Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2017*07*03(Mon)
映画 昼顔
え、そういうオチ?・・・うっそだろこれ。ビターだなぁ。映画館まで行ってこれか。
結構ガツンと来るラストだった。
でも不倫、略奪愛で身勝手に幸せを追求されても微妙なので、シビアなラストだがとても気に入った。
だがありえない・・・ありえない・・・こんな結末なら知らない方が夢見ていられた。
いや、それこそが作り手の狙いだろうか。
不倫などという淡い感情は夢見ているうちだけが幸せなのであって、現実など知らない方が平穏でいられるのだ。
そういう意味なら実に皮肉な大成功なトラップである。

そのくらい嘘くさくも想定外の結末だった。


映画 昼顔
『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』の続編映画。
監督/西谷弘 脚本/井上由美子 主演/上戸彩 斎藤工


昼顔とは夫がいない平日昼間に不倫をする主婦のことを言う。
物語はドラマから3年後、不倫の末に別れた紗和と裕一郎が再び出会うピュアラブから始まった。


すいません・・・音楽番組の記事あげたかったんだけど
あまりの暑さに何もできず、映画館へ逃避しました。


ドラマが好きだったので見に行ってきたのですが
正直ドラマはギャグだと思っていたのに、ラストのあまりの残酷さが胸に突き刺さってます。


映画は終始、紗和視点で進んでいく。
分かりやすいし、ドラマをおさらいしていなくても差し障りない流れはとても親切だ。
強いて難をあげれば、登場人物描写は雑で、紗和や北野先生がどういう人物で、どういう性格なのかとか
そういった類のシーンはほとんどない。
紗和が大人しく控えめなだけでない劇場型な部分も持っていたという設定や
北野先生がどうして紗和を好きになったのかなど、そういう詳細設定は
さすがにドラマの方で、という感じ。

なので中盤、紗和と北野先生の元妻、ノリとの差異?キャラ分け?があまり明確ではなく
ただの普通の女に成り下がってしまっている。
映画はこの流れを受け、不倫から徐々に女と女の争いに軸がシフトしていくので
そこはちょっと惜しかった。


また!
ドラマと決定的に違うのが、相棒?とも言えた利佳子さんがでてこないこと!!
連ドラの時は、利佳子のセリフがいちいち的を得ていて哲学的であり議論めいていた。
そこに考えさせられ、唸り、単なる不倫ドラマが究極の愛を描く物語になっていたのに
利佳子は娘たちのために加藤と別れ、家庭に戻った。彼女の物語はドラマで終わったということか。
まあ、掘り返されてもね・・・。

紗和メインで終わる映画は、そういうインパクトはまるでない。
しかも紗和はドラマの時点で無事離婚も出来ているので独身。
今作における紗和の背徳感は、冒頭ブラックボードに浮かぶ文字列の
二度と会わないという契約書である。
故にただの恋愛映画になってしまっているので、ファン以外がみたら
なんだかなぁと思えるかもしれない。

キャラにしてもストーリーにしても、折角のドラマ時代の強烈な個性はあまり感じられないかった。


でもそのほかはほぼほぼ文句なし。
紗和役の上戸彩ちゃんも、河合らしいシャツなどで魅せてくるわけではなく
紗和らしく、ジーパンや無地のTシャツっていうのがいいね。
おしゃれをしようとしても、髪もぼさぼさのままでっていう。

相変わらず自転車か。
そういう部分は微笑ましささえある。

エロの部分はもっと肌出せよ。←
いや、ドラマでもぴっちりシーツに包まれていたが、映画なんだし、上戸彩ちゃんの復帰作なんだし
もう少し期待した。
せめてカメラカット、もう少しいやらしく撮っても良かったんじゃないだろうか。
音はいやらしさもあるのだが、布団が邪魔だった。
時々挟まれた手だけを絡ませるカットの方がよほど色気があるという。


ドラマで散々流れたBGMを要所に入れてきたのは良かった・・!
久々に聞いてちょっとゾクゾクした。あの妖艶なOPみたいなの、好きだった。

舞台は海。そして蛍。
とにかく蛍は物語の間中繰り返されるキーワードで、なんだろうと思ったら
最後に信号機と指輪になるから、なるほどと思う。
紗和を救うカラーであり、北野先生の愛のカラーなんですね。


映画はとにかく北野先生と再会した紗和の純愛がもたらす結末を描く。
それが徐々に女と女の戦いにシフトするわけで
ノリは一度はあきらめるんだけど、そこからじわじわと歪ませていく心と運命の描き方がもう・・!
恨みとか憎しみとか、そういうものじゃなくて
ただただ虚脱感と悲壮感を画面に漂わせてくるのが鮮烈だった。

「別れた後も裕一郎って呼んでもいい?」
「それは、嫌です」

男を奪っておきながら、そこは、いいですとか言えそうなのに
そこまで独占欲を出した紗和。
その雌が雄を奪う、徹底的な生物学的本能が、割り消えぬ感情を再燃させ
あの結末への呼び水となる流れは、不気味さしかない。

それが紗和の本性であったなぁ、とこっちがしみじみ思っている間に
それが切欠となりノリ、変貌。

やっぱり渡すのは嫌だと車を暴走させて無理心中!!
ぎゃああー!!


