Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと漫画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
03≪ 2017| 12345678910111213141516171819202122232425262728293004/ ≫05
2016*05*31(Tue)
寄生獣 第8巻(文庫版) 感想
涙・腺・崩・壊。
なんたるラスト!なんて辛酸なラストなんだ!ミギーの想いが痛い!沁みる!こんなに号泣したのは久しぶりだ!!
文句ないラストでした。大満足である。


最終巻。
後藤との戦いを決意し、シンイチとミギーはひと気ない山奥で一対一の戦いを仕掛ける。
まともに戦っても勝てない。逃げても見つけられる。
だから戦いから逃げることは最早時間稼ぎでしかない。

誰にも相談出来ず、たった二人で向かうシーンは、この漫画らしい。
多くの人と関わってここまできたけど、その中で芽生えさせた仲間や連携は一切無視だ。
むしろ、シンイチがここまで孤独であったことの最たるものとも言える。

ここは、読み終えてから改めて振り返ると、色々疑問点は残る。
でもそれは後にして、まずはミギーとシンイチだ。


勝てない相手とどう戦えば良いというのか?
打つ手を奪われたラストの策は、正に破滅的な方法だった。
つまり、ミギーが足枷となるシンイチから離れるというもの。

今までずっとタッグで戦ってきたことからも、意表を付いているし
ここまでも、「お前らの戦い方を見せろ」「どうやって戦うんだ」などと敵に言わせ
二人が相談しながら戦闘方法を決めるというシーンを何度も描いてきている。
いわば、この漫画に於けるミギーとシンイチの特異性の具現化が
戦闘スタイルだったわけで、それを逆手にとってきた。

だからこそ、ここでの選択が、読者にも妙に切羽詰まった緊急性を演出しているし
禁じ手といいますか、奇抜さをまた描いてもいるわけで面白い。

それがまた、ここまで私の不安を煽ってきた頂点直撃ー!ってなわけで
もう、この一話だけで号泣したよ!

漫画を読みながら嗚咽上げてティッシュ片手に涙拭ったの、何年振りだろうか。
もうね、ミギーの気持ちが切なすぎる!!


シンイチが隙を作る役として背後に控え
ミギーが囮となっておびき寄せる。
シンイチが火を放った瞬間、ミギーが頭を切り離す!

後藤の弱点はやはり複数の寄生獣を取りこんだ故の統制力ということで
頭部を切り離したのだが、その一撃だけで後藤は倒れなかった。
触手を押さえ込み、シンイチに戻れないミギー。
寄生獣だからこその、寄生から逸れた者に訪れるリスクが、ここぞとばかりに投入されていて
その意味でも最終決戦という感じ。

同時にミギーに親和感を抱いているものとしては、はらはらはらはら・・・・ああぁぁぁ~・・・・。

寄生しなきゃ生きられない生物だから宿主から離れたら終わりなんだ。
それをシンイチも分かっているから、必死にミギーを戻そうとするけど
後藤を押さえ込んだミギーは戻れなくて。

「くるなシンイチ!失敗だ!」
「なっ!」
「はやく逃げろシンイチ!こいつはまだパワー充分だ!」
「でも・・・いま・・・すぐそっちへ・・・」
「くるな!2人共死ぬことはない!早く行け!」
「だってミギ・・・」
「なにやってる!!このまぬけ!!早く行け!!」

もうベタベタな展開なのに、ミギーの想いを考えると、胸が抉られるようだよ・・・!
そもそもミギーら寄生獣は感情がなく、情がない。
宿主を護るのは、自己防衛だからだ。
なのに、ここの一連の行動は、もう自分のためじゃなくなっている。
ただ単にシンイチを護ろうとしていて、自己犠牲だなんて、一番寄生獣に遠い感情だろうに。


そうして、去っていくシンイチの背中を見送りながらミギーが呟く言葉にまた絶叫。

「さようならシンイチ・・・これでお別れだ・・・
 一番最初にきみに出会って・・・きみの・・・脳を奪わなくて良かったよ・・・・
 おかげで友達として・・・いろいろな楽しい思い出を・・・・」

ミギーは人間を説得するにはどういう言い回しを使えば心理誘導出来るかも熟知していた。
だけど、ここでの台詞は全部ミギーの本音なんじゃないか。
なのにそれを、当のシンイチだけが知らないんだぜ・・・!

もうなんちゅー展開っっ。


2人を引き話すラストは嫌だなぁと何度も言ってきましたが
そう不安を煽るような2人の仲睦まじさがあって、だからこそのこのミギーのシンイチには伝わらない想いってのが
もう最高に泣ける。

田村玲子は、死が訪れても、「それもまたそうかと思うだけだ」と言って
ある意味穏やかに死んでいった。
だけど今、死を実感して受け止めるミギーと、ミギーを失くしたシンイチが感じる想いは同種だったと思われる。
それが何より号泣するシンイチの想いをまた切なく仕上げていて
貰い泣きした・・・。

し・か・も!!

崖から滑り川に落ち、ミギーを失ったシンイチが、昔の髪形に戻るんですよね。
もう、このセンスがさいっこーにクオリティ高くって!!
シンイチが強くあれたのは、ミギーの補完であるということを、視覚的に匂わせているこのテクニック。
野生染みていきり立っていた髪形。
でも今、ミギーを失ったただの人間であるシンイチは昔の大人しそうな坊ちゃんに戻っていて、
泣きべそ。
上手いっっ!上手すぎる・・・っっ!



んで。
いきなりひとりぼっちになってしまったシンイチ。右腕を失ったシンイチ。
ここで、いきなり新キャラ老婆・美津代さんが出てくるんですが
ぶっちゃけ、この展開、いる?

ここだけは、ラストシーンへの伏線と分かっていても、ちょっとこの作者にしては強引な気がした。
美津代さんをわざわざ出さなきゃ描けないことだっただろうか。
上記しましたように、そもそも、決戦の地へミギーとシンイチが二人だけで向かうことも
それまでの展開への否定を感じる。

平間刑事とか、力になってくれそうだったのに、あの市役所制圧でもう退場???
それだけ?って感じだ。
シンイチに何かある・・・!って仕掛けた人物なくせに、ここまで引っ張って、あれだけ?
ええぇえぇぇ????

なんっか納得いかない。中途半端過ぎるだろう。
田村玲子もまた、人間の恐ろしさは個ではなく集団になった時と言わせていたのに
最後は孤独に向かっちゃうの?
なんか、少し辻褄が合わない気がした。


でも、ここで出てきた美津代さんが、おちゃめキャラなので、まあ、文句はない。
そこで、少しずつ癒されて、落ち付いたシンイチが
ミギーを失ったことを少し受け止めて
「あいつがどんなにいいヤツだったか。あいつの知力、勇気、何を取っても俺は敵わない。
 あいつこそ本当のヒーローだ」

失ってその大きさに気が付いて、シンイチもまた、ミギーを偲ぶ。
だけど、同じくそれはミギーには届かない訳で。
(でもなんとなくミギーは知っていたかもしれないけど)

離れ離れにした2人がお互いにお互いに寄せる想いが、切ないです。



村へ逃げ込んだシンイチが休んでいる間、山奥で後藤が人を喰い殺す。
この山奥まで連れてきたのはシンイチたちなので、責任を感じたシンイチは
もう一度後藤と戦うことを決意する。

一人で向かう訳ですが、ここの気持ちの変化は不思議はなかった。
解説してありましたが、解説がなくとも、ミギーを失って少しヤケになって
せめて一撃だけでも喰らわせてやりたいって思い、理解出来る。

