Like Sugar&bitter chocolate  邦ドラマと映画の甘くてちょっとほろ苦い感想雑記。けっこなんでも飛び出すごちゃまぜブログです。お暇つぶしになれば幸い。ヾ(≧∇≦)
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2016*09*23(Fri)
東京喰種 第3巻 感想
衝撃だったー!両極端な主張が真っ向からぶつかり合う生命倫理はいっそ究極である。
かなりハードな命題を臨場感たっぷりに見せられました。
それ言っちゃおしまいでしょという大人の諦観で見過ごす生命の宿命を
嫌という程この漫画は抉りだしてくる。
読後感の鬱な気分はハンパないが、すっごいものを読んだ・・・!って気分である。

前巻までの温いジャブはなんだったんだろうか。
一巻は導入部だし人物設定とか世界観の説明とか色々あるから解説調になってしまうのはどの漫画も同じだが
正直二巻がどうもスピードダウンした気がして
もっと他にエピソードあったんじゃないかとか
もっと展開早めてもよかったんじゃないかとか
色々間延びした感じがとろくさく感じていた。

だがそれらが全て嵐の前の静けさであったかのように、三巻で一気に物語が白熱した・・・!
全てはこの前振りだったのかとようやく認識する。
(文句言ってゴメンナサイ)


この3巻分のボリュームを2巻程度に纏め上げられていたら
もっと熟成した重さを感じていたかもしれない。
それでも三巻で捕食者と駆除者を正面衝突させた惨劇は大きな節目となりそうだった。

生きるために食べるという一番根底の部分を罪かと問いかける。
命は尊いから奪うのは間違いだと主張する。
この問いに、はて、答えなんか出せるのか?とある意味不安にさえなってくるほど
そのままの命題で衝突させてきた。

前巻から捜査官として国というか公的な社会保障(保護?)が見えてきましたけど
まさかこれがヒナミの一件からこんな形で正面衝突させてくるとは。

何より好感持てるのは、使い古した正義感を一方向から押し付け合うような話ではないということだ。
主人公カネキの主観はどうしても入るから、多少こちら側、つまり捕食する方に意識が寄りがちで展開するが
相手側、つまり駆除する側の正当性の方が汎用性が高い言い回しを用いていて
正直この命題なら駆除側が正義のヒーローとして別漫画が描けそうなレベルである。
そういうハイレベルの倫理観の衝突を見せてくるから
ギリギリの攻防戦がより切迫感を炙り出してくる。


前巻で捜査官が一人トーカちゃんに殺される。
だからこそ、仲間を殺された捜査官は、弔いの意味も込めて
捜査に邁進することを誓う。

こんなの良くある刑事ものとか、ヒーローものの定番じゃないか。
だがそれが、この漫画では敵側というから、面白い。
それも適当ではなく、しっかりと捜査官の苦悩も描いてくるから
読者としてはいっそ不思議な矛盾の中に取り残される。

「草場さんが殺されていい理由なんてない・・・
 正義を貫こうとした男、大切な人を奪われた子供たち、誰かを護ろうと戦った人々
 何故彼らが命を落とさねばならない?」

だよなぁ、だよねぇ、ホントそう思うし、そこに疑問なんて普通は抱かない。

だけど、捕食者は人を食べなければ飢えに苦しみ死んでしまうのだ。
世の肉食動物だって、それこそ昆虫や細菌に至るまで、喰わなきゃ死ぬ。
止められない欲求というものを、殺人快楽みたいなサイコパスではなく
誰もが良く知る食欲という欲望に准えて描いてくるから、もう堪らない。だからもうミソ!
すんごいリアリティ連れて訴えかけてくる。

人殺しという究極の暴走を、食欲という生物の際限まで突き詰めた原始的な欲求と対峙させる
この構図が、もうものすごいと思った。
それは第一巻から感じていたことだが、その主張を社会的な構図にまで持ち込ませるから
要求の高尚さが他とは違う。
そもそも、動物が動物を殺すのは、縄張りだったり自己保身だったり
色々あるけど、その究極って、食事じゃないか、と、そう主張されてもいるようだ。
食事=殺害なんですよね。とどのつまり。

それを訴えているからこそ、より、生物同士の戦いが、生き残りというサバイバルゲームから
もっと崇高で源泉的なものに変化する。
何故食欲なのか、どうして食欲だったのか。
なにやら色々合点が行きました。

そうなると、ライオンが悪いのか牛が悪いのかという、食物連鎖的な命題が浮かび上がってきて
その倫理観が対立するラストは、壮絶。

どちらかに肩入れした押し付けの正義感でない描き方がより悲愴感と絶望感も露わしていて
相容れない悲劇に愕然でした。
すごい!すっごかったよ・・・!


また、今巻で面白いなと思ったのはトーカちゃんの不完全性。
ここまで実はヒロインにしてはあまり可愛さや魅力が感じられず、どういうポジなのかもあまり良く読み取れなかった。
ドジっ子でもサドッ子でもいいけど
なんかキャラが薄いというか、何かを必死に抱えているのは分かるのだが
共感できないんですよね。

だが、今回、「彼女もまた間違えた」というカネキの理解で
色々合点がいき、すごく納得が出来ました。
今まで彼女は先輩喰種として、ある意味完成体だと思っていたからどこか歪だったのだ。

だから「私は人殺しよ」って堂々と言い切るその態度も
共感というよりは、じゃあ勝手にすれば?って思わせられちゃう意地が見えて
ツンデレみたいな可愛さもない。

トーカちゃんはトーカちゃんで色々悟ってしまった部分はあるんだろうけど
やっぱりそれはどこか歪は悲観的思考であって、達観ではなかった。
ヒナミのために何をしてあげれば良いかと考えて、復讐と安寧しか浮かばなかった時点で
やはり経験者というよりは怯えた未成熟性があった。

そういう脆さの他に不完全さが見えた時、なんか彼女にも温もりが灯った感じで
どうにもならない現実に足掻く瑞々しい命が見えました。


届かなかったヒナミへの救済に、ヒナミが失踪。
それを追い掛け、その隙を突かれて、トーカVS捜査官・真戸。

・・・あのさぁ・・ビジュアル!ビジュアル!!
もうちょっと読者のシンパシーを得られるようなキャラデザなかったんだろうか・・・(笑)
でも一応敵役だからこれでいいのか?
ちょっとヤバイ感じでイっちゃってるオッサン。
妖怪に近いわっ。

