き過ぎているからでしょうか。スクリーンで見る回数が少ないからでしょうか。

画面は、定番相棒ブルー(勝手に命名)から始まることもなく、少しテイストが変わった様子が冒頭から伺える。
でも全体的な色調はブルートーンで、そこは通常運転。
テンポも悪くなく、冒頭30分でほぼ状況や立場を説明してしまいつつ、事件に引き込ませる流れは
地味なシチュエーションを扱っていたとはいえ、貫禄があった。
やっぱ相棒って楽しい。


さて、そんな今回のお題は「人を呪い殺す能力」
テーマは救済ってところだろうか。
そんな非科学的なことが本当に現実的に可能なのか?・・・って、可能なわけないじゃんw
刑事ドラマとしてはご法度な論理性を欠いたこの内容を、実に真面目に切り込んでくるところからドラマは始まる。

物語の粗筋はというと
人を呪い殺してしまったと、女性が自首してきた。
当然一課は掛け合わない。
その話にオカルト好きな右京さんが(そうだったっけ?)興味を持って彼女へコンタクト。

自首してくるくらい呪力に自信があるのであれば、確信させるだけの根拠=過去があった筈。
・・・確かに!
で、彼女から、過去三件の呪殺の事実を突き止める。
彼女の周辺では実際3人の人間が不審な死を遂げていた。これで連続殺人へと発展。
・・・・というお話。


舞台は青森くんだりまで二往復するロケ地の幅広さなのだが
「首狩峠」って・・・w青森にそんなとこほんとにあんのかー?なんちゅーネーミング。金田一か!
横溝ワールド満載な世界観に古い田舎の中古バスである。
そこで出てくるまたコテコテな田舎のばぁちゃん。呪いの伝承者という設定だが
おいおいおい、相棒でこのホラーリズムは反則じゃないんかい。いまどき古風だな!
なんか違うドラマを見てしまっているようだ・・・w
でもロケ地が説得力を上げるから不思議だ。

非科学的なもので人が死ぬなんて科学捜査とは真逆だ、とでも右京さんが突っ込んでくれると思ってたが
オカルト好きという設定があるからか、呪い殺したという証言を真っ向から否定しないスタンスで
ほぼ序盤は事が進む。

変境地だから・・・という要素でもなく、クローズドサークルにもならない、容疑者というか関係者が
その自首してきた女性・初恵と、幼馴染・修斗、そして呪いのばぁちゃんの三名だけというミニマムさ。
妙にこじんまりとした小さな事件規模である。

となれば、当然
右京さんの頭脳を使ってのトリック暴きもなければ、旬の時事問題に切り込んだストーリーでもなくなり
話がとても閉鎖的で主観要素の強い話となる。
つまらなく感じてしまう人はいそうだ。


事実、全体像は容易で、ほぼほぼ私も想像通り。
恐らく弟分の修斗が、呪いが出来るという初恵の思い込みを利用して、初恵のために殺人を犯し
初恵を護っていたんだろうなと予想出来る。
私に予想させているようじゃ、ミステリーとしてはだめでしょ。

こんなんじゃ、相棒SPとしてはちょっと迫力不足だなと思っていたところ
(そもそもオチはどうするんだと思っていたところ)
ようやく物語は中盤から煮込み始める。
ここからの心理学的考察は、結論としてかなりの悲劇を含ませてくることも含め
提唱したメッセージは割と皮肉で重たいものだった。

転んでもタダじゃ起きない相棒というか、転んだら斜め上行く相棒。


ちなみに、今回の主役であるゲスト初恵役に小野ゆり子さん。
彼女の少し血色悪い青白い顔立ち、怯えている一重の小さな瞳は、見事に物語にマッチしていた。
こういう地味で大人しい田舎娘系、似合う~。
トヨ役の山本陽子さん。
怖いわっっ。呪いというより怨念態?青森ってことは恐山のイタコがモデルか。
幼なじみ、梶原修斗役で辻本祐樹さん。
まあフツー。
普通なのにナチュラルに入浴シーンを披露している。

