Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
09≪ 2017| 1234567891011121314151617181920212223242526272829303110/ ≫11
--*--*--(--)
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ スポンサー広告 ] . . TOP ▲
2015*12*20(Sun)
破裂 最終回 感想
ドラマ後半の佐久間の訴える誘導された先の世界の異様さを克明に描き
行儀の良い老人社会の正義論をこれでもかと突き付けておきながら
このラスト!

医者の傲慢さと、政治の身勝手さが、お年寄りの本音という当事者の上で、まるでオセロのように最後に裏返って
何とも後味悪いっていうか、カタルシスもないっていうか
だけど妙にシビアな現実を嘲笑われたというか!

とにかく、トンデモナイ終わり方だった。
素晴らしい。こういうの、嫌いじゃない。




>最終話 未来とは今日である。救済の日とは今なのだ  ウィリアム・オスラー
終末期に対する様々な事例を挙げるように、幾つかの家族を深く掘り下げながら
死ぬという人間の終末期を問うてきた本ドラマ。

最終話は、佐久間の進めるプロジェクトが軌道に乗り始めた事で
世界が死を肯定的に捉え、まるで操られたかのように、死生観を美化した世論が形成されていく。

その一方で、これは殺人だと、ヒーローの如く、戦い始める香村。
全てを奪われ、ゼロになった状態からの復活劇を見せた前話は、まるで香村こそが
この行き過ぎた正義の、最後の砦のように描かれた。

佐久間を止めるのも、佐久間と良く似た人間である香村しかいない・・・!


・・・ってしておきながら
今回蓋を開ければ、崩れていく佐久間の失脚舞台は、まるで佐久間こそが聖者であり
人ごとのままの政治家たちの本音まで、無情に浮き彫りになり
あんなにも親切面しておきながら、手の平を返すように、老人たちの真の幸せを願う他者は、消失する。

もう誰も佐久間の声を聞かない。
佐久間の声は届かない。

これが、現実である。
政治家が幾ら気取って社会正義を唱えてみたところで、ブームが過ぎればそんなこと
まるで無かったことにされる。

利潤の生じない戦いはしないんだよ。誰も。
そんなこと、どーでも良いのだ。自分の立場と支持だけが、大切なのであり
一時、まるで神の如く、弱者に手を差し伸べる偽りの顔をしてみせただけなのだ。

そこに、真実だの、真の優しさなど、存在しない。

そんな当たり前の社会正義を、実に生々しく描いて見せたのは、皮肉にも面白い。
そんなの、誰もが分かっていることなのにねっていう作者のあざとく痛切な社会批判が聞こえる。


また、それより面白いのは
ここで、佐久間が断末魔のように叫んでいた内容だ。

佐久間がここで本気で叫んだ内容は、今までの人を食ったような作られたレポートではなく
佐久間自身にこそ、あのふざけたパフォーマンスの裏に本当にそういう信念が先に合って
その上で〝頭を使って〟選りすぐったプロジェクト提案だったのだということを
ここにきて、心の叫びと共に知らしめた。

前回から、当プロジェクトを異様な雰囲気で演出していることや
佐久間自身が鬼気迫る表情をしているため
流れとしても
観衆として着席していた政治家や記者らと同じように、佐久間の言っていることは最早
世迷言のようにしか、響かない。

響かないのにー!


何この説得力。
なんだろう、この鬼気迫る白熱の弁論はっ。

ここの佐久間の崩壊クライマックスは、とにかく絶品だった。


本当に佐久間が訴えたことは、全部異常だと思えたか?
本当に佐久間が言っていることは、全部世迷言だと思ったか?

多分、多くの人が感じたのは
佐久間が言っている事の方が、真理を言い当てているのではないかということではないだろうか。

「時間がないんだ!誰がこの国を救うんだ!
 私が人生賭けて考え出したこの法案より良い案があるなら言ってくれ・・・!」


真に、これからの老人社会問題に向き合い、彼の意見に真っ向から反論することが出来る人間が居たら
お目にかかりたい。
彼の問いに応えられるだけの成熟した社会を作り出せる術が、他にあるなら言って欲しい。

佐久間の言っている事は理解の範疇だし、ある意味正しいのだ。
生きている事と、死んでいない事は違い、家族に迷惑をかけるくらいなら、と思っている人は多い筈だ。
介護にほとほと疲れて、もう終わりにしたいと思う老老介護もまた、現実である。

人の尊厳を貫く為の選択肢は、今後ますます潜在化してくる筈だ。



そしてそしてっ!
何より凄いのが、そういう佐久間の必死の訴えを描くこのシーンが
佐久間の方を狂人というスタイルで演出されている中で叫ばせていることだ・・・!

もう誰も耳を傾けない。
もう誰も彼に付いていかない。

力の無くなった者に容赦はない。
壇上で、勝ち気に演説していた今までの圧倒的な支配者ではなく
必死に胸の内を訴える佐久間。

佐久間が一人自信たっぷりに演説するという何度か繰り返されたシーンなのに、この差!!

佐久間の真意も言動も、実は1話から何も変わっていないのに
ここにきて、狂気の側が反転することで、佐久間の意見も回転するところが面白い。

ここではまるで、本当に狂っているのはどっちなの?と、かなり辛辣な問いが投げかけられていた。


それを台詞や音楽などの演出効果ではなく
シーンとして、話の流れで雰囲気に乗ってやっちゃった所が、逆に圧巻なわけで
スタッフのセンスの良さが光ってました~。

それをまた、佐久間役の滝藤さんが、これまたものっっすごく圧巻の演技力で魅せてくれてっっ。

ここは感動という他ない。
ダイナミックさという訳ではないのですが
あんなに堂々たる威風を備えていた皮が剥がれ、怯えたような、小物臭を漂わせた
本当に力もない一国民の断末魔という緊張感を漲っている!
単なる叫びじゃないんですよね。
今までの小生意気な口調とは少し印象を変え、声色も高めにしてあって
切羽詰まった感が、痛烈に感じられました。

一瞬顔を上げるタイミングを遅らすとか、細かな動きが本当に繊細で、正に人間がそこに居た。


佐久間役は、当初、香村の最大の壁というキャラなら
このきゃんきゃんした演技は合わないのではと思っていたものですが
それが、こんな成長を遂げようとはっっ。

単なるライバルではなく、社会批判と世論の逆転を体現するキャラだからこその、この性格だったんですね~。
ふわぁあぁぁ~・・・・・スッバラシー!納得!です!!


役者さんで言えば
佐野史郎さんの芝居どころがほとんどなかったですが、その存在感の強さが圧巻でした!
何て贅沢な使い方・・・!

しかも最終回は、更にどっしりとした存在感がハンパない。
目線一つで、佐久間を切り捨てた張本人だと知らしめ
目線一つで、切り捨てた相手の部下を貰い受ける。

くをー!くをー!男の世界ー!!