しかし、中身は男前。
マジカッコイイ!
蛇のように隙のない不気味な千里眼で、トーカを追い詰めるだけでなく
戦闘能力も馬鹿みたいに高い。

「学習してないなラビット。相変わらず直情的で思考が短絡。果てしなく愚かで・・・それゆえ命を落とす」

分析能力も冷静だが、この真戸さんの台詞で
ああ、そうかトーカちゃんはそういう存在だったんだなとこっちが学習。
1.2巻と、どこか物足りなく愛嬌もなかった彼女のコンセプトは、つまりはこれだったんだな。
なんか上から目線のツンデレ台詞が多いから、つい勘違いしてしまっていた。
まるで野生の動物宛らに、身の危険を及ぼすものを切り裂いて生き抜いてきた
そういう文化的動物とはまた一線を画した存在だったんだろう。


そして、ここでのトーカちゃんと真戸さんのやり取りがまた、絶望的に対極的で
見事な論戦だった。

「一体貴様らは何故罪を犯してまで行きながら得ようとする?」

合わせて、カネキと亜門さんのバトル中のやり取りも並行で描かれ
より深みを増してくる。

「己の欲望のままに喰らう。残された者の気持ち、悲しみ、お前たちはそれを想像したことがあるか」

そもそも人間(捜査官)だって食物を摂取しなければ生きていけない動物なのに
そこに至らず、そこを見事に意識していない盲目差が残酷だ。
故に糾弾してくる言葉が非常に重たい。
それってつまり、人は食べ物に対し、命というものを意識してないってことである。

どこに彼らが殺される理由があったと、感情移入して涙を流す亜門さんの勝手な絶望は
まるで身勝手な論理のように聞こえながら、でも、多くの漫画やドラマで描かれてきた
普通のロジックであるという、この面白い矛盾はいっそ、他漫画への皮肉にすら思えた。


この矛盾を真っ向から突き付けられたカネキくん。
矛盾だと気付けるのは、つまり自分が元人間だったからで
つまりは気付けるのは自分だけなんだと、己の役割に気付く。

そのシーンがもう衝撃的で・・・!
なんかこっちまでぐわーってきた。
人は誰かに肯定され理解されることで自己肯定感を掴んでいく。
ここまで自分を否定し続けて迷ってきたカネキが何か糸口を掴んだ感じは
生きていくそのものに思えて、そうか、全てはこのための伏線だったのかと思えたほど。

異生物と人間との融合で中間に立たされてしまった人物が主人公となり
物語の核を成すというのは、定石なわけで、そこに目新しさは感じないが
ここまで「何故」という個人と集合の問いを散々に突き付けてきたから、
カネキくんの行きついた結論というか光明の限界は、存在意義として、ガツンと感じられた。


だから、ここで負けてしまう訳にはいかない。

「せめて戦っている瞬間は、身体の中の喰種を受け容れるしかない」

そうして食欲を受け容れることで、獣のような闘争本能が解放される。
なんかそういう内なる潜在能力の開花に説得力があり過ぎて、いっそコワイ。
その食欲の暴走に止まらなくなり、自己制御できなくなるカネキ。
これも分かる。人って腹が減ると、どうにもならなくなるもんな・・・・。

答えを少し見つけ出したからこそ、ここで人殺しになるわけにもいかない訳で
必死に制御不能な力に抗う感じは少年漫画の初期王道って感じ。


そこで、トーカ戦の方で合わせてヒナミに言わせる言葉がまた、切なさを助長させてくる。

「わたしも、考えたんだ・・・このひとに仕返しすればこのモヤモヤも消えてくれるのかなって・・・
 でも違った・・・復讐なんてどうでもよかった・・・・わたし、かなしいだけなの
 おとうさんとおかあさんにあいたくて・・・かなしいだけだった・・・」

それはまるで、捜査官の理念への問いでもあるようで
彼らもまた喰種を狩るだけで平和は護れるのかと突き付けたようにも見えた。


このカネキとヒナミのそのそれぞれの結論が、この無残な戦いの中で導かれていって
ものすごいインパクトありました。

そして、真戸さん、戦死。
うわあぁぁぁぁ・・・・・・。

それに号泣する亜門さん。
うおおぅぅぅぅ・・・・・。

また一つ、ここに消えない憎悪を生んでしまっただけのようにも見える絶望的な展開の中
カネキとヒナミが訴えた答えは決して真戸さんにも亜門さんにも届かなかったけど
最後の強かな光のように思わせられる。
そうしてぶつかるだけの不器用な戦いが、なんとも痛い余韻である・・・。


・・・その余韻のままに描かれた、真戸&亜門の出会い編!!
これ反則でしょっっ。
余韻を更に抉ってきて、かなりしんどい。

新人の亜門くんにプロとしての知識を叩き込んだ真戸さん。
真戸さん、良い人じゃないか・・・・。それこそ、ただ正義を貫こうとしただけの普通の人間じゃないか。
亜門さんも、尊敬していた人を失ってまで、何故正義を貫くのかという哲学をこれから課せられる。
重たい・・・みんなが重たい・・・・。


こういうの、割と好みである。
こういうどうしようもない現実にもがき、だが打ちのめされ、そこから答えを導き出していく物語
かなり好きである。
しっかりとした展開をしてくれたので、この先ももう少し読み進めて行こうと言う気にさせられた。
でもこれ・・・・答えなんか出せないよな。
生物倫理に、捕食に上も下もあるか。喰うか喰われるかの命を賭けたサバイバルだろう。
多大な期待をして、安易な理想論で流されて終わってしまっては非常に裏切られた気になりそうだ。
どうしようかな・・・。


あ、興味深かったのは使用武器の特性。
「クインケは喰種の赫子から作るものだからなァァ」

これ、面白いアイディアだ。
なんか、とことん辛いネタを突きつめるのが上手い漫画だ。
弔いの意味の対極にある、死者への冒涜とも取れるその具現化が、武器にされてしまう、この不条理。
死者を冒涜しているのはむしろお前らだろうと見せ付けてくるかのような、精神的圧力が
凄まじい武器だ。