このトライアングルに於ける見た目の力関係は悪くはなかった。


また、同時進行で様々なキャラの意味深な動きも重ねられる。

まずは相棒となる冠城亘。
反町隆史さんは実のところ、私の中では右京さんの片割れとして割と評価は高い。
なんだろう・・・油臭さというか、アウトローさというか、そういうのが右京さんの対称像として
とてもしっくりくる。画面的にも遜色がない。
初代は殿堂入りとして、神戸くんはインテリ的で頭脳的で実にオイシイ相棒であったが
対極という意味での反発力が足りなかったんですよね~。

今回は広報課の巡査としていよいよ警官デビュー。
「冠城亘巡査」・・・作中で何度繰り返すつもりか。笑っちゃうほど連呼されてて笑った。
もう法務省キャリアじゃないんだよっていうことを
皆が連呼することで印象付けるちょっとした遊び心だったのかも。

その冠城の警察学校時代の同期ということで青木巡査。
右京さんと頭脳対決出来そうな能力の持ち主で、ダークサイドに落ちそうな陰気オーラ満載。

「青木年男と冠城くんは警察学校で同期だったようです」
・・・って、つい最近の話じゃねーか!そうか。中々にナチュラルというかタイムリーな人材投入で
わざとらしさがない。

しかもだ。

「おまえこそ誰かを殺したいほど、呪ったことあんのか」
「あったとしても僕は呪いなんて非科学的なものに頼りませんよ。
 もっと現実的且つ確実な方法で相手を完膚なきまでに叩きのめします。・・・再起不能にしてやります」

とか言って皿の上でソーセージこまぎり。カチャカチャ煩い。
くわーッ!くっそたまんないキャラだな・・・。とんでもないのが出てきたな~。

「調べものなら貴方に任せれば、早いし確実って聞いてたけど」・・・なんて印象付けているし
今後、物凄く怪しい存在になりそう。
ラスボス感満載。
・・・の割には地味系で強くなさそうな風貌がいい。
あれだ、凄そうに見えて実は自爆系という危うさ。

というか「油断ならない」という台詞を冠城に向けた形で社に言わせていたが
その矛先はこっちだったのかもと思う。
今回の脚本はそういう別のパーツが別軸の不足分を暗に補足している箇所が多く見受けられ
中々地味に凝っていると思った。

青木年男役・浅利陽介さん。
ひたすらに不気味で、腹黒く、いいポジションに付けていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・ってゆーか、誰このひと。


更にだ。
社とロシアスパイY.A。その一人娘。
まさかここが再燃させられるとは!なっつかしいな!ちょっと忘れてたよ!
ヤロポロク(だっけ?)再登場なんか!
この関係性と社の裏が壮大な背景を背負っていそうで、シリーズを貫く軸のひとつか、或いは映画への伏線か。

冠城さん、いきなり法務省裏切っちゃいましたが。
恐らくなんの下心も策略もなくw
こういうとこ!こういう野生本能的な未熟さみたいなのが、すごく好きだ。

とか思っているうちに
社か冠城か、どちらかを着け回っていたアイツ、最後にいきなり殺されたよ!!!えー?!消されたのー?
謎の監視者の正体は勿論、彼を殺して埋めた犯人は誰か。

ロシアスパイ怖っ。ヤロポロクも既に殺されている可能性が高くなった。
そして、あの手紙で関係性を探られてきたんだとか、警告だったとか
色んな憶測を呼んで・・・・・・・呼んで・・・・・・これまた違うドラマを見ているようだ・・・・。



そんな多重構造の中、いよいよ今回の本筋が顔を出す。
その辺の緻密さは今回実に濃厚だ。

冒頭の事件、つまり最後の容疑者の部屋から指紋が一つも出なかったという奇妙な事態から
サブタイの如く、初恵を護るために二人が発動。
問題は、何故初恵を護るのか?というところで、そこに表れた事実はありがちなものから
少し捻られていて、そのことが特異的なテーマを寄り掘り下げていた。