このドラマは、一流の役者さんが一流の演技を擦り切らして勝負している、そんな印象を受けたドラマでした。
全員ではなかったですが、ほぼ演技派のベテラン勢で固めた脇が重厚です。



更に更に、このドラマはそれだけじゃ終わらない。

次々と去っていく支持者たちの群れと逆行し、会場に最後に唯一人残る香村。
似て非なる二人は、いがみ合い、思考をぶつけ合い、決して交わることはないままではあったが
このシーンは、実は香村こそが一番、佐久間の意見に真摯に受け止めていたとも言えることを
左右からフェードインするだけのカットで臭わせる。

佐久間の危険思想を唯一人気付き、そのために犠牲になってきた香村だからこそ
皮肉にも、一番佐久間の思想を真面目に受け止めざるを得なかった。

一番佐久間の近くにいて、共に理想を追いかけてきた他の議員たちこそが
実は流れに乗っただけで、佐久間の思想の一つも、本当は理解していない訳で。

一番の敵こそが、一番己を知っているというのは、皮肉だけどありがちで
そういうのも丁寧に描けていて、面白いと思いました。


そして、全てを失った佐久間。
決め手は林田の逮捕に繋がる 金の流れと老人対応マニュアルだった。
逮捕者の出た政治家と、心中する馬鹿はいない。
支持者もなく、失脚すら余儀なくされる。恐らく、政治家生命もこの逮捕で永久に潰える。もう終わりである。


計画の破綻。理想の破綻。
それは正に『破裂』であり、佐久間はそのまま、意識を失う。

倒れたー!真後ろに、きっれーに倒れたー!
なんか、倒れるところまで、怖い、という印象を抱かせる興味深い演技だった。
徹底された拘りを感じた。


最後に計画も立場も破綻して、それに合わせて物理的にも、脳内血管を破裂させたラスト。
彼の企みは、全て脳内妄想であって、机上の空論であったという比喩のようにも捉えられ
ここは、唸りました・・・。

ここまで引っ張るピリピリとした緊張感と、さり気なく挟まれ続けたタブレットを噛む不安定なカットが
見事に全体の瀬戸際を表現し破裂寸前というイメージがリアルで
その上での、事実上の破裂は、正に全てが合致したような演出であり、クライマックスだ。



・・・・と、ここまで腕を鳴らす強敵同士の決着を見た所で
更に物語は、もう反転させてくる。

香村が勝利者のようにシーンは進み、いよいよ返り咲いたセンター。
この治験治療の本格的な運用が始まっていく。
副作用だった破裂対策も佳境に入っていく。

全てを失った香村は、もう恐れるものはなく
ただ信念のためにその生命を燃やした。

自ら、過去のオペミスを告白し
「一人の命は俺じゃなくても救える!でも100万人の命は、俺じゃなきゃ救えない!」

だから、この心臓療法を世に送り出したら、自分は医者を辞めるという覚悟まで宣言。

全身、麻痺で寝たきりとなった佐久間に
「俺は医者だから、救うことしかできない」

まるで悟ったかのような厳かな正論をぶつける。
それはまるで、医者としての使命に燃えている勇者のようだ。

外科教授ともタッグを組み、連携準備も万端。
遮るものは何もなくなり、香村の独壇場の未来が拓き始める・・・・!

・・・がっ!

センター下に集まった、お年寄りたちはみな香村療法への支持を訴える。
信者のように集う老人の群れ。

死への恐怖から救われたいと来ているのかと思いきや
ただ一言。

「わたしを、死なせて・・・・?」

~~っっ!!!

ぞわぁぁってきた!ぞわぁぁ~ってっっ。

そう来るか!!


たっった一言!
たった一言である。
たったの一言で、全てが、またドラマの表裏が、引っくり返しやがった!!
なんてラストだ!


色んな事が去来する。
そもそも、佐久間の仕掛けたプロバガンダで世論が動いたというのは、本当だったのか。
佐久間の手腕で世の中が動いたのではなく
老人の潜在意識に元々合った本音を炙り出しただけだったとしたら?


また、医者としての身勝手さも傲慢さも見える。

最後に佐久間が「医者はバカだ」と言った意味が、妙に色を帯びて深く胸に再来する。
医者は命を助ける事しか考えていない。
官僚は、少なくとも、自分は、日本の未来というマクロ視点で、未来を憂いていたのだということならば
医者の行為は、果たして讃えられるべきものなのか?

生かすだけ生かして、その後の社会的な責務は何も負わない医者は
確かに佐久間の「医者は馬鹿だ・・・」への反論を持たない。

原作者さんの医者としての仕事観が垣間見える、ユニークな考察である。


まるで、香村を正義の使者のように描いておきながら
香村もまた、良かれと思ったことを押し付けるだけの、佐久間と同列の人間として幕を閉じる。

「俺たちは似ている」と言い合ったあの台詞が、脳裏を過ぎる訳ですよ。
なんて隅々まで神経を行きわたらせたドラマなんだろう。



隅から隅まで、色々と拘りが見られ、熟成されたドラマでした。
力の入れ方が民放とは質が違いますね~。

社会で戦う男の生き様や、そこで野生のように喰うか喰われるかの熾烈な攻防。
その辺の命を執念に燃やすギラついた戦いと
単なる敵を一方的に排除するというものではない、二大巨頭としての二面性が特徴的で
見応えありました。

そういう物語上の骨格だけでなく、脚本としても演出としても、久々に練られた物語というものを堪能致しました。
共感や反感とは違う、手応えのあるドラマを見れたなという満足感が気持ちが良い。
楽しかったし、すっげえ!というのが率直な印象。

何処にも無駄が無く、常に息を詰まらせ、見終わった後の読後感(視聴感)はハンパない。
スポンサーサイト
[ dramaⅣ-autumn ] CM0. TB0 . TOP ▲
2015*12*19(Sat)
無痛 最終話 感想
まずまずの納得の結末でした~!流れも良く、じっくりと描いてきた印象は受ける。
面白かったかどうかと言われれば面白かった部類には入ると思う。
イバラが帰る場所はやはり白神院長の所しかなかったと思うし
イバラから逃れ無慈悲にも自由になれた筈の白神が、逃げるどころか両手を差し出し、道連れとなることを自ら選択。

人生へポジティブ解釈を残すお気楽ラストより、余程自然ではあった。
綺麗なラストにされるよりも、私はこちらの方が好みではある。

・・・・・が、イイ大人がこういう末路しか選べないって、何処か自己陶酔したような身勝手さを感じないこともない。



概ね及第点の筈の最終回ですが、ツッコミを始めれば切りがないラストでもある。

イバラと石川一家殺害の関連判明までは実に謎を上手く誘導し、重さもあったものだが
最終回のこの残念な感じは、やはり煽りすぎた嫌いが大きい。

不可抗力とは言え、弟を殺してしまったという自責の念から無痛治療を始めたという白神院長。
痛み=苦痛から逃れることが最大の幸福だと信じた。
心の痛みと、体の痛みは、全く別物ではあるが
身体の痛みよりも、全ての痛みから解放させてあげたいと理想を語っていた序盤の彼の言葉があるだけに
そこはまあまあ納得がいく。
自らが苦しいから、それは神にも縋るように、極自然な流れだったのだろう。・・・白神本人にとっては。


だが、白神が一家殺害をやらせた理由が、恋愛って・・・・・(脱力)
失恋で無謀登山して自害?
おいおいおい。
弱かった弟さんはともかく、動機が失恋っていうのも百歩譲って良いとして
なによりもその後に、そんな風に弟を苦しめた女があっさり最高の幸せを手に入れたと思いこんだ理由が
あの新聞コラムっていうのが、ダサすぎる・・・!