ってか、どういう原理で赫子だけ取り出せるんだ・・・。


唯一難点を挙げるとしたら、漫画技巧が独特で、それになれていないせいか
少し唐突感を感じてしまうところだ。
キャラの感情が丁寧に誘導されていく感じじゃないため、ああ、そうだったのね、と後で納得していく感じである。
どうせなら、キャラクターと一緒にシンクロして状況の緊張感とか世の無情感とかを感じていく骨格の方が
私は好きだし、テーマの奥行きも出ると思うのですが、どうだろう。

感受性が薄いのはキャラクターにも言えて
実はあまり萌えというか、入れ込みたいキャラが居ないことも難点。
今の時点でカネキやトーカちゃんの他の日常だとか、こうなってほしい妄想とか
こちらの空想を掻き立てられない。
もっと色んな顔が見たいという基本的な興味がキャラクターには湧かないところが勿体なくもある。

これはもう少し漫画の描き方として、なんか工夫があっても良さそうなところだよなと思う。
単なる個人的な好みというだけではない部分の課題だと思う。
表情や仕草、ちょっとした書き込みなんかで、色々付与できるファクターだと思うのですが、どうだろう。

その他、背景などはしっかりと描き込まれているし、勢いも感じられるし
そういう意味では期待大な印象でした。
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2016*06*26(Sun)
東京喰種 第2巻 感想
展開がトロイッッ!2巻を丸々使っても話がなんも進まない。
だが、描かれた非日常に変わっていく苦しみや外側から見る人間考察が、なんとも言えない余韻を残す第2巻。
何がすごいって、突如奪われた日常の稀有さを乞う視点がとても美しくささやかで
人間の何が幸せかを問い直させるから、言葉もない。

あんていくで働き始めたカネキくん。
人間社会に馴染む練習として、まず食事の仕方をお勉強。
サンドウィッチを一口大に齧り、味わう前に呑み込んでしまう。
咀嚼の演技をして、消化が始まる前に吐きだす。

そこまでするのか、と確かに私も思った。
でも、それが何のためなのかと考えると、別に、自分を普通に見せるための努力ではなく
友人たちと気の置けない時間を再び取り戻すためのツールであることに気付く。

自己保身だけを考えてたら、丸呑みして吐き出すとか、胃に悪いよとか、どうでも良いこと考えちゃう。
ただ、食事って、確かに栄養補給の意味合いだけじゃない。
誰かと共に行うことで幸せだとか協調だとかが、生まれるんだなとか気付くと
カネキくんが必死に食べる練習をする背中はとても切ない。

だけど繋がろうとする直向きさが美しくて、この漫画はそういう心理描写がとことん上手い。
前回、カネキに幸福はないのか、ということを書きましたが
正に、幸福を自力で求める人間の美しさだと思う。
異生物交流という意味で、この世界の巨頭『寄生獣』が挙げられるが
生活する上でのリアルな揺らぎや苦悩は、俄然こちらが上。
そりゃそうだ、カネキは生活から奪われたんだからな。

『寄生獣』は確かに異生物との共存に会話させることで議論させ、見事な結末を見せてくれたが
こちらは恨みや妬みと言った、人間感情が渦巻き、負荷の高いテイストに仕上がっていて
人間観察というよりは、社会に生きる人間側の視点っていうのを逆説的に描いているような気がする。

正直、ストーリー自体にはまだ然程魅力はなく、面白い話でもない。
ただ、時折組み込まれる、人間への愛着や社会への直向きさが、実に良いスパイスであって
グッとくるんだよな~。
今後、どういうテーマで進めるのかで、面白くなりそうだと思わせられる。


今回は食糧調達という側面に沿って話が進んでいく。
食糧調達=殺人な訳で
狩れない親子と、人間側の追手(捜査官)が登場。

二極化して描かれるので、世界観は深くなった。

まず食糧調達で、自殺者を頂くシーンは、なるほどと思った。
自分で殺さなくて済むし、社会システムに於ける失踪の手間も省けるし。
両手を合わせてお悔み申し上げてから拝借するシーンに
なんだか、人間が他の動植物を食べて生きる様子と、なんら変わりない気がした。
人間だって豚だの牛だの、殺して喰うし。
「いただきます」って、そういう意味の挨拶だし。

生かしてもらうファクターが人間だっていうだけなんですよね。でもそこが大問題。

サンドウィッチに対するカネキくんの表現とか、やっぱちょっと独特なのねって笑ったけど
人間だって、腐った肉は喰わん。


一方捜査官。
「倫理で悪は潰せません」という台詞が、いかにもこの漫画ならではの言葉だ。
人間が人間を喰うのも倫理的な問題がネックなわけだし
捜査側としても、人間を生死問わず捕えなきゃならないわけだし。

食べるものが違うだけで同じ生き物、だなんて理想論を述べられたって
人殺しされる以上、野放しにされることは社会不安を巻き起こす。
成敗してくれなきゃ困る。

中々に面白い展開。
この辺の命題を紺ん後掘り下げていってくれることを期待。


前巻では、喰種の方が、殺人マスターのような危険認識が強かったですけど
カネキがこちらで生きる決意をしたこともあって、2巻は喰種の視点で物語は進む。
だから、彼らの存在が出てきたことで今度はどれだけ喰種が社会的弱者であるかを訴えているわけですが
馴染もうとして、でも馴染めないカネキの姿は
変わろうとして変われない難しさでもあって、彼への感情移入は高いです。

人間と同じ生活、学校だとか食事だとか、関わりと持とうとするほどにリスキーであることも
切迫感が伝わって、その果てに、母親が殺される展開はちょっと悲劇的。
あんなに能力も力も高く、食物連鎖の頂点的な存在だったのに、社会という制限の中では
弱いんだなぁ。

その果てに、トーカちゃんが捜査官の首を跳ねる仇打ち。
なんかもう一気にギスギスした重さがクライマックス。
相容れるわけがないという現状が、当然とも思うし、どちらへの味方もできない。

だからこそ、戦わなければならないという結論へ向かいそうなラストは
融合しようとしながら相対するカネキや喰種の哀しさが出ていて
この漫画のそういうところが気に入ってます。
もうちょっと読んでみてもいい。


ってだから、それだけの内容で2巻を終わらせる展開の遅さだけが気に掛かる。
そりゃ10巻越えもするだろう。

悲惨な展開はいっそグロさを忘れるほどで、そういえば、ヒナミちゃんが食事しているシーンなんか
ちょっとグロすぎなんだが、割と慣れてきた。
でも皿に指が乗ってる・・・・そこは調理しようよ・・・・爪ごと喰うんだろうか・・・。