また、ここでごちゃごちゃ弱気なことを堂々巡りさせるんだけど
それもまた、理解出来るなぁ。

だけど、やらなきゃ可能性はゼロだ!と賭けるシーンに繋がり
くわーっ!しんいちー!って思ったよ。
がんばれがんばれ。

この時点で人類の希望だとか、未来のためとか、大層な理想論を取って付けてないのも
逆に親和性がある。
シンイチの彼の中だけで完結する、自己の戦いにしているんですよね。
その意味がラストに繋がるんですが、それがすごく気持ちが良いです。


「さっきのナタがそのまま・・・邪魔だよ!!」
やっぱりちょっとクスリとさせる台詞回し。



一撃だけ喰らわせることが出来て、死の覚悟を決めたシンイチ。
次の瞬間、なんと右手に残った僅かな目玉のミギーの片割れが後藤の一撃を防ぎ
その一撃は攻撃というよりは伸縮で。

「やぁ・・・」

~~~っっ!!!!
もう言葉もないよ!!ミギー!!!
戻ってきたぁぁぁ!!!
号泣。(二度目)

生きてたよぅぅ。
シンイチの右手に戻り、スチャっとファイティングポーズ!
何だかサンライズロボットアニメのようなカタルシスを感じるが
そんなことよりくぅぅっとっくるのが、そこでミギーが後藤に言う台詞。

そもそも後藤は複数の寄生獣を取り込んだために、感情も複数あって
怒りもその数の分増殖する。
その怒りが後藤を作り上げているという設定。

そこでミギーが言う台詞。
「ヤツの体に充満する怒りの正体・・・それは脳を奪わなかった私には存在しない感情だ。
 すなわち『この種を喰い殺せ』」

くわぁぁぁ~!!!!
ここまで一貫してミギーが言ってきたのは「脳を奪えなかった」自分という表現。
だけどここで、「奪わなかった」と肯定した。
それが正解だったとシンイチと出会ってシンイチと別れて
そんな経験全てがミギーにそう言わせたのかと思うと、もう号泣。

もうそれに感動すらしてしまった。


「でも・・・まるでヤツの奴隷だったんだろ・・・・?」
「それがねぇ、意外なことにとても心地良かったんだよ」
「おいおい・・・俺ははぁ!お前が死んだと思って・・・・それがどんなに悲しかったか・・・!」
「あ、そう」
「あ、そうって・・・」

もうここの会話サイコーvvv
あんなにお互いの存在を大事に思い合ったのに、傍にいればこれかv


そして後藤編の結末もまた、グッときた。
ミギーが初めて、仲間だから殺せないと言い、シンイチに判断を委ねる。
シンイチは人間が正しいのか寄生獣が正しいのかという命題ではなく
必死に生きている者を殺したくはないと答える。

だけど、そのあと、ミギーが言う。
「地球で最初の生命体は煮えた硫化水素の中で生まれたんだそうだ」

なんてスゴイ台詞なんだろうか。
 

そもそも後藤に隙を作ったシンイチの攻撃は、産業廃棄物の不法投棄による人的被害とも言えて
ミギーは「要するに人間サマにゃかなわんってことさ」と呟いた。

この山林の廃棄物不法投棄を説明させるため美津代さんを出したのでしょうが
別にこれは、平間刑事でも充分だった気はする。
でもそれよりも、環境を破壊しているのは人間で、だから寄生獣も殺せるという方程式が
なんとも皮肉な余韻を残していて、勝利の感動を複雑にさせる。

人間こそ、声なき他者を喰い潰している生物ともいえるし
やり方が違うだけで同じだという作者の人間批判が痛烈だ。


その前提の上での、このミギーの台詞。
「地球で最初の生命体は煮えた硫化水素の中で生まれたんだそうだ」

結局、与えられた環境で生き残れるものは生き残るし、弱い者は死ぬ。
天に委ねるというのは、要は適応出来ない者は死んでいけという残酷さな訳で
そこに優しさなんか、生き残る者に失礼なんですよね。

人間一人が、善悪に考えあぐねたことなんて、そんなの塵にもならない。

なんていうか、生きてて良いのだという強烈なメッセージを言われた気がした。
もっと、自分が自分の命を尊重しても良いのだと。
同じ地球上で生きているライバルたちはみな、全力で命を鼓動させているから
生きているのだと。
手を抜くなんて失礼だし、手を抜けばこの勝ち残りに負けるだけで
だったら、思い切り生きて良いのだと、そう言われている気がして
なんだか自己を肯定されたような強烈なメッセージが温かくって、また号泣した。(三度目)

そしてシンイチは弱い者を潰す。地球上の生物だから。

その上でラストのミギーのラストメッセージ。
「だからなぁ・・・・いつまでもメソメソしてるんじゃない。疲れるから自分で持ちな」

大号泣。


人生を謳歌させるポジティブなメッセージ性を込める作品は多々あるし
命が素晴らしいと生命讃歌する作品はあるが
こんな形で背中を押す作品は初めてだった。
温かく力強い作品。

ならば全力で勢力つぎ込むとはどこまでのことを言うのか?

この作品では命を賭けているだけに、自分が生きるための殺人までを擁護してしまう危険性がある。
(そのための、浦上の存在なのだと思うが)
自分のルールを相手に押し付けても意味がないと物語は締めくくる。
生きるということについて、深く反省と熟考をさせられるテーマを綺麗に精査させてきたと思えた。
ブレない骨格は、清々しさすらある。

メソメソすんな。その言葉が胸の奥で木霊している。

生きていいんだ、もっと貪欲に、もっと全力で。
強烈なメッセージが胸に響いて、とにかく最高の結末でした。




ラストだけ。
少し気に喰わない。
だって、シンイチとミギーと別れさせる意味って何?
必要ないでしょ?
その意図が大分希薄で、ただ泣かせようとしただけなんじゃないかという打算が見える。

ここまでの展開で、最後に敢えて2人をもう一度意思疎通を阻害させることに
何の効果を狙ったというのか。
右手に遺し、後藤を殺した時点で、一人の人間が生き抜く未来を手に入れたのだ。
寄り添うという着地点を踏まえても、ここでミギーを眠らせる意図が不明瞭である。

・・・・ま、一緒ならいいんだけどさ。

宇田さんとジョーが仲良しさんでホッとした。


・・・・浦上・・・まさかラストにこんな出番とは。彼の立ち位置は一番意味深で面白いキャラだった。
でも確かに彼こそ人間である。
紛いものなく寄生獣でないという意味と、他者を簡単に蝕むという意味で、確かに人間である。
精神部分で述べるなら、彼こそが中間層なのではないか。

ラストの村野は高校時代よりはずっと可愛くなっていたけど
やっぱり最後まで好きになれないキャラなのであった。おしまい。


間違いなく、私的永久保存版作品。
中古の文庫版で揃えましたが通常版で揃えても後悔はなかったと思われる作品。
多少最後がもたついた気はしますが、ほぼ完全なる完成度でした~。
ああ、ひっさびさに漫画で泣いた。

泣ける漫画ってのは二種類ありまして、ストーリーの探知で泣かせるものと、種類で泣かせるものがある。
これは前者で、どうなるか分からないからこそ、シンイチとミギーの対峙に泣いた。
だから今はもう読んでも泣かないんですけどそれでも傑作作品。
良い漫画を読んだ。
スポンサーサイト
[ kiseiju ] CM0. TB0 . TOP ▲
2016*05*21(Sat)
寄生獣 第7巻(文庫版) 感想
何か予想外の斜め上展開に、思考が付いていかなかった7巻。
軍隊出てきちゃったよ・・・。表紙まで血に染まったか。
これまで個人戦でミニマムに治まっていた話だったので、あまりの急展開の落差にクラクラだ。