「なんで私じゃなくあの子なの?」
「わからない、わからない」
「なんで私じゃだめなの?」
「わからない」

死が迫る中で、北野先生はただ一度、恋の不条理や理性でない部分をさらけだした。

「でも、紗和が好きなんだ」

まるでそれが究極の答えであるかのように。


そもそもノリがやけに大人しく身を引く辺りから、妙にお綺麗な幸せの形を描き始めていて
北野先生と紗和がいっそ気持ち悪いくらいラブラブになるんですよね。
指輪を買うだの、婚姻届けを出すだの、式を挙げたいだの。
それを男の口から言わせてくるあたり、もう女の妄想の究極というか、非現実的な様相を見せ始め。
だからこそ、そのあたりからなんとなく結末が見え始めていて
そういう意味でそこから引っ張る流れが長い長い!

恐らく翌日、いつものようにいってらっしゃいした、あの笑顔が最期になりそう、だとか
やけに伸ばす盆踊りだとか。
怪我しているはずのノリに運転させるとか。

もうヤメテー!・・・と思った限界に、車でダイブですよ。
仰天!!

しかも、北野先生だけ死亡という。
遺体もぐちゃぐちゃらしいという。

「遺体の損傷が激しいのでご覧にならないほうがよいと思います」

ぎゃあぁぁ~・・・・・!!


離婚届を受け取りに行った日だから、つまりは提出していないわけで
法的にはノリの方が本妻で、遺体も彼女が引き取って・・・。

怪我を負っても勝ち誇ったような笑みを浮かべて去るノリ。
ぼろぼろになる紗和。
この対比がもう残酷という言葉を超えて現実の痛みがシビアすぎる。

ノリの愛が女の戦いに変化することで純愛から遠ざかるのも見事な対比で
支配的な彼女の愛が最後はただの傲慢に落ちていった。
惚れた男の命を奪うほどの愛と
命の終わりでなければ告げられなかった北野先生の愛が、そこで交差する、この見事さ。

その言葉を口に出すということは、死を覚悟するのと同等だったのか。


ほんとに報われなかった。
不倫で結婚して・・とかでも嘘くさいけど、病気、怪我ネタもオリジナリティがないし
死亡ネタって、御法度に近くないか。
これやれば観客が泣くとか思ってませんか。

御法度通り過ぎて、唖然。もう唖然。


その紗和を北野先生が遺した指輪が救うのかと思いきや
その指輪も紗和の手には届かず、知らずじまい。
そんな残酷な現実ってあるか。

北野先生が隠した指輪で最後にそこに行って見つけ出すかと多くの人に予想させて
ぶった切り。
えげつない、えげつない。シビアな現実とえげつなさを同一視してくる発想に憎らしささえ湧く。

しかしその三か月後、紗和の中に北野先生の子供が宿っていることを告げ、映画はエンド。

こっっわ!!
あれだけ子供を欲しがっていたのはノリの方だから、つまりはノリの女としての敗北で
映画は締めくくる。
妻として責任とプライドを満たされ、遺体も引き取れたのに
心と子供は紗和の手に遺される。

うわあぁぁぁ・・・・。


背徳感の肯定を自虐的に描きながら、最後に盛大にその余韻をぶち壊してきた。
いろんなものを壊してきた。そして壊された。
そういうこと?

北野先生サイドからしたら、紗和と合わなければ死ぬこともなかったわけで
紗和と再会してから着実に死に向かっていたんだなと思うと
ドラマ時代から怖くなるわ。
死亡への道しるべじゃないか。

それが代償?報いだとでも言いたいんだろうか。
あまりに大きいその喪失は、子供を授かり女として勝ったことで満たされる比ではない。

なんかもう言葉がないよ。このラスト。
映画を知らなければ、一生別れてしまうけど、純愛を心にとどめ、同じ空の下生きていけた。
そっちの方が幸せだったなぁと思う。
二年前のドラマがこの結末を迎えることを、どう受け止めればいいのというのだ。
純愛の果てに、恋愛ごっこが命を削った奪い合いであったことを、重たく視聴者に植え付ける。

そこから見えてくるのは、北野先生も、そして紗和も、命を賭けて恋をしましたという
シンプルな生き様だ。

死ぬことはないだろう・・・。
女の執念、怖えぇぇ。


映画が女と女の戦いにシフトされていく以上、このノリこと、妻・乃里子役の伊藤歩さんが
すべてのカギを握っているわけで
そういう意味で、彼女の演技は圧巻だった。
とにかくすごかった!!

ちょっと太った?感じと、恋に弄ばれ自制が効かなくなる終盤の狂気染みた表情とか
ラストの自分だけ助かって血だらけの腫れた顔とか
すべてが凄まじい。
7階から飛び降りても、北野先生は遺体の損傷が激しくて見られないほどの事故でも、生き残るノリは
ゾンビのようというか、彼女も死なせてあげれば優しい世界観だったのに
生き残らせるとか。発想がすべてビターだ。

完全なヒール役はもう見事としか言いようがなく
彼女の熱演で、単なる純愛ドラマが社会派的な意味を付加できていたようにすら思う。


あと、中盤、紗和が北野先生の恋心を疑う流れがあるんだが
そこら辺は紗和とノリがダブって見えてしまって、勿体なかった。
紗和にはもっと、他人から奪ったからこそ、同じ過ちは繰り返さない、生物的ではなく人間的な足掻きを
描いてほしかったです。
「自分が裏切ったことがあると信じられないのよ・・!」というやりとりは重い。
これを言わせたかったんだろうと思うんだけど。