イイ大人なんだからさぁ・・・・・(泣)

大衆に公然と弟を辱めた屈辱は、比類なき怒りかもしれないが(ここは分からなくはない)
それにしたって、自分で確かめもせずに鬱屈と殺意を募らせるって・・!病んでるよ!
男なら直接行けよ!自分で行けよ!他人を巻き込むなよ!ダセェな。


白神が無痛治療研究に没頭した理由がそんなんじゃ、折角の根底にあった深いテーマが台無しである。
社会派的にテーマを押し出してきた部分が、何の帰結も見せず、一気に冷めました。

故に、院長室で為頼、白神、早瀬の三名で対峙する場面も、わざとらしい感じで真剣に観てられなかった。
為頼が白神に痛みについて力説する場面も浅く、台詞も稚拙。
演出も白壁一色。

ラノベ以下かっっ!!


流れは良いんですよ。

「痛みは私だ・・・!」

為頼が絞り出したこの言葉は、恩師が死の間際に残した教えであり
同じ言葉を繰り返すことで、今度は為頼自身が、自分の言葉としてそれを受け入れたということなのだろう。
悪くは無い。

また、人生に於いて、痛みも苦しみも避けては通れないものであり
そういうものを全部受け止めて生きていくってことが、人生なんじゃないかと訴えてもいて
自分だけに理不尽に与えられる人生の苦しみに、何処か光明を思わせる、シーンになっていた。


でもね・・・!

「そこから逃げちゃ駄目なんだ!」とかさ~~~~~。
だからラノベかっつーの!
ラノベだって、もっと高尚な言葉を使ってくるよ、今どき!!

前も言いましたが、多分この脚本家さんが人生経験が浅く、語群も少ない幼稚な人なんだと思う。
人生の渋みも苦みも知らないって感じ。
だから、選ぶ言葉が浅い。

例えば、「そこから目を逸らしちゃ駄目なんだ」ではなく
「そこから逃げることは△△だ」みたいな感じで、何らかの捻りや比喩を用いて、経験則を見せてくれないと。
仮にも、かなり妙齢のキャラ設定なんですから。
これじゃーまるで、十代の小娘の高校生活ドラマである。

そういう、スパイスもエッジも効いた台詞を使用出来なかったのが、このドラマの最大の失点だと私は思う。


繰り返しますが、ドラマの世界観は素晴らしかったですし、流れも言う程悪くなかったんですよ。

恨みを抱いた石川一家に、白神が妬んだのは妻の方だったけど
その夫であり、教師だった男を、サトミちゃんが、酷い男だったと憎んでいたというのも面白い。
彼がどんな手で妻を白神弟から奪ったかは分からないが
そこの無情な行為が発端であり、夫もまた善意の被害者じゃないとした設定が
人間関係のリスクを表わしていた気がします。


また、白神が命を終える選択をするのなら、ここで為頼がそれこそ纏め的なものを、無痛と苦痛を絡めて訴えるのは
当然の流れであるし、結論としても、悪いものではなかった。
そこに至る、最大の説得力を齎すエナジーが足りなかったって感じで。

もうほんと、脚本家の力量不足って、こういうことを言うんだな~。


それは、白神のキャラクターにも言えて
無痛治療に執念を燃やす理由、弟への強い妄執がもう少し禍々しく伝わるように最初の方から描いていたら
白神の最期はもっと切なく感じられた筈だし
そこに運命を共にする悲運のイバラの存在が、更に、悲愴感を強めたと思う。

歪み、澱んでしまったが、それも一つの愛だったのだ、というようなことが最後に分かる・・みたいな
イバラサイドと同じ人間愛があったら、道連れとなるイバラとも遜色なく、似合っていたと思う。
確かに、白神はイバラを理想化して、付き合わせたのだろうが
それでも、イバラと共に、落下する意味が少し弱いというか。
イバラは心中というより、白神を消そうとしているようにも見え
なんていうか、二人の温度差が揃っていないところが、美しさを半減させている。

追い詰められた二人に他に選択肢は無く
けれど間違ってしまった行為が、それでも純粋に煌めくようラストだったら
グッときたなぁ。


序盤から再三私も指摘していましたが
白神のキャラがのぺっとしていて、しかも感情も温もりも感じない無味無臭男でしたので
誰も彼の感情に共感や同情を抱けなかった筈だ。

ラストに白神がラスボス変換されるのであれば、尚更、彼のキャラクター掘り下げは必須だった。

それをまた、役者さんが能面のような表情で起伏も見せない淡々とした棒読み演技だったから、余計である。
もっと、行間を演じられる役者さんでなければ
白神のミステリアスで危うい感じを魅せられないのだ。(脚本家が言葉で凝れないから)

最後に図星を指され、ついに激昂したシーンも、ただ単に小学生が喚いているだけ。
こんなの、中学生だって演技出来るぞ。
ただ怒り、声量を上げ、声を荒らげるだけじゃない演技を見せてください・・・。


西島さんのようなギアを巧みに使い分けるような演技派俳優さんや
浅田さんのような緊張感を維持できる役者さんでないと、難しかったんだろう。
(この二人は別格だということを、今回学んだ)

このドラマの敗因は、白神のキャストミスにあることは、否定出来ない。

多くの方が、早瀬のミスキャストを指摘しているが
私には、白神の方が致命的に見えた。




だからといって、早瀬はこれで良かったのかと問われると、それはそれで疑問なんですけどーっっ!!

何あのクライマックスのコントのような動きはっっ。
折角のドラマの最大のシリアスシーンである筈だったのに、早瀬が何度も拳銃で撃とうとするところは滑稽だった。
滑稽すぎて、ぶっちゃけ、吹いたww

あ~の~さ~~~~。

「くっ!」「やめろ!」を何回繰り返した?
その度に、片腕を真っ直ぐに伸ばした拳銃ポーズだから、もうロボットと、それにツッコミ、という感じで
もうおっかしくて、おっかしくて!

昭和ドリフのコントかよ!
いっそ、スマスマ・コントでもいいっ(大爆笑)

普通、拳銃を片手で撃つには、かなりの肉体的筋力が必要で、大人の男でも両手で照準を合わせる。
ましてや早瀬はどうみても小柄なので、むしろ片手で撃つポーズは違和感しかない。

その上、何で毎回腕を真っ直ぐ伸ばす演技なのww

だからコントにしか見えないんだよ。よくこれで監督、OK出したな!