そして漫画テンプレが某漫画とおんなじだ・・・(笑)
ん~いや、この作品が20年以上前のものと考えると、こっちがオリジナルか。
どうして男って、戦地に赴く前にはセックスに入るんだ。
そして晴れやかな気持ちで戦いの地へ向かう・・・。

複合要素を入れたキャラは何故か戦いの場に己の自己実現を求める・・・。
まあ、いいけどさ。

いよいよ最終決戦だ。ゾクゾクしてきた。程良い高揚感。


いよいよ事態が人間ターンになった第7巻です。
浦上という殺人犯絡みの件は、もっとこう・・・ミギーの存在を脅かすような展開を見せると思ってたから
斜め上展開に仰天した。
もっとシンイチの違和感を追求するような形で攻撃とかされ
それを庇うために止む無くミギーが姿を現して、それをまたシンイチが庇おうとして、二人が孤立する・・・とか。
親や周囲にもバレる切欠となって、それで周りの方がようやく意識を向け始める布石かなと。

「攻撃してみれば分かる!」
「な!しまった・・!」

「ミギー、待って、おれは大丈夫だから!」
「この人間を傷つけることは、わたしが許さん」
とかとかw

違った・・・。
二人の窮地を想像していたのだが、どうやらミギーの秘密は守られたようである。

少なくとも、平間刑事にミギーが知られる展開くらいは妄想してたので拍子抜けしたのも事実だ。
浦上が例え気付けなくても、平間刑事はシンイチに何らかの違和感を感じていたようだし
シンイチの秘密を知る、敵か味方か分からない存在的な。
ここから疑っていくのかな?と思ったら、無害と思われちゃった。

ミギーとシンイチのパターンが、人類にとって最後の希望と映るような理想論に繋げられた筈なのに
物語はそうはしてこない。
姿を現し、一旦拒絶されることで、理解と共存の道筋へのステップにも成り得たし
コロニー単位での集団的な理解への布石とも成り得た。或いはその逆も。

最後は人類VS寄生獣戦とまではならないだろうが
中間に立つ彼らが、何らかのヒントを人間に与えられるのではないかと思わせられるような展開だったので
これまでの過ごした時間が、それを証明できると思ったんだけど。
そういう期待を色々してたのだが。


そうしてこなかったということは、この作者さんはあくまでも寄生獣とは慣れ合う展開は求めていなさそうだ。
そういう温情展開にはしないということか。

うん、それはそれでいい。悪くない。
ここでバラさず、ラストに孤高に二人だけで戦いに向かったことを考えると
どうやらミギーの件は永遠に公にはならないんだろう。

そういうところ、すごく好きである。
勿論、平和的展開も時には良いんですけど
そういうのって、なんだかヒーローは選ばれた者だけの特権という自慢が鼻に付いて
救われた者もまた、一部の運の良い人たちと言う隔たりが残り
世の中そんなポジティブかなと違和感が残る。


浦上の視点はまたそんな中で興味深い切り口で目を引いた。

「未知の生物ってもんがどんなことするのか、多少期待してたのによ
 何のこたぁねぇ、おれのしてたこととたいして変わんねぇでやんの」

そうだよなぁ・・・。
人間を頭から齧り付く人間はいないかもしれないが
人間を殺す人間はいる。
目的と理由が違うだけで、果たしてそれは被害者にとって何の価値となるのか。

その辺のシビアな命題を打ち出し、田村玲子の遺した「我々はひとつの家族だ」という結論を
色々考えさせられる面白い展開であった。



事態はまさかの、市役所制圧。
探偵さんの遺したレポートがこんな大事になるなんてー!
なんて派手な展開。
正に軍圧する物々しさに、表紙まで紅く染まってるゼ・・・。

だがお陰で?というか幸いというか、シンイチ個人の問題などスル―されてしまった。
あれだけ6巻の終わりで、シンイチのピンチかと引っ張ったのに、この斜め展開。
ちょっとスカされた気分。

後一つ駒が足りない気がすると、戦争の場に高校生であるシンイチを呼びだす平間刑事。
それで後藤と再び再会するシンイチ。

コツンとゲンコツ入れるミギーが可愛い~vv

「ほらもうお前のせいでばれちゃったじゃないか」と言わんばかりの仕草。
でも怒ってなくって、きっと遅かれ早かれバレるという客観論と
シンイチなら止めてもここへは来ただろうなという相互理解と。
たったそれだけのシーンなのに、二人の関係が示されてて、悶える・・・。

ベッドの上で、ぐぅ~んと延びて顔を覗き込むコマとか、すごく好き。

ミギーとシンイチの関係は、最早お互いを護る理由がそれぞれ利害だけで成り立っているとは
もう思えないような繋がりが見えて、そこが凄く好きなんだ。
シンイチを必死の護るのは確かにミギー個人の自己防衛なのかもしれないけど
それだけじゃなく気遣っているとことか。

まあ、だからこそ、妙に仲睦まじいから、ラスト泣かすために別れられそうで嫌だよ・・。
死なないでー。


軍隊と寄生獣とのぶつかり合いは、確かにえげつない戦いではあったものの
攻撃事態に目新しいものはなかった。
シンイチが昔やったように、心臓を潰せば勝ち。

ただ、スキャナで分かるっていうのは面白いアイディアだ。
じゃ、こいつら、健康診断受けたら一発アウトなんだなw
そうか~頭部は骨格も透けているのか~。

確かに6巻で、田村玲子が顔を半分失った状態で街中を走りまわりパニックを起こしていたが
あれもシュールな絵だったが(笑)
笑いを取ること以外にも、そうか、頭部に骨はないという証明でもあったか。

この漫画の、こういうところが上手いんだよな~、ほんと。
事前に出した情報を後で応用してくる。嘆息しちゃう。


戦争の中で、目新しいことは、まさかの市長広川は人間・・・。
なんとまぁ。(@_@;)

寄生獣としてミギーのように勤勉家なのではなく、なんだよ、元々人間としての演説知識だったか。
極端な思想の持ち主だったがために、利用というか、奉られたということか。
ここは流石にちょっとびっくりだった。

となると、このクーデターも益々意味深になってきますよね。
そもそも純粋な人間VS寄生獣だったのかと。
主旨が微妙にスライドされている上手さが、この戦争の場で明らかになり
問い掛けていることが、これでもかと明確だ。


そして、強さに意味を見出した後藤と、ターゲットとなったシンイチ。
怯えるシンイチは村野に縋り、ここでついに二人は結ばれる。

これもまた、面白いシーン。
普通えっちなんて、らぶらぶ要素満載で心の一致を描くのが多いが、ここは違う。
男の傲慢さと、本能的な咆哮を、性行為で表わすのは、何、昔の漫画のテンプレなのか。
これまで、どうも村野にはイマイチ共感性がなかったのだが
それが返ってこのベッドシーンの温度差を生みだしていて、上手いと思った。

愛など、あるんだけど、ない。
二人の温度は同じじゃない。

それは、生きたいという本能的な衝動は、一人の人間の傲慢な自己主張に過ぎないのだと
冷たく言い放ってもいるように見える。

自分が生きるために周りを踏み潰すのは、果たして、罪なのか?

シンイチはミギーと生きるために出来ることを考えてはいるけど
まだ社会性とか、人としての常識とかに囚われていて、ミギーとは意見が擦れ違う。
だけど、考えているからシンイチに共感出来るんじゃなくて
やっぱり、個人感情を優先させることを、それほど否定することはないんだろうなっていう