言わずにすれ違ったから、今度は話し合いをしたい、だとか
北野先生だって、何も言わないから誤解されるって少し学んでくれても。

その上での、二人の逃れられない運命になら、納得も出来たというものだ。
それでも取り乱した紗和を引き留める北野先生は男っぽく
ノリへの対応との違いが見えた。

この辺、ちょっと迷走しちゃった感じが出ちゃったかな。

ちなみにノリは、一度目の不倫で反省したように見せて
妊活をリードする辺り、きっと何も変わってなくて、北野先生も息苦しい思いをしていたんだろうな~とは
画面から何となく察せられるカットはすごくよかった。



蛍というモチーフが青色信号機になり、紗和を救い、それが幸せの象徴の指輪となる。
でも紗和はその指輪を受け取る日はこなかった。
好きだと聞く日もこなかった。

切ない恋がそこに終結した。
死んでしまえば会いたいと思うこともないと紗和が言ったとおりになった。
お腹に遺された子供だけが真実で、その子供らしき眼鏡をかけた天パの男の子が北野先生そっくりで
女の子に汚れた箱から指輪をプレゼントするシーンで終わるラストはとても童話チック。
北野先生がやりたかったことを、やり残したことを、時空を超え、シンクロしているようだった。

綺麗だけど本人たちは何も知らないという現実の無慈悲がにじみでる。
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2017*06*22(Thu)
探偵はBARにいる
録画整理していたら偶然見つけて見始めたらまた最後まで見てしまった。
やっぱり面白い良い映画だ。毎回最後の時計のシーンでずきんとやられる。爆涙。

奇をてらうようなあざとさも視聴者を馬鹿にしたような無茶もなく
大泉さんがユニークなだけで物語はとても渋く丁寧に紡がれていくところがものすごく好きだ。
それでいて妙齢となった男を主人公にしておきながら成功談やヒーローを見せられるわけでもないから
人生の苦みがじわりと増すのだ。間に合わない電車のシーンは圧巻。

2も見たくなってきちゃった。


『探偵はBARにいる』
監督/橋本一 脚本/古沢良太 大泉洋・松田龍平主演。2011年9月公開
東直己の推理小説シリーズ『ススキノ探偵シリーズ』が原作
興行収入12.2億円


北海道札幌市の「すすきの」のバー「ケラーオオハタ」を舞台に
そこに入り浸る私立探偵とその助手・高田が、事件に巻き込まれ
その真相を追っていくミステリーっぽい探偵モノ。

ハードボイルドを気取っている作風と、なのに三枚目な主人公のギャップがひたすらかけ離れているところに
めちゃくちゃ苦笑と旨味が出る映画である。
前半のクールを装いつつ、行動も性格もギャグになる人物見せも完璧だし
その辺をコミカルかつリズミカルに見せるテンポの良さも軽快で
もう序盤30分で勝負は決まるよな。

見始めたら止まらなくなっちゃった。

助手かどうかも怪しい高田ののほほんとしたキャラと
気障っぽく振舞いながら根も二枚目なくせに、行動が三枚目な主人公とのコンビも
対極的なんだけど、しっかりとした絆があるから空中崩壊していない。

この映画は大泉さんのキャラあっての完成度だよなと改めて思う。
あのとぼけたようなユニークさと、憎めないキャラが可愛いやら面白いやら。


舞台が北海道の繁華街なのも地味なチョイスで
その雪国ならではの利を使った格闘シーンは特徴的ですよね~。

滑りながら受け身とか、雪に生き埋めw
モービルでの逃走も面白かったし、広大に何もない土地ならではの面白さもあった。
ぽつんとある電話ボックスとかさ~。
そうそう、店の黒電話。すっげえ・・・・もう骨董品なレベルだ。


事件はコンドウキョウコを名乗る女性から一本の電話が入るところから始まる。
女の依頼は弁護士に接触しろだの、誰々を呼び出せだの、要領を得ないもの。
それを一個づつクリアしていくごとに事件の真相が繋がってくる。

視聴者的には電話の女とサオリはどうみても同一人物だろ、声で気付くだろ、と思うんだが
その疑問が一致するラストの電話は哀しくて芸術的だ。
それでいて、物語は主人公の俺をヒーローにはしない。
「依頼人を護る」というセリフが何度が飛び出すけど、彼は守り切れなかった。

「スピードあげろー!」と電車の中で怒鳴る声色とか
辿り着いた式場で遺体と対面するシーンに言葉を使わないセンスとか
もう色々ラストの盛り上がりは圧倒的で、のらりくらりとした中盤を一気に加速する。
畳みかけ方がいきなりで、びっくりしているうちにタイムオーバーさせられる末路は
わかっちゃいるけど衝撃的。

中盤、色々飛んでいたコマを、どう回収するのかなと思ったら
手紙一つでスルーしちゃうとか、女が片手で銃は撃てないとか、色々突っ込みどころはあるけど
それを網羅するほどのまっしろな雪と絶望がもう何とも言えなくて。
あの列車を上からとるカメラワークとか、真っ白な雪の駅とか、すごい絵だ。

この時点でかなり重たいものが胸に残っているのに
もう一回抉ってくるんだよな。それが時計。

彼女が遺した時計はまさかの夫の遺品ってことかと思うと
もう彼女にとっては夫に始まり夫に終わる、夫だけに生きた女だったんだなと。
そうなると、その人生の末路で右往左往した主人公・俺の存在など塵に等しいものだろうに
「惚れた」って言葉が嬉しかったって・・・。
うわあ・・・。

下手に、女に罪を犯させない物語にさせてきたら陳腐になっただろう、男の不器用な生き様が
とっても素敵である。
面白かった!!