一方、ヒス女なだけだったトーカちゃんが、だんだん本性が透けてきて、感情が見えてきた。
仲間を殺されて悔しがるままに捜査官に奇襲をかけて敗れるシーンは
まるで思春期の若者が社会に踠く姿と重なる。
上から目線で、下や部外者を蔑む意味も、威嚇と怯えの表れだと思うと
なんだかちょっと可愛くもある。

今後、カネキくんがどんどん少年漫画並みに成長を遂げ、頼れる男になったら
トーカちゃんがツンデレ風味で甘えて認めるとかになると
めっちゃ可愛いじゃなかった、イイコンビになるかもしれない。

ただやはり少しキャラクターが弱いというか、平たいというか、なんか魅力足りない気がする。

その他で気が付いたことは
この作者さんって、影の描き方がちょっと独特で、目を引いた。
トーンを使ってもやもやと描くのは、なんだか雰囲気に合ってて、ホラーなテイスト。
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2016*06*05(Sun)
3×3EYES 幻獣の森の遭難者 第3巻 感想
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やーっと三只眼が出てきたぁぁ~と思ったらカーリーに全て持っていかれました!
なんって可愛いんだ!
寄ると触るとぎゃあぎゃあ弾く狂犬みたいだった子が乙女に成長してる!
あまりの可愛さに、超主役の三只眼が霞んでたよ・・・。あんなに焦らして待機してたのに。


カーリー。
第一期では実はそんな好きになれなかったキャラでした。
彼女なりの思う所はあるんだろうし、ある意味棘棘しくて強烈ではあったのだが
なーんかすぐ破壊衝動に出るところがイラッとくるとか。
ストーリー的にはオイシかったんでしょうけど。
何分、描き切れていなかったというか、彼女の心の深さを堪能するまでには至らなかった。

それよりもカーリーが出てきたころの一期本編って、もっと世紀末風の荒廃した背景がどす黒く
打つ手なしと追い込まれた八雲くんの方に集中しちゃってて
別段意識してなかったというか、呑まれていたというか。

もっと、八雲くんに心開くような展開とか、彼女なりの共闘意識とか
そういう常識的な価値観の上での擦れ違いとか、深みを込めた展開があったら別だったんだろう。
あの頃のカーリーって生まれたばかりの教育水準の低い赤子で
それ以上でも以下でもなく終わってしまったという感じ。

その希薄さをカバーしようと、自己主張しているかのように本人もただ何でも怒り狂って破壊しまくるので
感情的な面で共感というより、ほんと迷惑キャラで・・・(笑)

ただ、鬼眼王のために造られ、ただ彼を想い焦がれ、まるで恋してたかのような盲目さで
最終的にサンハーラの中で彼と融合したのは
ある意味彼女にはハッピィエンド?と思えて、結末としては気に入っていた方。


ところがところが。

時は流れ、12年後、そんな小娘がまさかまさかに、ここまで可愛い乙女に成長してようとは!!
二期で登場した時も、八雲くんが溜息ついてたから、あのまんまか!と思ってたのに
いつの間に!
ベナレス!何をした!ベタぼれじゃないかvvv

一端の思考能力も備わり、これなら共感も出来そう。
ベナレスを自分のために呼ぶことに堪えるシーンなんて、可愛すぎてグリグリしたくなったよ!


それに、気のせいか作者さんも一番気合い入れて描いていないか?

なんか一番可愛く見えるんだが。
棘棘した性格のままにピンピン跳ねてた剛毛っぽい髪形も、今となっては可愛さでしかないv

パイちゃんより可愛い。
なんかパイちゃんは目と目が離れすぎな気がして、顔がのっぺり見えるから
いじらしい仕草も萌え度半減。
八雲くんはオヤジみたいだし・・・。顔が伸びた感じ・・・・?それにもっと糸目でいい・・・。


絵柄も変わってて、このシリーズはぶっちゃけ全体的にそれほど可愛くないので、ちょっと微妙である。
綺麗な絵なんですけどね。
とても丁寧に描き込まれているのも好感持てるのですが。

その分、キャラの内面が事細かに人情的に描かれているので、プラマイゼロって感じです。

けどカーリー、めっちゃ可愛く描かれてるぞ!!
なんでだ!

衣装のセンスだが目下の悩みどころである。
前巻で「なんだその服」と八雲くんに突っ込ませていたところからしても、わざとなんだろうが。

前巻から、舞鬼の心理描写といい、この第二シリーズは旧キャラを更に掘り下げているのが特徴的に見えます。
しかも、そのセンスがとても可愛い系なので、読んでいてニマニマしてしまう。
大作と呼ばれた前シリーズを、キャラを発展させることで広げる手法で来たということか。
中々センスが光るところだ。


ハーンの「俺は藤井に命を賭けている」

かーっこいい!
彼の八雲くんに対するスタンスは凄く好きで、ブレてないところもおいしーv

それにずっきゅーんとスーパー乙女星人になっちゃう葉子ちん。
そうだよね~たしかハーンにハートを打ち抜かれたのが
粉々になった八雲くんを見つけた時だって番外編で言ってましたもんね。

八雲くんが大好きなハーンが好きっていう恋の形、すごく気に入ってます。
そういうのもあって良いと思う。


セっちゃんはベナレスを間近に見て、怖くなって戦えないって泣き出して。

「無理・・・セツには出来ない・・・怖い・・・」

ここも可愛かった。
小さな子だからまだ戦うこと、巻き込まれている己の育った環境などの意味が
ここまで大事になっていることの補足説明にもなっていたし、葉子ちゃんとハーンの夫婦喧嘩も
きちんと意味あるものになってて、良かった。

セっちゃんが戦えるかという過酷な決断ネタで、ここまで持って来られると
もう前作ファンとしてはごちそうさまとしか言えない(大満足)


ただ、そんな横軸が豪華な分、メインキャラ、八雲くんとパイちゃんの変化は乏しく
まだ然程、二人の絆な部分も見えない。
これからってところでしょうか。

三只眼。
やーっと出てきた舞台は、まあまあのドラマ性でしたが、それでも、もう少しなんか・・・特別感が欲しかったなぁ。
みちるが戦う決意をして、それに合わせて出てきた様子で
周りにとっては初めて見る人なんだから、その変化とか衝撃とか、特別感をもっとページ割いて描いて欲しかった。
台詞とかももっと増やして・・・。

私のカタルシスも低いよ・・・。

ま、すべてカーリーに持っていかれたんですけどね!