多くの人の本音を引き摺り出しているから、シンイチに同情できるんだろうな。

ミギーの意見とシンイチの意見が、表向き擦れ違いながらも
こうして事件を通じて徐々に近づいていっているのも、興味深いところ。
それが決して、お互い歩み寄るという、理性的なものではなく
戦いを見ている内にお互いの意思が変化していくという、クールさがいいんだよ。
変にベタベタさせないというか。


それをまた、ミギーとの会話の中で悟らせるのではなく
村野とのえっちの中で分からせるから、読者に与えられるのは、内向きの自己完結だ。
なんか色々寂しいんですよねぇ。
上手い。

重たい葛藤を、世界大戦とか、そんな大事な世界観にしないでさらりと描いている
絶妙な逸品だ。
もうめっちゃ気に入っている。完璧に私的永久保存版入り決定作品。

もうラスト、二人が別れることにならないかだけがもう心の危惧である。
いやだよ~~~、君のために命を落とすとか、そういう犠牲展開・・・。


それからやっぱり村野うざい・・・。「負けない」とか、簡単に言うあたりがいらっとする。

さり気なく運転しちゃうミギーv
「シートベルト締めろよ、マジでな・・・」
「ミギーいつの間に車の運転なんか」
「わたしは一日で日本語をマスターしたんだぞ」

確かにwww
[ kiseiju ] CM0. TB0 . TOP ▲
2016*05*18(Wed)
寄生獣 第6巻(文庫版) 感想
まさか田宮良子ネタがこんな・・・こんっな結末に使われるとは思いもしなかった。
すっばらしかった!です!
母親をキーワードに、シンイチの抑圧を描いているなとは思ってたのですが
シンイチの母への愛情と田宮良子の母親像を、重ね合わせていたとは想定外。
むしろシンイチにとって彼女は、強奪されたピースの抑圧や憤怒の象徴なのだと思っていた。

子供を護りながら、シンイチの目の前で息絶えた母親の田村玲子。
時が遡り、まるで今シンイチの母もここで死んだかのようにシンクロさせるシンイチの感情。
ようやく終わりが来て、ようやく泣くことが出来て。

母親である最後を見せられたことで、シンイチの中の母親神話?が矛盾なく終焉を迎えたということか。
終わらせてくれた・・・それはつまり終わらせられなかったのは
シンイチの中では終わってなかったってことで
その理由ってやっぱり、母親への盲目的な少年の寓話?が捨てきれず
そんな男の母親への身勝手な妄想の押し付けである拙さを感じさせつつも
母であることに還る姿を見せられたことで理解した田村玲子、=寄生獣の心情だと思うし。

種族が違っても、母親は子供を護るもの。
そのための死なら、受け容れられるという生物的活動なら、根拠を持てるのか。シンイチの中で。

だが、そんな理屈を飛び越え、走馬灯のように回想し、母親を見送ることが出来たシンイチが
ようやく長い長い悪夢を終えて涙見せるシーンが
まさか、田村玲子によって誘われるとは。

寄生獣によって殺され、寄生獣によって救われる。
シンイチにとって、寄生獣は生と死の象徴となりましたね。

うわーうわー。
見事なクライマックスに息を呑みました~。



第6巻。
なんとか後藤から逃げ切ったシンイチとは逆に、探偵さん一家皆殺し。
食事場を荒らされ、報復というよりは危険人物と認識されてしまった。
小さな傲慢から深入りした自業自得だよというには余りに悲しい、過酷な運命がここにある。

しかし、人間は家族を攻撃されると、強かな情が湧き出でる。
正に、シンイチのように。
この作者さんの家族と言う者に対するポジティブな視点が、今巻の特徴でした。

恐らくそれを、寄生獣戦の勝利根拠にしようとしているのかな。
今回はそんな寄生獣のせいで運命を狂わされてしまった人たちの幾つかの終わりを見せられ
読後感はかなり高い。
色々気の毒な人間描写が詰まっている。


ここから、田宮良子・・・田村玲子もまた、グループ内で異質として、排除の対象となることから
パラサイト側の連携が少し乱れているのを感じさせる。
それが、田村玲子に言わせれば
「人間は自分の頭以外にもうひとつ巨大な脳を持っている」ということなんでしょうが
私としては、その後の台詞
「問題は探偵よね。昨日までとはまったく性質の異なる存在になっている筈だわ」
の方が、寄生獣の懸念すべき盲点であり、それを見過ごしている弱点なんだなと思った。

人間が家族というコロニーを形成し、そこに投じる執念の強さを、侮っている。
正にそれが、部外者からみた人間形成の分析であり評価なのかもしれないとする所に
この作者さんの人間観察視点の温もりがある。

合わせて、探偵・倉森の一家が殺されたことで探偵に芽生える憎悪と執念。
シンイチが父親に家を出るよう告げるシーンを合わせることで
よりその効果が増してましたよね。
必死な息子の声色に何かを感じ取った父親。
拙い言葉だったのに、父親は息子の途方もない言い分を信じる。

自己を攻撃されて防御として反発するだけの寄生獣とは、少し違うというのを
田村玲子やシンイチ、そして倉森という家族を三つも出して描いているところからしても
それは言える。
非常に濃密で説得力も高い。

同時に、母親を通じて描かれたクライマックスは勿論、父親との絆も、ちゃんと描いていることが抜かりないよな~。


んで。
狙われた田村玲子。
街中を異形の姿で大暴走。
だから、どうしてこの人の作品はこう、少し、コミカルな味付けになるんだろうか・・・。
奇妙でおぞましい異生物であるにも関わらず、どこか愛着を持たせられる。

5巻のピシュンピシュンと走る後藤とかさ、なんかもうツッコミ対象ですよねぇ?

しかし、勝敗は明らかだった。
田村玲子の「三人いれば勝てると思ったのか?」から豹変する渋さは、中々本性を露わしている。
草野を倒すのに、沢山の肉片をバラまいたことで、死角を作った。
・・・これ、どこかで応用されそう。

二体に分裂し、一方を仲間に埋め込ませて時間を稼がせ、三体の連携を崩す。
中々に知能的でスマートな攻撃方法で、さすが田村玲子。

そんな田村玲子が爽快に帰宅すれば、赤ん坊が拉致誘拐。
「人間の方がよっぽど手強いじゃないか・・・」

この台詞も、既に意味深ですが
この極めて単純な手さえ寄生獣は気付かないんだなぁという、社会性のなさとか、未成熟さとかを感じさせた。
弱点部分の誘拐なんて、人間にとっては王道路線なのだが。

そして、手強いと感じることから
赤ん坊が、田村玲子にとって、弱点であると認めていることでもある。
それを用いたラストは圧巻。


探偵・倉森さんがここから人間らしく感情を爆発させる一家の主としての男を見せるシーンは格好良い。
誰に何も告げられずシンイチから聞いた平間刑事を呼び、そこで、発狂するように「ぐわわあああ!」と叫ぶ描写は
上手いなぁ。
小さなシーンですが、もどかしく、でも無力な彼の心が詰まってました。
こういう形で鬱憤表現するっていうのが、ニクイんだよ・・・。

言葉じゃない、台詞じゃない。


基本、私は母親愛が崇高で至高という考えが大嫌い。
母親というだけで無償の愛を注ぐ存在であると評する世間の風潮に苛々どころか辟易しているのですが
その母親というモチーフを使い、シンイチとの奇妙な縁を描き切った今作クライマックス、田村玲子の死は
充分に説得力もあり、納得させられるだけのインパクトがあった。
こういうのなら好きだ。

それまで不気味に大学講義なんか聞いてたりもしたが