あと、カメラワークが独特で45度とか反転とか、倒した角度に特徴的なものが目立つのも印象的なところだ。
またこの映画見るとお酒飲みたくなるんだよな~。ほんと美味しそうでv
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2017*05*27(Sat)
帰ってきた家売るオンナSP 感想
「し、幸せそうですね」「幸せってなんだ!」冒頭スコーンとやられた庭野にもう笑いが止まらない。
帰ってきたよ~このノリ~!楽しい!嬉しい!

連ドラから3年後の彼らを描いた二時間スペシャル。
個人的にサンチー不動産で活躍している二人を一時的に応援頼む形で再会っていうのが
一番自然で一番楽しそうって思っていたら、正にその通りな設定だったので
それだけでワクワクでした。

中身も変わらない世界観での物語で、変に悪ノリしてこなかったのも良い。
開始二十分はもうスピード感もあって一気に世界を取り戻してくれた。
イモト演じる白洲美加もまた健在にしてくれたのは、粋な心遣いである。
お馴染みのメンバーが出揃ったテイコー不動産新宿営業所。
内装まで懐かしかった。

そして、そうそう、いたよな、こんなマスコットキャラ。
そうか相撲って住もうと掛けていたのか、と今頃ハッとした馬鹿がここにいる。


ただ、屋代課長が一人蚊帳の外だったのが悲しい・・・。
彼の凄さが全くなかったような・・・(笑)
個人的に仲村トオルさんをここまで駄目男にしているこのドラマの贅沢っぷりは清々しく
出来れば彼も交えての活躍を見たかったかな~。

北川景子ちゃんの無表情顔もやっぱりハマってる!
下手に演技をさせないところがもうぴったりで、やっぱり笑えるし味だわ~~~。
目を見開いてパソコン、ガン見しているだけでウケる人って早々居ないよ。

イモトさんが演じる白洲美加が産後復帰しているのも面白かったけど
すんげー勘違い発言&自惚れ発言もこれでもかと投下。
これはこれで笑えた。
最後にやっぱりサンチーに利用されているのも、良いポジション。

個人的には足立王子が今回の功労賞でしょう!
内容的にもだが、それよりなんかパワーアップしているような、ノリノリの演技が素晴らしかった!
大袈裟な顔芸とかw
優雅な動作に加えたイケメン風なのに、突如ガラが悪くなる言葉遣いとかw

足立王子の豹変に、その度にニヤついた。
やべぇ、このキャラいい・・・w まじイイよ・・・!



さて。内容的には。
まあまあ満足。ちょっと精彩を欠いた印象があったことと、連ドラを知らないでSP見ちゃった人には
このドラマの良さは伝わらなかっただろうな~っていうプロットがちょっと惜しかったが
連ドラファンからしたらもう美味しい展開てんこもりの、ツボも心得てある、無難なSPって感じでした。

息の合った役者さんたちの板に付いた演技とか
テンポ良く進む物語とか
派手さはないんだけど、どこかしんみりしちゃう人の世だとか。


不満なのは脚本じゃなくて演出面かもしれない。
なんかちょっと中盤中弛みした印象がある。
サンチーのGO!を聞けただけでうひゃぁぁ!な私ですが
それを挿入するくっそたまらないタイミングとか、ちょっとズレていた気がしたんですが。

その上、物件も三件扱った豪華版だったにも関わらず――
定年後の独居老人→家族と和解出来ずアパート経営
天才子役→芸能界辞めたけど家は見つからず
母子家庭→収入が少なく家は横取り
・・・と、どれも消化不良な結末ときたら、少々ドラマ時代のカタルシス不足だったと言っても言い過ぎではないだろう。

サンチーが売買した相手は皆幸せになれるというジンクスみたいなのが
不動産=人生というテーマに沿い、ドラマティックに魅せられるのに、そこが足りなかった。
家を売る売らない以前に、彼らの人生にどれも決着付けないって、どういうことだ?


とか言いつつ、個人的にグッと来たのは三件のうち父息子の子役ネタ。

母親に先立たれた子供が大人ぶっていくうちに何かが違うと思っていてもそれが出せなくなって
八方ふさがりになっているのが、ちょっと泣けた。
全力でぶつかって「お父さん」って泣き付いた和解シーンはほろりとさせられた~。
抱きつくタイミングなど、煽りが上手い。


娘を勘当した父親が、かつての暴言の報いを得たように孤独な老後に終わる話は
娘に謝らせない威厳も、娘と和解させないあっさり加減も
世知辛い社会を切り取っていて変に夢を見せて来ないから私は好きだ。
出会いと別れを繰り返す人生の交差点か。

でもこの父親が打ちのめされたのは寂しさだけではないと思うが。
その辺は巧妙にズラし、娘と和解も再会もさせないサンチーの潔さがなんとも沁みる。

サンチーの言葉にしない家と人の理解は、相変わらず小気味良かった。
シングルマザーが先約になりそうな物件を、奪い取って犬の家に売却とかかなりキツイ現実を入れてくるところとかも
彼女らしいし、このドラマらしさも充分で
後味悪いのも、奪い取るだけの理由がサンチーにはあるわけで、そういう流れは良かった。