そうして、最終的にカーリーの危機で无であるベナレスがついに登場!
ほぼ、それがこの巻のメインでした~。

ベナレスを滅多なことでは呼びたくない意地っ張りさん。
でも窮地に追い込まれて、まずは自分から「ベナレスを呼ぶぞ!」

ここから分かるのは、そうか~なんか天に呼んだら舞い降りてきてくれんのか?
なんだそのロボットアニメのような設定。
ちょっと燃える。


んで、ベナレスに
「お前を護るためならば地獄へ落ちるも厭わぬ!」
なーんて言われてまっかっか/////

かーわーいーvvv
もうこのシーンだけで大満足でした。



ストーリー的にはまあまあのテンポ。
ぶっちゃけ、面白くなくはない。
一期を知っている人間としては、いつ挽回するかという期待と共に、八雲くんの欠けた部分が不安定要素となって
今後に興味を抱かせる。

また、ついにベナレスと再会した八雲くんと、その会話とか、バトルとかは
異常に燃えたーっっ。
かーぁぁっけぇぇぇ!!!!
やーっぱ、こうこなくっちゃねぇ。

ゲゲネイスで歯が立たない相手に、身体の小ささを物ともせず
見開きで正面衝突!
獣魔合戦だった一期と違って、少しシールドを使いながらの接近戦は
勢いもあるし、焼けつくようで、熱かった。

ガンガン攻めてる感じがたまんなかった。
(その横で応援しているカーリーがまた可愛くてくっそたまらん//////)

スピード感とか、バトルセンスとか、やっぱりこの作者さん、上手い。
凄く迫力あって、かつての大戦を彷彿とさせなければならないだけのスケールもあって
ここも大満足。

それに、ベナレスの台詞が、やっぱり八雲くんにだけは昔馴染みの慣れがあって
そこもニヤリ。
そうそう、ひょっとこ出のゲゲネイスなんか目じゃないっての!


でもねぇ・・・・。
ぶっちゃけ、これを新規として見ると、そこまで面白いかなぁ?
客観視すると大分疑問が残るのも、残念ながら事実だ。

さっきも言ったように、旧キャラを発展させて深みを出している面白さがある一方
主役級と、新キャラには然程魅力が備わっておらず
ゲゲネイスがベナレスを担ぎ出したまではいいんだが
「そして、アンタの配下、新しい九頭龍将にノルマルテを使え!」とか言われても。

別にこっちはそこまで衝撃はない。ってか、どうでもいい。


新キャラとしては、みちるはまあまあ可愛いからいいんですけど
ノルマルテとか、あまり魅力なくて、むしろ流し読みで良いキャラな気がして
ストーリーに入り込めないんだが。
私だけだろうか。


そもそも、最初に言ったけど
新シリーズをまだベナレスで引っ張るの?って辺りも、そろそろお腹いっぱいなので
出来れば新たな敵を出してほしかったところなのに。

ベナレスには、もう八雲と戦うつもりはない、くらいの潔さで敗北を勲章のように抱き
一歩引いた中立層として存在してほしかった。

カーリーの存在が今後なんらかの副作用になってくるとしたら、面白い。
例えば、旧鬼眼王は破壊神であったけど、恋したカーリーは存在意義を別な所に求めそう。
そんなカーリーに従うことで、心が変わっていく・・・とか。

ちょっと乙女チックすぎですかね。(まあ、言ってみたかった)


三只眼の非凡さもあまり出ていないことも、このシリーズの目的ってなんだろうとか思う。
最終的な狙いは、八雲くんの完全復活への軌跡だと思うんだが
それをベナレスとの戦いをクッションとして導くのだとしても
脇役がここまで魅力感じないと、クライマックスが盛り上がらない・・・。

ん~、今後、もうひと筆、なんらかの起爆剤を期待したいところである。


*:*:*:*

番外編が二つ付いてた。
お得感満載。

特にバイキングの同窓会の話は良い。
夏子とか懐かしのキャラとの成長の比較とかは、正にこの漫画の根幹でもあるから
時が流れる程に開く差が、八雲くんの悲哀を露わしていて
そうだよ、昔はこんな孤独と葛藤もあったんだよな~とか思い出した。

ちょっとしんみりして、でもほんのり温かい良品だった。



※時間切れでラクガキ。
カーリーが乙女になっていたので。こういう元気娘は大好き。
あの服、ベナレスの趣味とかだったらどうしようvvv
もっと可愛い格好をさせてツンデレするベナレスとか見たいような見たくないような。

後日ちゃんとペン入れして仕上げたいです。こっそり変えておきます~。
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2016*03*28(Mon)
東京喰種 第1巻 感想
うわー!うわー!切ねぇー!胸が抉られるようだよ!あまりの残酷さに絶叫したよ!!

「自分を傷つけることすら出来ず、この世ならざる飢えに苛まれながらもその満たし方が分からない。
 でももう他にどうしろっていうんだよ」
主人公・カネキが絶望に叫ぶシーンがもう凄まじい崩壊度で、もうすんげえ衝撃でした!
なんちゅーネガティブ設定の漫画なんだ!!突っ伏したよ!!


というわけで!
デビュー第二弾はまたしてもグロ系漫画『東京喰種』です。アニメ未視聴。
描いているテーマ性が面白いので手を出したのだが
別にグロ系に目覚めた訳ではないので念のため。


『東京喰種』
週刊ヤングジャンプにて2011年41号~2014年42号まで連載。第1部全143話。
石田スイ著



とうきょうぐーると読むらしい。
東京を舞台に、人の姿をとる人肉を喰うことで生きる喰種(グール)との異生物交流物語。(交流か?)
大学生のカネキが喰種に襲われ瀕死となって、だけど直後起こった鉄骨の落下事故により偶然捕食を免れる。
しかし搬送された病院で、喰種の臓器を移植されたことで、半喰種となってしまったというところから
物語は始まる。
恐ろしい・・・。