彼女の存在哲学は、中々根源を付いてて面白かった。
その上で、「ここで終わりにするなら、それもそうかと思うだけだ」と言い残し
だけど、子供だけは護るし、子供を傷つけることはしなかった。
「おまえは不思議だ・・・」と何度も呟いていたけど
そこに親だから、人だからという理屈を付けないことが、余計、本能的な何かを描いているようでもある。

むしろそっちで正しいんじゃないだろうか、なんて私なんかは思ってしまいますが。

親だから愛しているのではなく、産んだから育てたのだ。
護る義務があるから、傷つけなかった。
彼女にとって、赤ん坊を使う理由が想定されなかったんでしょうね。
理屈がないことには、動かない。
衝動で本能のままに生きる寄生獣でありながら、そこに確かな理屈が根付いているという解釈が
面白いです。

むしろ人間が造り出した、社会的理屈の方が、なんぼか言い訳めいている。

「我々は人間に比べその行動・考え方が合理的であり、単純明快であることから
 一糸乱れぬ組織作りも容易いと思っていたんだが・・・・・とんでもない」

単純な目的の共有だけが規律を制する訳ではないという作者さんの風刺が、ちょっと皮肉っぽくていい。
社会とはなんたるか?を少し考えさせられました。
ルールを敷き、我々人間社会は一定の組織を作っているようで、それは利益目的の企業とはやはり違う。
社会の統一性って何だろうと思う。

そこに、見た目は普通の異物が混入する。
あれ、それって、通常社会と何が違うの、と思う。

色々深読みすると、この漫画の言っていることは奥が深くて鋭利だ。

田村玲子の言い分は本作全体に於ける明確な骨格の象徴でもあった気がして
ここまでかなりの太柱を担ってきてました。
あっぱれ!です!

そんな彼女のラストの描き方も、これまた最高で!!!

この見開きで描かれる、平間刑事とシンイチと田村玲子の対峙シーン!!
言葉もトーンもなく、ただ、簡素で平素な長閑な公園風景が、なんともど迫力。
素晴らしい。

ここから始まる数ページは正に神がかってた。


探偵・倉森さんの遺書とも言える渾身の一作・レポートで、ある程度情報を得られた平間刑事。
「広川には知られてないな?!」と問いかけていることからも
そうか、ラスボスは広川ってことなのか?

だが、シンイチがここにいなかったら、田村玲子がパラサイトであると確信を持てなかった。
そりゃそうだ、見た目は普通の人間なんだからな。

「池田くん、君はなぜここにいる?君が以前と同一人物なら私の名前を言える筈だ」
「あなたこそおれの名前を忘れたんですか?・・・平間さん」
「あっちはどうやら人間のようだ・・・撃つなよ」

シンイチが本物であることを、名前を言わせて確かめたシーンも、ニヤリとさせられた。
敏腕刑事さん!
彼の存在はちょっと出じゃなくて、もしかしたら、最後のシンイチを救う理解者、存在になってくれるのか?

んで。
「全員、この一発、よおく見極めろ!すべての責任は私が負う!!」

くぉぉぉ~~!!!
額に向けて一発!

「お見事・・・・正解よ・・・」

かーっけえぇぇ!!!!
どっちも!!

撃たなければパラサイトかどうかはしらばっくれられたら終わりだからこその、この一発!
こんなシーンで描いてくるなんて、痺れたよ!!
それに見合うだけのキャスティングだよ!!


銃弾を大勢の刑事に撃ち込まれ、ただ赤ん坊を護ることだけに専念し、攻撃をしなかった田村玲子は
その赤ん坊をシンイチに託して、絶命する。

それを受け取ったシンイチがまた、赤ん坊とシンイチの母親の死がリンクして
ここにきてようやく涙を流して・・・・

うわーっ。ああぁあぁぁぁ・・・・・。
それをまた、台詞もない、コマだけの連投で表現している、この情景的な抒情性。この憎さ!
静かに繰り返された回想に息を呑みました。
数ページ、無台詞ですよ、効果音すらないんですよ。くっそたまんない。
なんてシーンなんだ!


まさかシンイチの母親が死んだことを、こういう形で涙に繋げてくるとは、思わなかった。
物語の感動や感傷を、シンイチの胸の傷と重ね合わせてくるのも、やられた。

圧巻!
その後の後処理なんて、確かにこの劇的末路に比べたら、残り火のようなもの。
だからこそ、言葉なく、それこそエンドクレジットで流しているような劇場型演出に、言葉もない。



ミギーとシンイチ!
冒頭の一緒に逃げる会話、さいこー!

「ドロボーも上手だぁ!」にはウケた。

一生懸命シンイチを説得しようとして正論ならべていくミギーに
「でもドロボーでしょ?」
「うん」
www

それ以降、今巻は二人の会話はそれほどなかったが
やだな、なんかこの流れだと、最後二人別れるとかにならないだろうか・・・。
シンイチの体内に三割残っているからこれからも一緒だエンドだけは、私の涙腺を崩壊させるぞ・・・。

なんかすごく、嫌な予感がしてきた・・・・。

この二人には、そして、宇田さんとジョーには、一緒に添い遂げる未来を用意して欲しいなぁ。
別れるなんていやだ・・・・。


・・・のうらで、村野里美がウザイ。
この女、本当に邪魔なんだが、なんか意味あるキャラなのかなぁ。
どこに魅力あるかも分からないので、ちょっといらない。もう少し好感上げる描き方をすれば、シンイチのヒロインとして
傍にいることで本筋の余韻を補足できたのに。

シンイチが泣いているシーンで、わざわざ近寄っていくずうずうしさに萎え。
何こんなときだけ偉そうに近寄ってくんだ。何様だ。涙に浸らせてやれよ。
シンイチの平和な時代の象徴なんだろうけど。
[ kiseiju ] CM0. TB0 . TOP ▲
2016*05*14(Sat)
寄生獣 第4巻/5巻(文庫版)感想 
えぇ~そういう展開になっちゃうのか!?まさかのシンイチの取り巻く環境変化に目が釘付けでした。
もっと狭い範囲で戦い、人脈を増やしていく方向性かと思ってた。
心が乾いているとか、響かない、涙がないという布石を、重要ポジを殺されることで、更に煮詰めてきましたね。
一気に熱が締まる中盤戦です。

4巻は大きな目で見れば繋ぎ(消化展開)に見えますが、次のステージに行くには重要な布石でした。
んで、5巻がめっちゃ面白かったー!
面白かったー!
誰得!俺得!涎垂展開てんこもりっ!
顔がニヤけるわ吹くわ燃えるわで盛り沢山ですよ~!サービス巻すぎる!


それだけでなく、この漫画って、本当にプロットが絶品である。
「AはBである。故にCである」っていう三段論法が絶妙だと思う。

大抵の漫画って、●●は××である、で終わっちゃうことが多いので
それを更に活用させてくるとことに、もう羨望すら感じてしまう。
自身のアイディアを発展させてくるって凄いです。
脂乗ってるってこういう感じを言うんだろうな。プロのすごさに感動です。こういうの大好き。
スゴイです!



まずは4巻。
この巻は私にとっては加奈ちゃんが死んじゃったことがびっくりでもあり、意外でもあり
それ以上でも以下でもない巻。

割と好きなキャラだったのになぁ。加奈ちゃん。
面白キャラだったのになぁ。加奈ちゃん。
正直、村野より好感が持てる女の子だった。

特に3巻の終わりから4巻序盤にかけて、明るく陽気な性格が楽しそうで
シンイチとの会話もポンポン衒いなく弾んでるし、その仲が微笑ましいやら、可笑しいやらで。
恋のライバルとしてもっと頭角を現してもらっても嫌悪感なかったのになぁ。