のに、なんか尻つぼみである。
不動産が齎す幸せや不動産の魅力、そこに准える人生というものが
あまり前面に出て来なかったからか。
ドラマ時代はもっと、不動産の魅力解説書か!って感じで、不動産ありきで
そこにベストマッチングする人生の郷愁を描いてくれていたような。


その上、サンチーと課長の結婚を期待させておいて
「俺と!・・・俺と!」
「結婚、しますか」
「えっ」

最後までヘタレな屋代ちゃん・・・v
まさかの逆プロポーズ/////
そこで先に言っちゃうのかよw

これはこれで笑えましたw
さんちーがそれを察しているっていうところがツンデレである。

それでもドラマ時代は恋愛にはちょっと奥手で不器用で乙女な部分もあった彼女に
そこを分かって上げられる課長・・というテンプレが全く無視されてしまったのが残念で。

折角、最後の定年じぃちゃんが、人生の最後に寂しさを覚えて勘当した娘との再会を願ったというネタがあるのに
そこを踏まえて、一人強がるサンチーと、寂しくないふりをするサンチー。
そんな流れを経ての、屋代課長のプロポーズと来たら
それなりに含みのあるエンディングだったのにぃ。ってか、きゅん死出来たのに。

だったら庭野に「しっかりサンチーを自分のものにしてください」とか言わせないで
「課長がそんなだったら俺が奪いにきます」ぐらい言わせてくれれば
別な意味で悶えたのに。

この中途半端ぶり。
これ、もしかして続編考えてます?


大きな物件、営業成績などに重点を置いていた連ドラ時代とは少し視点を変え
今回はミニマムな物件に拘らせて、足立王子も庭野もまた人を背負っていく営業マンとなっていった。
営業マンたちの成長は見れた、のかな?
それも発展途上だった。

だって結局家は紹介出来なかった訳だし。彼らの未来は示されなかった訳だし。


このドラマの良さは伝わらなかっただろうな~っていうのがファンとしては悔しいですが
お馴染みのキャラのその後を味わいました!

サンチーを呼ばなきゃならないほどヤバかった営業所にサンチーが来て、嵐のように去っていく。
さんちーだよ、やっぱ、さんちーだよ。
しんみりさせる間もなく、視聴者にとっても嵐のような一件でした。
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2017*04*10(Mon)
ドラマスペシャル警部補・碓氷弘一~殺しのエチュード~感想
面白かった~!ユースケさんダークな中年男が似合う似合う!
こういうちょっと抑えた雰囲気と怖さ、彼がやると味があるっていうか独特の雰囲気が出ますよね。
ちょっと滑舌悪いことなんか気にならないくらい憑いているものが見える画だった。

また、ユースケさんと滝藤賢一さんのコンビが良かった~!
二人共演技派という一定の箔があるので並ぶと圧巻!
ちょっと荒々しい滝藤さんはもう文句ないレベルなので、凄い緊張感が滲んでいたように思います。

背格好も近く、痩せ型の二人なのでシルエット的にもちょっと・・・//////
カッコ良かった!



警部補・碓氷弘一~殺しのエチュード~
警察小説の第一人者と言われる今野敏の人気シリーズ。
監督/波多野貴文 主演ユースケ・サンタマリア


簡単なあらすじ
ライブに集まる人波の中で一人の女性が刺殺され、目撃者によって石狩という男が取り押さえられる。
翌日、駅に向かう人波の中で女性の刺殺事件が発生し、同じく目撃者によって野間という男が取り押さえられる。
偶然居合わせた碓氷が野間を緊急逮捕したのだが、前日の事件と合わせ、二人共否認。

ネット掲示板に「まだエチュードに過ぎない。本番はこれからだ」

真実はどこにあって犯人は誰なのか?っていう物語。


ドラマの出だしは、碓氷の誤認逮捕だったのか?という焦点に絞られ
あんな大勢の目の前で逮捕、目撃者も多数いたのだから
まさか間違えているとは思わない先入観と正義感を、「善意のヒーロー」としていたのが面白い。

誰もが刺した瞬間を見ていないのに、一人が「コイツが刺した」と叫べば
集団心理が働いて誰もがちょっと役に立ちたい心理に誘導され、そいつが犯人だと思ってしまうこの怖さが
実はそのまま真犯人の動機にも繋がるのだが
その切り口はとても繊細で丁寧だった。

そして、自分がやったと正義感を出していったのに、それを否定されると辱められる、この心理。

記憶は自己都合で操作されるという台詞もあって
とても社会性の強い人間心理を突いてくるなと思った。

何か明確な事実があってイコール犯罪となるのではなく
こうすれば人がこう動くから、犯罪が完成するっていうツールがそもそもユニークですよね。
誘導されて善意で行動したつもりが一人の冤罪を作り上げるリスクは
ちょっとおぼろげな怖さもあると思った。


碓氷が自分のその思考と記憶と思い込みのズレに気付くまでで一つのカタルシスがあったと思う。

で、気付いた後は今度は目的が見えない。
ミステリー的な誘導はとても緻密。
それだけで前半は充分集中出来る出来栄え。
そういうデリケートな部分を緻密に練り上げているのが尽く光っているドラマだと思う。


殺された被害女性二人ではなく
集団に捕まえられた被疑者の方に接点があるのでは?という視点の転換で
やったやらないの水掛け論も、それこそ痴漢冤罪の代表格で
実際ドラマもやがて発端となった痴漢事件へと繋がっていく。

その辺りからは縦型社会の上からの圧力へと理由がシフトし
その利権が絡んだかのような正義と、やはり対極にある構造が真犯人に繋がっていき
まさかの選挙妨害がクライマックス。