ここでつい、臓器移植の意思確認の課題とか生命倫理とか、すげえ余計なことを考えた。
だが、そこを突っ込んではいけない。たぶん。
ってか、そこはど~でもいいのだ。


それ以来、カネキは人間でもない、喰種でもない、孤独への苦悩と新生喰種との恐怖に満ちた日々が始まる。
・・・・という物語。たぶん。

一巻では、カネキが変わってしまった自分を受け入れられないで足掻く姿と
ついに、なんとか生きていく方法を模索し始める教習所スペース・喫茶店へ向かうところまでが描かれた。


物語自体に目新しい展開はない。
まだ常に受け身で起きている状況が分からず、ただただ堕ちてしまった肉体に
精神だけが元のままと言うそのギャップに、本人がひたすら苦しむ流れである。

が、何がすごいって、その、ある日突然自分自身の本質を失ってしまった人間の
凄まじいまでの苦悩と葛藤だった。
アイディンティティの崩壊とか、そんなレベルじゃない。
更に、異形の者という非現実を、人間であるなら誰もが身に覚えのある空腹感情と合わせて描くから
読み手へ受けるダメージやリアル感がハンパない。
痛烈に自分自身の飢餓感に訴えてくるのが実に面白いアイディアだった。

とにかく読んでいると、ひたすらお腹が空いてくる漫画である。
なんか喰いたくなる・・・いや、ヒトは喰わんけど。


また、こう言っちゃ何だが、決して漫画的技巧も卓越している方とは思えなかった。
絵も所々良く分からない部分があるし
戦闘シーンなどの描写はスピード感はあるけど、どう凄いのか誤魔化されている気がするし。
キャラクターの顔もなんだか喜怒哀楽がみんな同じに見えて
しかも、一番重要である筈の主人公・カネキに、絵柄的魅力がないぞ。どういうことだ。

1巻に於いてはカネキの最大キーマンとなる友人・ヒデにも、それほど魅力ないんですよね・・・。
これは私だけかもしれないけど
ヒデにはもっと、護ってやりたい要素か、縋ってみたい要素のどちらかが付与してないと
カネキとの相関図に、なんら燃えないんですよね。(それこそ萌えもないわけで)

ビジュアルの致命的さは、割とデカイ。


女性キャラは顔は可愛いんだけど、やっぱり所々崩れている気がするし
何より、恐らくヒロインなのであろう、トーカちゃんの性格構成が中途半端。

ビルの屋上にマント羽織って登場とか、色々カッコイイ要素もあって
ぶっちゃけ主人公より好きになれそうなのに
何故彼女が、ツンツンしているのかが分からない。
いえ、分かるんですけど、その理由付けが甘い。

異なる種族である人間に「化け物」扱いされ、日影を歩いて生きてきた彼女が
昨日今日、その苦しみを知っただけで泣き叫ぶカネキに対し、イラッとくるのも分かる。
カネキがまた、異形の状態を「最悪だ」と嘆くから
カネキがその存在を嘆くこと=喰種の尊厳否定、つまりトーカの否定になるわけで
ここの相容れぬ設定がすごく重たい。

トーカの前でカネキを泣かせた展開は面白い。
言うなれば、その摩擦がこの漫画の最大のテーマになるんだとも思えるから
とても重要シーンなんですけど
読者としては、ここまでカネキ目線で物語が進められ、カネキに感情移入してて、同情している訳なので
なんか意識がチグハグだった。

臓器を移植されてから最悪だと泣くカネキの、余りの哀れさに、胸を詰まらせているのに
トーカに拒否られてもなぁ。
それに、そこまで怒るかな・・・と。
なんていうか、こんなこと、今更な訳でしょ、彼女たちにとっては。
なのに、何でそれを指摘されたからって、今ここで、カネキにこんな怒鳴りつけるのか?

その辺の説明が曖昧で、トーカの壮絶な過去とかあるんだろうなとは思わせられるものの
この時点では単なるヒス女だった。
しかもカネキは土下座までして「助けてください」って言ってんのに。
まあ、言っていることが、尊厳否定なわけで、言われる程に苦しいんだろうけども。

むしろ、カネキに彼女を傷つけた?ってことをハッとさせるような描写にして
彼女の怒りは治めていた方が、ここはどちらも追い詰められ感が出た気がする。


つまり、各キャラの性格設定も、良いんですけど、弱い印象を抱くんですよ。
確かに、徐々に見えてくるカネキもトーカちゃんも、細かなキャラ設定が繊細で
例えば、我先に幾タイプではないとか、むかついたけど、見捨てられない情深さとか。
ヒデの大雑把でアホな感じの裏で見せる鋭い視点や優しさは
ノーマルな人間としての中立的立場として、カネキの最後の一線となりそうだ。

ただ、変わってしまったことで捨てなければならない日常の象徴として
ヒデとはもっと密な関係を描いてあっても良かったくらいだと思った。

割とキャラの掘り下げが薄い漫画である。
それが、漫画としての濃度を下げているかというと、そうでもないんですけど
ただ、1巻まるまる読ませてキャラクター個人にに魅力を抱かせないっていうのは、やっぱどうなのかと・・・。



でもでもでも!
そんなキャラの薄さを補って余りあって、お釣りまできちゃうくらい凄かったのが
上記した、カネキの強いられた状態だ。
ページを割かれて濃密に描かれていて、とにかく飢えて飢えて飢えていく過程が壮絶。
その描写がものっっすごかった!!

カネキが絶望に叫ぶまでのシーンがもう違和感を覚え始める所から繊細に紡がれていって
肉体の変化への恐怖が、飢餓感を添えて描かれるこの切迫感。
それを越えて、精神的にも徐々に追い詰められていって
大体人間って、空腹だとロクなこと考えないし、思考も鈍るし。

自分にとってのチーズ、つまり人肉以外で空腹を満たされるものを探して
朦朧と彷徨い、或いは貪欲に野生動物のような浅ましさを見せる。
その辺の足掻きも、生々しくて、引き込まれる。

そんなプレッシャーというかメンタル的負荷を掛けられた状態を引っ張って引っ張って・・・・
遂に訪れた、限界の時。
号泣するクライマックスがもう凄まじい崩壊度で、もうすんげえ衝撃でした!
すげえぇぇぇ。

お腹が空いて、自分のために生きることは、誰かを殺すこと。
何気なく繰り返しているその捕食行動は、ターゲットが人間にすり替わった時に意味も変色する。

「でももう他にどうしろっていうんだよ」

人のために、自分が死ねというのか。そんな博愛に何の価値があるのか。
もう痛すぎる!!