まあ、確かにそこまでの雰囲気じゃなかったかな?
色々とこれからって感じで終わってしまいましたね。
それがまあ、淡い切なさを齎してもいました。

王子様の夢見て笑ってるシーンとかもすっごく可愛かったのに
もういなくなっちゃうなんて衝撃です。残念。
この漫画はある意味、誰が亡くなっても可笑しくないわけか。うー。


皮肉なのが、この巻でシンイチは村野とカレカノになれたのに
そんなことよりも加奈に持ってかれちゃう村野・・・・。負けてんな。
でも手に入れた者勝ちとも言う。


で。
この加奈の、冒頭の夢がまた、可笑しい。
王子様が白い馬に乗って迎えに来てくれるお姫様願望。しかも何故か裸だがw
高校生の女の子妄想らしい内容に、自分で突っ込んじゃう照れ隠しも年頃って感じであったが
その白馬の王子様ネタを使って、まさかのラストの死期を描いてくるとは
ここはちょっと上手く繋げられたって気分です。

女の子の夢を描きたかったのか、王子様が=将来的なヒーローを暗示しているのか。

いずれにしても加奈にとっては護ってくれなくても、紛れなく王子様=初恋だったんだろう。

可愛いラストで(って言い方もどうか)盛り上げてくれました。
その痛みもまた、受け取れないシンイチ。
これまでの、涙が出ない、とか感情が直ぐ落ち付く、とかいうよりも
救えたのに救えなくて
自分のせいで巻き込まれて、という不甲斐ない状況が、よりシンイチの苦しみを描いている。

これは定番の悲劇ネタであり、その王道そのものなのに
なのに、涙が出ないシンイチ。
荒れちゃうシンイチ。

救おうと必死だった前半を比べて、確かにちょっと可哀想になった。

折角のシンイチの胸の傷になりそうなこのカット、実はちょっと勿体ないと思うのが
加奈が刺されるシーンの向き。

目撃して、背中を見せて倒れたんだろうに、その直撃シーンを「加奈の正面」から描いているのが
何だか変。
しかも少し重心が後ろなのも違和感。
だから見た目の流れでは、寄生獣の勢いが削がれてしまって、スピード感がない。

刺殺の衝撃を描きたいなら、その反動で身体は前のめりになる筈で
これだとまるで前から刺されたようだった。
なのに、うつ伏せに倒れ込むわけで、なんか流れがコマ切れとなってる。

え、ここ、ワザとなのだろうか?
ワザとだとして、じゃあ、それにどんな意味があったんだろうか?
ここの作者さんの主張がちょっと読み取れなくて、う~~~~ん???って感じてます・・・。
気になるのはそんな些細なことぐらいで、あとはもう素晴らし過ぎた!



私的メイン、シンイチとミギーの関係!
ここはもう、可愛くってもう、どうしてくれようーっっ!!すっげ可愛かった!

今回はちょっと仲が揺さぶられてまして、悶えました。
お互い秘密を抱えようとして、だけど一心同体だから色々考える。

こういうの、私的にツボるんですよ!
やんちゃで子供っぽいパートナーに振りまわされてたじろぐ主人公的な。


「やっぱり・・・やっぱり言うよ。君を敵にすることはできないし・・・」

そういって加奈の能力を高まったことを正直に話すミギー。
シンイチを助けたことで4時間のウィークポイントが出来てしまったミギー。

「なんでそのときに・・・!」と詰め寄ろうとして
自分も嘘を吐いていたことを顧みて動揺するシンイチ。

な~んかさ~、もう想い合ってる連帯感が堪らないんですけど。
いいコンビじゃないか。
ニヤニヤしちゃう。

個人的にめっちゃこのシチュに弱いので
もう全体的にミギーの行動が全部可愛く見えて仕方がないvvv

シンイチと一緒に路上テレビ見て、シンイチが立ち去ろうとしても
右手だけが伸びててミギーはまだテレビ見てる・・・・とか
目玉だけデカデカと変形して「シンイチ」って呼ぶとことか
そんな些細なシーンに激萌えでした/////

くっそたまんない。

自室で、見た目は独り言になる会話をしてるって指摘もいいですね~。
シンイチって呼ぶ時、耳にバチンと当たるアイディアも面白い。
そうか、人前で声出さないようにしてるんですね。

「それ脅してるわけ?」
「うん」
「・・・・ほんっっと情の欠片もない!!」
「だからそうだってば」

とかとかとかvv
二人のやりとりに終始悶えました。


そうやって夫婦漫才繰り返しつつ、加奈に真実を言うか言わないかの事態が
結果、最悪な形で幕を閉じる。

シンイチは前巻辺りから、人間感情が薄れているような気がするということを頻りに気にしていて
その辺の葛藤にもページを割いている訳ですが
ここで否定派のミギーと意見が分かれることで、一旦、嘘を吐く。
だけどミギーが正直に胸の内を話した態度を見て、嘘を吐いたことをちゃんと告白する。
加奈を助けようと、必死に模索する。

この漫画で言う人間的感情が具体的に何を指すのか明示されていませんが
少なくとも、こんな風に相手を思いやれる存在は、充分人間だと思える。
わざわざそれらしいエピ入れなくとも、こういう所でシンイチの優しさとかちゃんと透けて見える訳で
気にすることじゃないなって思います。


一方、重要ターンだと思う理由は、ってか総ツッコミしたいのは
そりゃやっぱり市長選に出ている寄生獣でしょう。
おいおいおい。マジか。

ここは流石に、え?だよ、えっ!?

目立ってどうする。メディア進出して安全な地位を獲得したいのか。
それとも、人類を思考から制圧したいのか。

でも一朝一夕で何が出来る。
浅知恵だな、という印象が強かった。
できればもっと伏線引いてから展開して欲しかったところですが。

食事場の調達の不便さという理由だけで、この政界進出は、ちょっと飛び過ぎな気がしました。
元々、人間を支配したいという欲望があからさまではなかったので、余計唐突過ぎる気がする。

でも、ミギーの様に人間社会を着々と勉強し、彼らがここまで進化してきたのかと思うと
ミギーじゃないけど、その進化速度には確かに背筋が凍るものがあった。
この世界観の怖さが出ていたかな。

あれだ、人工知能の進化で機械に人間を乗っ取られちゃうあんな世界観の恐怖に近い。
マトリックスだのターミネーターの世界だ。


ってことを越えて、いよいよ5巻ですよ!最高な5巻ですよ!

シンイチが一度死んでしまい、それを蘇生させた辺りから、少しギクシャクしてて
でも男同士って、明確に仲良くなんかしなくて
その微妙な空気感のまま、父親のことで団結してきたシーンも燃えたが
4巻ラストで、加奈の死が、ミギーの姿を見られてしまったことで、名実共に攻守交代。

そうか、加奈の件はこの布石だったのか。

記者に襲いかかるミギーを必死に止めて
「おいっ、あんた逃げろ!早く!何やってんだ、走って!早く!」
っていうシーンが凄く良い。

ここ、やっぱりミギーを制御出来んのはシンイチだけだなと確認。
うちの子は暴れん坊で・・・そこが可愛いんだけどっていう、どうでもよい妄想が広がった・・・(爆)
同時に、ミギーは自己防衛なんだけど
シンイチを護るためなら何でもしてくるそれが、愛情に見えて悶える。
こういうの、狙ってますよね~。

シンイチとの主従関係を丁寧に描いているのが、この漫画の土台でもある。

んで、それだけはダメだというシンイチと、「生かしておいたらこっちがどうなるかわからない」というミギーと
文字通り押し問答。
力任せに引き合って、そして
「つかれた・・・・」