ちょーっとその逮捕の瞬間はもうちょっと何かドラマティックに描かれても良かったんじゃとは思うが
その分、上司に立て付き啖呵を切るラストは爽快感と後味の悪さもあって
ここに持ってくるまでの無駄のない、四方から攻める脚本に二時間たっぷり楽しまされました。
とっても良かった。


犯人は桐山という痴漢冤罪になった男。
本当に痴漢をした男・野間は有名議員の甥。
自己保身のために議員が野間の痴漢の罪を桐山に決定づけさせて
その人生をめちゃめちゃにされた桐山が野間と議員に復讐するために起こした事件でした。

しかもその時所轄の捜査に議員からの依頼で圧力を掛けたのが
碓氷を今回送りこんだ警視庁参事官という・・・。
事件経過を見守る・・監視するために利用してたんですね。

でも証拠もなく何も御咎めを受けない。

一番悪い人間が逮捕されず、冤罪で追い詰められた人間が犯罪に手を染め
更に人生を狂わせるラストの辛辣さは私好みでもあり
軽く差し込まれた母親の涙が実に痛々しい。
なんて悲しい悲劇か。

だからこそ、桐山の女性殺害などの動機はいっそ、誰でも良かったなどというチープなもので充分なのだと思えた。
その分、彼の破滅に追い込まれた悔恨がありありと浮かび上がる。


そんな物語を、これまた圧巻の役者陣が演じてらして、隅から隅まで隙はない。

自らの希望で捜査一課から総務部・ 装備課へと異動した警部補・碓氷弘一。
警視庁総務部装備課主任をユースケ・サンタマリアさん。

歳取ったな~とは思うけど、そのやつれた様子が実に冴えない中年キャラにマッチしている。
抑えた暗い演技が人間の含みを視聴者に感じさせ、いい感じなのだ。
声のトーンなども棘がなく、重い。


その相棒役・藤森紗英に相武紗季さん。
科警研研究員で犯罪心理学を学んだプロファイリングの専門家という設定だが
そういう理系キャリア風には感じないちょっと風変わりな女の子だった。
少しトロい口調に統一されていて、好き嫌いが分かれそう。
あまり頭良くは見えない。
でも碓氷とのコンビにはかなりマッチしていてアレルギーがない感じに仕上がっていたのが好印象。
毒がない感じというのか。とにかく中々おっとりした感じが凄く良かったのだ。

なのにあけすけにズケズケ言っちゃう感じとか、台詞のチョイスも上手かった。



警視庁捜査一課5係・刑事で碓氷と同期という高木を滝藤賢一 さん。
彼のトリッキーな演技力は周知されたるものですが、今回の尖った感じも実に上手い。
カッカして乱暴な感じも幼稚な風には感じさせず、早口な台詞も笑えた。
この人、実は良い人なんじゃって、どことなく思わせてしまう説得性がある・・・。


そんな彼と碓氷が徐々に協力体制に求心力が高まっていく流れも実はかなり見事で!
初めは辞めた碓氷に理解を示さず陰口を叩いていたのに
ぶつかり合い、憎み合い、でも
「長年現場を走りまわってきたお前なら分かるだろう!もう一度信じろ」
・・・って辺りから、慣れ合いではないのに、目的のためにチームが結成されていく感じの演出が
実はかなりグッと燃えた。

「ばぁか、お前。装備課が無茶しやがって」
「・・・」←この無言の表情vv

こういう楽しさはミステリー以外でも絶対必要だと思う。絶対。

警視庁捜査一課5係の係長役の佐野史郎の落ち付いた中でのひょうきんな役も見応えあったし。
役者陣には申し分ないクオリティだった。


唯一不満を言うとしたら
さっき少し書いたけど、こうまでして盛り上げてきたクライマックスが逮捕の瞬間なのか
それとも、碓氷が上司に
「待てって言ってんだよ!土下座しろよ、それでも足りねぇぞ・・!」」と啖呵切るシーンなのか。
確かに無音で演技力だけで見せ切ったこのシーンは
こいつがラスボスか、という迫力もあって味わいたっぷりである。

が、刑事ドラマって先入観としてどうしても逮捕の瞬間に山場を見てしまいますしねぇ。
その上、本当のクライマックスがしっかりと敵役を打ち倒すシーンではなかったために
どっちつかずになって、散漫してしまったのが少々勿体ない。

というのも、選挙の当確となった中継現場が妙に閑散としているのがなんか尻つぼみで。
参事官も同席するこの緊張の三つ巴戦をもっと焦燥感たっぷりに描けそうなのに。

だとしたら、恐らく狙いはその後のラスボス・参事官に
「彼をこんなにしたのは警察なんですよ」と言っちゃいけないこと言っちゃうシーンがメインだと思うんだが
確かにそこはすごい迫力があって良かったんですが。
なんか集中力が二分しちゃったな、という印象なのだ。

言っちゃった後「はぁ・・クビですかね・・・」って言う言い方は可愛かったが。
こういうとこ、愛嬌が残ってていいんだよな~。ほんと上手いというか。<ユースケさん

もっとスッキリと纏めてくれた方が気持ち良かったかなという勿体なさがある。


それと!
カメラワークには一言言いたい!
序盤、捜査一課の不協和音をカメラで演出したかったのだろう、くるくる回りながらの長回しで
一気に撮ったシーンで
しかもフラフラとわざと視界を揺らす手法で延々と撮られたシーンは酔って吐きそうになりました。
いい加減制止してくれ。
不穏な空気感をそんな小手先の手法でしか洗わせないのかよ!下手くそ!