例えば、初めはカチャリと安全レバーを降ろす所から始めてみたり
感情に任せて激昂するにしても、グッと銃を握りしめてみたり、躊躇うように銃口を揺らしてみたり
両手で銃を向け、でも顔は背けてみたり、目を閉じてみたり・・・・。

演技って色々あるでしょう?
何で全部一本調子なの?馬鹿なの?


その演技を差し引いても、あんなにやたら拳銃をブッ放す刑事、野放しに出来ねぇよ。
ここは日本だぞ。
少し演出として、もう少し何かアイディアはなかったのか、やる気のなさが隠し切れてませんでした。


早瀬に関しては、刑法39条の問題を含め、正義感の向こう側に行ってしまった人間として
確固たる理想主義であり、それ故に暴走した、謂わば、正義は正義なのか?という本質を問えるキャラだった。
ドラマも、精神異常者への刑法措置を問う形で、そこに憤りを持たせる描き方をしていたのに
そういう面白さを一気に台無しにしたのも
この早瀬の単調な演技であることは、否定出来ない。


そしてそれを踏まえたラストが更に疑問である。

為頼先生、病院閉めてどこ行くのさ。
様々な人の死を見せられた。助けられない無力さ・・・人生に疲れてしまった・・・。
もう少し色々考えてみたい・・・・。

そう思う人間に、ラスト、〆の説教めいたこと言わせないでほしい。

為頼をラストにこうするつもりであるならば、白神との激論は、むしろ決着の付かないまま
分かり合えない擦れ違いで終わらせるべきであって
ましてや、「痛みは私だ」なんて、悟ったようなことを口にさせてしまっては
今更何を迷うのだ?と視聴者は混乱する。

同時に、白神への為頼の説得力も半減する訳で。


目を閉じて締まるエンドも意味深だ。
副題で~診える眼~とわざわざ付いていたからこそ、為頼が瞼を閉じる意味合いは大きい。
痛みも自分であると気付けたのも、自分が診えることから端を発する効果であったのに
その結論を経て、その上で、診えることを全部否定させたということか?

診えることへ、何かしらの罪悪感や虚無感を感じてしまったのだとしたら
そういう落差を肌に感じさせる温度差を見せていないと、何が何やらだ。

つまり、ドラマ序盤は、診えることへ畏怖と共に自信や驕りも誇りも持っている、力に頼り切った医師であって
それが、事件を通して、診えることに疑問を抱いた・・・・とかいう流れなら
まだ分かるんですよ。

でもドラマは、ブレない主軸として為頼を中心に据え、そこから不完全な人間が周りを騒がせるという構造だった。

故に、このラストのやっつけ感も、脚本の練り込み不足にしか見えない。



・・・に対して。

「俺は刑事を続けます!!」
すたっぷ細胞はありまぁす、じゃないんだからさー・・・・。

お前こそ、少し悩めよ!ってか、むしろお前が旅に出ろよ!
逆だろう!と誰もが思った筈。

刑法39条の葛藤も犯因症の結論も出ていないまま、自らの洗脳でイバラを暴発し
牽いては二人の人間を法の裁きを下すことなく死に追いやった。

お前こそ、自分の正義感や理念に疑問を抱いても良いと思うぞ・・・・!
ちったぁ、悩め!


そしてそしてっ!
一番のツッコミ所はここでしょう!
高島、お前、もう臨床心理師の資格ねぇぇ!

白神院長がどうなったか分からない状況で、同じ職場で働いていたなら秘書の忠誠心は誰もが見知るところで
それなのにこの態度!

コイツ、何様・・・!

何上から目線で長々と説教垂れてんの?
秘書にあからさまに素で高圧的な態度で嫌味を言う女・・!サイテーだ。
いや、うん、秘書が発狂するのも分かるよ・・・!
私も発狂しそうだよ!

それでいて、挙句に
「知らない内に憎まれていることってあるんですね・・・
 でも逃げないでちゃんと向き合わなきゃいけないのかもしれませんね」

ムッカー!
いやいや!無自覚か!この女、素でサイテーだ!!性質悪ぃ~~!!

キモすぎて、だからお前は嫌われるんだよ、と心底思いました。
人間として、普通に最低である。
刺されて当然だ。

言い方も嫌味っぽく、不安定な人間にそういう言い方はないでしょう?
それで人の心を扱う医者だなんて、つくづく呆れる。
苛めにも近い言動をしたのに、自分は被害者って態度が一番ムカつく。


これは、役者さんが下手過ぎるのだろう。(演出だとしたら、その意図が不透明だから)
こうやれば可愛い女演じられる~的な計算が見える。

人の心の痛みが分からない人間って、こういう人を言うのだろう。
その意味では、痛みとして、面白い対比である。
だが、ドラマとして、その効果が生かされてない・・・(爆)




全体的に、誰が何に向き合っているのかもあまり明確でなかったのも、共感性という意味では勿体ない。
犯因症だの無痛症だの、色々口にしてはいるが
結局、為頼は一番何に苦しんでいたのか?
早瀬は一番何を成し得たいのか?

様々な思惑が絡み合う中で、そういう主張みたいなものが鮮明でなかったことは
ラストの爽快感を半減させていた気もする。
白神院長のキャラを掘り下げてこなかったことからも、ラストの白神への心理変化をメインにしているとは思えず
だとして、犯因症や刑法39条に、何らかのメッセージを込められたとも思えない。


痛みとは何か?

そのメインテーマを通じ、結局得られたのが、為頼の「痛みは自分」という結論ならば
その中で
先天性無痛症であるはずのイバラこそが、ドラマ全般において終始どこか一番痛んでいるような表情だったことが
酷く印象的だ。

痛みは分からないままに、何かを確かに感じて、天に吠えたカットは、痛みに満ちていた。

彼に救いはなく、自分を殺したいと思うことで現れた薬物なしの最期の犯因症は
もしかしたら、為頼の妻が最期に見せた犯因症と同じものなのかもしれない。



痛みが無いことが幸せであるのか?
為頼妻、イバラ、白神。三者三様の犯因症は、どれも幸せとは程遠い形で幕を閉じたように思う。

けれど痛みとは生きていることである、とでもいうような
ラストカットの、のどかな電車内、母親の腕で無垢に泣く赤ちゃん。

それを振り返ると、中々に面白い人生論を叩きだしたエンドだったのかもしれないと思う。
[ dramaⅣ-autumn ] CM2. TB0 . TOP ▲
2015*12*12(Sat)
無痛 第9話 感想
うわー!面白かったよ~!いきなりのハード路線で息が詰まりました。
ラストのイバラの表情、すごく良かった!
為頼先生は信じられると思って、信じようとして、健気な想いが溢れてた~うわぁ。

それを説得する為頼先生の口調も、切羽詰まったものながら、相手を動揺させない落ち着いたトーンで
すごくしっくりきました。
言葉が少し浅い気はしますが、何より白熱した雰囲気が鬼気迫ってた。

でも以下は割と辛口・・。


一週空いたせいで然程ブツ切りは気になりませんが、それでもちょっと強引すぎやしませんか~?
確かに早瀬はずっと
犯人が正常な精神状態でなかった場合に減刑 もしくは無罪となる可能性があると定められている刑法39条を
意識してきた。
また、犯因症も出ていることから、何処かで暴走する危険性も指摘されていた。
第一話で、既に、凶悪犯と睨んだ相手を、容赦なく発砲出来るリスクの薄さも、描かれていた。


しかしその2点を持ってしても
なーんか、最後の早瀬の行動が単なるアホにしか見えなかったんですけど・・・。

折角良い下地を此処まで造ってきたのに
そういう危うさを膨張させる感じで早瀬の不安定さを描いてくれれば良かったのに
いきなりの黒化した白神院長の、ほぼ洗脳で、ここまでヤっちゃう?
ばかじゃねぇの?