ってゆーかもう臓器を移植されちゃってるから、元に戻すとか出来ないその時を戻せない負荷っていうのが
前回読んだ『寄生獣』より強烈だ。
孤独感も強く、どっちにも属せない寂寥感もハンパなく、上手い~とただただ感嘆。

そこから逃れる唯一の方法が
倫理的に禁忌な、人肉を喰うっていうことだけという、もう何とも絶望的なセッティング。
容赦ねえ!凄すぎる・・・!


それだけでお腹いっぱいで、多少キャラが薄くたって他は今はいいやという気にさせられた。
そういえば、ぐちゃぐちゃの死体とか、頭切断とか、腕ボトリとか、あったね・・・。
でもそんなグロ描写すら些細なことにされちゃうくらいの、凄まじい絶望感だった。

意にそぐわず変えられてしまったことって、憎悪のぶつけどころもないのって
こういうものかもしれない。
思えば臓器移植だって、誰かの悪意で与えられたものではなかった。
医者が善意で、目の前の患者として、カネキを救ってくれただけなのに
その恩恵も有り難く受け取れない自分自身への否定もあるかもしれない。


ここまで刹那的に心理描写にページを割いてくれたなら、その他の不足分なんってホントどうでも良くなる。

面白いのは、作者さんの社会を見る総合的な世界観が、孤高という人間の孤独なのだろうか。
カネキの思考回路が、ひたすら圧力を感じるもので、しかもそれを発散しないものなので
読んでいくだけでこちらも追い詰められる。
その丁寧な視点に、ノックアウト致しました。
見事でした。

感動したので、もう少し先を読み進めてみたいです。


ってか、カネキに救いはないのか・・・。
誰だってヒト食べるのは嫌に決まっている。
だが、そんなお行儀のよい貞操を護っている限り、彼は自分が死んでしまうのである。

生きるためには、相手をどこまで凌辱して良いのか。
暗く、闇に覆われた世界観ながら、何とも派手な命題を突き付けられたような気がする。
これは戦時中か。
だから、なんって設定を思い付くんだ・・・・。あぁあぁぁぁ~・・・・(バタリ)
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2016*01*07(Thu)
3×3EYES 幻獣の森の遭難者2巻 感想
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三只眼持ち越し・・・ッ!ここにきて未だ焦らされるとは・・・っ、くぅぅ。

しかし大満足の2巻でした。
中身が濃くって、しかも、おまけページで楽しませてくれた挙句、裏表紙まであるよ!
サービス満点だよ!

物語も、キャラクターが意志を持って具体的に動き出すことでバラエティに掘り下げられ
どうなっていくか読み難くなっていて、色どりが豊かになってきました。
好き勝手に動いていくから、ハラハラするし、イライラもするw
話の筋をぶち壊すような自由な動きをさせるから、読者は引き込まれる訳で。

メインキャラ以外も愛すべき理由のある可愛さで、読んでて無駄がなかったです。
性格などが様々に設定されていて、揺れたり泣いたり、みんな鮮やか。
例えば、ストーリーには関係ないちょっとした台詞が添えられていて
それが、一々可愛いんだよ!

こういう微細に凝った漫画は少ないので、貴重です~。


今回は女の子ズが大活躍の巻でした。

まずます、乙女モードに入っちゃった葉子ちゃんは、今回これでもかって程可愛かったです。
ハーンに悪意がないことを分かっていて、方針の違いから大喧嘩。
「妖魔の相手なら・・・その・・・私のような化け物にお任せください」

拗ねちゃって。

乙女モード全開のいじらしさ。
そういうところが、キャラクターの深みとなっていて、味がありますよね~。
チームワークという意味でも、少し不穏な空気感が出て、だけど、決戦となれば団結するわけでしょ。
燃えるな。


それを受けての、セッちゃん。
番外編で初登場したときには、ハーンにべったりの可愛い幼子だっただけなのに
何この可愛さ!!

「セツはね!ベナレス直属の部下だった化蛇と、世界を救った術士ハズラット・ハーンの娘なんだから!」

涙目でそれ言うか!
捏ねくり回したい可愛さだ。

ちょっと自我が強くなって、しっかり者なんだけど泣き虫っていう設定が、はっきりしてきてました。

しかも、どっちの趣味なんだか、服装がどこのギャルかというくらいのぶりぶりチョイス。
メインのミチルちゃんやパイもそうですが
女の子の服装もちゃんと凝ってあって、細かく描き込んであるのがツボを擽ってくるんだよ~~~。

変なのはとことん変な風に強調してくるし。
感嘆しちゃう発想で、くらっくらです。葉子ちんのボーイッシュなシンプルさとか
言葉もないカーリーの格好とか。



そのカーリーv
こいつも、もうどうしてくれよう。
馬鹿は馬鹿なんだけど、前より可愛い気がする。
以前は出てくるとイラッとさせられる棘棘しいだけのキャラだったけど
なんていうか邪気が薄い?

困ったちゃんぶりは舞鬼といい勝負。


力は膨大だから、暴れると世界が壊れる勢いな女の子ですが
まだその立ち位置が少しイーブンで、相関図としてはまだ分からない感じでした。
でも、最終的に八雲くんがベナレスと対峙するなら、カーリーと戦うって構図になるの?

まあ、そんな単純な話にはしてこないでしょうが
現時点で、物語の緊張感はベナレスが出てくるかどうか?という部分で引っ張っている話なので
カーリーを凌ぐ敵が出て来ないと、話は番外編レベルに萎みそうな恐怖。

カーリーにも何かしらの心理変化を期待したくなりました。


八雲くんが会いたくないな~会いたくないな~って言ってて、バッタリ会っちゃう感じとか
笑った笑った。

「おー!藤井!いいとこにきた!」
「いいとこじゃないだろ!なんでオマエ来たんだよこんな所に。なんだよそのカッコ」
「氷柱に道を塞がれちゃってさ。なんとかしろよ」
「ひとの話を聞けよ。言っとくけど俺はお前の无じゃないからな」


↑この会話最高だったv
いいな、八雲とカーリーコンビ。いいタッグを作れそう、前より。
前はカーリーが尖りすぎてて、会話から手の付けようがなかったからな~。



そしてそして舞鬼!vv

ここだよここっっ!!!今回の功労賞はここでしょう!!
今回は最っっ高級に可愛かったです・・・!