だが、一貫した色素を抑えた画面は硬派さと頑固さもあって、ラストシーンにも相応しく
その他の部分については最高でした。
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2017*04*05(Wed)
相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断 感想
ラストシーンまで見てグッとくるものがある。健気な愛が切ない物語だった。
最後の最後に動機の面で愛情の報われなさと神聖さに一捻り加えたことで、私的には評価があがりました。
憎み、恨み、何度裏切られても、それでも消えなかった愛情は実に重たく切なかったです。
悪くない余韻でした。


『相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断』
2017年度作品



そんな訳でそろそろ公開終了になっちゃうのでようやく行ってきました!
面白かったですv

まさか右京さんがカエルみたいに飛ぶとは思わなかったよ。
本当に撃たれたーッ!!
決してイケメン俳優さんではないだけに、両手上げて飛びあがるもんだから妙に滑稽で
逆にその必死さや真剣さが映像化されていてガン見でした。

物語は、相棒らしく政治・テロ・国家批判。テーマは護るのは国家か個人かといったところか。
好きだねー。こういうネタ。
相棒らしくって笑ってしまうのだが、でも今回ラストにそれを一捻りしてくるので
見応えありました。
人生って悲しいなと思わせられる一作だ。


大まかなあらすじ。
英国の日本大使館で起きた惨劇から始まるおどろおどろしいプロローグであり
これがかなりのインパクト。
死体がごろごろしているR指定したいくらいのエグさであった。
華麗な洋館が舞台なので、余計に毒殺という手法がポルターガイストみたいだった。

白いワンピースの少女がそれを目の当たりにするんだが、痛々しくて見ていられない。
そしてこの少女は現場から拉致された。

国際犯罪組織のリーダーであるレイブンっていうテロリストが高額な身代金を当時要求して来たが
政府は拒否した。
事実関係が掴めないだの、テロには屈しないだの、そんな理由。

7年後、また政府に身代金が要求されてくる。
ビデオに映っていたのは当時の女の子。誘拐された女の子は活発な少女に成長していた。

政府は今回も要求に応じないまま要求期限の時刻が迫る。
「日本人の誇りが砕け散る」といった組織の声明が何を指すのか?が映画の根幹だ。



結局それは、50万人の観客が集まる国際スポーツ競技大会の凱旋パレードを狙ったテロ計画だったと
右京さんが突き止めるのだが
犯人側が政策にも計画にも政治的にも知謀に欠け、世界を股に掛けるくらいだろうに、巨大悪という印象は薄い。


ただ、その少女と行動を共にする黒衣の男――彼が実行犯なんだが
冒頭から雨の中バイクかっ飛ばしたり、肉体派にクールに登場してくる。
これを北村一輝さんが演じてらっしゃるのだが、もぉぉ実にイイ!
めっちゃダークヒーローなカッコ良さだった!

アウトサイダーに落ちてしまったような目つきと、低めの声でぼそぼそ話すトーンが痺れて
くっそカッコ良かったです。
こんな渋い人だったかな?
癖のある髪の毛や肌の色なども似合っていて、良いキャスティングだった。


ちなみにキーマンとなる誘拐された少女・鷺沢瑛里佳の成長した7年後を演じたのが
山口まゆさんだったが、これもナイスキャストだった。
長い髪と舌足らずな幼稚さを持ちながら、快活に飛び跳ねるボーイッシュな感じが
ちょっと萌えキャラ風で、非常に愛らしい感じに仕上がってた。
尻やウエストのラインを強調した服と動作だったのも良い。カメラアングルに拍手。
追いかけるのに、わざわざガードレールを飛び越えるとか、ちょっとおしとやかさが無かったのがいい。
ぷりぷりとした肉感が彼女の性格と演技力不足を補足していた気がした。


50万人の観客が銀座に集結している本日、国を背負った英雄たちの前で
もし毒物が撒かれて惨劇となったら。
そんな悲劇は平和ボケした日本人は誰も想像していないだろうというのが犯人側の魂胆だ。

確かに日本でテロが起きる具体的なメリットがあまりないだけに
彼が危惧する恐怖もまたリアリティ薄いよなと私は思ってしまったのだが
そんな平和ボケした感想こそが、今回の犯人の一番の主張なのだろう。

一応動機としての、犯人が無差別テロを企てた理由として
戦争中の原体験から、今の平和が突然奪われることは決して非現実じゃないと
現在の日本の平和ボケぶりに喝を入れるということを述べてくる。


その描き方が少々わざとらしいが国に裏切られる流れは辛酸だ。
置き去りにされた孤島、帰国したら両親は死亡、自分も死亡扱いで無戸籍になっていた事実。
国のために、国を背負って戦時下へ向かったのに
国はこうやって見殺しにする。

そういう下地を映画は視聴者にこれでもかと植え付ける。

大戦の帰還困難者の苦難を描き、その体験と、7年前の国に見捨てられた少女
現在ももう一度見捨てられようとしている、この二の舞。
故に彼らの裏切りへの憎しみはいかほどのものかと思わせられる。

でもそれと国がテロに屈しないという理由で身代金を払わないことは別問題なんですよね。
国家が持つのは税金であり、テロ対策は別次元の話。
拒否した政府を「国民の命よりテロとの戦いに勝つことを優先した」言わせる。
あたかも国民より個人利益を優先するみたいな言い方で終始させ
それ以上の深い掘り下げはしてこない。