なんていうか、もっと、こう、運命的にこうするしかなかった・・・!的な
緻密な展開が欲しかった・・・。


刑法39条の課題は、かなり序盤でも確か触れられていて
本当に真実かどうかはともかく、精神鑑定に回され、認定されれば減刑されてしまう。
故に、その物理的証拠を出せない精神面に付いて
悪用した犯罪者が、再び犯罪を起こした・・・・って話でしたよね。

確かその時、早瀬も自身の内面の熱情に気付き
為頼に、自分を止めてくれって頼んだ訳ですし。

そこから、二人の絆・・・は然程描かれなかったけど、でも、確実な信頼関係が紡がれていたような描写はあって
で、何故この流れ???


いやいや、刑法39条に付いて、色々拘りがある早瀬の気持ちも分かる。
しかし、たかが白神に、イバラは凶器を持っている、だの、記憶がないから捕まえても無罪、だの
耳元に吹き込まれたところで、何が彼を動かすと言うんだ。

しかも、そういう他者からの魅惑的な誘言に、繊細に揺れ動く微妙な心理変化を
丁寧に描ける役者さんではないために、ただ、悶々としているだけにしかみれなかった。
葛藤もなにもなかった。

更に、対峙する白神院長は、こちらもこちらで、絶対神のような圧倒的なオーラがある訳でもないし
ただ、平たい口調で、表情すら変えずに抑揚なく喋っているだけなので
うすら寒さとか、恐怖とか、そういうのをまっったく感じないっっ!!!

そこが致命的!
大根役者二人になんて重要なシーンをやらせるんだよ!!
ドラマが台無しである。


ならばせめて、演出などで、もうすこし早瀬の葛藤を見せたりすれば良いのに
淡々と単調な画を流すだけ。
どうなってんの?ここってこのドラマの超クライマックスじゃないんか。

例えば、早瀬と為頼の回想を入れたり、心が揺れている心境をフラッシュバック的に見せたり
色々方法はあっただろう。
演技だけで見せられる役者さんじゃないんだから、もっとなんか工夫が欲しかったです。



一方。
イバラとサトミちゃんの、プチ・駆け落ち騒動(違)
なにこの、小さな恋のメロディ的な、ピュアラブさはーっっ!!

喋るようになっちゃったサトミちゃんは大根だったが、それでも、前者の二人よりは浸ってしまう演技だった。
可愛過ぎる!
ぼそぼそと喋る、不安げなイバラに対し、無垢に無防備なサトミちゃん。

やべーやべーv

二人共、自分探しを兼ねる自分を見つけ出す旅だったんだろうなと思うと
その精神も大変ピュアである。

痛くはないけど、怪我していない訳でもないからと
ばんそうこを渡すサトミちゃん。
それを、最後に気持ちの限界や痛みを訴えようと為頼先生に差し出したイバラくん。

それを無情にも打ち砕く、早瀬の銃弾。

ここは、もう~~~~演出がこれでもかってほど引っ張るから、来る来る~とサダコを待つ心境で待っていたけど
案の定の裏切らない展開でGJ。

だからこそ、ここの早瀬の行動原理が重要になってくる訳で
もっと、ギリギリの攻防戦というか、心理変化を描いて欲しかったんですよね~。
早瀬の行為を軽くしてしまうと、相乗的に、対応するイバラや為頼先生の苦悩も軽減されてしまった。
それがドラマとしての重みも薄れさせてしまい、なんていうかこの話って
多分、原作本は凄く重たいテーマと人間描写を扱って、すごく面白いんだろうな~と思います。

でも、中盤でも思いましたが
それを脚本に移す、その人が浅く、言葉が稚拙すぎる。
その上、ドラマティックがなんたるかも、知らない若者が書き起こしたって感じ。

可哀想っていうか、勿体ないっていうか、失礼な気がしてきた・・・。
ザンネン。



物語もいよいよ核心へ!
イバラの無痛治療と称して治験と行っていた白神は、その過程で、治験薬には投与によって
狂暴性や記憶障害が出ることを、予め認識していた・・・!

そして、あの石川一家殺害を仄めかして、イバラに行動させたのも、白神だった・・・!

おおぅ!お前が黒幕なのか?!
でも動機が未だ見えない。
もしや、心臓移植に何か関係があるのだろうか。


何で心臓移植をしたことについて、為頼先生がそんなに驚いたのかが、ちょっと分からなかったんですけど
海外でやったって言ってたし、日本では認められていないって意味???
まさか弟を自分で殺しちゃったとかなら、怖い話ですが
むしろ、弟の仇って路線かな?そこから全てが狂いだした的な。


ここにきてまさかの、のっぺりキャラの白神院長が黒神化してきて
やっぱり、造り物のような笑顔は造り物っていう設定だったのねーって感じでした。



それにしても、新薬の副作用を逆に利用してそれを隠れ蓑にするなんて
まさに『破裂』と同じネタ!
この作者さん、こういう副効果的なものが好きなのかなv
一見、誰もが正義のためと信じて疑わない裏にある、悪用っていうのからインスピレーション得やすいのかも?


仮に、この副作用を利用して、白神院長がイバラに石川一家を殺害させたとして
その目的が、今後明らかになるのでしょうが
未だ、白神と石川に接点を持たせていないドラマの造りが、巧妙ですよね~。
謎で引っ張ってる・・・。

その辺のミステリーとしての骨格は、上手いな~。


相変わらず、為頼先生とかずさんのシーンは最高に微笑ましいv
じぃぃとかずさんを見る為頼先生・・・vvvv 
え、何、待機??返事待ちって//////
待てって言われている犬かvvvvv なにこのかわいさ~v
[ dramaⅣ-autumn ] CM1. TB0 . TOP ▲
2015*11*28(Sat)
無痛 第8話 感想
散在していた点と点が線になっていって一気に物語が進み、今回は面白かったです~!
こういう謎が解明されていく過程がミステリーで一番好きな所。
謎を見せられるより、ゾクゾクする。

そして、西島秀俊さんの演技が上手すぎるー!
特にお声!この人、シーンによってトーンが変わる!!
前も思ったんですけど、同じ調子で台詞を乗せても構わない(影響が無さそう)なシーンに於いて
僅かにトーンを下げてみたり、スピードを変えたりしている・・・。

例えば冒頭の、早瀬とかずさんと三人で世間話して、珍しくお勉強~?なんて戯言を経て
いざ用件を聞くその瞬間!この間とか!