私も、ずっと、シュウがハツを護るために、ハツを脅かす者を排除(殺害)していたのだと思っていた。
その隠れ蓑として、ハツが自分が人を呪い殺せるという思い込みを利用することで
自分も罪を逃れられてきた、呪いと暗示の復讐殺人なのだと。

・・・・で、ここらで本当にもう一人くらい呪い殺しそうな流れになってくる。
相手方に付いていた里崎弁護士が意味深な接触をしてきて。
このままホントにオカルトオチになったらどうしようかと思った。

だけどこれが右京さんのトラップ。
黒崎弁護士まで取り込んでたとは思わなかった。
「やらねぇぞ!」と言ってんのに強引にグイグイ右京さん、ほんと人の話聞かないなw

そして、無意識に殺しにやってきた初恵を現行犯逮捕するという荒技。


つまりはハツの単独犯で、トミもシュウもそれを知っていたという真実だった。
面白いのは、ハツの弱さを深く知っていたシュウとトミが
殺人を犯して対象を護るというありがちな外的要素ではなく
本当にただただ初恵の心の崩壊を防ぐだけのために現実を歪めていたという、何とも消極対処の内的要素だ。

ハツがどういう立ち位置・・関係性なのかはかなり終盤まで暈されていて
シュウが捕まり、自分がやったと主張していた辺りまでは、本当に実行犯はシュウだと思わされていた。
だから、ハツが一人殻に閉じこもり破滅していった結末はその連携を思う程に悲哀に満ち
トライアングルが乖離的になる。

ところが真実は、なんと初恵が自らを防御する自己防衛の身勝手な単独犯。
殺したことを記憶ごと消さないと潔癖な自分を、或いは罪の過剰な重さに耐えられない自分を
護れないからこその防御措置であり、彼女にとっての真実は、正に、「呪いで殺した」なのだった。

呪いだから、自覚がない。
しかも後片付けは周りがやってくれる。
何とも主観的な連携プレイ。

つまりは今回のお話ってゲスト寄りである。
右京さん視点で、或いは客観視点見ていると、最後に表れるテーマがあまり際立たない。


心理的抑圧とは、逃避、投影、同一視など様々な症状があるが
目的は一つで、自我を脅かす願望や衝動を 意識から締め出して意識下に押し留めることであり
一時的な心の安全装置だ。
これは心弱さとか言い逃れだとか、そんな簡単に一蹴してよい類ではなく
本当に自我崩壊や自我乖離してしまうギリギリの境界に佇む人間の、緊急避難である。


それを、人を殺しちゃ駄目でしょという尤もな疑問を抱かせたまま
過去が現実だと知った初恵は、その衝撃に耐えられず、留置所で自殺する。
それがまた、すんげえ画ヅラであった。
血が飛び散って、服が染まって、掻き毟ったような狂気と掻き割いたような殺傷。

自業自得でしょという視点で見ているだけでは、伝わらないだろうからこその、この悲惨な死にざまなのだと思う。

自己防衛のために自分でも制御できないほどの残虐な行為に及ぶことがある。
『相手の意識を失わせて溺死させること』を『呪い』と思い込む概念は確かに汎用性はないが
そこを理解できずに、単なる妄想殺人と考えると、ラストのこの無残さが半減する。


抱えきれないほどの負荷を抱えた人間がその罪を抱えきれずに自己防御に走るというのは
私はなんとなく理解出来た。
本当に心に限界というものは存在して、身の丈以上の負荷に人って耐えられない。
その限界を傍で見ていたトミとシュウが、必死に彼女を護ろうとしたその直向きな愛情が
逆転して光ってくる。