その辺を微妙にリンクさせたまま放置してしまうから、中身が恐ろしく薄っぺらい。

と思ったのだけど、そこからが良かったのだ。


その孤島で置き去りにされ、国に見捨てられ、戸籍まで奪われた男を
別戸籍のマーク・リュウとして、鹿賀丈史さんが演じていた。
登場当初はなーんか棒読みな演技が冷めていたのですが
ラスト、右京さんとの留置所での心理攻防は、実に熱い。


国に裏切られた男が、同じく国に捨てられた少女に同情して、かつての復讐をしてきた、とか
国の対応に不満を抱いた男が、憎しみのままにテロで国を滅ぼそうとした、とか
戸籍まで奪われて悔しかったんです・・・だから、彼女をまた見捨てる彼らを許せなかった・・・だの
そんな理由で終えていたら、私も冷めていた。

でも右京さんが、それでもどうして強行しようとしたのか?

実の娘が駆けつけても、彼は自爆テロを止めようとはしなかった。
彼女を撒き込むと分かっていても止めなかった。
つまりは彼女のために起こした復讐劇ではないのだと気付いたという。

「テロを企て、失敗した男として、死にたかったのではありませんか」

つまりはあれだけ悲惨な戦時下で両親を失い見捨てられても
同じように少女を未だ救おうとしない態度を見ても
それでも日本を愛していたという想いだけは消えなかったんだということで
テロに甘い日本のために、何か警笛して死にたかったんだと彼の行為が物語る。

ここまで来てようやく、冒頭のショッキングな画や、少女の立場、途中挿入された戦時下の映像などが
綺麗に繋がってきて
そこまで辛辣な目にあっても消えなかった国家愛みたいなものの深さが
人が人を思う愛情宛らに綺麗に積もってきて、沁みるのだ。

7年前の少女も、肌の色を嘲笑される人種差別を受けているオプションまであり
更には当時の英大使館事件の毒を入れた犯人でもある。
とにかく国を理由に孤立するシチュをこれでもかと積み上げてくる。
成程、このためか。

当時の彼女は人種差別を受けていて、だからこそ願いが叶う薬だと言われて、騙された。
そこで願ったのが「受け容れられたい」

いじめに遭って、それでも残るのが、憎しみでもなく恨みでもなく、そんな人たちに受け容れられたかった。
そんな健気な寂しさである事実が
そのまま今回のマーク・リュウの境遇を模倣していた。

要は彼女はリアルタイムのマーク・リュウだったんだろうな。


そんなに日本が好きか。
裏切られても、消されても、ウン十年消えない愛情がなんかもう切なくて。

でもそんなものだ。
人の心なんて、深い愛情なんて、何が起きてもそう簡単には消えたりしなかったりする。

だからこそ、命の最後まで生きて下さいという右京さんの声が
ようやく日本人として認められたそれのようで、錯覚させられるのも、ニクイ終幕だった。

そんな男の心はつまり、当時日本のためだといって命を掛けて戦って散っていった
両親の覚悟や正義を否定してもいないことになる。
懸命に尽くした両親の生き方を否定しないラストが、最後にじんわり沁みてきて
ああ、もう、大人って世知辛いなと。
しみじみ思う余韻が、ブラックアウトしたエンドロールに流れていった。


そこら辺の落ち所が大変気に入りました。
消えなかった愛情に理解を見せる右京さんに涙する鹿賀丈史さんの静かな涙も痛々しかった。
音のない烈しい口論も、怯える心のようで、満たされない咆哮のようで。
国に裏切られた、だから恨んだ、という単純な方程式だけでは陳腐だし使い古されている。

それでも愛国心を消せなかったという、幸福なようで不幸のような血の運命が
なんとも言い難い余韻を伸ばす。
憎しみを憎しみとして描かず、悲劇の一つに留めた結末を評価したい。


唯一雑だと思ったのは、相棒が相棒でないんですよね。
右京さんが死にたがるマーク・リュウを護るため狙撃手の前にカエルのように飛び出すが
相棒が護りきれないのがその象徴のようにさえ映る。
叫ぶ冠城くんの悲鳴染みた声も衝撃を物語っていて、映画としては良かったんですけど。

冠城くんの忠実な支持者でない関係が新鮮で、そこが今の相棒の面白さであり、未完成な分
まだ新たな絆へ到達していないと言える。
だからこそ勿体ない。
もう一度完全なる相棒と成長した二人でもう一本、映画がほしいところだ。


最後に。

会場は夜の回で行ったからだろうか、年配の方が多くてびっくりした。
たしか前作まではもっと相棒ファンって20~30代の若い人もいたような気がする。
なのに、定年間近な老夫婦だの、オジサンばかりだったぞ?どういうことだ。
今の相棒ってこんな年齢層に支えられているのか?

女性もいるにはいたが、50代くらいの主婦友達っぽい連れなどで
ちょっと意外でした。
公開終了も近いが、割と混んでいたのはファンとして嬉しいところ。


恒例!私的いたみんチェック!
ごめん、今回はもう、あのびっくり顔だけでおなかいっぱいですvvv
スクリーンアップに驚愕のいたみん、笑ってしまったv かわいいぞ!

まさかのいたみんの失態で無線機が使えなくなるというねw
そんなこともあるさ。
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