それが絶妙すぎて!!

多分この人、通常の人が明と暗の二種類だとしたら、その間にもうひとつギアがある・・・!

演技的な意味では派手ではないんですけど、僅かな視線の動きと、表情の明暗が、自然体でイイ味付け。
なんつーか、他に目立った動きのない画面が連なるドラマだから、もう彼ばっかりに視線が行ってしまい
西島ウォッチャーになりそうである。


声優さん・・・とまでは言わなくても、西島さんって声帯の使い方・柔軟性が高いのかもしれない。

今回、ついに無痛症を通じてタッグを組んだ白神院長との歯切れある信念の諍いシーンがあったが
ここにきても、白神は一本調子。
ここを、火花散るようなやり取りということにしているのは、つまり、見れるレベルにしているのは
西島さんの方でした~。
白い単調なやり取りを上回る、声の険しさが、痺れました。


他方、かずさんとの会話で、少し甘えたな感じに変化するのは、ここは西島さんの真骨頂という雰囲気。
少し甘ったるい言い方は、年下男の可愛さを思わせる。(でも結構お歳は上なのね・・・)

それを更に磨きを掛けているのが、かずさん役の浅田さん。
彼女の「英介くん」って言い方が、彼の可愛さを完成させていると思った。

とにかく、この二人のやり取りは、ほんっと、微笑ましい可愛さがある。
前回、熾烈な言い争いをしたのに、ごめんとか悪いとかの挟みも無く、普通に元に戻っている感じも
あ~なんだか家族だな~って思いました。

大概の家族って、こんなもんですよね。
ぶつかりあっても、朝が来たら日常と生活が回っていくのだ。
そういう、台詞じゃない距離感が、このベテランさん二人で見事な画となって完成されているのが、スゴイです。




・・・・・・そして、そのままの、まったりとした流れで進む、本編ミステリー。
スタッフのセンスを疑ってもいい部分である。

この日常ほのぼののテンポのまんまに、他シーンものんびりと進むから
ドラマとしてどうにも緊迫感が出てこない。
ゆっくり進むことと、じっくり描くことを、勘違いしているとしか思えない。

謎を引っ張ることと、緊迫感が出ることもまた、別である。


白神院長と為頼先生が、その意見の相違から、完全に袂を分かつ回でもあり
そんな為頼先生に、必死に白神院長が追いすがるシーンも
ここ、もっと迫力あっても良いんじゃないの・・・?

壊滅的な溝が入ったー!シビアな男の生きる道だー・・・ってシーンではないのか。
こういう思考対決に油を乗らせないで、なんちゃって刑事事件のどこにドラマの真髄を見ているのか
スタッフに問いたい。

今回、オペシーンで動揺したり、為頼に激昂したりと
彼の不完全な人間の部分も、ちょっと垣間見えましたが
だとしたら尚更、彼の人間味薄い演技が疑問です。

なんでこんなに、白神院長はのっぺりとした口調なのだろうか。

冒頭、イバラの過去について、白神のナレーションで回想シーンが流れるという演出がありましたが
白神がナレーションをするから、淡々としちゃってて
まるで教科書を機械が読んでいるだけのよう。

しかもお声が少し暖色系で軽い方なので、余計にイバラの重みが伝わってこないという。

早瀬のキャスティングミスを指摘する声は多いが
私は、白神の方がよっぽど致命的だと思っている。(だってここが根幹でしょうに)


その早瀬。
石川事件が迷宮入りしそうだと、焦っている感じの危うさに
為頼先生に「大丈夫か」と言われるシーンは、ちょっと良かった。
そうだった、この二人が意思を同調させるのは、早瀬の犯因症だったんだった。

食事食べていきなさいよとかずさんに言われ、嫌いなものを聞かれて
「野菜が嫌いです」
wwww

なーんか、こんなぼけぼけな感じとか、資料に手を出そうとして為頼にパシッって手を叩かれているとことか
この二人が醸し出す雰囲気も、割と親密度が変わっているのを感じて
そのさり気ない変化は、悪くないな~。


彼の高校生が悪ぶっているだけのような演技は、為頼先生との二大柱としてドラマを進めるのなら
確かに彼では役不足だし、荒ぶれ刑事にも見えないと思っていましたが
ここにきて、イバラが強烈な個性を発揮し始めたので、もう早瀬の違和感はあまり関係なくなりました。
ドラマも、二大柱というよりは、為頼の独走ですし
誰かの目線ではなく第三者視点で描かれてもいるため、これは別に良いんじゃないだろうか。




物語。
今回は点と点だったものが線になってきたので、そこがかなり面白かったです。
ここまで来たらイバラ視点で、石川一家殺害の真相に迫っていくのかと思ったら
接点もないままに、一気にネタばらしされたー!

石川家とイバラの繋がりが分からないままに、石川家にイバラが居たー!
うをぅ。
そう来たか。

接点はネット?
石川妻の投稿記事が何か意味があるっぽいけど、その辺は次回。
早瀬だけが知ったという描き方も、意味深で面白い。


イバラの真意が分かりそうで分からない引っ張り方も、興味を引かれます。

他人の感情が理解出来ないと言いつつ、人から切られた孤独の痛みは知っていそうで
今回ラストの暴動も、白神の不用意な「お前がいなくても大丈夫」という一言だったことからも
愛情に飢えているだけの幼子に見えました。
それって、愛情に貪欲ってことでもありますね。

愛情に逆恨みする妬みなどの、他の多彩な感情はどうなんだろうか。

石川一家を殺した理由も、結局のところ、誰かのためだったというオチになりそうで
でもその接点がまだ見えない。
しかも、石川一家の事件当時は、7ヶ月前で
白神と擦れ違った今回の理由は、当たらない。

でも、白神のために殺したとか、そういう話になっていきそうな気はしてきた。

強くなれる薬ってイバラは言ってるけど
つまり、麻薬などに近いリラックス効果を含むのかな?