それを護ろうと必死に、それだけを目的に守護神として生きてきたという部分が
通常の庇う身代わり話とは違って、胸を打った。
その上で、それが無残にも砕かれるラストの結末が現実の無情さを伝えてもいるし、悲惨な惨劇を物語る。

「だから護ってきたのに・・・!」
ハツの死を知ったシュウが台詞はなかったけど、正にそう叫んでいそうなカットが網膜に焼き付いた。

大切なものを奪われて
だけど、その大切なものは誰かにとっての大切を奪ってきて。
その擁護が次々と殺人を連続させる悪夢を呼んできた訳で
遣り切れない連鎖がそれこそ怨念のように絡まるのが、辛酸だった。

その死にざまもきっと色々考えられたカットなのだろうと思えた。
誰かを殺した人間に相応しいと思うか。
耐え抜けなかった弱者が狂って潰されたと思うか。
狂い死んだ感じの何とも目を背けたくなる末路だった。


それでも、きっと、彼女は高校生の時に死んでいた人生だったのだろうし。
だったらここまで人生を生きられて幸せと見るべきなのか。
耐えきれない過去を抱える限界と恐怖っていうものを、オカルト要素を混ぜながら
いっそオカルトを混ぜたことでより抑圧の終わりの見えない負荷を実にドロドロと陰惨に描いてきたなと
つくづく思った話であった。


でもそもそも殺人事件なんてどれもが他人事であるという切り口を改めて突き付けてもいる皮肉もある。
つまりは傍目にはやっぱりただ人殺しが死んだだけの話なのだ。
そこで思い返すのが、そもそも、最初の自己防衛のために人を殺して良いのかという命題だ。
それがそのままラストに浮き上がる。

ハツの自殺を以って、もう一度問い掛け直すわけで、結局ハツがしたことと警察がしたことは
同種であると持ってきた構造は、普遍的ながら警察ドラマの基本骨格であった。

自己防衛のために人を殺して良いのか。
事件解決のために人を殺して良いのか。

そうか、横溝じゃなくてコナンだったか。

ブクマしているお気に入りサイトさまが指摘してらして、実は私も見ていて同じこと思ったので
私も真似して触れさせて頂く。
「犯人を推理で追い詰めてみすみす自殺させちまう探偵は、殺人者と変わんねーよ」



更にドラマはそれだけで終わらない。
彼女を追い詰めるために邁進してきたのか、そういうつもりじゃなかった。
彼女を死なせるために捜査してきたのか、そういうつもりじゃなかった。

そこに平行して描かれた、社の過去と現在。

なんだか彼女を追い込むという疑似ファクターが、彼女の死や破滅を予感させてもいるようで
単なる一話完結とは思えなかった。
むしろシリーズとしての数多の伏線を散りばめた初回だったのではないだろうか。

社を副産物的に追い込んでいくシリーズになるんじゃないだろうか。
ちょっと映画まで含めて期待が大きくなった。


そんな訳で、事件性というよりはシリーズの種付けをしてきたような初回SPでした。
時事問題や社会批判をものともしないかんじが相棒なんだが
これはこれで悪くなかった。
心理合戦なんて何もなかったし、俯瞰的なメッセージ性も強くないなんて相棒じゃない・・・!
・・・けど、これはこれで悪くなかった。

悪いのはむしろ細部の方で
例えば検死解剖が行われる時点でスタンガンの痕跡くらい見落とすなよとか
留置所でも食器の管理は絶対してるだろうとか
そういう細部の温さは確かに鼻に付いたかも。


余談。
私的いたみんちぇーっくvvv
なにあの4ショットvvv
くっそかわいかったよっっ////// 相変わらずに捻くれぶりで
なのに新鑑識を読んじゃう融通もある。その鑑識とは面識もあるのに仲良くなさそうな距離感がまたいい。
右京さんがネイルやってもらうシーンもどうしようかと思ったが
いたみんの男臭さに今回も満たされました・・・・!
そこは満足・・・!
[ aibou ] CM0. TB0 . TOP ▲
    


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