んもぅ、なにその可愛さ!
くそぅ、ミギーが可愛すぎる!残虐性を匂わせようとしているシーンなのだろうが
私には可愛く見えて仕方がない。

その後、ミギーを捨てて真実を話すか?ということにまでシンイチの思考は発展し悩むが
結局、見捨てない。
なんか明確な言葉を交わさなくても、お互いの存在感は強くなっていることを示していて
そういうあざとさがないのが凄く好きだ。

その後、口喧嘩するのも良かった~vvv
村野に真実を告げられなくて、結局少し荒れちゃうシンイチ。
拗ねちゃってw

ベッドの上で拗ねてそっぽをむくシンイチに、ぐぅんと伸びて顔を覗き込むミギーが、慰めようとしている感じv
細かなセンスがこれまたイイ。

で!で!
宇田さん再登場だー!!うはー!!わー!わー!大興奮ーっっ。

ほんと、彼の存在に私も癒される~。
シンイチの唯一の安住地ですよねぇ。
久々に、まさかの宇田さん登場です。

宇田さんには包み隠さず話せるから、シンイチも心強いだろうなぁ。
また、宇田さんのこののほほ~んとした顔がさいこー。

パラサイトくん。性格がまたやんちゃで。
「そうだぜぇ、冗談じゃねぇよ、こっちはいい迷惑だ」
「あ・・・今の僕じゃないからね」
「・・・はい」

名前がジョーになりましたv

屋上で懇談会な4名。
ミギーとジョーくんの会話がまた、たまらん。

「ともかくその男を殺さずとっ捕まえるとして、ツラは分かってんだろうな?」
「よーく覚えている。こうだ」
「なるほど・・・・覚えた」

お互い変形してみせるんだんぁ。
そりゃどんなコピーより精密。彼らはコピー能力に優れているから、成長も早いのかもしれない。


んで、その後、計画通り探偵さんを捕獲に成功。

「だがそっちの奴はなんだ!かっ顔の形が不自然だぞ!」
さり気なく顔を変えられる宇田さん。便利だな。


ここで、お互いの宿主を護るために、意思疎通や共闘出来ちゃうミギーとジョーがめっちゃカッコイイ。

「こいつやっぱりぶっ殺そうぜ」
「そうだな」

一瞬にして刃物に変形し、ぐわっと宙に伸びる触手。
なにそれ、カッコイイ!
そして、ビビる探偵さんの脚元に、同時に突き下ろす!
まるで侍のようなその威嚇は、ミギーが手前でジョーが後ろ。
そのコンビネーションの上手さ!

寄生獣らはみな俺が俺がばっかりで、こういう団体行動的な協調性に欠けているのに
この二人は社会的行動が取れるわけか。
これ、やっぱり強みだと思う。

「ふん、自己犠牲が聞いて呆れるぜ」
ジョーの台詞は一々影が無くて清々しいや。

「テレビでやってた通りだぜ探偵は依頼主の名前を絶対言わない」
相変わらず見てんのかw

一方ミギーは会話術も学んだらしく、真っ向から攻めずに交渉戦。
人間を説得するにはどうすれば手っ取り早いか?
ああ、なんか、国政選挙に出てきた奴らの補足にもなっている気がした・・・・。

正面から戦っていてもマイノリティな自分らは不利だと悟ったのかもしれない。
面白いですよね。
力は圧倒的なのに、武力で人類は制圧出来ないと皮肉ってもいるようで。

しかもここで、名前に無頓着という笑いのネタだったものが
それを発展させ、名前が無頓着なのだから、姿を変えても似たような名前にしている筈、と展開。
田宮良子の存在を、探偵に匂わせた。

なるほど~!そういうことか~!


三段論法が素晴らしいって上記しましたけど、それが正に目事されているのは、こういうところですよね。
例えば
ミギーは分裂出来るって題材を最初に提示し、だからシンイチの身体に3割残ってしまったという理由を付け
それを展開して、髪の毛を抜けば寄生獣かどうかを見分けられるという設定に。

更にそれを用いて、4時間の弱点を付与した挙句
細胞がシンイチの中にあるから、シンイチが少し中間体として創造し始めたという物語の恐らく中核へ。
肉体的な変化で解説。

また、ミギーの付いた腕は伸びるということから、シンイチが眠っている間
いつも本を読んでいたが
それを用いて、伸びる腕=シンイチを引っ張る。
つまり空中移動へと繋げる。

そして今度は名前だ。
無頓着だから、推理し易い。

プロットが巧みというか、自分が構築した世界観を熟成させているというか。
漫画家さんやクリエイターさんはここまでしてほしいよなぁ。
こういう自分のネタを大事にして、更に発展させていくっていうスタンスは
最近の少年・少女漫画じゃ見掛けない。何かの理想を見た気分である。


「でもいいなぁ、ミギーは。上品で」
「え??」

宇田さんに言われちゃうw
それはとんだ誤解だと言わんばかりのシンイチがウケるw


そんな5巻冒頭1話。
1話だけでこのボリューム!満足感てんこもりですよ!

その探偵さんと知り合ったことで、深入りするなというのに深入りしてその被害がまたもやシンイチに。
助立ちに入った筈が、奴らの食事場で暴れてしまったことで、追われる身になる。
展開が実にスムーズだ。

探偵さんの言い分も、分からなくはなかった。
自分だけが知り得た情報で人類が救えるのなら、名乗り出るべきだという、手浅い正義感も
ただ他人事と思っている内は口に出来る。
だが、バケモノの戦いを見せられて、分不相応であることをようやく感じ取った探偵は
シンイチを付き話して去っていく。

シビアだけど、これが人間社会の自己防衛であって
だからこそ、より寄生獣との絆を慣れ合いではなく協調してしまったシンイチとミギーの関係が強調される訳で。


そして、ここから始まるミギーとの協調戦線が、完璧に私の心を鷲掴みました!
めっちゃ好みの展開!
もう一生この漫画に付いていく!!(永久保存版決定)

ああ、つまり、探偵さんの件は、強固なタッグへの鏡像だったわけですね。
上手いなぁ。


相手が一匹の時は
「君はせいぜい動いて相手の攻撃を避けていればいい。いつかみたいに素手で倒そうなんて思うなよ」
「それで勝てるのか?」
「いいぞ。中々良い動きだ。これなら馬の差で勝つな」
「誰が馬だって?」

頭っ////頭の上にぴょんと乗ってるミギーvvv
くっそ可愛い!
どうしよう!ミギーが欲しい!

眠りに入ったミギーに頼るしかシンイチには戦う術はなくて。
「ミギー・・・ミギー!」って手の平に呼び掛けるシーンとか、最高。

「そんなことくらい予測できなくてどうする」
「ああ悪かったよどうせ俺は馬鹿ですよ!」
子供みたいな喧嘩も始めちゃう。

「とにかく移動を続けろ!直線的にだ!」
「大阪まで行っちまうよぉ」
「新幹線じゃないんだから」
何この会話w


ここで表れた敵は本当にバカっぽくて、絶対これ、ウケ狙ってますよねぇ。
だからこそコミカルにシンイチとミギーの繋がりや会話が浮き上がり、そのさじ加減が絶妙です。
バトルシーンも奇抜さを恐怖ではなく規格外ということだけアピールして
スピード感良く練られてて、のめり込みました。

ピシュンピシュンと走ってくるコマとか、マジで吹いたんですけど。
何のギャグさ!


びよ~んと伸びた腕で、走っているトラックに乗っちゃう。
「乗るぞ!」
「えっ?」
ガー
「う~~、びっくりしたけど今の乗り方ちょっと気持ち良かった」
「二度とやらん」

だからさ~台詞のこういうツボった感じがもう絶妙なんだって!
一番欲しい台詞が選出されていて!
とにかくこの漫画ってほんと、台詞が激上手いです。
一語一語無駄がなく、全部が面白い。