事件のキーワ-ドにもなった「大切な人 大切な場所」

まるでそれは、イバラ自身のことを暗示してもいるようで
そんなものを欲して、満たされなかった想いの歪みなのか、とも、ちょっと考えた。

犯因症という症状も、激しい感情の表れと言っているように
刑事事件で理屈を扱う世界観ながら、描いているものが、人間の深い感情論であることが
このドラマの特徴であり、面白いところだ。

イバラの抱える個々の闇が、全ての物理的な現象を起こしたのだとして
彼が、自己の闇に他者を巻き込む痛みを知らない不完全さが、起こした悲劇だとして
それを、「痛みも受け容れる」と
先に為頼先生に決着付けさせていることからも、ドラマの着地点は、そこにない。

ってことは、何を描こうとしているのだろうか?という先の読め無さも、やっぱり気になる。

いずれにしてもイバラの願いを白神が知っていない筈も無く、なのに望む言葉を与えなかったのは
ワザとだろうな。
「君が必要だ」って、あんなに言って欲しがっていたのに。

そこが事件のポイントとなりそうであることを踏まえると、なんだかとっても悲しい結末になりそうな気がしてきました。


それにしても、細身でマッチョという強靭さに、痛みも無視という設定は
正にサイボーグのようだ。
彼の鍛えられた肉体美に、ちょっとだけガン見しちゃったのは内緒だ。



今回はカメラワークもちょっと凝ってて、そこも目を引きました~。

冒頭、イバラの無痛治療の検査データを処分するが如く、白神院長がデスクに仕舞い
その暗転が、そのまま為頼先生の引き出しに繋がり
それが無痛治療薬のレポートになるっていうカットとか。

キーワードをこれでもかって煽ってるよ~。


また、為頼先生が白神院長の体調異変に気付くシーンも。
いつもなら、変な効果音と共に、例のレントゲンみたいなカットが挿入されていたけど
もう第8話だからか、為頼先生の、顎に指を当てる仕草だけ。

それだけで視聴者に悟らせているのが面白かった。悟れちゃうとこが面白いっていうか。
そのためのパフォーマンスだったのね~と。


パフォーマンスと言えば
ようやく聞けたサトミちゃんの生声がめっちゃ可愛かったんだがvv

その第一声が、「ありがとう」っていうのも、ちょっと感動的です。
その言い方が実に巧かった。
ずっと言おうとして言えない感じが続いていた訳ですが
その辺は別に巧いとは思わなかったんですけど
ゆっくりと掠れた声が出た瞬間の、その声量といい、質といい、そのためにこの娘選んだのかも!って思っちった。
もう反則だろっていうクラスの可愛さ。

ここは良かったです。


ただ・・・・・・・・そこが盛り上がらないのは、絶対高島先生のせいである。
寂しいよね、そんな時に掛けられた人の優しさって身に浸みるよね、っていう、人情的な感動を与えられる筈の
とてもハートウォームになった筈のシーンを、台無しにしているのは高島というキャラクターであった。

元々、これまでも言ってきましたように
この原作者さん、女性を可愛らしく描くことにはちょっと苦手とされているご様子で
それは勿論、もっと生々しい人への観察視点が見られるからで
それはそれで良いのですが
とにかく、この高島というキャラクターが、可愛げがなく、人に好かれなさそうなタイプの女性像なのである。
そこが問題だ。


そんな相手役で、このピュアなシーンがじーんと来る訳がない。

何故、彼女でこのシーンを演出したのかが、ちょっと疑問なのですが
そこはさておき、今回気付いたのは
高島というキャラクターを、可愛げなくしているのは
作者さんや脚本以上に、役者さんのスキルもあるなと今回感じました。


例えば、今回、ストーカーくんが前回殺されちゃったことで、石川一家の重要参考人を失い
警察は南サトミの事情聴取に強制的に踏み切ったシーン。

その最終許可を、担当医である高島に委ねられた時
まーた安易に「話してみることがサトミちゃんのためにもなると思う」なんて無責任なことを言う訳ですが
そういう所で、まず、彼女が優秀なカウンセラーには見えない。

しかもその言い方が、それこそ優等生顔した上から目線で、とにかくぶりっこ。
良い人を演じようとしている風、というか。
苦労も知らず挫折も知らず、真面目に生きてきただけの小娘のまま、成長が見えないことが敗因だ。

ここは、これまでと同じそんな教師っぽい諭すような言い方したら
サトミちゃんがようやく勇気を出した根拠がなくなる。

折角、これからはちゃんと口で話すと言っているのだから
今までとは何かしらの変化を付けないと。


また、その事情聴取。
精神が不安定になり、怯えるサトミちゃんに、早瀬が更に強気の口調で責め立てる。
それを、医者として止めに入る高島。

・・・って!そこでお前までヒステリックな声を上げてどーするよ!?

ここはかなり萎えました・・・。
素人の肉親や、サトミちゃんを無償に慕う関係者が、止めてと騒ぎ立てるのなら、この演技は正解ですが
ここは、医者として止めに入ったのに
そしてサトミちゃんは不安定になって怯えているのに
唯一の味方である筈の高島が、同じように正義顔してヒステリックに介入したら
普通はもっと怯えさせます。

もう少しトーンを下げ、音量も下げ、窘めるような感じで言うのが、似合っていたというか正しかったというか。

何、お前の晴れ舞台みたいな顔して、仁王立ちしてんだよ。と。


なんか見ててムカっときてしまって、それって、台詞の内容ではないし
つまり、この人の演技にイラっときたんだなと、後になって思いました。

演技っていうのは正解がないですから、ドラマを見ていて、おおぅ~ここをこんな風にしてきたのか~とか
新たな意外性を付いてくれる所とかが、本当に楽しいし
ドラマ見ていく醍醐味も、そこにあるのですが
でも、こんな風に、役に成りきれていないものは、素人目にも分かってしまい
彼女のキャラがサトミを後押ししたというのなら、尚更、ドラマ自体の質を落としてしまうことにも繋がり
ちょっと残念でした。
[ dramaⅣ-autumn ] CM0. TB0 . TOP ▲
2015*11*21(Sat)
無痛 第7話 感想
信じられるか?まるまる一時間使って、結局何の進展もしていないんだぜ・・・?
事件的には一応前回の手首切断からのイバラ逮捕までを描いた第7話。
でもそれは、複雑な事件が迷走した上で、捜査が難航してようやく逮捕・・・とかではなく
ミステリー的には何の起伏も無い。

ってことは、このドラマが描きたいのは
診える能力を使った犯因症を予知夢のように利用し、正義を貫くことではなくて
もっと別の部分にあるということに他ならない。

最も確かに、事件ドラマとしては詰めが甘すぎて
警察が無能すぎるので、まあ、最初からそういう視点で見てはいませんでしたけど。


ではその他で何が描かれたのかっていうと
この間から一貫して議論している、無痛であることの、命題提起でした。
無痛である人物が犯罪を犯したことで閉められたラストが物語る様に
痛みを感じないことが、本当に幸せかどうかを、真正面から問うていたお話。

特に、末期がんで恩師が無くなる間際に残した言葉が象徴的で
「痛みも私だ」

病気を受け容れるということに対する、如何にも医師らしい視点である。

この原作者さんが医者ということで
このドラマはそういう視点が露骨に組み込まれ、中々に面白いです。
でも、患者視点じゃないんですよね。(^^ゞ


痛みを忘れることが、他者への痛みも理解出来ないということへスライドさせている視点が
ドラマのテーマとなっていることで
痛みを持つ人、痛みを分からない人、痛みを持つ人を見守る人、痛みを緩和する力を持つ人
という様々な視点が入り乱れるのは、色々考えさせられます。