前シリーズの曖昧な距離感を作っちゃったあの伏線受けて、こんな風に繋がってくるとはーっ!


以前はここまでの舞鬼の恋心の強い想いは感じなかったので
ひょっとしたら再会した後に、パイと仲良くなったことで、消化されちゃったのかな~とか思っていたので
ちょっと嬉しい。

あの時、いっちばん支えだったママを失って、ぼろぼろ泣く八雲くんがすっごく可愛かったので
割と大好きなシーンだったです。
そこにパイが居ないっていうのも、逆に良かった。

で!

その過去を踏まえての、この流れ!
ウコバクの野望の根拠が、ツマラナイから、という単純勝手なものであったことが判明し
それに対して舞鬼がキレた時の魂の叫びっっ。

「なめんなよ、九頭龍将からムシケラに落とされたアタシに分からいでか!
 だけどムシケラにも矜持はある!
 こんなアタシでも弱味を見せて泣いて縋ってくれた奴がいた!
 こんなアタシでも必要としてくれた!
 この喜びを見失ってたまるか!!

んもぉぉ!!!サイコー!
拳固めて絶叫で力説している感じが!

あ~そうだった、そうだった。
舞鬼は、任務?を失敗した時に、手酷く捨てられたんですよね。
その時、プライドもずたずたになるほどの辱めまで受けて。

思えばそこから救われ、這い上がってきた子なので
多少の、やんちゃは可愛いもんか?いやでも、微妙かw
また今回ここで列を乱すようなことするから、説得力はないと捕えられるかもしれませんが
彼女の真意は一つだと思う。

少なくとも、そういう過去を経てきた重みが重鎮となり
人が人に救われる本当の理由というものが、明確でした。

当時はあまり好きになれなかったキャラクターでしたが(比較的)
今回ノックアウトしたよ!超絶可愛いよ!!
女の子だ~~~~。


当時から温めていたネタとは思えませんが、こんな風に過去シリーズを掬いあげてくれる手法は
良いですね~。
ニヤニヤしちゃう以上に、過去シリーズがより傑作に変わっていきます(私の中で)
描き零した破片を回収するような部分も含むシリーズなのかも。


これで、絵が全盛期の頃だったならばぁぁぁ。

もう悔やむとこ、そこしかないよ!!
もう八雲くんの顔がオジサンくさくて(年齢的には合ってたり?)四角く伸びているのが気になっちゃって!
・・・や、すごく丁寧に描かれ、描きこまれていることも素人目にも分かるのですが、ですがぁ!

時々丸みを帯びた可愛さはあれど、葉子ちんだって、もっとこう、幼いいじらしさあったのに・・・っ。
もうこれはこれで割り切るしかないのでしょうが
あの頃の残像が未だ濃く、残念感が拭えません・・・。

今の絵も好きなんですよ~~~。表紙のパイちゃんとか可愛すぎ!



さて、前置きが長くなりましたが、実際のお話はというと
ミチルちゃんの命を救うために、ノルマルテくんは獣魔を融合させたんだけど
自身の命が尽きれば当然ミチルちゃんも死んじゃうから、無限の力を求めていたってことが分かるまででした。

その描き方がもうさいっこーで!!

まず、冒頭、ノルマルテくんの昔話をパイに聞かせるという構成から入り
その回想シーンが、そのままミチルの回想シーンへとリンクし、八雲くんへの説明というシーンにスライド。
すっげえぇぇ!

その流れにちょっと感動した。
面白くて!


面白い繋がりが見えるし、二人の共有している記憶っていのも印象的になってました。
そこで徐々に距離感を縮めていくミチルと八雲くんのシーンもこちょばゆい青春だなv
八雲くんがさ~、おっとこまえ!なリアクション!

ミチルちゃんにおにぎりつくってあげるシーンとか
「すごいね、獣魔の造ったおにぎりね。この優しさも嘘なの?」
「どっちでもいいよ」

きゃーっっ。
なにその顔//////
やっぱり八雲くんは八雲くんだ!!

幻獣の森の遭難者というサブタイトルですが
遭難したのはノルマルテくんのことだったのかな~。



あ~と~は~。
個人的に八雲&ハーンの繋がりは、くぅぅって感じなので
相変わらずの息の合いっぷりに、ニマニマ。
八雲くんの見せ場である獣魔発動シーンは、迫力も勢いもあって、カッコイイ!
今回はガンガンぶっ放してくれて、目にも嬉しい!

カーリーが地下を破壊して、その光術を崩壊させた後、一気に地下まで潜っていくシーンが
一番燃えました。

白黒紙面なのに、眩しくすら見えるv
個人的に土爪と光牙は私の好みなので、その辺が出てくるとテンション上がる。
いずれにしても、八雲くん、かっこ良かった~///////


八雲くんがまだ本調子じゃない部分からスタートした物語なので
厳しい言い方をすると、漫画のイキオイって獣魔合戦の派手さに尽きる。
もっと精神を削るようなギリギリの熱い戦いを繰り広げていた前シリーズと異なり
なんか半分ほどのメンタルもHPも目減りした状態で、煮え切らない感じ。

勿論そこが今回の主題であるのでしょうから、興味を惹かれることですが
ちょっとバトルにも感情面にも、ガツンとしたガッツが足りないのは、否めないですよね~。



その他ゲゲネイスらの企みは、世界がツマラナイからという、何とも単純な身勝手であることも判明。
それが、微妙に八雲くんの感情が希薄だっていう部分とリンクするような不穏さで
この先が非常に楽しみです。

ちょっと敵が雑魚すぎる嫌いはありますし
ラスボスにまだベナレス引っ張るのかよwという部分もあるし
そもそも、結局八雲が勝つのに何をドラマにするの?っていう部分も残るのですが
総合的に、面白い。それに尽きる。

余白一つ無駄にしないエンターテインメント性で、読者を引き込もうとする努力が満載だし
根底に広がる、人の感情と無限の命っていう面白い命題も見え隠れしていて
今後の展開に大いに期待したいです。

裏表紙の4コマ漫画には笑いました~vvv
巻末の4ページにも笑いました~。

巻末の方は、少し本編とリンクしているオフザケで、やっぱり舞鬼が一人乙女入ってるよ・・・v
それぞれの女の子モードが可愛いです/////


※イラスト
今回はもちろん舞鬼でしょう!
めっちゃ女の子だった。
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