しかもこの乗り入れシーンは、前巻のミギーがシンイチを引っ張れる、というテンプレの応用ですよね。
また、一つの事案を先に提示して、それを後に応用する。


こんな負荷の掛かった世界観を描いていても、ご本人はもしかしたらひょうきんで明るい御方なんじゃないだろうか。
絶望的な展開で始まった物語ですが
この巻に於いては、未来も幸せがきそうなテイストで、非常に楽しめました!


・・・・けど。
一方で、こんな睦まじい展開みせられると、あれ、これ、別れの布石?とか少し別の意味で不安になってきた・・・。
シンイチとミギーのひと夏の冒険的なラストはやめてほしい・・・。
[ kiseiju ] CM0. TB0 . TOP ▲
2016*04*11(Mon)
寄生獣 第3巻(文庫版)感想
文庫版の表紙は単なるイメージ写真かと思ったら、ちゃんと中身とリンクされている!
・・・ということに気付いた第3巻。
なんかシンイチがスーパーになっちゃうのと、その他の良くも悪くも変化を始めた身体の説明巻・・・?
ってとこですかね。
何気に寄生獣について、その性質と特徴を盛り下げているのが面白かったです。

それを可能とするための機関が、政府など国の機関ということで
彼らの既知事実と、彼ら大人が対応していこうと模索する側面は正直物語に重みが出てきていて
シンイチ一人じゃどうにもならなくなってる幅広い世界観と未来が伺える。

特に、序盤で去った田宮良子の命令で学校に侵入してきた男を切欠に
最終的にマスコミ世間を騒ぎたてるまでの大惨事を引き起こすまでの展開が、スムーズで魅せた。
コイツ、結局利口そうでバカで終わる。

それを倒す切欠を作ったのが女子生徒って辺りも、ユニークでした。

女性だからこそ、男には無い発想で、力では敵わないし、刃物持っても駄目だしと
工夫を凝らして、まさかの硫酸!
硫酸ときたよ!
酸の中でも強烈なヤツだしてきたー!
安易に苛性ソーダとかにしない辺りが私のツボを付いた。

いっそ硝酸も加えて王水にしてやりゃー良かったのに。


襲われそうになって、物理攻撃ではなく、硫酸を投げ
それを切り裂くことで中身が寄生獣に噴出。

なんていうか、生物である以上、細胞を攻撃すればそりゃアウトである。
この発想、めっちゃ面白いー!


また、ラストの人間に切欠を掴ませるファクターとしての、細胞分裂の話が
三種類展開をされていることも、私的には大満足な部分。
この作者さん、ホント発想の展開が奇抜である、

まず一つめが、ミギーが可愛く説明してくれて、70%になっちゃったクダリ。
細胞は分裂することが出来て、命令を統一させることで一個の個体を成しているとの話。
だけど、細かく分裂しすぎると、IQが下がって、唯の物質と成り下がる。

それを展開して、硫酸を掛けられた寄生獣が、色々な思考を混在させて意思系統が乱れてしまうこと。
人間の動揺とは違う別個体の集合体であるかのような連結遮断が面白かった。
それが結局、敗因となる訳だし。

おまけに動揺というキーワード繋がりで
シンイチが僅か数十秒で精神統一したクダリは意味深でした。
人間という生物の、社会成長に於ける精神的な高等さを描いている気もする。

んで、それらの伏線を繋げて、ラストに、髪の毛を引き抜けば、細胞がやはり同様に意思分裂するので
逆にそれが寄生獣と人間の見分け方にもなるというオチに繋がった。
その説得力の高さは当然ハンパない。


あ~も~なんかすっげぇ漫画を読んでる気分だよ!
面白すぎるよ!
なんていうか、一々人間とはどういう生物か?という哲学的な問いを語り掛けられている気分である。


・・・が、校内で内臓ぐちゃぐちゃの大量死体は、ちょっとグロすぎた・・・・。
見開き効果も秀逸すぎである。
カラーで見たら泣く。


その他の細かい感想。
シンイチとミギー。
・・・の夫婦漫才が面白い。
ここは相変わらず、健全な協力関係が築かれていて、微笑ましい限りである。

村野にフラれて落ち込むシンイチをミギーが慰めるような台詞を言ったり
「あれ?ミギーもしかして慰めてくれたわけ?」
「・・・・・そうなるかな?」
ってクダリとか。

大量の死体を見て、愕然とするシンイチを必死に落ち付かせるミギーとか。
「大丈夫だ!君は大丈夫なはずだ!」

「少し落ち付け、もっと平和主義になれ」とミギーに言われちゃうシンイチとか。

むしろ今回は、そんなミギーとの関係図よりも
寄生獣との距離感の取り方を意識させる流れなので(政府も含め)
より、シンイチの異質感が際立ってまして、その分、ミギーとの距離感があったかい。

私的にはオイシイんですけど
この展開だと、なんか、悲惨な結末しか脳裏を過ぎらないので、読んでてブルー入るんだが。
なんか微妙なテンションを強いる漫画である。


ラスト。
ケジメだと言って、遠方から寄生獣をシンイチ主導で殺すシーンは
スーパーすぎて、むしろ怖い。
これだと、シンイチだって恐怖の対象と見られても仕方ないし、バケモノと言われることに無理もなくなる。
え、ここまでシンイチ視点で感情移入させて、シンイチが破滅する物語なんかにはしないでくれよ~・・・。
どきどき。

村野をスーパーに助け出すシーンは王子様さながらで「もう一丁!」って塀を飛び越えるシーンに吠えたvv
姫だっこかよ!!/////
別な意味でどきどき。


そんなシンイチがスーパーになりすぎて、人間という生物を一線を画しているのではというテーマは
シンイチ自身にも掛けられる。
この辺がこの漫画の隙のない部分であり、気に入っている部分なんですが
それを描いたつもりなのであろう、冒頭の1話は、ちょーっとどうしちゃったのレベルで
ちょっとびっくりした。

この話だけ浮いている・・・。

死んだ子犬をゴミ箱に捨てたことで、人間とは違うという内容を訴えていますが
小学生の男の子ってみんなこんなレベルじゃないか???(流石に犬は捨てないか?)
でも、このくらいで?とは思った。

ただ、ふと思い起こすのは、確か1巻あたりで、シンイチはゴキブリを手掴みして窓の外に逃がしていたから
あのシーンを思えば、ちょっとオカシイと言えるのかもしれない。

だが、人間には記憶があるだろう。
シンイチが、そんな自分をみた村野が怒って逃げてしまったことの理由が分からなくてミギーに問うのだが
(ここもシーンとしてはちょっと悶えたがvv)
自分の発言の客観性って思考はないのか・・・・。

「ミギー!ミギー!」
「・・・なに?」
「聞いてたろ?どこが間違ってたか分かるんなら教えてくれよ」

そんなの過去の記憶を比較したり、社会通念を鑑みれば、普通に導き出される答えである。
なんかこの漫画にしては強引すぎる1話でした。

それに、こんな話にわざわざ1話割かなくても
シンイチの人間的な感情というものは随所に盛り込まれていて
人に対して傷ついたり、悩んだり、見捨てられなかったり、助けたり。
細かい部分で人間だよって充分感じるので、返ってしつこく感じてしまった。


あと、印象的だったのは、父がシンイチに初めて母の死を告げるシーン。
敢えて台詞を被せずに、解説だけでそのニュアンスを伝えた手法が、胸を締め付けられました。
感情的に伝えない分、返って深刻さと鋭さが感じられて良いコマでした。


本当に無駄なページがない展開で、何度も読み直してしまっている。
こんなにリピする漫画は久しぶりだ。
[ kiseiju ] CM0. TB0 . TOP ▲