それを象徴した・・・・・かったんだと思える、今回の最大のクライマックスは
イバラの逮捕ではなく
為頼とかずさんがぶつかり合うシーン。

いつもなら笑わせてくれる、微笑ましい二人のこのシーンは、このドラマの中で最後の癒しとなっていて
特に為頼先生の「面目ない」って言い方が可愛過ぎてたまんなくって、もう大好きだったんですが
今回は、お互いが別の角度から愛する一人の者の為に激突。

普段が癒し効果のあるほのぼのとした雰囲気の二人だっただけに、そのギャップは凄まじく
しかも、二人共演技力のある役者さんなので、迫力も申し分なく
すんごかった・・・・・っ。

素晴らしかったです。シーンとして。



・・・・・・・・・でもな。
台詞が浅すぎ。

脚本の流れとしての狙いは理解出来たので、大枠だけ汲み取って、スル―しましたが
何この十代ラノベ作者が書いたような、浅い台詞は・・・っ。

これを、医師として活躍し、様々な死期を見てきた原作者さんが選んだ台詞とは到底思えず
恐らく、なーんも知らない、普通の死しか直面したことのない経験値浅い若手が書いた脚本って感じでした。

この第7話が、それ以外の進展を見せず、イバラ逮捕で終わっちゃったことを考えると
ここが今回の山場だと思うので
物凄く情けない。
とっても勿体なかったです。


具体的には、実は私は彼らと同じ境遇経験者なので、そんな台詞出る訳ないだろっていうのが本音。
「どうしてもっと見てあげないの」とか言うとこまでは良かったんだけどなぁ・・・。

この脚本家さん、自分の家族や愛する人を、若くして亡くしたことはないんだろうな。
本当の痛みを知らないし
こういう台詞を並べて置けば、まあ、泣けるでしょ、多くの人の同情を引けるっていうあざとさ丸見え。

これに愛情が溢れて感動しました~なんて思って貰えると思う時点で
それもまた、愛する人を失ったことがなく、想像でしか哀しみを憶えられない人。
こんな感じじゃないかなっていう妄想。

まあ、脚本家なんてみんなそうなんですから、それは良いんですけど
ここはもっと練って欲しかったです。だって重要シーンですから。


私の方が知ってるの、とかさ~、あの子は私達のことあんなに考えていたじゃない、とかさ~。
小学生じゃないんだから。
大人としての柵は、そんな浅くないです。
もっとドロドロしたものを含むし、もっと大人なだけに割り切れない愛情の性を感じている。
その程度のことは分かっているから口にしない。

もっともっと、突っ込んだ罵り合いをしてほしかった。

かずさんとしては幾ら愛情を掛けていても、そんな彼女が英介くんを選んだことは分かっているからこそ
そして、治療拒否も彼女の決断であることも、もっと分かっているからこそ
割り切れない感情が渦巻くんですよ。

英介くんとしても、同じこと。
彼女の意思尊厳の尊重と、自己意思の格差、医者としての苦悩を、もっと味わった筈です。

二人共が医療従事者ということもあり、素人視点だけじゃない。
医者としての視点と、血縁者とのぶつかり合い。
医学知識のある者同士の、ぶつかり合い。

そういう知識と理解ある者同士の、それでも割り切れない人間感情が交差する、複雑なシチュでの
患者の尊厳を護ろうとした、直向きなぶつかり合いだった筈。
素人VS素人の、単なる鬱憤と遣り切れなさをぶつけあうシーンじゃない筈だ。

なのにこのレベルなの・・・?


浅田さんと西島さんが名演技だっただけに、逆に冷めてしまいました・・・。
はぁぁ~。残念。


ちなみに、犯因症は、膨大なエネルギーの表出って、以前言ってませんでしたっけ?
それは別に死に関することだと決めたのは、為頼先生本人であるだけで
強い負の気持ちの表れは、全て犯因症になるんじゃないかと、妻を見て思いました。

生きたいのに生きられない、猛烈な感情。
痛みを耐える、猛烈な感情。
不条理、憤り。死への恐怖。

それだけではなく、人の心とは揺れるものだから
自分で理性的に治療を拒否したとしても、明日には少し不安になったり。
そういう揺れる中で、死への不安が、治療を強く進めなかった夫への怒りとも重なったかもしれない。
勿論それは、身勝手で、都合のよい傲慢なんですけど
人の気持ちって、そんな綺麗なものばかりじゃないから。

そんな揺れ動く人の心の負の部分を描くお話になったら、面白いな~。


でも、このドラマで、そこまで掘り下げてくれるようなセンスの良さは見受けられないので
まあ、ない。
適当に問題提起しておきながら、スル―ってパターンに終わりそう。



一方、相変わらずの白神先生の病室のシーンの手抜き具合には、毎度、辟易だ。
ほんと、このシーン、飽きるんですけど。

伊藤英明さんの単調な演技で、狙いが何処にあるかも分からないまま
何の変化もないカットが延々と続く。

無痛症の彼が出てくるのも、この部屋が多いことから
真っ白というのは、イコール、何にも染まっていないとか、何も感じない、ということの象徴表現なのかもしれない。
棘もなく、無味無臭で、無乾燥な世界というか。

意図は分からなくはないですが
でもそれ、映像として見る分には恐ろしくつまらないだけなんですけど。

何かないのだろうか。カメラワークとか、会話の妙とか
何処かで何かしらの変化をつける手法。

しかも、7話にして、未だに白神院長が掴めない、ぼやけたキャラ。
なんでだ・・・・。
ここに意味があるのだとしたら、もしかして、あの一家惨殺って、白神院長が犯人だったりしてw

その位のインパクトがないと、もう意味分からないカットである。


個人的に、イバラくんは無痛症ということで、感情が理解出来ないと言われていますが
情は深くみえませんか?
きっと、大事な人を大事だと思う気持ちはあるし
そんな彼らのために犠牲的に行動を取っちゃうだけの、モラルが備わっていないだけに見えます。

っていうことは、一家殺人の犯人だとするなら接点がない限り、彼の犯行説は薄い気がする。
現場にサトミちゃんが居たってことが、ポイントなの?
彼女が苛められていたから、殺してあげたとか、そういうこと?

いやでも、犯人がストーカーくんからイバラくんへ、スライドしてきただけに多分もう一回変わりそうな感じがする。
二転三転した変化を付けられていて、本で読む分には面白そう。
ミステリーとしての展開は、未だに全体像を掴ませない感じが興味津々ではあります。

だけど7話にしてリンクが見えないっていうのは、ちょっと脚本が下手なのではって気にさせられる・・・。
何より、それで引っ張っているドラマなのに
そこの進展が1時間費やしてゼロだぜ???

事件経過の部分で、テーマや主題を訴える形式にはしていないので
大事なとこは、大抵、刑事シーンではなくて、医療シーンの方だし
だから、ここくらいサクサク進めても良いと思うんですけどね~。個人的願望。
面白いんだけど間延びしている、中身がスカスカのドラマと紙一重。
焦れてるだけともいう。
[ dramaⅣ-autumn ] CM4. TB0 . TOP ▲
    


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。